艦娘達の休日   作:かのそん

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扶桑姉様と山城の水着グラ本当にありがとうございます!!!
短いですが、あまりにもエロく、そして嬉しかったのでちゃっちゃと書いてみました。



満潮の疑問と買い物

「みんな、おはよう」

 蝉が鳴き、スイカが美味しくて、熱い、熱い夏が始まりを告げる。

 そして客の皆に長い時間滞在して貰い、少しでも多くのお金を落として貰おうとデパートのエアコンが轟々と響く。

 そんな大きな店内、その入口付近で普段と変わらない静かな声が、本日行動を共にする6人の耳に届く。

 

 

 扶桑、山城、最上、時雨、満潮、朝雲、山雲。

 今日はこの7人で1日休日と外出許可を貰い、西村艦隊のいつものメンバーで大きなデパートに来ていた。服装は各自私服を着ている。

 こんな熱い陽射しだと言うのに、日焼けを嫌っているのか引率をしている扶桑の服装は肌の露出が少なかった。

 

 そして各々のメンバーからの挨拶の返事を聞くと皆と一緒に歩き店内を見て回る。

 特に何かを買う、と言う予定はないが山雲が買い物に行きたいとの話だったので、ついでに、と皆に話を通してみたら、全員から二つ返事を貰い今回の買い物になったのだった。

 

「扶桑さーん、付き合ってくれてぇありがとー」

「気にしないで。たまにはこんな休日もいいわ」

 ほわほわと喋る山雲のそれにいつもの様子で答える、そんな扶桑の右手を満潮が掴んでくる、それを握り返して並んで歩く。

 その後ろで山城が残念そうな雰囲気が漂う。

 

 

「今日は何か買うものあるの?」

「そうねぇ、特に何かをとかは決めてないわ」

 いつも鎮守府では、気を張っている満潮がリラックスした様子で話し掛けている。

 ちなみに、回りの一般客達と背後の山城からの視線が刺さっているのだが、2人は全く気が付いていない。

 

 

「じゃあ、皆で水着を見に行こうよ!」

 7人で行動を共に出来ると聞いて、目に見えて1番テンションが上がっていた、時雨がそう提案してきた。恐らく彼女に尻尾があったとしたら凄まじい速度で振り乱しているであろう事は想像に固くない。

 そんな元気な声で行き先が決まったのだった。

 

 

 

 ◇

 

「うーん、提案したの僕だけどどうしようかなぁ」

「時雨?どうしたの?」

「うん。僕はまだ去年のが着れちゃうから新しいの買うか迷ってるんだ」

「折角の人間の身体なんだもの目一杯お洒落したらいいんじゃないかな?」

 

「朝雲姉ー、これー、どうかしらー?」

「うーん、さっきの方が似合うと思うけど?」

 

 時雨と最上、朝雲と山雲、満潮と山城と扶桑。

 3グループに別れた後に各自思い思いの水着を見て回っている。

 

 

「扶桑さんはどうするの?」

「姉様、私とお揃いのこれなんかどうでしょう?」

「そうね、少し試着してみようかしら」

 

 そんな中でお揃いのビキニの水着を手に試着室に向かう姉妹と、そんな2人を見送った後、自分の水着を物色している満潮。この3人に今回のスポットを当ててみよう。

 

 

 ◇

 

「姉様、サイズは大丈夫ですか?」

「えぇ、山城。大丈夫よ。どこか変じゃないかしら?」

「よくお似合いですよ」

 悩みに悩んだ末に私は一着の薄い青色のセパレート水着を手に、自分より先に試着室に向かった2人に向かって歩を進める。

 

 着替え終わってお互いが互いの水着をチェックしながら話しているみたいだ。そんな2人の全身を見やると白を基調にした、山城は上半身には赤色の小さなフリル、下に赤色の紐がワンポイントの水着を。

 扶桑は、山城とは逆に上半身には黒のリボン、下には黒の小さなフリルが付いたビキニの水着を着ていた。2人は相変わらず凄い身体をしている・・・。

 

