にじファン100万PV突破で投稿したものです。
プロローグ
思いや記憶というものは、いったい何に、何処に刻まれるんだろう。
その光景を見るのは
ほんの少しだけもどかしい思いを感じながらも目を閉じ、この身体と魂に刻まれた記憶を呼び起こすために意識を沈める。
1度目はたぶん幼き頃。
おぼろげにだけど思い出せる。
まだ
橋の真ん中で繰り広げられるのは命を賭した手合わせ。それなのに美しいとすら思えた。未だに大した武を持たなかった自分ですら、その手合せがいかに凄まじいものなのかは見て取れた。
2度目はたぶん最期の時。
意外と鮮明に思い出せる。
自分の定めていた大志、そして為すべき事を終え、それによってもたらされた結果にただただ悲しみと悔恨に打ちのめされ、忘我にも似た諦観に囚われていた時。
館の庭で繰り広げられたまるで手向けのような手合わせ。幼子がじゃれるような、それでいてまるで死地に赴く
共に記憶として覚えている感じはしない。でも心が、魂が覚えている。
不思議な記憶に沈めていた意識を浮上させ目を見開き、目の前の光景を視界に納める。
そして
我が身に起きている不思議に楽しい毎日を送っているこの時に、まさかあの日と同じような光景を目の当たりにするとは思ってもみなかった。
薙刀を構えるのは自分の1番の家臣。嬉しい時も辛い時も悲しい時も常に傍らにいてくれた忠臣。それはきっと今生だけじゃない。そして最期の時も供をしてくれた。きっとあの人以上に自分に尽くしてくれた人はいないだろう。
そしてその対面で無手にて構えるのは最強の武人。1度目と2度目の時とは全く違う容姿。それもそのはずだ。時代が違うのだから同じ人なのは有り得ない。でも放たれる闘気とまとう雰囲気はあの時の方々を彷彿とさせるものがあった。
再び相まみえ、この目に2人の手合せを望むことができる。それはきっと以前の2回の手合わせと同じぐらい凄いものになるだろう。だから目を凝らし、この心に刻み込もう。
最高の忠臣と、最強の武人の闘いを。
あとがき~!
とりあえずはプロローグ部分から。
短いですね、すみません。
視点は分かると思いますが義経ちゃんです。
それから活動報告でも書きましたがかなり作者自己満足の話しになっています。
『S』とついていますが全然『S』っぽくないです。
って言うか全くマジ恋っぽくないです。
それでもいいなら続きを読んでやって下さい。