真剣に私と貴方で恋をしよう!!   作:春夏秋冬 廻

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第67話投稿。


第67話 討伐依頼達成、異なる思想と深まる溝

  side 暁神

 

夜。

 

鉄心さんの許可を得ているので俺たちは校舎にとどまり、日の暮れた校舎の屋上で犯人たちがやってくるのを夕飯を食べながら待っていた。

ちなみに今日の晩飯は○ックのバーガーだ。キャップとカズにひとっ走りしてもらい人数分買ってきてもらった。

 

「ひっかひはれよへぇ。ふひのはっこうのはどはるはんへ」

 

「カズ、口の中に物入れて喋るな」

 

行儀悪いのはその場で注意する。指摘されたカズは口を抑えると、どうやら食べる方に集中したらしく言葉は続かなかった。言いたい事は分かっているし、俺が引き継ぐか。

 

「この学園の窓ガラスを割るなんて、何考えてんだろうな犯人たちは」

 

「何も考えてないないと思うな。遊び・ゲーム感覚、新聞に載ったら面白い。そんな感じじゃない?」

 

タクの答えで間違いないんだろうけど、人が事件を起こすには必ず何かしらの理由がある。理由のない事件なんてただの事故、ものによっては災害と同じものだと俺は思っている。

今回の犯人たちも、もしかしたら何かしら思う事があっての行動かもしれない。考えすぎなのは間違いないだろうけど、駄目だな、こういう考え方は。

 

「悪を行う者のいい分などくだらないに決まっている。聞くだけ無駄であろう」

 

意気込んで言うクリス。

その考えを否定するつもりはないが、クリスはいささかそれが過ぎる傾向にある。

 

ヤマから聞いていたが軍人の親馬鹿に溺愛されて育ったお嬢様か……恐らく自分の価値観をいつも肯定されて育ってきたんだろう、他人の思想と衝突した事が殆どないはずだ。だから自分の信念と正反対のヤマとぶつかっている。

 

どうにかしないと間違いなく仲間内で問題になる。キャップの事だから明日の金曜集会にも呼ぶだろうが、そこでぶつかったらミヤが間違いなくキレる。

対策立てようにもこういう問題はぶつからないと解決できないしな。行き当たりばったりになるが、その時になってから考えるしかないな。

 

先送りという形になってしまったが今は依頼を果たす事を優先しよう。俺は持ってきた物を渡すためまゆっちと話しているヒロに声を掛ける。

 

「ヒロ、鉄心さんから許可は得てある。コレ使え」

 

こっちを向いたヒロに持っていた物を投げて渡す。急に渡されて驚いていたヒロだったが危な気なく受け取ると、手にした物が何か分かったんだろう急いで包みを開ける。

 

出てきたのは日本刀。

 

「ジン兄!?」

 

「一応な」

 

驚いて俺を見るヒロに簡潔に答える。場合によっては使う事もあるだろう。ひと言で言いたい事は理解できるはずだ。案の定、ヒロは数秒考え込むように眉を寄せていたが黙って頷いた。

 

実はヒロ、かなり厳しい条件があるが特別に国から帯刀を許可されている。

その条件が、まず鉄心さんが許可する事。使用できるのは1日だけ。使用したら2ヶ月は許可が下りない。この3つの条件を守る事で限定的な帯刀許可を持っているのだ。

 

まゆっちは驚いているだろうな。まさか自分以外にも特別に帯刀許可をもらっている人間がいるとは思ってもみなかったはずだ。

 

「タカさんも帯刀許可をもらっていたんですか!?」

 

「こりゃオラもビックリ仰天だぜ!」

 

「まゆと違ってかなり限定的だけどね」

 

苦笑いを浮かべるヒロにまゆっちも笑顔で返す。

なんか和むなあの2人を見ていると。お互いを少なからず想っているんだろうけど、2人とも自分の気持ちに気付いていない様子。お似合いだと思うけど他人が干渉する事じゃないしとりあえず様子見だな。

 

と、穏やかにそんな事を考えている内に、どうやらおいでなさったようだ。

 

「来たぞ。車と原付が同じ速度で学園に近付いている。人数はまだ分からないが、感じる雰囲気からまず間違いなく犯人グループだ」

 

