真剣に私と貴方で恋をしよう!!   作:春夏秋冬 廻

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第68話投稿。


第68話 仲間のため、悩むナンバー2

――2009年 5月1日 金曜日 AM8:10――

 

  side 篁緋鷺刀

 

今日は一子ちゃんのトレーニングもなく、登校中に11人全員が揃った。

 

公衆ではきちんとすると言っていたジン兄だけど、登校中は公衆に入らないのかな。火曜、木曜、今日の3日しか経ってないけどいつもモモ先輩と腕を組んで登校している。

 

ジン兄の表情から察するにモモ先輩の我がままだと思うけど、それを許している時点で甘いよね。岳人君なんか羨ましそうに見てるし、京ちゃんなんか大和君を物欲しげに見てる。

頑張れ大和君。

 

「今日、金曜集会な」

 

「ウィース」

 

唐突なキャップの言葉に真っ先に京ちゃんが答える。

 

ゴールデンウィークも始まったから、たぶん今日の金曜集会で明日からの連休の予定を決める事になると思う。連休中は部活の方は顔出さなくてもいいって言われたし、とりあえずみんなと遊ぶ事に問題はないかな。凛奈さんの急な旅行に引っ張り回されなければだけど。

 

「まゆまゆとクリは金曜集会は分からないだろ。妹よ。放課後は基地に案内してやれ」

 

「アイアイサー……ことろで、このアイアイって何の略?」

 

モモ先輩の頼みに一子ちゃんは喜んで答えた。その後の疑問は何がしたくて問い掛けたか分かんないけど。

 

ちなみに『アイアイ』は『Aye aye』の事で、主に海軍や海兵隊なんかで使われる上官の命令を受けた時の返答の事。『Aye』は『はい』とか『了解』とかの意味を持っているから、『はい、分かりました』って意味なんだって。凛奈さんからの豆知識。

 

「……はぁぁ」

 

そういえば合流してからまゆが感嘆の溜息を吐いてばかりいるけど、何か朝から嬉しい事でもあったのかな?

 

「まゆ? どうしたの?」

 

「あ、いえ、今朝、大和さんからプレゼントを頂きまして。実は私……親戚以外からプレゼントを貰ったの初めてだったんです」

 

「そ、そうなんだ」

 

大和君からのプレゼントって……たぶんあの災害時緊急避難セットの事かな? 僕も川神学園入学と同時に貰ったからたぶん間違いないと思うけど。

 

「大和さんが私の初めて(・・・)の人です!」

 

ちょっと待ったまゆ! その発言はさすがにヤバすぎるよ!

 

「小娘がぁぁぁ!」

 

予想通り京ちゃんが物凄い形相でまゆを睨んでる。モモ先輩の命を受けた岳人君に取り押さえられた状態で、だけど。

 

「え? え? え?」

 

混乱しているまゆを落ち着かせるように背中を撫でて、とりあえずさっきの言葉の拙さだけは教えておこう。きっと嬉しすぎて自分の言った言葉の意味を全く理解していないだろう。

みんなもまゆの言葉のアヤだと分かってるからすぐに収まってるし……もう変な方向に話が行ってる。

 

「自分の男に操を初めて捧げた女を怒っただけの事」

 

「なっ!? み、操だと!?」

 

「逆立ちして行くのもトレーニングかも」

 

「スパッツ履いててもはしたないからやめておけカズ」

 

モモ先輩がクリスさんをからかっているし、一子ちゃんなんて話も聞いてないし逆立ちをやりかけたところをジン兄に止められてる。

 

これがいいのか悪いのか分かんないけど、いつもの風間ファミリーらしさだった。

 

  side out

 

 

  side 暁神

 

昼休みになり、昼食も終わったからモモのところにでも行こう。

そう思って気配を探るとどうやら屋上でファンの女生徒たちと一緒に昼食の最中のようだ。やっぱやめよう。

 

昨日の昼休みをモモと過ごしていたら、モモのファンの女生徒に囲まれて騒がれた。別に嫉妬とか嫌味な態度を取られたわけじゃない。モモとセットでまるでアイドル扱いだった。

