ついに再会の時!
side 篁緋鷺刀
「周囲にロクな異性がいないと同性に走るっていうしな」
「それはモモ先輩のケースでしょうか!」
モモ先輩の言葉に卓也君のツッコミが入る。
さて、いったい何からこんな話題になってしまったんだろうか。
最初は明日何をして遊ぶかの話題だったのに、いつの間にやらモモ先輩のレズ疑惑?に話が移行していた。
というか、モモ先輩にはジン兄っていう恋人がいるのに、レズもなにもあったもんじゃないと思うのは僕だけだろうか。
「私はレズではない。ただジン以外に私をときめかせる男がいないだけだ。何だったら今ここで私をときめかせてみろ男ども」
いきなりの無理難題に呆れしか出てこない。
「僕には無理すぎてバス。ガクトどうぞ」
「俺様フられ続きでパス。タカいけ」
「ジン兄に殺されたくないからパス。キャップいく?」
「えー? 恋に生きるは切なすぎるぜ。大和いけよ」
「俺に来るのかよ」
やっぱり最後は舎弟という名の生け贄である大和君。ありがとう、僕たちは大和君の多大な犠牲を無駄にしないよ。
飛び込んでこいと両腕を広げて待ち構えるモモ先輩に対し、大和君は数秒どうするか迷っていたが意を決したのだろう、既に予測済みな自分の未来に顔を歪めながらも行動に移した。
「やってやるぁ!!」
まるで命綱なしのバンジージャンプをやるかのような決死の叫び声を上げて、大和君はモモ先輩の胸に飛び込んで行った。
まさか本当にやるとは思ってもいなかった僕はちょっとだけ驚いてしまった。
飛び込んできた大和君を待ちかまえていたモモ先輩は、一瞬だけ優しく抱き止めるものの、次の瞬間には背中に回していた両腕に一気に力を込めた。
あれは抱擁というよりさば折りだね。
「ぐおぉぉぉ!? せ、背骨がぁぁぁ!?」
案の定、大和君の絶叫が部屋に響き渡った。
こうなると結果が分かっていたのにそれでも行くなんて……これがエンターテイメントというものなんだろうか。
僕には無理だ、絶対出来そうにない。
そんな大和君の行動にみんなが笑い声を開けていたその時だった。
「っ!?」
最初に気付いたのはモモ先輩。
さば折りしていた大和君の体を放すと、驚愕の表情を浮かべて物凄い勢いで顔を天井に向けた。
突然の行動にみんなが不思議そうにモモ先輩を見る中、次にそれに気付いたのは僕だった。
モモ先輩と同じように天井に――いや、その上の屋上に僕たち以外の誰かがいるのに気付き顔を上げたのだった。
突然だった。
本当に何の前触れもなく。
いきなり屋上に気配が現れたのだ。
空から降り立ってきたわけじゃない。
ビルの外壁を登ってきたのとも違う。
最初から屋上にいてずっと気配を殺していたんだ。
しかも、モモ先輩ですら察知する事が出来ないほどの完璧な気殺だ。
背中を流れ落ちる嫌な汗に顔の表情が歪むのを止められなかった。
急に現れた気配は普通の人のように感じるけど、さっきまで全く何も感じなかった事を考えると絶対に普通の人とは違う。そう感じるのも何か理由があるに決まっている。
僕とモモ先輩を呆然と見るみんな。一子ちゃんも京ちゃんも屋上の気配に気づいていない。いきなり現れた事でまだ周囲の色んな気配と合致していないから感じ取る事が出来ないんだ。
でも分かる。屋上にいる人は強い。たぶん僕では足元にも及ばないだろう。
「タカ」
小さく警戒しながらの言葉に僕は頷く事だけで答える。
モモ先輩も感じ取っているのだろう、屋上にいる人の強さを。そして今ここにいる中で自分だけが唯一対抗できる存在なんだという事も。
モモ先輩は言葉に出す事なく身振り手振りでみんなに座るように指示を出すと、僕に視線を送り親指で指して扉に着くように指示をしてきた。
僕も無言で頷き扉の横の壁に背を預けるようにして立つ。
異様な雰囲気の僕たちを見て、さすがに何かやばい事が起きているんだと察したのだろう、みんな言葉に出す事なくモモ先輩の指示に従ってソファーに座った。
それを見たモモ先輩は小さく頷くと、部屋を出ようと扉のドアノブに手を掛けた。
その時だった。
「っ!?」
モモ先輩の表情が驚愕に染まる。
それと同時に気付いた僕も信じられなかった。