俺のその言葉に全員が頷いて準備に取り掛かった。

 

  side out

 

 

  side 椎名京

 

「さーて。今日も窓叩き割ってやりますよぉ!」

「ケージ君、ワルカッコイイよ!」

「人気学校の窓割るの気分いいYO!」

「ストレス解消にはもってこいってかぁ!?」

「ハッスルターイム!」

「ま、何かあっても僕たちにはボブ君がいるしね」

「見つかっても、ま、また助けてくれるよね?」

「マカセトケ!」

「ウーシ、今日は一層派手に1階から4階まで全部のガラス割っちまおうぜ!」

 

 

「と言ってるな。人数は6人、1人がグラウンドで車の側、1人が校門近くで原付で待機、残り4人は丁度いい事に各階に分散したな」

 

気配で人数確認したのはいいけど、よく屋上からグラウンドにいる人間の会話が聞こえるねジン兄。私なんか目視できるのがやっとだっていうのに、ホントチートな感覚器官持ってるよこの人。

 

ジン兄の情報をタカがモロに伝えている。これで間違いなく全員に伝わるだろう。機械関係はモロに任せて問題ないからね。

 

「じゃあ僕も行ってくるよ」

 

「気付かれるなよ」

 

最初の役目を終え次の行動に移るタカにジン兄が声を掛ける。その言葉を背中に受けたタカは手を上げるだけで答えると、以前キャップがあのハゲと勝負した時のように、フェンスを飛び越えてグラウンドへ降りていった。

 

大概タカも規格外だよねホント。

 

「じゃあ俺も動くかね。ちゃんと仕事しろよミヤ」

 

「もちろんだよ。大和の命令ならどんな不可能も可能にする女。それが私、椎名京」

 

決まったね。最高の決めゼリフになったよ。

そんな私を呆れた苦笑いを浮かべて見ていたジン兄は、失礼な事に大きな溜息をついて肩をすくめると、さっきのタカと同じようにフェンスを越えて飛び降りていった。

 

……ジン兄が飛び降りたところって確か飛び移る木も何もなかったよね? って事はグラウンドまで一直線……ジン兄だし大丈夫だね。うん。

 

さて、大和から託された仕事に専念しようっと。

 

  side out

 

 

  side 師岡卓也

 

4階で待っていると廊下の向こうから人が来た。

あれって外国人? 見間違いじゃなければ黒人だよね。ガタイ良さそうだから普通ならちょっと怖いけど、隣の人の存在がそれを全く感じさせなくする。

 

うわぁぁ、新しい玩具を手に入れた子供のような顔だよ。普通なら微笑ましいけどモモ先輩子がその顔すると相手が憐れに見えてしょうがないよ。

 

「フンフンフーン! ンー今カラ、ガラスをブレイク♪」

 

「ブレイクするのはお前なんだけどな」

 

気配消して近付くのも人が悪い。ほらムチャクチャ驚いてるよあの外人。

 

「川神百代。この名前を悪夢と共に思い出すがいい」

 

カッコイイ決めゼリフ言えるほどの余裕があるんだねモモ先輩は。

 

「パンチをクラエ!」

 

「拳というのはな、こうやって突くものだ!」

 

恐らくあの外人はボクシングをやっていたんだろう。素人の僕には到底よける事の出来ないパンチを放ってたけど、相手が悪すぎた。いやホント可哀想なぐらい悪すぎたよ。

 

外人のパンチが届く前にモモ先輩のパンチが鳩尾に直撃。恐ろしい事にあのガタイの外人が廊下の端まで吹っ飛んでいったよ。

 

「余りにも弱すぎる……」

 

つまらなさそうに呟くけど、モモ先輩が余りにも強すぎるんだよ……

 

  side out

 

 

  side 黛由紀江

 

「な、なんだYOお前ら」

 

ガクトさんの前にバットを持った犯人さんがいらっしゃいます。私とガクトさんは3階を任されていました。

でもガクトさんは凄いです、バットを持った相手に臆することなく立ち向かって行っています。

 

何やら犯人さんが『ボブ君』なる方を呼んでらっしゃいます。4階に行った1番気が強かった犯人さんの1人でしょうか? あ、モモ先輩が吹っ飛ばしてしまったようです。

 

「観念してお縄になれ。俺様を怒らせないうちにな」

 

な、なにやら少し過激な雰囲気になってます。ここは落ち着かせた方がいいですよね?

