兄弟の圧倒的過ぎる決闘が終わり、俺たちは校舎に入った。
廊下はさっきの決闘に興奮冷めやらぬ感じだったが、何やら雰囲気がそれだけじゃないような感じだ。興奮というより喧騒、ざわめきに近い。
「何かあったのかクマちゃん?」
ちょうど騒ぎの中から出てきたクマちゃんに問い掛けると、ケーキを食べながら答えてくれた。
「今度はこのガラスが割られてたんだって、もぐもぐ」
その言葉と指差した方を見ると、数枚の窓ガラスがガムテープと透明なビニールで応急的な補修状態になっていた。
そういえば兄弟の編入とクリスとの決闘で忘れていたが、月曜日の朝のHRでウメ先生が、
『昨夜C棟2階の1部の窓ガラスが何者かによって叩き割られていた。我が校にとっては珍しい事態だ。何か知って言う事があれば言ってくれ』
って進路希望調査の話の後に言っていたな。
しかしこの川神学園の校舎の窓ガラスを割るなんて、いい度胸しているけど無知もいいところだな。怖いもの知らずじゃすまないぞ。
学長の鉄心さんもさすがに今回は重い腰を上げるだろう。
同じ意見だったクマちゃんから食べていたガトーショコラを1個お裾分けしてもらい、教室に入り席に着くと、前の席のワン子が食べ物のにおいを買い取ったのだろう、さっそく声を掛けてきた。
さすが犬。
「何それおいしそうじゃない大和」
「クマちゃんに分けてもらったケーキ。ワン子少し食べるか?」
「うん!」
元気に頷くワン子にもらったガトーショコラをひと切れ渡す。もし尻尾があったら物凄い勢いで振ってそうだ。
ちょうどいい、それ見て何か言いたげなクリスにも声を掛けておくか。
「クリスもどうだ。甘くて美味しいぞ」
「朝から教室でケーキなぞ非常識だと思え……まぁしかし違反ではないのなら……自分も……ごほん。もらうかな……」
俺の言葉に眉をひそめて諌めてきたが、美味そうに食べるワン子を見て意思が揺らいだんだろう、わざとらしく咳払いをしてちょっとだけ嬉しそうに笑顔を浮かべて欲しいと言い出したが――
「なんかブツブツ言っている間に食べちゃったんだけど」
「くっ……」
甘いものが好きって言っていたが、そこまで残念がらなくてもいいだろ……
そんな悔しがるクリスの横手からガトーショコラが差し出される。急に出てきたソレに驚き視線を向けると、兄弟がさっき俺たちが食べていたものと同じガトーショコラをかじっていた。
「食べたかったんだろ?」
「あ、ありがとう」
大人しくお礼を言ってガトーショコラを受け取るクリスの頭を軽く撫でた兄弟は自分の席へ着いた。俺は体を捻り左斜め後ろの席の兄弟に声を掛ける。
「クマちゃんからもらったのか?」
「ああ、お近付きの印に2つお裾分けしてもらった。でもさすがに2つはちょっと多いから欲しがってそうだったクリスに渡したんだよ」
嬉しそうにガトーショコラを食べているクリスと、羨ましそうに見ているワン子を眺めながら、兄弟は小さな笑みを浮かべて答えた。
本当にどう見てもその姿、同年代には見えないんだよ兄弟。同学年の俺たちに『兄』と呼ばれたくないならまずその兄貴気質を直せ。
恐らく生まれつきだから無理だろうと思うけどね……
昼休み――
「――というわけで再戦希望だ」
俺は賭場で葵冬馬と再度対峙していた。
昼休みになり昼飯も食い終わり、本でも読んでゆっくりしていた時、モロが賭場に葵がいると言う情報を持って駆け込んで来た。
リベンジする機会を窺っていた俺は、思っていた以上に早くやってきた再戦のチャンスにやる気が出てきた。
雪辱を晴らすと宣言するように言った後、教室を出る。後ろで何やらいろんな言葉が飛び交っていたが、ワン子、京、モロ、ヨンパチ、スグルなど結構な人数がついて来てくれるようだ。
ただクリスもつて来た事には驚いた。言葉を聞くに俺が雪辱を晴らしたいという心意気を見届けるようだ。賭けという行為が気に入らないという前提ではあるみたいだけど。
