第71話投稿。
凛奈さん大暴走?
――2009年 5月3日 日曜日 AM11:20――
side 直江大和
「いやぁ、僕たち11人でしょ? こういう特急電車は4人座席がデフォ。ジン兄とモモ先輩が2人席になったとしても残り9人。4×2=8で1人あぶれると心配したんだけど結果オーライだね」
安心したように言うがなモロ、いったいどうしてこうなったのか疑問を持たないのか? 持たないんだろうな……電車に乗る頃からやけにテンション高かったからな。
ちなみに席順は右窓際から俺、ガクト、通路を挟んでモロ、キャップ。向かいに京、ワン子、通路を挟んでクリス、ヒロの順に座っている。兄弟と姉さんは俺たちの後ろの席。
そして俺は今回、何故こんな事になったのか、混乱する事態を招いた最大の理由の人に少しだけ身を乗り出し視線を向けた。
そこには姉さんと兄弟の向かいの席に座る凛奈さんの姿。そしてその隣でガチガチに固まったまゆっちの姿があった。
どうしてこうなったか思い返してみよう。
――遡ること20分前だ。
最初に集合場所に到着していたのはヒロだった。まあヒロが集合時間の10分前に到着しているのはいつもの事だから特に気にしなかったが、さすがに隣にいる人を見たら驚いた。
女性としては高めの背はヒロと余り変わらないぐらい。少しだけウェーブのかかった長い髪をポニーテールで纏め、カジュアルな格好をしていても細いフレームの眼鏡が知的なカッコよさを醸し出していた。
間違い、この人は――
「ん?」
「お?」
「ああ!」
「あれ?」
「え?」
「おお!」
「げぇ!?」
「うん?」
「えっと?」
「凛奈さん?」
「おう、ガキども。元気で何よりだな」
困惑するみんなを代表して声を掛けた俺に、答えるように手を上げて挨拶を返してきた。だが本来ならいるはずのない人の登場に、いまいち状況が呑みこめない。それを見かねてヒロが説明を始めた。
「一昨日、凛奈さんに宿の予約を取ってもらうって決めたでしょ? どうやら凛奈さんも元々2泊3日で箱根に行く予定だったらしいから、同じ宿にして行き帰りも同行する事にしたみたいなんだ」
そう言ったヒロが配ったのは、俺たちが乗ろうとしていた特急電車『スーパービュー踊り
「一応、私が保護者として同行するからな。行きと帰りの電車賃は奢ってやる」
簡潔にそれだけを口にすると、浮かべていた笑顔を消し半眼で睨みならが兄弟の前に立った。そして次の瞬間には無遠慮に放たれた顔面への右拳を、姉さんに抱きつかれていない右手を上げて受け止めていた兄弟の姿があった。
攻撃した瞬間も、受け止めた瞬間も全然見えなかった。
「おい、暁の坊主。帰って来ていたのなら顔を出せ」
「俺が帰って来てまだ今日で10日ですよ? それにすぐに学校に編入したんですから顔を出す暇なんてないですよ」
苦笑いを浮かべる兄弟につまらなそうに鼻で笑い、掴まれていた拳を振り払い今度はクリスとまゆっちの前に移動した凛奈さんは、兄弟に見せた表情とは違う穏やかな大人の女性の笑顔を浮かべていた。
物凄い変わり身の早さだ。
「初めまして。クリスティアーネ・フリードリヒさんに黛由紀江さんだね? 甥の緋鷺刀から聞いている。私は篁凛奈だ。よろしく」
突然の自己紹介に呆然としているクリスを小突く。それでようやく我に返ったクリスは1歩前に出ると凛奈さんに言葉を返した。
「はい、よろしくお願いします。自分の事はクリスと呼んで下さい」
「は、初めまして! 黛由紀江です!」