 

「あの、穏便にはすませられないのでしょうか」

 

「無理だろ。こういう手合いっていうのは――」

 

「チッキショオオ! 捕まりたくねぇぇえ!」

 

は! ガクトさんの言葉の途中で犯人さんが持っていたバットを振り上げてこちらに突っ込んできました! 大変です! あれが当たったら危なすぎます! 黛由紀江! 今がお役に立つ時です!

 

(行けー! まゆっち! お前の力を見せてやれー!)

 

松風の心の声に押されて、私はガクトさんと犯人さんが交錯する直前にバットを斬り捨てました。

見事なショルダータックルで犯人さんを吹っ飛ばしたガクトさんが、どうやら落ちていたバットが斬られている事に気が付つかれたようです。

 

「まゆっちバット斬ったのか? いつの間に?」

 

「わ、私などが差し出がましいとは思ったのですが、それで殴られたら大変ですからっ!」

 

「いやサンキュ」

 

よ、良かったです。お役に立てました! 私がガクトさんのお役に立つ事が出来ました! しかもお礼まで頂いたんです! 嬉しすぎです! ……あれ? でもガクトさん私をじっと見てます。どうしたのでしょうか……

 

「わっ!」

 

「ひゃあうっ! あわわ、や、やはり何かまずかったのでしょうか呼吸する事は許して下さいあのあのあの私に至らないところがあったら直します成績表に頑張り屋さんって書かれましたから」

 

「オラからも言っておくから遠慮なく言えー」

 

「お前が遠慮してんだろうがっ!」

 

はわわわわわ!?

 

  side out

 

 

  side 川神一子

 

2階を任されたアタシとキャップ。とりあえずキャップに言われたように犯人を挟み撃ちするために待機していたら、犯人の1人がへっぴり腰でやってきた。

 

「よし、やってやる! これはただのガラス破壊じゃないんだぞ、病んだ社会への警鐘だ!」

 

何かわけ分かんない事言ってるけど、通り過ぎたから作戦通り教室から出て、逃げ道を塞ぐように廊下で仁王立ちしておく。来るかな? 来るかな?

 

「圧倒的に許せねぇ、校舎の痛みを思い知れ!」

 

「あぎゃっ!」

 

おー! キャップの飛び蹴りが面白いほど綺麗に決まったわ。

おおー! 来たわ来たわ! 廊下を這いつくばってカッコ悪いけど犯人がこっちに来たわー! よーし! ここはカッコよく名乗りを上あげる場面よね! お姉様が言ってたもん!

 

「川神院次女、川神一子! 推して参ったわ! ここを通りたくば腕ずくで来なさい!」

 

さあ来なさい! お姉様みたいに1撃で仕留めて――

 

「ひぃぃぃ、助けてくれぇぇぇ」

 

「って!? ちょっと土下座ぁ!? アタシの出番は!?」

 

「もう戦意喪失かよ。悪ぃワン子、こんな俺を許せ」

 

ううううううう、不完全燃焼よー!!

 

  side out

 

 

  side 直江大和

 

1階を担当していた俺とクリスの視界に犯人の1人がやってきた。しかも何やら若者の主張をしていてこちらに気付いていない。丁度いい挟み撃ちにしよう。

 

「俺が行くからクリスは反対側に回り込んで退路を断ってくれ、そうすれば簡単に討ち取れる」

 

「回り込む間に窓ガラスが割られてしまうだろう」

 

「俺が会話で時間を稼ぐから」

 

「まどろっこしい。それに挟み撃ちは卑怯だ。自分は正面から堂々と行くぞ、直江大和」

 

止めるよりも早く行っちゃったよ。

 

「我が名はクリスティアーネ・フリードリヒ! 義の道を貫くが為、暴虐の輩を成敗する! 行くぞ賊! お前に――む?」

 

しかも勢いよく飛び出したはいいけど予想通り、名乗りを上げている最中に逃げちゃったじゃないか。それを防ぐために回り込む作戦だったっていうのに、ホント人の話を聞かないねこのお嬢様は。

 

