フラっぴーです!
第5話です。
それではどうぞ!
守side
学校を出た俺達は巡りヶ丘の端まで来ていた。
「なんだこれ?」
「どうやらこの現象は巡りヶ丘だけみたいだな。見事にここを封鎖している」
巡りヶ丘の端はまるで巡りヶ丘全てを封鎖するかのような壁があった。
「じゃああたし達はここから出られないってことかよ!」
「いや。きっとどこか出口はあるはずだ。さすがに生存者を見殺しにはしないだろう」
「てことは!」
「外に出ることは可能かもしれないってことだ」
「じゃあこのことを早くみんなに!」
「焦るな。まだ出口がどこかはわからないんだ」
でも一体誰が……巡りヶ丘を封鎖するにしても早過ぎる。まるで前持って作っていたかのように。
「とりあえず、物資を探すか」
「ああ」
そして俺達は学校の近くのスーパーに向かった。その途中、俺はある店を見つけた。
「堀川?どうしたんだ?」
「ほら、この店を見てみろ」
「!?中古ゲームショップ……」
「寄ってくか?」
「ああ!!」
俺達は中古ゲームショップの中に入った。中には……やっぱりいるか……
「恵飛須沢。俺が左をやるからお前は右を頼む」
「了解」
俺は背後からゾンビにバットを思い切り振った。思い切り振ったせいかゾンビ頭は店の端まで吹っ飛んだ。力入れすぎたかな……。そうだ、あいつは大丈夫なのか。
「心配するまでもなかったか」
「当たり前だろ。あたしとこのシャベルに掛かればこんな奴イチコロだ」
「はいはい。それじゃあ、適当に持って帰るとするか。お前のリュックに入れるからな。無駄に色んなもん入れるなよ」
「わかってるよ」
そして俺達は人数分のPSvitaと3DSとカセットをリュックに入れた。
(これくらいでいいだろ)
「なあ堀川」
「どうした?」
「あたし達はもう仲間なんだからさ、他人行儀みたいに名字で言うんじゃなくて名前で呼び合わないか」
「え?まあ俺は構わないが、お前は俺に名前で呼ばれてもいいのか?」
「そんなもん気にしねえよ。だからこれからよろしくな、守」
「ああ。よろしくな、胡桃」
もしかしたら俺達はいいコンビになるかもしれないな。…………………ん?
ポツッポツッ……ザアー
「雨か」
「しばらくこの中で休憩だな」
めぐねぇ達は大丈夫なのかな。
守side out
めぐねぇside
守達が行ってから私は職員室にいた。あのマニュアルに何が書いてあるかを確かめるために。
「!?!?何……これ……」
マニュアルには生物兵器や特効薬などが書かれていた。何これ、これのせいでここの生徒達はああなったの……
「失礼します。佐倉先生いる?」
「!?ええ、どうしたの」
「いや、先生がなかなか帰ってこないから心配になって……。それよりも今なにか隠しませんでした」
「!?いえ、何も隠してないわ」
「バレバレですよ。じゃあその後ろに隠してある冊子は何ですか?」
「………これは……その……」
「はあ……いいから出してください」
流石にこれ以上は隠しきれないかな。私はそう思い坂上君にマニュアルを見せた。
「!?これは…生物兵器……先生は知ってたん…!?
「私は知らなかったの。知らなかった知らなかった知らなかった私は無実無実無実無実無実「しっかりしてください!!佐倉先生!!」!?」
私は坂上君の声を聞いて我に返った。でも、やっぱりこれは私達教師のせい。そして今いる教師は私だけ……全部私が背負わなくちゃいけない。
「これは私達教師の……いいえ、私の責任だわ。私がもっと早くこれに気づいていたらみんなを守れたかもしれない。だから全部私の責任「それ以上言ったら、俺本気で怒りますよ」え?」
「確かに教師達がみんなにこの事を知らせていたら犠牲者を出さずに済んだかもしれない。教師達もみんな死んで貴女だけになってしまった。けど、だからって全部貴女が背負う必要はないですよ!」
「じゃあ誰が全部背負うのよ!!生徒達は全く関係ない。だから私達教師の責任なのに、今は私1人だけ……。なのに私以外誰が罪を背負うのよ!!」
私は怒りに任せて、坂上君に怒鳴ってしまった。……ああ……本当に私はダメね。坂上君に怒鳴っても何もならないのに。
「じゃあ俺も一緒に背負う!!」
「!?………え?」
何で?何で関係ない坂上君が背負うの?坂上君が背負う必要は全くないのに。
「俺もそのマニュアルを知ってしまったんだ。俺も罪を背負う資格はあるはずだ。だからこそ俺は佐倉先生1人に罪を背負わせない」
そう言って坂上君は私を抱きしめた。まるで子供を慰めるように。そしたら、今まで溜め込んでたものが全部崩れ落ちるように涙が溢れてきた。………教師の私が生徒の坂上君に慰められるなんて。
「……あぁ……あぁ………あぁ!!!」
そして私は我慢ができなくなり坂上君の胸の中でいっぱい泣いてしまった。
「スッキリしましたか?」
「ええ、ありがとう」
この時私は今坂上君に抱きしめられている事を忘れていた。
あぁ!!!私何やってるんだろー!!