モモは『これで全校生徒公認だな!』と喜んでいたいが、俺としては辟易していた。ミーハーな女の子のテンションって、男は絶対について行けない。

 

「おい、神」

 

廊下に出てどうするかと考えていたらゲンが声を掛けてきた。どうやら俺が1人になるのを見計らっていたようで、少しだけ周りを警戒しながら隣に並ぶ。

 

「どうしたゲン?」

 

「ああ、ちょっと忠告しておきたい事があってな」

 

忠告ね……ゲンの雰囲気からして真面目な話らしいが、俺が1人になったところで話しかけてきたということは、仲間たちには余り知られらくない、あるいは余り気分のいい話じゃないって事か。

 

「それで?」

 

「親不孝通りは知ってるだろ? 最近そこで変な(モン)が出回っている。まだ表には出てきてねぇけど、かなり拙いモノらしいからな」

 

声を低くして言うゲン。思った通り余りメンバーには聞かせたくない話だな。うちには喜々として首突っ込みそうな奴らがいるからな。モモとかキャップとガクとか。クリスも変に正義感を燃やしそうだ。

 

「しかも昨日、島津の野郎がうろついていやがったからな。それっぽい話は徐々にだが漏れだしてる」

 

「つまり、俺から仲間に注意を促しておけって事か……それはいいけど、なんで俺に話す? ヤマでも問題ないだろ」

 

俺の疑問に口端を上げるゲン。この笑み……河原で自己紹介した時に浮かべた意地の悪い笑みと一緒だ。

 

「お前は連中の『兄貴』なんだろ? だったらお前が注意すりゃあ言う事聞くだろ。なあ『ジン兄』?」

 

やっぱりからかってきた。妙に性格的に気が合うせいか、ヤマたちには決して見せないこういった態度を俺には見せてくる。嬉しくはあるが、からかうのは勘弁してほしいぞゲン。

 

「分かった、さり気なく忠告しておくよ」

 

「ああ、頼むぜ。無駄に俺の仕事を増やしてくれんなよ」

 

離れていくゲンの背中を見ながら、そういえば代行業のバイトをしてると聞いたのを思い出した。

親不孝通りに事務所を構えているらしい。そう考えると仕事の邪魔をするなという大義名分があるが、ゲンとしてはクラスメートを巻き込みたくないって気持ちだろう。

 

それを素直に表に出さないけど気にかける。なるほど、これがヤマの言っていた『ツンデレ』ってやつか。なかなか的を得ているじゃないか。

 

そんな事を考えていると、またしても別方向から声が掛った。

 

「おお、神ではないか。昼食はもうすんだのか」

 

声の主は英雄だったが、振り返る前に小さく息を吐き腹筋に力を込める。笑うなよ俺。廊下で爆笑したら恥さらしになるのは自分だ。そう言い聞かせて振り返る。

 

「――っ! よう英雄。そっちは相変わらず忙しそうだな」

 

何とか笑わずにすんだが次からは事前に表情筋にも力を入れておこう。『女王蜂』の姿を目にした途端、口端が歪みそうになった。しかもほんの一瞬だったにも関わらず目ざとく気付いたな『女王蜂』。物凄い目つきで睨んでやがる。

 

「そうだ神。お前に伝えておく事がある」

 

おいおい、英雄もか。

 

「最近、堀の外の方ではガラの悪いのが派手に暴れているそうだ」

 

「『板垣3姉妹』とかいう名前を聞いたら近付かないようにして下さいねっ☆」

 

堀の外……親不孝通りのある一帯の事か。行方不明になる前もそれなりにヤバイ所だったが、どうやらずいぶんキナ臭い場所になったもんだ。

 

「危険なのか?」

 

「貴方なら問題ありませんが、一般人とは住む世界が違うでしょう。『君子危うきに近寄らず』ですねっ☆」

 

「わざわざどうも……英雄。少し忍足さんと話ししたいけどいいか?」

 