この気配……
バンッ
勢いよく扉を開く音に我に返った。
視線を向けてもモモ先輩の姿は既になく、気配の正体を察知したと同時に駆け出して行ったのだと容易に想像できる。
すぐに追いかけるか一瞬だけ逡巡するが、答えは決まっているようなものだ。
僕は呆然としているみんなに声を掛ける。
「急いで屋上に行くよ!」
ハッとなり最初に動いたのは一子ちゃんと京ちゃん。
今になってようやく屋上に人の気配がするのに気付いたのだろう、視線を天井に向けて立ち上がった。その2人を見て大和君たちも頷き合って立ち上がり、僕に視線を向けて来た。
みんなの視線に僕は無言で小さく頷くと、モモ先輩の後を追って先頭で部屋から出た。
side out
side 川神百代
あの感じた気配は本物なんだろうか?
屋上へ出るための扉のドアノブを掴みながら、私はここから先に進めずにいた。
最初に感じたのは異常だった。
急に現れた気配はまるで何でもない素人そのものの気配。しかしそれがいきなり屋上に現れたという事の異常性を考えると、素人に感じるのも何かの技の可能性の方が高い。
私すら完全に騙す事の出来る気殺に認識を間違えさせる技。
注意深く気配を探りながら、タカにみんなを任せて部屋を出ようとした時だった。
気付いた時には駆け出していた。
無意識だった。
何考えずに階段を駆け上がり、屋上へ出る扉の前に辿り着いた。
そしてドアノブを回そうとした時になって、ようやく我に返ったのだ。
でもここから先には進めない。いや、進む勇気がないんだ。
この扉の向こう、屋上に人の気配を感じてるのは間違いない。けど、この気配は本当にあいつのものなのか? もしかして私は似た気配をあいつのものと間違えているんじゃないのか?
ひょっとしたら違うかもしれない。そんな考えが頭の中によぎった瞬間、私はこの扉を開ける勇気が持てなくなってしまった。
もう絶望を感じたくなかった。
希望を持ってこの扉を開けて、屋上にいる人物が待ち望んだ人物じゃなかったら、私はまた立ち乗る事が出来るだろうか。
2年8ヶ月という時間は余りにも長過ぎた。
あいつが行方不明になった時だって、みんなの、大和の、タカの、ワン子の、キャップの、京の、ガクトの、モロロの、風間ファミリーの仲間の力を借りて心を持ち直す事が出来た。
そして今、最大級の期待が私の心の中に広がっている。
もし、この期待が自分の思ったものじゃなかったら、私の心は持ち直す事すら出来ないほど崩れてしまうんじゃないだろうか。そんな恐怖が湧きあがって来たのだ。
そんな葛藤に悩む私の手を、両脇から優しく包む2つの手。
ハッとなり見ると、ワン子と京が私を安心させるような笑顔を浮かべて、優しく私の手に自分たちの手を添えていた。
この時になってやっとみんながすぐ後ろまで来ていた事に気付いた。
その存在を感じて、私は何を馬鹿な事をしているんだろうと思った。またあの時と同じ1人で突っ走ってしまっていた。
1人じゃないんだ。
みんながいてくれる。
みんなだって私と同じ思いなんだ。
だからみんなで共有すればいい。
希望も、葛藤も、そしてこれから感じるであろう喜びも。
自分を落ち着かせるように目を閉じ1度息を吐く。
それ見て私の中の緊張や葛藤が和らいだのを感じ取ったのだろう、手を重ねていたワン子と京が側を離れ私の後ろにつく。
目を開け正面を見据えた私は、1歩勇気を持って踏み出すようにドアノブを回し屋上へと続く扉を押し開いた。
side out
side 直江大和
いきなりの姉さんとヒロの行動に驚き。
何かと思って見ていたら急に部屋を飛び出して行った姉さんにさらに驚き。
それを見ていたヒロの『屋上に行く』の言葉に、何に驚いていたのかすら分からなくなるほど驚いていた。
急激に変わっていく状況に、なんとか食らいついて行くようにヒロの背中を追い屋上へと続く扉の前に辿り着く。
先に行ったはずの姉さんはドアノブを掴んだままの状態で固まっていた。その表情から珍しく葛藤が見て取れた。
迷っているというより恐怖しているその感じに、俺は思いもよらない衝撃を受けた。
あの川神百代が恐怖を感じている?