「あ!すみません!!」
「あ!こっちこそごめんなさい!!制服を汚してしまって!!」
うう……私何やってるんだろう……
「と、とりあえず佐倉先生が楽になってくれてよかったよ」
「本当にありがとう。でも、いいの?私の罪を一緒に背負って」
「いいんですよ。先生1人に背負わせるよりはマシですよ」
「そう……」
ガララララ!!!!
突然ドアが勢いよく開けられたからそっちを見たら、すごく慌てた若狭さんがいた。
「めぐねぇ!!大変です!!バリケードが突破されました!!」
「何!?」 「ええ!?」
バリケードが突破されたとしたらみんなが危ない!!早くどこかに……。そうだ!
「みんな!放送室に逃げて!」
「めぐねぇ、何で放送室なんですか」
ゾンビ達は確か生前の記憶があるはず……。なら、校内放送で下校の知らせを言えば。
「放送で下校の知らせを言うの、彼等は生前の記憶があるはずだからそれで帰るかもしれないの!!」
「そういうことか。じゃあ急いでいくぞ!!」
「由紀ちゃん、こっちよ」
「うん!」
私達は放送室に向かった。放送室に着いた頃はもうゾンビ達がいた。
「そんな!?」
「うおおおお!!!」
その時坂上君はバットでゾンビ達を倒していた。
「今のうちに早く!!」
順番に丈槍さん、若狭さん、私で入っていった。
「坂上君も早く!!」
「チッ!!キリがねぇ。佐倉先生!早く放送を流してくれ!!俺はその間逃げ続けるから」
そんな……。そんな事したら坂上君は……ダメ!!そんなの絶対にダメ!!
「ダメよ!!早く「俺は大丈夫だから!」!?……わかったわ。絶対に死なないでね!」
生徒を信用しなくて何が教師よ!坂上君が頑張ってくれてる間に早く放送を!!
「若狭さん!早く放送を!!」
「準備ができました!!由紀ちゃん今よ!!」
「うん!!」
『下校時刻になりました。学校に残っている生徒は直ぐに下校してください』
これでゾンビ達は帰ったはず……。早く坂上君の所へ行かないと。
「はあ……はあ……はあ……なんとか逃げ切れたぜ」
私は疲れて寝転んでいる坂上君の所へ走った。
「坂上君!!大丈夫!!怪我はない!」
「大丈夫ですよ……。はあ……はあ……。走りすぎてかなり疲れましたけど」
私は坂上君が無事だとわかった途端、彼を強く抱き締めた
「バカ!!無茶して!死んでしまったらどうするの!!」
「すみません……。あと、苦しいです」
「え?……わあ!!」
うう…またやっちゃった……。ていうか私と坂上君は教師と生徒よ!!こんな事したらダメじゃない!!
「ごごごごめんなさい」
「いえ、さてと今のうちにバリケードを頑丈に直しましょう」
「ええ」
「私も手伝う!!壁が壊れたままはダメだもんね」
「私にできる事があったらなんでも言ってね」
よし。ここは教師の私が指揮を取らなきゃ。
「それじゃあ「よし!じゃあ修復開始だ!」……」
「おお〜」 「ええ!」
「うう……私先生なのに……」
私……指揮を取るの向いてないのかな……。
はい!
第5話でした。
だれも怪我せずに回避できましたね。
それでは次回、第6話をお楽しみ!!