『女王蜂』の情報にもう少し詳しく聞いた方がいいと判断する。一応主である英雄に許可を求めておいた方がいいと思い声を掛けるとあっさりと了承が返ってきた。

 

「構わん。あずみ、我は一子殿をひと目見てくる。そこで待っていろ」

 

「かしこまりました英雄様っ!」

 

そう言って2-Fの教室に英雄が入っていくのを見送るとすぐに態度が激変した。雰囲気で分かる。俺としてはこっちの『女王蜂』の方が見慣れているから別に問題ない。まあそのせいでメイド服着てると違和感ありすぎて笑いが込み上げてくるんだけどね。

 

「おい『黒髪(ダークネス)』。いったいあたいに何を聞きてーんだ?」

 

「その『板垣3姉妹』って奴らの事をもう少し詳しく聞きたいくてね。調べてあるんだろ? それで実際のところどれだけ(・・・・)ヤバイんだ?」

 

俺の問いに舌打ちし、顔を忌々しげに歪め頭を掻き毟りながらも『女王蜂』は律義に答えてきた。親切というよりは昔一緒の部隊にいたよしみだろうけど。

 

「最初は素人に毛が生えた程度だったが、どうやら最近はどっかの武芸者に教えを受けてるらしい。テメーからすれば大した事ねぇが、一般人には脅威って事だ」

 

「なるほどね……」

 

『女王蜂』の言う『一般人』がどの程度までを指すか分からないが、たぶん俺と同じ感覚で話していると思うからキャップやガク辺りは拙いな。カズも今現在の実力じゃあギリギリバヤイってところだな。

 

薬に危険人物。

 

こっちから踏み込む事がない以上、関わる事はまずないと思うが、こうして日常の学園生活の中にも徐々に広がり始めているのを考えると、向こうから寄ってくる事も100%ないとは言い切れない。

みんなに忠告をしなければいけないのは確かだが、新人2人、クリスとまゆっちのあの態度を見れば近いうちに必ず喧嘩が起る。

 

中も外も問題有り……少し頭が痛くなってきたな。

 

急にこめかみを押さえて黙り込んだ俺を訝しげに見る『女王蜂』の視線を受けながら、どうやって問題解決をするべきか考え込む俺だった。

 

  side out

 

 

  side 直江大和

 

秘密基地への道を歩きながら、俺はさっきであった不思議なお姉さんの事を考えていた。

 

大量の福引き券をもって商店街の福引きをやりに行ったキャップをも送った後、多馬川の河原の芝生で横になりながら知り合いにいろいろメールを送っていたら、陽気に当てられいつの間にか眠り込んでいた。

 

夕方になり慌てて起きた時、隣にその不思議なお姉さんが眠っていた。

 

呆然としていたら目を開き、『俺が気持ちよさそうに寝ていたからつられた』とか、『家族の次に寝る事が好き』とか、俺の土地でもないのに『ここで時々寝てもいい?』とか、思い返してみると本当に不思議な人だった。

 

春だしいろんな人が現れると感心してしまった。

 

そんな事を考えている内に秘密基地に到着すると、バイトのキャップとヒロとまゆっち以外全員が既に集まっていた。

聞けばヒロとまゆっちは屋上との事なのでそっちに顔を出すと、2人並んで川神の工業地帯を眺めていた。

 

「ようヒロ。相変わらずまゆっちと仲いいね」

 

「まあ、1番最初のお友達だからね」

 

少し含ませた感じの言葉もヒロには通用しなかった。ていうより気付いていないねヒロの奴。ここは突っ込むべきか、何もしないでおくべきか、迷うところだ。

 

「わぁぁ……ここから真下を見るの勇気いりますね」

 

「落ちたら(ダイ)な高さだね。ハードだな~」

 

「まゆ、古くなってるから余り乗り出すと危ないよ」

 

無邪気に声を出すまゆっちにさかさずヒロが言葉を掛ける。気の配りは兄弟に次いで聡いヒロだけど、なんかまゆっち相手だとみんなに対するものと違う気がするんだよな。

 

