血界戦線 短編集   作:實近はづみ

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後日談


なんで信じてくれないんですか! ザップ編

 

 

『本当ですよ、多分。彼女いましたもの』

「え、えぇー。てかさー、それ妹ちゃん的に良いわけ?」

『?なにがですか?』

「だから、そのさー、仮にも兄だし、アイツミシェーラちゃんが結婚するって言って泣いてたし……仲いいじゃん?レオとミシェーラちゃん」

『あぁ、そういう』

「嫌じゃねぇの?」

『いや、とういか、うーん……。私のことでお兄ちゃんが振られるのを見るのは嫌でしたけど』

「……ふぅん」

 

よくわからん。兄妹とはそういうものなのか。いや、このふたりの場合は行き過ぎだと思うが。

 

……まぁ、いいか。論点はそこじゃねぇし。

 

そう結論づけて、じゃ、ありがとなと短く言ってさっさと切る。すると後ろから、どうでした?と声がした。ゆっくり振り返る。あ、多分俺今仏頂面だわ、と思った。

 

「……」

「理解したけど納得してないって顔っすね」

 

なんだよ、わかってんじゃねぇか

 

「あのですね。何を不機嫌になってるか知りませんが、まぁ事実なので受け入れてください」

 

って言うのも変ですがね。と言った。

ザップはぐるぐるしてた。理由はお察しの通り、先日のレオナルドによる「童貞じゃない」発言だ。

あの後シャッフルから生き返ったザップは、童貞じゃないとか強がんなって、と言ったところ、レオナルドから嘘じゃないっすよ、と言われ……まぁ、後はお察しの通りである。まとめると、証人を出さないと信じないと聞き入れなかったのである。主にザップが。

 

(なんか……)

 

うーん、とザップは首をひねる。

別にこいつが童貞じゃないのは、もう、いい。……あ、いや待て。もういいってなんだ、俺。もうって。つーか、良くないかもしれない。なんかもやっとする。

よくわからんが、もやっとする。

 

(……なんだ、これ)

 

ザップはぐっ、と自分の手を握った。

なんでレオが童貞じゃなくてもやもやしてんだ?俺。

うーん、と考える。

レオがごちゃごちゃ言ってるが、それどころではないのだ。

 

(……まず、何がもやもやしてんだ?レオが童貞じゃねぇこと?でもなんでだ?レオが童貞じゃねぇとなにがダメなんだ?アイツも男だったってこったろ?あ、いや男だったっつーか、元から男だったわ。……や、けどたまにアイツ妙に変……つーか、雰囲気?みてぇのがあるときがあるかんなぁ。なんか、なんかなんか。……けどありゃ義眼のせいか?うん。そーだよな。………うーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。)

 

……って結局レオが童貞じゃねぇとからかいの種が減るってことだろ?

 

そーだ!そーにちがいない。

自分で納得したザップは勢いよく立ち上がった。レオがびくっとした。

因みにここ、ネカフェの個室である。

 

「……よし、レオ行くぞ」

「え?どこに?……って!ちょっと待ってくださいよ!」

 

レオが追いかけてくる。けど、リーチの違いでなかなか追いついてこない。

ザップは晴れ晴れとした気持ちになった。

 

(そうだ、そーだよ。からかいの種が減っただけじゃねぇか!なにこんな奴のことで悩んでたんだよ、俺)

 

頭がすっきりとした。気分も良い。今ならレオナルドに昼飯くらいなら奢ってやれる気前もあった。

実際に奢ってやる訳では無いが。

 

(それにしてもコイツが童貞じゃねぇとか、……気に食わねぇ!)

 

その本当の理由をザップレンフロがちゃんと理解するのは大分先になりそうであった…。





終わり。

そんでこのあとザプレオになるんじゃないかな!
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