「賊め。逃げたとはひとかけらの誇りも持たぬのか」

 

「だから退路塞いどけってあれほど言ったのに」

 

正々堂々と公正である事を大事してやるべき事を取り零した。以前思った事が現実になったよ。それでも自分は悪くないって思ってんだろうなクリスは……

 

「直ちに追撃を掛ける」

 

「必要ない」

 

逃げた場合の時も想定済み。ちゃんと保険はかけてるよ。

 

  side out

 

 

  side 暁神

 

1番気配が強かった奴は4階、モモが相手か……可哀想に。

そのほかの階も動き出したようだから俺もグラウンドで車の近くで待機している奴の側に近付いて行く。たぶん逃げる時のドライバー役だろう。足を潰しておこう。

 

「夜のお勤めご苦労さん」

 

「な、なんだい君は?」

 

意外とインテリ系の外見だな。とても少年犯罪グループに入るような奴に見えないが、ここにいる以上は言い逃れは出来ないしさせるつもりもないけどな。

だけどまあ、とりあえず理由は聞いておくか。

 

「それで? どうしてあんたたちはこんな事してんだ?」

 

「な、何の事だい!?」

 

「言い逃れは出来ないよ。監視カメラも動いてるから状況証拠ばっちり。それにほら、逃げられないし」

 

無造作に手を上げた直後、何かが破裂するような音が夜のグランドに響いた。確認する事もない。俺の合図に合わせて屋上でミヤが放った矢が、車のタイヤに突き刺さりパンクさせたのだ。

 

「タ、タイヤに矢が!? どこから!?」

 

「で? どうしてこんな事してるか教えてくれる?」

 

驚いているのを無視してインテリ眼鏡に問い掛ける。答えは返ってこないと思っていたが何故か饒舌に喋り出した。

 

「ぼ、僕はもうウンザリなんだ! ひと言めには勉強勉強! 小さい頃から自由な時間すらなかった! いい高校! いい大学! いい企業! 僕は母さんの操り人形じゃない! 1回大学受験に失敗したからって何が悪いんだ!」

 

饒舌というよりは、どこから矢が飛んでくるか分からない恐怖でパニックになってるな。きっと今自分が言っている言葉すら何言ってるのか分かってないんだろう。

しかしあれか、今までずっと親の言うままにエリート街道を進んでいたお坊ちゃんの初の挫折。そして初の反抗ってやつか……

 

「そうだな、あんたの言い分も分からなくもない」

 

「え?」

 

「だけどな――」

 

俺が同意した事に驚いたインテリ眼鏡の鳩尾に軽く拳を入れる。

確かに言い分は分からなくもない。だがやっている事を許せるかどうかには全く関係のない事だ。

 

「親への反抗反逆大いに結構。だがそれは自分の意志と自分の責任で周りに迷惑を掛けないようにやれ。今あんたがやってる事はただの喚き散らしの八つ当たりだ」

 

苦しいだろうけど意識はまだあるはずだ。ちゃんと言い聞かせるために手加減したんだ。だがまあ、言いたい事は言い終えたし、そろそろ意識飛ばして楽にしてやるか。

 

踏み込んだ足に力を入れもう1度鳩尾に衝撃を通した結果、インテリ眼鏡は意識を失った。

 

「他の奴なんか知った事か! 車に乗ってトンズラこいちまえ!」

 

気を失ったインテリ眼鏡を横たえていると、どうやら1階でクリスが取り逃がした犯人の1人が車で逃げるためにこっちに向かって走ってきたな。

 

「げぇ!? タイヤがパンクしてる!?」

 

どうやら車が使えない事に気が付いたようだ。どうしようかと考えているようだけど、そんな時間があったら逃げろよな。うちの有能な猟犬がすぐに追いついて来るぞ。ほらな。

 

「逃亡者発見! 神妙にしなさい!」

 

「な、なんだてめぇ! 近寄るんじゃねぇ!」

 

逆ギレしてポケットからナイフを取り出したようだが向ける相手が悪い。普通の一般人とは違うんだ。そんなものでカズをビビらせる事なんて出来ないよ。

 

「何このナイフ、叩き落としてほしいのかしら?」

 

「あっ!」

 

「突きぃっ!」

 