いつも自信に満ち溢れ、圧倒的な力を持ち、恐怖なんて感情はとっくの昔に失くしたと言っても過言じゃない姉さんが、屋上に続く扉を開ける事に恐怖を覚えていた。
この衝撃は2度目だ。
1度目は兄弟が行方不明になり縋るように閉じ籠った時に感じた。
あの時は初めて見る『弱さ』に衝撃を受けたけど、今回は『恐怖』を感じている姿に衝撃を受けた。
だがだからこそ気付いた。
姉さんに『弱さ』を見させたり『恐怖』を感じさせる人間なんて1人しかいない。
この扉の先に
ヒロはそれに気付いていたのだろう、心配そうに様子を見るワン子と京の背中に無言のまま手を添え、姉さんの隣へと押し出した。
その行動にヒロの言いたい事を悟ったのだろう、振り向いて小さく頷いた2人は両脇からそっとドアノブを掴む姉さんの手に自分たちの手を重ねた。
手が触れた事で、やっと俺たちが後ろに来ていた事に気が付いたのだろう。
小さく息を吐いた事で葛藤していた心が落ち着いていっているのを感じ取る事が出来た。ワン子と京も姉さんがもう大丈夫だと判断したのだろう、重ねていた手を放す。
そして姉さんは掴んでいたドアノブを回し、扉を押し開き屋上へと足を進め、俺たちもそれに続く。
扉を開いたその先。
屋上のフェンスに手を置き、夕闇に暮れる川神の工業地帯を眺める背中が視界に入った。
男だった。
背を向けているから顔は分からないが、夕闇にも映える腰辺りまである漆黒の髪が風になびいている。背はガクトと同じか少し低いぐらいだろうが日本人男性の平均身長よりは高い事は分かった。
だが何より、真っ先に感じたのは懐かしさだった。
姉さんたちのような武道をやっていない俺たちにも、はっきりと感じる事の出来る懐かしさを、視界に映るあの背中から感じる事が出来た。
誰も何も言わない。
違う、
俺たちを包む静寂に、これは夢なんじゃないかと疑いたくなった。
見る夢にしては都合が良すぎるのも分かっている。集団で同じ夢を見る事なんてあるわけないと分かっている。こんな事を夢だと思っているなんて馬鹿な事だというのも分かっている。
でも、みんな壊したくないから誰も言葉を出さない。
自分たちから言葉を発したら、この光景が壊れてしまうんじゃかという思いが、俺たちの中に広まっているのが分かる。
そんな俺たちの雰囲気を悟ったのか、そいつは背を向けたままフェンスから手を下ろし、右手を頭に持っていき後頭部を掻き毟った。
ひとしきり掻いた後、手を下ろし後ろから見ても分かるほど大きく息を吐くと、ゆっくりと俺たちの方に振り返った。
まだ遠くて顔がはっきりと見えないのに、込み上げてくる懐かしさが増した。
足元に置いていたバッグを右肩に掛け歩み寄ってくる姿を、俺たちはよく知っている。
全てを包んでくれるような、いつも見守ってくれるような雰囲気を、俺たちはずっと求めていた。
先頭にいる姉さんまで、後3歩ぐらいのところで足を止めた。
まだ俺たちは誰も何も言わない。
今度は何か言いたくても声が出せない。
今声を出したら、意味不明に泣き叫んでしまいそうで。
俯けていた顔をゆっくりと上げ、ちょっとだけ困ったような苦笑いを浮かべた表情で、俺たちが待ち続けた言葉を紡いだ。
「待たせて悪かったな、みんな……遅くなったけど……ちゃんと帰って来たよ」
その言葉が俺たちを包んでいた静寂を全て打ち消した。
「ジン!!」
真っ先に動いたのは姉さんだった。
物凄い勢いで兄弟に抱きつく姉さん。
そんな姉さんを揺らぐ事なく受けとめ、まるでやっと見つけた大事な宝物を大切に包み込むように、優しく愛おしげに抱き締める兄弟。