クリスにつられてまゆっちも1歩前に出て頭を下げた。それに頷いて応えた凛奈さんだったが、まゆっちを見た時、少し眉をひそめたような顔をしたのは俺の見間違いだろうか? でも何事もないようにまゆっちの頭を優しく撫でる凛奈さんに、俺は首を傾げるしかなかった。
「そろそろ時間だな。行くぞお前たち」
腕時計で時間を確認した凛奈さんは、保護者と言うよりは引率者のように俺たちを牽引してプラットホームへと歩いて行った。その後ろをぞろぞろとついて行く俺たち。
出だしでいきなり驚かされたが、まあ相手は昔から知っている凛奈さんだから特に緊張する必要はないな。1人、いや2人を除いて。
ヒロは恐らく気が気じゃないだろう。凛奈さんがまゆっちにどんなちょっかいを出すかわからない。だけどそれを咎めると後が怖い。
まゆっちもヒロの親族が来ている事で、ある意味で緊張しているのが分かる。だって見るからに困惑している。
「座席はとりあえず12席を纏まって取った。暁の坊主と川神の戦っ娘はどうせ隣に並んで座るんだろ?」
「当然です」
凛奈さんの呆れた言葉に姉さんが自信満々に答える。いつも不思議に思っていたんだけど、姉さんは凛奈さんに対しては敬語で話す。
姉さんが敬語で話す人は少ない。しかも1度でも手合わせをして認めた人に限る。だけど俺の知る限り姉さんと凛奈さんが手合わせした事は1度もないはず。なのに敬語で話しているのを見ると、手合わせをしなくても凛奈さんの強さが分かるって事だろう。
さっきの兄弟を殴り掛る瞬間が見えなかったんだ、どれ程かは分からないが間違いなく強いのは理解できるけどね。
「ああ、それから黛さん?」
「は、はい!?」
急に声を掛けれて裏返った声を上げたまゆっちを優しく見ていた凛奈さんだったが、次の瞬間、ヒロを愕然とさせ、まゆっちを恐縮させるひと言を放った。
「一緒に座ろうか?」
このひと言でヒロとまゆっちの旅行は試練から始まったのかもしれない。
side out
side 黛由紀江
こ、これはいったいぜんたいどういう事なんでしょうか? なんで私、モモ先輩とジン先輩の向かいで今日が初対面のタカさんの叔母様である篁凛奈さんと一緒に並んで座っているんでしょうか? ああ、タカさんが向こうの座席から心配そうにこちらを見ています。
あの、でも私、本当にこれからどうなってしまうんでしょうか?
(落ち着けまゆっちー! 焦ったってどうしようもねーぜ!)
そ、そうですよね松風。落ち着かなければいけませんよね。だって隣に座ってらっしゃる方はタカさんのご家族なんですから。粗相をするわけにはいきませんよね。
(まゆっち……まるで旦那の姑に怯える若奥様みたいだぜ……)
わ、わわわ若奥様ってどういう意味ですか松風それってそれってそれって私とタカさんが結婚するみたいじゃないですかそんな事あるわけないじゃないですかだってまだ私たちはお友達でしかないんですよいやでもそれが決して嫌というわけではなくてですね出来ればそうなれたらいいかなぁなんてちょっとは思ってみたりなんかしない事もなくてですねっていったい私は何を考えているんですか!?
(おおおおお落ち着けまゆっち!)
無理です無理です無理です落ち着くなんて出来ませんよ!
「とりあえず混乱するのだけはやめよう、まゆちゃん」
「ま、まゆちゃん!?」
ま、ま、ままままま『まゆちゃん』!?
(いきなりものスゲー攻撃がキターーーー!!)
もう駄目ですもう無理です松風どうにかしてこの状況を脱する事が出来たら私の骨を拾って下さいねお願いします!!