途中でモロが心配そうに声を掛けてきたけど、勝算はあると言い返しておく。
勝算がないのに雪辱を晴らすなんて言うわけがないだろ。時間が時間だ、トランプ勝負に持っていけばまず負ける事はない。
そんな思いで葵冬馬に再戦を申し込んだのだった。
「いいですよ」
葵はあっさりと俺の申し出を受けた。
隣にいた井上が少し心配そうに声を掛けていたが、どうやらその井上の負けを晴らすためもあり受けたようだ。
その後ろであの着物姿の女生徒が、相も変わらず無駄に偉そうに何か吠えてる。ああいう相手は気にしないのが1番だろう。無視無視。
「何で遊びましょうか?」
「トランプで勝負をつけるのはどうだ」
何で勝負するのかを聞いてきたのでこちらから提案する。時間の都合もあり断る事はないと確信があるからの提案だ。
「私もトランプは好きですから問題ありません。でも気が合いますね私たち、今度デートしませんか?」
「この人、本気でそのケがあるの?」
「さぁな、ノーコメントという事で1つ」
マジでヤバい感じがしたのでとりあえずいつも一緒にいる井上に問い掛けるが、返ってきた答えは曖昧で判断のつかないものだった。
自分で考えて判断しろって事かよ。
「まぁ、いいだろう。俺に勝てればな」
「種目を指定して下さい。ババ抜きでもしますか?」
俺の言葉に妙に嬉しそうに言う葵に、マジでそのケがあるような気がしてならない。だが言ってしまった以上は負けるわけにもいかない。何より俺の身が危ない。そんな気がしてならない。
「時間がかかりすぎる。今は昼休みだから……ポーカーでどうだ?」
「今はそういう気分ではありません」
やはり最初の申し出は断ってきたな。前回の反応を見るからにこちらの提案には仕込みがあると絶対に分かっているだろう。思った通り警戒している。
こいつと俺は同じタイプの策士。俺だって相手から最初に提案されたものは断る。そう考えれば断ってくるのも予想通り、作戦の内だ。
「そうだな……裏返し状態の1番上のカードの数字を2人で当てる。
「それは手早くていいですね。たまには完全な
よし! こちらの提案に乗ってきた。最初の提案を断ったからこそ、それよりも早くしかも周りからは完全な運でしか決着をつけられないと思わせるルールだから、葵も受け入れざるを得ないだろう。
まあ、それが分かってての提案なんだけどね。
新品のトランプを使う事にもまたひと悶着あった。
棚にあった未開封の新品トランプを使おうとの葵の言葉を俺はスルーした。
ネットで買っておいた、目の焦点をずらせばカードの模様が見えるマジックカードを、あらかじめ新品のカードボックスの中に入れておいたのだ。
そのカードを選んだのは葵自身になるから文句を言わせない状況を作るつもりだったのだが、さすがの葵はそれを警戒してか、一転、下の売店で新しく買ってこようと提案してきた。
それを俺が却下する。
棚のトランプに拘るのは不自然だから、最初は了承した。だが自然な流れだったがそれに流されるわけにはいかなかった。
売店を仕切るおばちゃんはお世辞に弱く、葵のようなイケメンに目が無い。俺が仕込んでいるように葵も仕込んでいると考えれば、提案してきた売店が怪しい。
同じようにマジックカードにすり替えられていると考えた方が無難だろう。
結局、井上が京を連れて校門を出てすぐにあるコンビニで買ってきてもらう事になった。
「しっかりコンビニで買われたトランプだよ」
「見ての通り、封も開けてないぜ」
購入されたレシートも確認して中身を開ける。葵にもしっかりと見せカードに印をつけないつもりがない事を証明するように中身を取り出して広げていく。
「ジョーカーが2枚。スペードの1から始まり
「ああ、俺も見た感じ問題ないぜ。じゃあ――」
お互いが普通の新品のトランプである事、仕込みをする隙がなかった事、させなかった事を確認し問題ないと判断した。