「ジン! ジン! ジン! ジン! ジン! ジン! ジン!」
まるで迷子なってしまい、やっと見つけた親に縋りつく子供のように名前を叫び続ける姉さんを、兄弟は嬉しそうな、でも泣き出しそうな表情で抱きしめ続け、万感の思いの籠った声で言葉を掛けた。
「ただいま……モモ」
「ふっ……くっ……うう……ううぅっ」
その言葉を聞いた姉さんは1度だけ大きく背を震わせた後、小さな嗚咽を漏らし泣き出した。
抱き合う2人を見て言葉を掛けるタイミングを失ってしまった俺たちを、兄弟は困ったよで嬉しそうな顔で見る。
そんな兄弟の表情を見た俺たちは互いに目配せをして、仕方ないとばかりに肩をすくめて苦笑いを浮かべあったのだった。
side out
side 暁神
「お帰り、兄弟」
モモが泣き止み落ち着くまで十数分。
その間ずっと見守っていてくれたみんな。代表するように1歩前に出て言葉を掛けて来たヤマとハイタッチをする。
ちなみにモモはまだ俺の腕の中にいる。
みんなの前で泣いた事が恥ずかしいのだろう、色んな意味で真っ赤になった顔を俺の胸に押しつけてみんなから見えないようにしていた。
みんなもモモの心情を分かっているのだろう、野暮な事は言わなかったし、あのガクでさえからかう事なく空気を呼んでいる。
それをモモも察しているのだろう、何故かぐずる赤ん坊のように小さく首を振りながらさらに顔を俺の胸に押しつけてきた。
抱き絞め腰に回したままの左手で、あやすように体を数回叩く。
少し不貞腐れたような雰囲気に小さな笑みがこぼれた。
ヤマが声を掛けた事で、俺に話すタイミングを掴んだのだろう、次々に仲間たちが言葉を掛けてくる。
「やっと帰ってきやがったな。全く待たせ過ぎだぜジン兄」
口端を歪めらしい笑みを浮かべるガク。
「でもホント、無事で良かったよ。お帰りジン兄」
少し涙の滲んだ目を擦るタク。
「もうちょっと早く帰ってくればいいのに……でもお帰りジン兄」
喜んでいるけど嫌味を忘れないミヤ。
「えへへ。お帰りなさい! ジン兄!」
涙を見せながらも本当に嬉しそうなカズ。
「信じていたよ。絶対に帰ってくるって。お帰りジン兄」
穏やかな笑顔を浮かべるヒロ。
「よく戻ったなジン兄! これで全員集合! 風間ファミリー復活だぜ!」
自信満々の顔で宣言するキャップ。
それぞれの言葉を受け取り全員とハイタッチをする。
この雰囲気。この感じ。みんなの言葉。みんなの笑顔。
本当に帰って来たんだと強く実感した。
俺の帰る所は、やっぱりみんなの、仲間の元なんだと思ったのは間違いじゃなかった。
「ああ、ただいま。みんな」
みんなの思いに、短くても万感の思いを込めて言葉を返した。
俺の言葉を受けて笑い合うみんなを見て、腕の中に感じる温かさに一層の愛おしさ募り、より一層モモを強く抱きしめた。
そんな俺を見ていたヤマが底意地の悪い笑みを浮かべる。
「さて、そろそろお邪魔虫は退散しようぜ」
そのヤマの言葉にミヤとガクが厭らしい笑みを浮かべ、口元を手で隠しながら屋上を出て行き、タクとヒロが少しだけ困ったような苦笑いを浮かべたものの、何か期待するような視線を向けて屋上を後にした。
キャップとカズは意味が分からないのか首を傾げていたが、屋上を出るように促すヤマに従い、最後は手を振って出て行った。
そして最後に残ったヤマは扉のドアノブを掴みこちらに振り返ると、
「ごゆっくり~!」
殴り飛ばしたくなるような底意地の悪い笑顔を見せて扉の向こうに消えて行った。