(まゆっちーーーーー!?)
side out
side audience
「ひやひっはひはいほうふは? はひゅっひは?」
食べ物を口に入れながらも、由紀江と凛奈の方を気にする岳人。
「ガクト、口の中に物を入れて喋るな。行儀悪ぞ」
そんな岳人を眉をひそめて注意するクリス。
「それよりこのお弁当、まゆが作ったんだよね? 勝手に食べていいの?」
気にしつつも自分たちだけが昼食を取る事に戸惑う緋鷺刀。
「問題ないよタカ。向こうにもさっきお弁当渡したから」
本当は覗きたいけど位置的に出来ないから諦めた京。
「京の言う通りだヒロ。まゆっちもみんなで食べてもらった方が嬉しいだろ」
何かあっても神がいるから大丈夫だと判断した大和。
「それよりキャップを起こさなくてもいいの?」
自分の肩に頭を乗せている翔一の方が気になる卓也。
「放っておけばいいじゃない。起きなければ食べる量が増えるわ」
食べる事の方が優先で他はどうでもいい一子。
「ZZzzz」
昨日何故か一足先に箱根に行って帰ってきて興奮で完徹し今になって寝ている翔一。
実にマイペースな風間ファミリーのメンバーだった。
side out
side 篁凛奈
第一印象は、穏やかで可愛い娘、だった。
少し人見知りするようだけど礼儀正しく姿勢も正しい。厳しく、それでいて大切に育てられたのが良く分かり、実に剣聖黛十一段のご息女らしい娘だと思った。
今のこの姿を見るまでは。
緋鷺刀が言っていた通り面白い娘だ。
私の隣に座って混乱しているのが実によく分かる。少し険しい表情のまま握り拳を膝の上に置いて身体を凄く震わせているし、目は見開き冷や汗というか脂汗というか、そういった類の汗を流している。
本当に面白い子だ。もう少し混乱させてみようかな?
「とりあえず混乱するのだけはやめよう、まゆちゃん」
「ま、まゆちゃん!?」
裏返った声で呼ばれた名前を繰り返したのを見て、より一層混乱しだしたのが手に取るように分かる。駄目だ。本当に面白くて可愛い。なんだろう、このやたら保護欲を掻き立てられるような可愛さは。これなら緋鷺刀がご執心なのも分からんでもない。
だがまあ、これでは埒が明かない。少し身近な話題を振って落ち着かせよう。
「君は、あの剣聖黛十一段の娘さんなんだろ?」
「あ、え、あ……はい。父をご存じで?」
父親の話題を出された事でどうやら少しは落ち着いたようだ。まだ緊張感は完全に抜けていないようだがこちらの話を聞けるほどまでには余裕が戻ったらしい。
父親の事を聞いた途端に表情が柔らかくなった。どうやら父親を本当に尊敬しているようだ。ここら辺は緋鷺刀と同じだな。
「剣術を嗜んでいる者で『剣聖十一段』の名前を知らない者はいないさ」
「ではその、篁さんも剣術を?」
「それなりにね。それと私の事は凛奈でいい。他のガキどもにもそう呼ばせているし。それよりも……たぶん緋鷺刀は尋ねなかったと思うが……『篁』の名前は聞いた事あるかい?」
恐る恐る苗字で私を呼ぶから、遠慮しないで名前で呼ぶように言う。そしてそれと同時に、彼女は『篁家』の事をどこまで知っているかを探ってみる。
暁の坊主の気配が一瞬だけブレたのを感じた。どうやら『篁』と『黛』の間に起きた事を知っているようだし私の意図も察したらしい。相変わらず聡い奴だ。
「はい。鹿児島に居を構える一族で、歴史は黛より古いとか。若くして亡くなられた『剣帝』篁十段は素晴らしい剣士だったと父も言っていました」
「緋鷺刀が『篁家』の一族だと気付いていたのか?」
「そうではないかと思っていました。篁の家名はそうあるものではないですし。ですが改めてお尋ねするもの失礼かと思いまして……」
やはりこの子は忘れている。いや、覚えていないんだ。