綺麗に揃えたカードの山をキッチリ半分にして両手で持ち、親指を使って交互に混ざるようにリフルシャッフルでカードをシャッフルする。
俺の手元を見て葵が感心したような声を出した。
「シャッフル、凄く鮮やかですね。プロみたいです」
「まぁね……ある程度切って、と」
葵の声に答えながらカードを切る作業の繰り返しに集中する。これに失敗したら意味がない。真剣に、だけど素振りを見せずあくまでも自然にリフルシャッフルを
「カットをどうぞ」
「では、こうして……こう……さぁ時間もありません。賭けましょうか」
切り終えたカードの山を差し出し、受け取った葵は山の上から数十枚のカードを取り、それを1番下へと移し俺に返してきた。
俺はそれを受け取りながら、葵が上から何枚のカードを取ったのかを思い出す。
俺と葵、お互いの後ろでギャラリーたちが完全な運勝負になっている事に騒いでいるのを聞き流しながら、俺は必死に頭の中で計算をする。
周りのみんなは運勝負だと思っているが、実はこれは運勝負なんかじゃない。タイミングと技術によって完全にコントロールされたイカサマ勝負だ。だが今この場で誰にも気付かれなければそれはイカサマじゃない。
葵が山の上から下に移したカードはだいたいの枚数しか分からない。しっかり見る事が出来なかったのが悔やまれるが、いつまでも黙ってると怪しまれる。覚悟を決めるしかないか。
「そうだな。俺は
「では、1番遠い6で」
定石通り、葵は俺の予想から1番離れた数字に賭けた。この反応からするに葵も俺の仕掛けたイカサマには気付いていない様子だ。
勝ちは確実になった。
「正解はお前がめくってくれ」
「ではいきますよ……」
言葉に従って、俺の持つカードの山の1番上のカードをめくる。そのカードはダイヤの
ピタリと当てた事でギャラリーが盛り上がる中、負けた葵は何かを確認するように隣にいた井上に問い掛けていた。
「準、直江さんは何回カードをシャッフルしてましたか?」
「んー確か……8、いや9回だったな」
「ですね。直江さん……やりますね」
どうやら気付いたようだ。
今回、俺が仕掛けたイカサマは結構神経の使うものだった。
キッチリ半分に分けたカードの山を、9回ちゃんとしたリフルシャッフルで混ぜると、混ぜる前の元の並びに戻るのだ。後はカットした部分から見当をつけて言うだけ。
今回はしっかりカットし枚数が見えなかったから、ピタリ賞は出来過ぎな結果だ。
だがそれを確認したところを見ると、恐らくシャッフルが終わって山を差し出した時には疑っていたんだろうけど、確信がなかったからそのままスルーしたってところか。
あの時点で言い出さなかった葵は、イカサマを指摘するタイミングを失ったのだ。
経緯はどうであれ、結果は俺の勝ちだ。
だがこの程度の勝ちじゃまだまだだし、今回は運だと思われている。いつか葵とは小細工だけじゃなく、ちゃんとした智謀策略を駆使したスケールの大きい勝負をして勝ちたい。
「今回は負けましたが……いずれ本当の決着をつけましょう」
「ああ、そうだな」
同じ思いだったんだろう、昼休み終了のチャイムが鳴り賭場がお開きとなる中で、お互い視線を合わせて笑みを浮かべたのだった。
放課後、キャップの収集メールで俺たちは2-Fの教室に集まる事になった。
今いるのは俺と兄弟、姉さん、ガクト、モロ、キャップ、ワン子の7人。ヒロは今日剣道部に顔を出す日だったが『やる事はやった』と召集には応じた。
まゆっちも剣道部の見学に来ていたらしいから一緒に来るとの事。京はクリスの捜索。
数分後、ヒロがまゆっちを連れて、京が茶道部でお茶を飲んでいたクリスを連れて教室に入ってきた。集合したメンバーを見渡しキャップが招集した理由を切り出す。
「よっし! これで11人揃ったな! みんな喜んでくれ! 久し振りに『依頼』が来たぜ!」