気を利かせたんだろうが、あからさま過ぎて逆に気まずくなる。恐らくヤマは分かってやったんだろう。あいつはそういう奴だ。
乗せられるのは癪に障るが、せっかく与えてくれた2人きりの時間だ、今日はありがたく受け取っておこう。
「モモ、いい加減に顔を上げてくれないか?」
未だに俺の胸に顔を押しつけているモモに優しく声を掛ける。だがモモはまだ恥ずかしさが抜けていないのだろう、小さく首を振って拒否を示す。
そんな姿を可愛いと思いながらも言葉を続ける。今は何よりじっくりと顔が見たかった。
「2年8カ月振りに前より綺麗になった彼女の顔が見たいんだけど?」
「真っ赤になった彼女の顔が見たいなんて、なんて鬼畜な彼氏なんだ」
さっきと同じように無言のまま首を振って拒否するかと思っていたが、こんどはちゃんと言葉を返してきた。
2人きりだという事で少しは恥ずかしさが収まったようだ。
なら、もうひと押しをしておこう。
「モモ~顔を上げてくれよ。じゃないとキス出来ないだろ?」
「っ!?」
さすがにこの言葉には反応した。
言葉が終わるや否や、物凄い勢いで押しつけていた顔を上げ、涙で真っ赤になった目と恥ずかしさで真っ赤になった頬を俺に見せてくれた。
羞恥と驚愕と期待に染まったその顔が可愛くて仕方がない。
笑った俺を見て言葉につられた自分がまたしても恥ずかしくなったのだろう、モモはこれ以上無理なんじゃないかと思うほど真っ赤になると、再び顔を伏せようとする。
だが右手を顎に添える事でそれを阻止する。
顎に手を添えられた事で俯けることすらできなくなったモモは、真っ赤な顔のまま真正面から俺の視線を受け止めた。
忙しなく彷徨う視線が俺を真っ直ぐと捉えるまでじっと見つめ続けていると、観念したのかおずおずとではあるが彷徨わせていた視線を俺の視線と重ねてきた。
「ただいま、モモ」
視線がちょうど重なりあった時、俺は今度ははっきりと言った。
その言葉にビクリと体を震わせたモモは、力を抜き緊張させていた体を弛緩させた。
「おかえり、ジン」
そして1番見たかった最高の笑顔と共に返された言葉。
俺はその言葉を紡いだ唇に、自分の心の内から湧き上がってきた衝動に逆らう事なく、自分の唇を重ねたのだった。
あとがき~!
「第51話終了。あとがき座談会、司会の春夏秋冬 廻です。今回のお相手は――」
「川神一子よ!」
「あれ? 今回は百代が相手だったはずなんだけど……」
「お姉さまだったら、唇に手を当てたままボーっとしてるわよ」
「使い物になってないのね……仕方ないっちゃあ仕方ないか」
「というわけでアタシが代わりに来わ!」
「はいありがとうね。さて今回のお話ですが、ようやく皆さんの要請にお応えして神と百代&風間ファミリーとの再会となりました」
「本当にやっとジン兄と再会できたわ!」
「どういうシチュエーションにしようか悩んでいたところがあったけど、屋上で仲間を待ち『ただいま』を言う、ちょっとした王道ものの展開でした」
「最後なんかアダルティだったわ」
「そんなに言うほどだったかな? 恋人との3年近くの年月を経ての再会だからこれぐらいはありだと思ったんだけど……純真無垢な君には刺激が強すぎたか」
「でもお姉さまが嬉しそうだったからアタシはそれで満足よ!」
「ホントにええ子やな君は。まあそういうことで今回はあまり言う事はありません。書きたいことは書いたつもりです」
「じゃあ今日はここまで?」
「うんここまで。ではまた次投稿もよろしくお願いします」
「よろしくね~!」