少女が保護されてから3日程が経った。
少女は順調に回復し、ある程度動くことが出来るようになっていた。
「うん、もう大丈夫そうだね。
でも無理はしないようにね。」
レジスタンスの整備を担当している中年のレプリロイド、セルヴォが少女を診て言う。
「あ、ありがとう…ございます…。」
少女の言葉にセルヴォが笑顔で応える。
「ここには慣れたかい?」
「え…?」
セルヴォの質問に少女がキョトンとする。
「いや、ゼロから聞いたんだが君が目を覚ました時酷く混乱していたらしいじゃないか。
3日経って気持ち的にも落ち着いたかなと思ってね。」
「ゼロ…?」
セルヴォの口から聞き慣れない名前を聞き、首を傾げる。
少女の様子に苦笑いをこぼす。
「ああ、彼は無口だからね。
君が目を覚ました時に金髪のレプリロイドが来ただろう?
彼がゼロだ。」
「あのお兄さんのこと?」
少女の質問にセルヴォは頷く。
「あの時は手の空いていた彼に君達の様子を見てもらったんだが覚えていたんだね。」
笑顔のセルヴォに今度は少女が頷く。
「頭撫でてもらったから…。
初めてだったの…、頭撫でてもらったの…。」
少し嬉しそうに語る少女の話をセルヴォは微笑みながら聞く。
「またお話し相手になってくれる?って聞いたら考えておいてくれるって言ってくれたの。
あれからまだ来てもらってないんだけどね。」
「ミッションが入ってて今彼は忙しくてね。
申し訳ないけどもう少し待っててあげてくれ。」
「ミッション?」
再び首を傾げる少女にセルヴォは簡単に説明する。
「簡単に言ってしまえば彼のここでの仕事だよ。
予定ではそろそろ終わる頃だろうがね。」
セルヴォが時計を見ながら話す。
「そうなんだ…。」
少女もセルヴォに習って時計を見る。
「おじさん…。」
「私かい?」
少女の呼び掛けにセルヴォが反応すると少女はコクンと頷く。
「あのお兄さんに会ったらちゃんと構ってもらえるかな…。
きちんとお話したいな…。」
「大丈夫、ゼロは無愛想ではあるが根は優しいレプリロイドさ。」
セルヴォが少女を安心させるように言うと同時に部屋の扉が開き、ゼロがムスッとした様子で入ってくる。
「ここにいたのか…。
と言うより子どもに変なことを教えないでくれ。」
どうやら扉越しに2人の会話が聞こえていたらしく、ゼロは軽くセルヴォを睨む。
「おお、ゼロ。
おかえり。
いやはや失敬。」
ゼロは悪びれる様子のないセルヴォの態度にやれやれとため息を吐くと少女の方に視線を向ける。
「もう起きていて大丈夫なのか?」
「う、うん。
おじさんがもう大丈夫って。」
「そうか。」
自分の質問に対する少女の答えにゼロは納得したように相槌を打つ。
「お兄さんこそ…大丈夫?
なんか怪我してるみたいだけど…。」
「大した傷じゃない…が念の為に検査を受けろと周りがうるさかったんでな。
それでセルヴォを探してた。」
軽く包帯を巻いてるゼロの腕を見ての少女の質問にゼロが答える。
「どれ、診せてみなさい。」
話を聞いていたセルヴォにゼロは自身の腕に巻いてある包帯を取り、その傷口を診せる。
ゼロの腕には何かで斬られたような傷がパックリと口を開けていた。
「ふむ、裂傷か。
大方パンテオンの電磁ロッドに掠めた…と言ったところかな。」
「そんなところだ。」
セルヴォの考えをゼロが肯定する。
「確かにそこまで大きな傷ではないね。
だが傷口から砂塵が入った可能性も考慮すると一度メンテナンスをした方がいいだろう。」
セルヴォからそんな診断が下された瞬間、ゼロは明らかに嫌そうな表情をする。
「お兄さん?」
そんなゼロの表情を見て少女が問い掛ける。
「………なんだ?」
「もしかしてメンテナンス嫌いなの?」
確信を突くような少女の問い掛けにゼロは何も言えずに黙り込む。
「何故そう思う?」
辛うじて出した言葉がこんな分かりきった質問とはとゼロは言った後に後悔する。
「だってお兄さん( ̄- ̄;)←こーんな顔してるんだもん。」
少女がゼロの表情を真似しながら答え、セルヴォはその様子を見て微笑まし気に笑っていた。
そしてゼロは「そ、そうか…。」と相槌を打つと子どもの前で我が儘は言えないと悟り、若干肩を落としていたのだった。
ちょっと子どもっぽくなってしまったゼロさんw
この後セルヴォに連行され、メンテナンスを受ける羽目になったとさ、ちゃんちゃん♪
クールキャラでもこのくらいの子どもっぽさがあってもいいよねw
怪我をするのは平気だけど注射は拒否ッ!!みたいなw