 

「むぅ・・・。」

 思わず自分の身体を見下ろす。

 私達は艦娘だ、基本的に訓練を欠かすことはない。それに普段海で戦っているからだろう、無駄な贅肉など一切ないのである。そう、一切、ない。

 私が頑張れば1人だけ修理している間に、皆に置いて行かれる事もないし、護ることも出来るかも知れない。

 頑張れば頑張る程、良い意味でも悪い意味でも身体が引き締まる。少し遠くにいる最上となにやら楽しそうに話している時雨を見る、自分のと比較してみる

 

 

「うん、まだ、大丈夫、よね・・・?」

 同じ駆逐艦のあの娘がああなんだから、そう自分に言い聞かせているがあまり効果は無い。そんな慰めを心中で溢しながら扶桑姉妹の近くに歩み寄る。

 

 

「ねえ、これ気に入ったんだけど。どう?」

「あら?満潮、空色のそれ似合ってるじゃない」

「一度着替えてみるといいわ」

 扶桑に手渡しながら尋ねてみると、山城に誉められながら、それの試着を促される。一度手渡した水着を扶桑から受けとる。ううむ、近くで見ると更に凄いわね。

 

「ん、あれ・・・?」

 扶桑から水着を受け取りながら、改めてその身体の迫力に圧倒されつつも上から下までじっくりと眺めていると。あるものに気が付いた。

 

 

「扶桑さん?それ、怪我・・・?」

「姉様!?大丈夫ですか?」

「え?最近はあまり出撃していないし、そんなことないと思うのだけれど・・・。」

「ほら、ここ。」

 そう言いながら、その柔らかくも手に吸い付いて来るかの様な肌に手を這わせる。柔らかい、ずっと触っていたくなる。少しくすぐったそうにしながら扶桑は私の撫でる脇腹に程近い場所に手をやり、私の手をやんわりと退かす。少し残念だ。

 そうして視線をそこにやり赤い痣を見つける、少し考える様な素振りを見せ

 

 

「ぁ・・・。」

 その頬があっと言う間に紅潮して、大きな身体を縮こませる様に腕を使い、その箇所を隠し。低速戦艦とは一体なんだったのか不思議になるほどの驚くべき速さで試着室に逃走したのだった。

 

 

「ねえ、扶桑さん、どうしたのかしら」

「あぁうん・・・。」

 その行動に呆気に取られて私が再び動けたのは扶桑の姿が完璧に隠れた少し後だった。残されたもう1人に何かを察した様な雰囲気を感じ取り尋ねて見るが。山城は困ったように笑うだけだった。

 

 

 

 ◇

 

 そうして暫く待っていると、もう一度姿を見せた扶桑は既に私服に着替えており。

 あの速度で試着室に逃げ込んだにも関わらず、いつ手に取ったのかわからなかったが、先程と同じ。だがワンピースタイプの水着。

 そして下半身用に大きめのパレオと、あとは上半身用のストールも手に持っている。今手に持っているワンピースタイプの水着を着れば先程の赤い痣の様な物は完璧に隠れるだろう。

 

「山城が選んでくれて申し訳ないのだけれど、私はこっちにするわ」

「扶桑姉様・・・。」

「?」

 未だに顔を紅潮させたままの扶桑を見るがやはり、私には思い至らない。山城に聞いても教えてもらえなさそうだし、謎は深まるばかりだ。

 

 

 

 

 その日、皆で買い物をして、楽しい食事を終え鎮守府に帰り付き。ダメ元で時雨と一緒に居た最上に何とはなしに聞くと、やんわりと教えて貰えた。

 

 目の前に扶桑が居たけど、とりあえず執務室にいる司令官を思いっきり蹴っておいた。

 仲が良いのは結構だが、回りからしたらもう少し気付かれないよう配慮してもらいたいものだ。

 




少し前に声優の藤田咲さんが扶桑姉妹の事を仄めかすツイートとかありましたけど。まさか本当に来るとは・・・。
感無量とはこの事ですな。

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