あの『十一段』の称号を掛けた勝負の時、兄さんは『黛十段も娘さんを連れていた』と言っていた。勝負した本人がそう言ったのだから間違いない。それなのにこの子が覚えていないという事は、尊敬する父が勝ったのが嬉しくて、それが強く印象に残り勝負をしていた相手の事を覚えていられないほどのものだった、という事なのだろう。
緋鷺刀がやけにこだわるわけだ。確かに覚えていないのならそれに越した事はない。変に話す事で思い出し、せっかく仲良くなった緋鷺刀とこの子の仲をわざわざ拗らせる必要もないだろう。
そもそも、当事者でない私が言う事でもないか。もしこの娘が思い出したとしても、それを解決するのはこの娘と緋鷺刀、そして黛十一段だ。私が出る幕じゃない。
「あの……それで『まゆちゃん』とはいったい?」
ああ本当に可愛いなこの娘。天然で上目遣いの使い方を知っている。
「駄目か? 緋鷺刀が『まゆ』と呼んでいるから呼んでみたのだが……そうだな、苗字だと後々アレだな。よし『由紀ちゃん』と呼ぶが構わないか?」
「はいもちろん問題ないですって言うかむしろ嬉しいぐらいです!」
「やったなまゆっちー! また新しいあだ名が増えたぜ!」
おお、これが噂の腹話術で喋っているストラップの松風か。緋鷺刀はあまり突っ込むなと言っていたが、まあどうしてこうなったかはだいたい想像はつく。野暮な事は言うまい。
「君が松風か。噂は聞いている。私が篁凛奈だ」
「おうよ、よろしく頼むぜ凛奈っち」
「相変わらずいい根性してるよなまゆっち……」
今まで何も言わずイチャつきながら私たちの会話を聞いていた暁の坊主ポツリと漏らした。言わん事は分からんでもないが『凛奈っち』か……なかなか新鮮で悪い気はしないな。よし、松風の場合は許そう。他の奴が言ったら速攻で折檻だがな。
「しかしなかなか渋い名前だな松風。前田慶次郎利益の愛馬か……加賀前田からか?」
「話分かるじゃねーか凛奈っち。意外と博識だぜ」
「はっはっは、これでも作家だ。その手の知識はそれなりだと自負している」
打てば響くなこの娘。これなら退屈する事もなさそうだ。緋鷺刀との相性は良さそうだが……うん、私との相性も悪くはない。いい娘を捕まえたな緋鷺刀。
「和気あいあいとするのは別に構いませんけど、そろそろお弁当をつまんだ方がいいですよ。下手したらモモに全部食べられますよ?」
「私はそこまで大食らいじゃないぞ」
こんな時でもイチャつくんだなお前たちは。そう思いながらも差し出された重箱からおにぎりとおかずを、自分と由紀ちゃんの分として半分ほど重箱の蓋に移し膝の上に置く。
さっき緋鷺刀がこのお弁当は由紀ちゃんが作ったと言っていたな。緋鷺刀曰く結構なものらしいが、はてさて腕前の方はどれ程かな?
「しかし、相当まゆまゆを気に入ったんですね凛奈さん」
割り箸を手渡しながらの川神の戦っ娘の唐突な質問に私は首を傾げた。確かに言われるように瞬く間に緋鷺刀に次いでのお気に入りになったが、それがバレるような表情は見せていなかったはずだが?
「バレてないと思ってるようですけど、名前の呼び方がモモたちと違ってますから、相当のお気に入りだって事がモロバレですよ」
言われてみればそうだな。余り気にした事なかったが私が『ちゃん』付けで名前を呼んだのは、後にも先にも兄さんの奥さんで緋鷺刀の母親の緋華瑠《ひかる》さんだけだった。といっても私がまだ中学に入る以前までだったが。
そうか……それ以来なのか。なんか感慨深い気がしないでもないな。
そう思いながら煮物を箸でつまみ口の中へ。
煮物を真っ先に口に運んだのには意味がある。実は『煮物ほどその料理人の料理の腕が分かる』と言われるほど重要な料理なのだ。
っ!? こ、これは!?