思いがけない臨時収入の機会に俺たちは盛り上がるが、新入生2人と転入生2人は訳が分からず首を傾げていた。
「なあ、依頼って何だ?」
「俺たち、部活の練習試合の助っ人なんかで雇われる時があるんだ。それを依頼って呼んでる」
「大抵お目当てはモモ先輩とかの運動能力だけどね」
代表して質問をしてきた兄弟に、俺とモロがかいつまんで説明する。
ちなみに彼氏の振りをする依頼とかもあるのだが、大概がキャップが引き受ける。これからは兄弟やヒロにも飛び火しそうだが……兄弟の場合は姉さんが許さないし、ヒロだと女友達に見えるか……
そんな感じだが、難しい理由でもないから4人ともすぐに納得した。
「つまり、よろず屋。何でも屋か」
上手い表現のクリスに同意しておく。そしてあくまでも校内の問題しか引き受けないという事を付け足しておく。そうしないと際限なく引き受けそうだからなこの勧善懲悪のお嬢様は。
「報酬は食券で受け取る。今回は1人上食券8枚。依頼は討伐クエスト、『窓割り犯人を叩き伏せろ』だ」
「おお、リッチ! しかも結構やりがいのある依頼ね」
「それ、依頼に回ってきたんだ」
ワン子が喜びの声を上げる。あれは報酬の多さもそうだが受けた依頼の内容にも嬉しがっているな。対照的に京は変わらず冷めた反応だ。
「よくもぎ取ったな」
「もぎ取る?」
競り落としてきたキャップを褒めるガクトに、システムを知らないクリスは訝しげに呟いた。
何でも屋みたいな事は俺たち以外にも、友達グループや部活の仲間で集まりいくつか存在する。その全部に順番に公平に依頼を回していくのが理想的なのかもしれないが、生徒に回ってくるほどの依頼はそうそうない。
そのため代表者を呼んで競りにかけ、競り落としたチームが責任持って依頼を果たすというシステムを作ったのだ。
依頼の詳細は、川神学園初の窓ガラス割り事件を起こした犯人を懲らしめて捕縛しろとの事。
セキュリティ会社の警備員を突き飛ばす人間が犯人グループにいて、取り押さえたのに逃がしてしまったらしい。
情報によると犯人グループは5人~7人。逃走は自動車と原付を使用。警備員が音を聞いたとの事。ガタイがいいのが1人いるらしく、そいつが警備員を突き飛ばしたのだろう。
情報はそれだけで十分。今夜さっそく警備しろって事だな。
「ちなみに依頼主は宇佐美先生《ヒゲ》だぜ」
「ヒゲ?」
「2-S担任の宇佐美先生。ヒゲ生えてるからヒゲ」
依頼主の呼び名の意味が分からず呟いたヒロに簡単に説明をしておく。何とも捻りのないあだ名だが分かり易いから浸透している。
「武器は教室のレプリカ使っていいってよ。学長が出張るには小さい事件だけど、何とかしろと上から言われたらしい。でも本人面倒くさいからって俺たちに依頼が回ってきた」
レプリカ武器使用の許可が出ているのを聞いてワン子が一層機嫌を良くする。暴れる気満々だなあいつ。
そんな中で兄弟が携帯で誰かに連絡をしているのが気になったが、まあ何かしらの周到な用意をしているんだろう。俺が気にしても仕方ない。
「いい臨時収入だ。換金出来るから受け取っておけジン」
「そうだな。少しでも懐の足しになればいいか」
「ちょっと危険な依頼だぞ。俺様に任せておけ」
「冗談言わないでよガクト、アタシはやるわよ」
「むしろガクトが危ない気がするけどね」
「僕は元から戦闘に参加する気ないんで斥侯で」
「大丈夫だガクト。みんなでやれば問題ない」
「新・風間ファミリーのお披露目だな」
「いつもこんなことやってたんだ……退屈しない学園生活だね」
「え……え、と。みなさんやりますので私もやります」
「受けるが自分は報酬はいらない。もらわなくても捕まえる」
クリス以外全員が食券を受け取った。報酬をもらうもらわないは個人の自由だが一応1枚ぐらいもらうように言ってもクリスは断固として受け取らなかった。
見返りを求めないとまで言い切るあたり、正義のスイッチが入ったらしい。