「す、すみません! ついはしゃいでしまって! わ、私、ご心配をおかけしてしまいましたか!?」

 

一転物凄い勢いで謝るまゆっちにヒロは苦笑いを浮かべて溜息を吐く。そして小さく首を振ってゆっくりと近付いて横に並び、落ち着かせるように会話に間を置き遠くを眺めると、それにつられまゆっちも一緒に夕日を眺めだした。

 

俺は少し離れて2人のやり取りを見る。

 

「……綺麗な茜空です。いい場所ですねここ」

 

「学校の屋上よりも天に近いからね。モモ先輩も気に入ってる」

 

「……」

 

「ホームシック? まゆ?」

 

「あ! え? なんで分かるんですか?」

 

「何となく……夕焼けってそんな気持ちにさせるよね……戻ろうか? みんなと一緒にいれば寂しくなくなるよ」

 

「はい、そうですね」

 

何なんだろうねこの2人の雰囲気。どう見ても友達同士じゃない。

甘ったるいわけじゃないけど入り込めない雰囲気を見ると、兄弟と姉さんともまた違うある種のお互いを想い合っている理想の恋人同士に見えるのは何故だろうか?

 

いや、恋人というより長年連れ添った夫婦?

 

穏やかに笑い合う2人を見て、何故かそう思ったのだった。

 

  side out

 

 

  side 暁神

 

クリスがもてなしを受けている最中にヤマたちも戻ってきた。

和やかな雰囲気のヒロとまゆっちと違い、ヤマは何故か少し疲れた感じだな。2人の熟年夫婦っぽい雰囲気に当てられたか。お疲れさん。

 

「で、この棚には囲碁とか将棋とかのボードゲームが置いてあるんだよ」

 

1つ1つの棚を丁寧に説明しているタク。こういう時に率先して説明役を買って出るとは思わなかったな。まあいつもその立場のヤマがいなかった事と、タクもこの場所が好きだからだろう。雰囲気的にミヤの次にここに入れ込んでいるのはタクだと思う。

 

「凄いな。何でもあるんだなここは」

 

廃ビルの一室とは思えないほどに並んでいる棚を見て、感心したように呟くクリス。今のところ何も問題が起きる雰囲気じゃないけど、さてどうなるかな。頼むから無神経な発言だけはしてくれるなよクリス。

 

「みんなで持ち寄ったからな。クリも好きに持ちこめ。あとポップコーンだけはたんまりと常備してあるからな」

 

「今ならポップコーンを製造する過程を大サービスで見せてあげるよ」

 

モモの言葉にクッキーが少しだけ自慢気に言う。それはに俺も驚いた。

いや別にポップコーン製造機能に驚いたわけじゃない。あの九鬼財閥が最新のロボットにポップコーン製造機能がついていたい事に驚いたんだ。

 

クッキーは自分をご奉仕ロボットって言ってたが、いったい何を思ってこの機能をつけたんだろうね、九鬼の技術者たちは……謎だ。

 

「なるほど。クッキーが製造しているのか……だが今はいい」

 

さすが見たそのままを信じるクリス。俺が思った疑問なんか欠片も気にしなかっただろう。

 

「……ここは漫画の棚か」

 

「みんながそれぞれオススメを持ってきたから面白いのばっかりだよ。持ち出しも自由だから」

 

視線を移動させ漫画本が並ぶ棚をみるクリスにタクはちょっと楽しそうに言う。漫画やアニメ、ネットが好きなタクにしてみれば、自分の分野だから気合が入るのかな?