「お、お口に合いませんでしたか?」
目を見開き固まった私を見て由紀ちゃんが心配そうに問い掛けてくるが、私はゆっくりと咀嚼して十分に味わってから飲み込むと、箸を揃えて重箱の蓋の上に置いた。
そんな私の行動にますます心配そうに顔を歪める由紀ちゃんと向き合うと、私は両手で心配そうに震える彼女の両手を包み顔の前まで持って行く。
「由紀ちゃん」
「は、はい!?」
完璧だ。
実に完璧だ。
料理の腕もそうだが味付けも私と緋鷺刀好みだ。
この年齢でこれだけの煮物が作れるなんて、きっと幼いころから躾けられて来たんだろう。まだ見ぬ由紀ちゃんのお母さん。私は貴女に感謝します。
もはや疑う余地もない。この娘なら問題ない。
「緋鷺刀の嫁に来ないか?」
ブハァァ
「どうわ! きったねー! なに急にお茶吹き出してんだよヒロ!?」
「うわ!? 急に起きないでよキャップ!」
「気管に詰まったのか? すまない誰か手拭いを持ってるか?」
何やら急に向こうが騒がしくなったな。
「他人事のように見てますけど、凛奈さんの爆弾発言が原因ですよ?」
「爆弾発言も何も2人とも――おい、まさか」
思い至った事実に私は言葉を切った。それで私の考えが分かったのだろう、暁の坊主は苦笑いを浮かべて肩をすくませた。
どうやら勇み足をしてしまったようだ。
緋鷺刀も由紀ちゃんも、少なからずお互いを思っているようだが、どうやら2人ともその気持ちに全く気付いていないらしい。
私としては緋鷺刀の方はあそこまで意識しているのだから自覚していると思ったがそうでもないらしい。由紀ちゃんは明らかにそっち方面に疎そうなのは見て分かるが。
ふむ……果してこれは成功になるのか失敗になるのか……これを機に互いが意識し合ってくっついてくれれば御の字だが、逆に拗れたら拙いな。早急に何かしらの手を打つべきか?
これでもかというくらい真っ赤な顔で固まり、ニヤついた川神の戦っ娘に頬を突かれている由紀ちゃんを見ながら、私は今後の2人の展開についての策を考える。呆れ返った暁の坊主の視線にも気付かないほど真剣に。
後に私は思う。
あの時が人生で1番物事を考えた瞬間だったな、と。
あとがき〜!
「第71話終了。あとがき座談会、司会の春夏秋冬 廻です。今回のお相手は――」
「……篁緋鷺刀です」
「何やら物凄く不機嫌というか……覇気がないね」
「……ええ……まあ」
「さて今回のお話ですが、旅行1日目の箱根へ行く電車の中でのシーンなのですが、原作シーンの面影などまったくもってありません」
「完全なオリジナルシーンになってましたね」
「少しは原作にあるシーンを出すつもりだったんだけど、凛奈さんの存在がそれを全て吹っ飛ばしました」
「……おかげでこっちは気が気じゃないですけどね」
「いやしかし凄いね凛奈さん。書いてて楽しい楽しい。どうしよう、本編にもっと絡ませたくなった」
「お願いですからやめてください」
「うーん……本編に出せるだけの設定は十分にあるんだけどな」
「お願いですからやめてください!」
「読者のみなさんに聞いてみようかな?」
「お願いですからやめてくださいって言ってるじゃないですか!?」
「あ、はい。ごめんなさい。えっと……本編何か質問ある?」
「えっと、電車内の座席って卓也くんが4人座席がデフォっているけど、描写文読むと違うような感じを受けるんですけど?」
「あれはね、1列4人っていう意味だと思うんだ。特急電車の座席って向い合せにできるじゃん。8人だったらちょうど2列向かい合わせに座る事が出来るでしょ?」
「そうですね」
「ちなみに座席図はこんな感じ」
―――
|由 凛|
通
|百 神|
――― ―――
|大 岳| |卓 翔|
路
|京 一| |ク 緋|
――― ―――
「何となく分かりました」
「というわけで今回はここまで、次投稿はおそらく宿に到着〜1日目終了までだと思いますのでよろしくお願いします」