結果は予想通り。何の感慨もなくあっさりとナイフと叩き落とされ、腹に薙刀の鋭い1撃を捻じり込まれた犯人の1人は膝をついて悶絶するのだった。

 

「敵将! アタシが討ち取ったわ!」

 

ここも終わったな。後はヒロだけだけど心配するだけ無駄だな。

 

  side out

 

 

  side 篁緋鷺刀

 

グラウンドで起きている騒動を見てヤバいと思ったんだろう、校門近くで見張り役をしていた犯人の1人が原付のアクセルを回して逃げ出した。

結構なスピードでこっちに向かってるけど一応声を掛けておく。

 

「止まって下さい! もう逃げても無意味ですよ!」

 

「うるせぇ! どかねーとひき殺すぞ!」

 

予想通りやっぱり聞いてくれない。本当は使いたくなかったけど、言っても止まらないなら強制的に停止させるしかないか。

 

塞ぐように道路の中央に立っていたけど少しだけ右に移動する。それを見て僕が道を譲ったと思ったんだろうさらにアクセルを回しスピードを上げた犯人。

余りスピードを出してほしくない。大きな怪我を負わせたくないんだけど……ジン兄や大和君的には『自業自得』なんだろうな。

 

腰を落とし左手に鞘に入ったままの刀を持ち右手を柄に添え、意識を集中しタイミングを合わせるように息を吐く。

そしてすれ違いざまにハンドルの部分――ライトやメーターが付いているヘッド部分って言うのかな?――を居合で斬り落とす。

 

「うえ!?」

 

急に操作のきかなくなった事に驚いた犯人は、そのままコントロールを失い倒れた。

 

結構大きな衝突音がしたけど、見てみるとどうやら前輪が側溝にはまって倒れたみたいだからそんなに大した怪我はしていなだろう。

 

これ以上騒がれても近所迷惑だし気を失わせた方が手っ取り早いと判断し、僕は倒れた事で痛みにのたうち回っている犯人に近付いて行った。

 

  side out

 

 

事件は犯行グループ全員を捕まえる事で一件落着を迎えた。

 

全員怪我もなく、万事滞りなく解決かと思われたが――

 

「だから言っただろ。後ろに回り込むって」

 

「まさか敵がここまで脆弱とは思わなかったぞ。武器を持っているから開き直って向かってくるかと思えば……腑抜けが」

 

「これからは俺の言う事も少しは聞いてくれ」

 

「大和はどうにも策に走りすぎる。こちらに正義がある以上、正攻法で行くべきだ」

 

「で、今回みたいに逃げられたらどうする?」

 

「追いかけて捕縛する。あれなら自分も追いつけた」

 

「あぁそーですか」

 

万事滞りなくとはいかなかった。

 

大和とクリス。思想の異なる2人の溝はさらに深くなったのだった。




あとがき~!

「第67話終了。あとがき座談会、司会の春夏秋冬 廻です。今回のお相手は――」

「俺! 風のように登場!」

「はい、キャップ登場です。さて今回のお話ですが原作シーンの討伐依頼達成です」

「またしても長々と1話でやっちまったな」

「はっはっはっは。分かってんだから突っ込まないでくれ。まあ原作とは少しだけ違うんだけどね」

「犯人が6人になってるし、原付が追加されたな」

「神と緋鷺刀の相手が欲しかったんだよ。でもまあ程よくまとまったと思うけどな」

「うまくいってたと思うぜ。でもよぉ、なんで各階の視点は戦ってない奴の視点なんだ?」

「客観的な視線の方が書きやすいから。別に神や緋鷺刀のように相手したキャラの視点でもよかったんだけどたぶん文章がもっと長くなる」

「なんでだ?」

「相手をしていないキャラの視点だからこそ、犯人たちのセリフを切る事が出来るんだ」

「あ、そう」

「なんだよ、納得できないのか?」

「面倒くさいから手を抜いただけだろ?」

「さぁて、何の事かな?」

「目が泳いでるぞ」

「……さて! 次回ですがクリスと由紀江が初めて金曜集会に参加します。原作では避けて通れないイベントですがなんとかこの物語らしくしていこうと思います! では皆さん! 次投稿もよろしくお願いします!」

「あ! 逃げたな!」

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