 

「『明日の○ョー』とか『○ースをねらえ』とか読んだ事ある? 激アツよ! 今は『はじめの○歩』とかもオススメね!」

 

「スポ根系のストックはカズの趣味か」

 

いろいろなジャンルの漫画本があったが、誰が持ち込んだか分かるラインナップだったな。それでもスポ根系はキャップかと思っていたが、まさかカズだったとは……ある意味で納得ではあるが。

 

「電気は通ってねぇから、電気系統はクッキーのコンセントに繋ぎな。こんな感じでほら。電力源だからよ」

 

「ははっ……やだっ……あ、と、突然はマナー違反だ」

 

ガクが急にクッキーについていたコンセントに何かの電源コードをさした。すると突然くすぐったそうな笑い声を上げるクッキー。

ロボットに触覚はないからああやって反応するようにプログラミングされていると思うんだか……本当に九鬼の技術者はいったい何を思ってクッキーを作ったんだろうか。

 

「携帯ゲームソフトとかも置いてあるんだ。これは僕のこだわりのソフトだから面白さは保証付き。ネタソフトも押さえてあるよ」

 

生き生きと話すタク。やはり得意分野、しかも唯一タクが風間ファミリーないで上位に食い込む事が出来るゲーム関係の話は本当に嬉しそうに話す。

 

しかし最近のゲームは本当にクオリティが凄い。俺自身あまりゲームには興味がないから知らないが少なくとも3年前より凄くなっているのは疎い俺でも分かった。

実は先日の水曜日にここで少しゲームをやらせてもらったのだが、操作は思ったより簡単だった。だけどそれを見ていたヤマとタクに『初心者が玄人顔負けの操作をするな』と口を揃えて言われた。

 

あれって実は慣れるまで結構時間がかかるものらしかった。全然そうとは思わなかったけどな。レスポンスも若干遅く感じたぐらいだったし。

 

「うーん」

 

一通りの説明を受け終えたクリスは何やら考え込んでいる。

 

だがあの表情にあの雰囲気……嫌な予感がしてならない。先手を打って止めるべきか。それともここで言わせてぶつけさせるか。

 

逡巡は一瞬。何も言わずに成り行きに任せよう。

 

昨日も思ったが、こういった問題はぶつからなければ意味がない。クリスには自分の考えが何においても正しいわけじゃないと分からせるため、ミヤには悪いが自分の居場所はここだけじゃないと少しでも依存を下げるため、この問題は避けるわけにはいかない。

 

ヤマもいるし、あのキャップがいるから何とかなるだろう。いつまでも俺が出張っても意味がない。少なくとも俺がいない2年8ヶ月の間、何も変わる事なく風間ファミリーは存続したんだ。

 

これぐらいの問題で揺らぐ仲間じゃない。俺はそれを信じればいいんだ。

 

それじゃあ、問題提起を頼むぜクリス。

 

「で? この場所はどういう意味があるんだ?」

 

俺の期待通り、クリスの口から場の読めない言葉が出たのだった。




あとがき~!

「第68話終了。あとがき座談会、司会の春夏秋冬 廻です。今回のお相手は――」

「どうも、暁神です」

「いろいろ考え込んでいるオリ主。ハゲないように気をつけようね」

「大きなお世話だ!」

「さて今回のお話ですが、まあ分かりやすく言えば『周りにいろんな問題がありますよ』と言う事です」

「思いっきり端折ったな。間違っちゃいないが作者としてどうよ」

「そのまんまだからどうしようもないだろ。いちいち解説するにも時間がない」

「同感だな。ところで薬の話、竜舌蘭ルート潰しておきながら出したんだな。あれも今後のための種蒔きか?」

「一応ね」

「で、板垣家も出すと」

「まじこいの二次創作やってんだもん。板垣家は出さなきゃだめだろ」

「いや、出さなきゃ駄目っていうルールはないだろ」

「でもあれだけ個性の強いキャラを出さないわけにもいかないだろ。今後の展開にもからむように構想しているんだから」

「てことは、釈迦堂さんも出るわけね」

「もちろん出すよ。でもまあ今後の展開についての話はここまで。下手するとボロが出る」

「はいはい、で? 次がミヤブチ切れのシーン?」

「なんかそれだけ聞くとヤバいシーンになりそうだな……間違いじゃないけど、クリス問題発言→衝突→一応の解決のシーンをやります」

「一応って……」

「間違ってないだろ?」

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