そんなクリスの行動に京が何やら小さく呟いた。恐らく自分と全く違う思考回路をしているクリスを理解しかねているんだろう。とりあえず余った食券は換金して秘密基地の維持費に回しておくか。
「A棟、B棟とやられているから次の狙いはC棟だろう。恐らく相手はバット系の凶器を持っているだろうから単独ではなく
「特には。組み合わせだが、キャップとワン子、クリスと俺、まゆっちとガクト、姉さんとモロって感じで。京は屋上で狙撃、兄弟とヒロは遊撃で頼む」
キャップの言葉を引き継ぎ、俺が発表した組み合わせに誰も異を唱える事なく頷いて答えた。モロを姉さんと組ませたのは情報伝達のため。戦闘は姉さんひとりで何の問題もない。
モロの男の尊厳は傷つくだろうがな。
作戦も決まり、ワン子たちもレプリカの武器を手にして気合が入っている。
遊び場を間違えて俺たちの学園を荒らす奴らに容赦なんか必要ない。存分に叩きのめしてやる。主に女性陣たちがだろうけどね……
神「しかし5人ともと武道やってる女子ってのも凄いな」
翔「武士戦隊サムライレンジャーと名付けよう」
百「私はブラックだろうな」
一「レッド! アタシレッド! クリはイエロー決定!」
ク「良く分からないがイエローは正義か?」
卓「5人とも正義だよ」
ク「ならば色などこだわらん。イエローで結構」
京「私は静かなる色、青希望」
由「あ、あの……そもそもどういった内容のお話ですか?」
百「そんなまゆまゆは癒し系だからグリーンだな」
緋「同じ武道やってる僕たちはどうなるんだろうねジン兄?」
京「タカは6人目の仲間でホワイト、ジン兄は司令官のシルバーだね」
緋「僕が仲間って……外見が女っぽいからじゃないよね?」
岳「だははははは! 良く考えたら受けるな!」
大「何がおかしいんだ?」
岳「5人女子なのに、女の色のホワイトがタカってどういう事だ? つい笑っちゃうだろ
これ! ははははは!」
翔・神・大・卓・緋「「「「「(思ってても言うなよ。南無阿弥陀仏)」」」」」
ガクトが笑えなくなるのに3秒もかからないのだった。
あとがき~!
「第66話終了。あとがき座談会、司会の春夏秋冬 廻です。今回のお相手は――」
「直江大和です」
「今回リベンジ決めた大和君です。さて今回のお話ですが、前回予告通りとなりましたから深くは言いません」
「おい、それでいいのかよ。俺のリベンジと窓割り事件の前振りってことだけど、結構セリフ端折ったな」
「まあね。ぐだぐだセリフ言っててもさらに展開が遅くなると思ったから、今回はちょっとセリフ切りを多くした」
「その割には食券受け取るシーンと戦隊もののオチは書いたな」
「まあね、このシーンはキャラの特性が出ているセリフだから切りたくなかった。あと食券受け取る場面のセリフは行間を詰めたんだけど、あれはさすがに11人全員が喋るから行間あけるととんでもない事になるだろうから詰めた」
「まあそうだろうな。行間あけるとセリフだけで22行?」
「考えたくないね」
「それより気になったんだけど、キャップが依頼を競り落としたシーンは切ったのか? 一応そういうものがあるってのは説明してあるけど、あのシーンを切るのは流れ的にどうかと思うんだか……」
「ああそれ、番外話として別に投稿した」
「なんでまた?」
「今回の話に入れたかったんだけど、文字数がとんでもなくなってしまうんだよ。えっと……計算すると9300文字になったな」
「別に1万文字いっても問題ないんじゃないか?」
「いや問題ないんだけど……1度超えちゃうと歯止めが利かなくなっちゃうと思ったからやめたんだよ。これ以上1話の文字数が増えると自分的にはさすがにねぇ……」
「どうせ話が進めば文字数増えてくんだろ? こだわってても仕方ないだろ」
「否定できないね……まあそれは追々ってことで。じゃあ次もよろしくお願いします」
「何話で1万文字いくか賭けるか?」
「誰がやるか!」