真剣に私と貴方で恋をしよう!!   作:春夏秋冬 廻

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第83話投稿。


第83話 箱根旅行、勝負が終わって

  side 暁神

 

「なるほど……そういう作戦だったのか」

 

ぶっ倒れているヤマの代わりにミヤがクリスに自分たちの作戦の全容を話していた。クリスも納得したようだけど、なんで俺は睨まれているんだろうか?

 

「どうしたクリス?」

 

「ルール説明。少し底意地が悪いではないか、ジン兄殿」

 

どうやら根に持たれてしまったようだ。

確かに意図的に説明しなかった場所が多々あった。読解力に期待して言わなかったが、クリスはミヤに言われるまで全く気付かなかったらしい。

 

「それは悪かったよ。読み取ってもらうのも勝負に含めたからな。底意地が悪かったのは認める。だが……」

 

「分かっている。負けたのは他でもない、自分自身が原因だ」

 

そこまでかしこまる必要はないんだがクリスは意外と重く捉えたようだ。ヤマに負けた事か、それともルールを読み切れなかった事か、どちらかは分からないが少なからず思う事はあったようだな。

 

「少しは、ゼイ、ハァ、俺の実力が分かったか」

 

見栄張ってるなヤマ。キツイなら早く休めばいいのに何としても認めさせる言葉は自分の耳で聞きたいって事か。まあそのために頑張ってきたんだから仕方ないか。

 

さて、クリスはどういう反応を返すかな。

 

「ああ。そうだな、許せ。お前は強い男だ。自分自身が未熟。またそれを思い知らされた」

 

「分かればいいんだ! 分かれば!」

 

言うだけ言って気を失ったな。まあヤマとしては聞きたい言葉は聞けたんだから満足だろう。ところでおいミヤ、熱を計るつもりなんだろうが股間に手を置く必要はどこにもないぞ。ヤバい行為に移る前に止めろよタク、ヒロ。

 

しかし、クリスは意外とあっさりヤマを認めたな。自分が感じたり見たりした事は素直に受け入れるって事か。素直なのはいいけど、これからヤマやミヤにいろんな嘘を吹き込まれたイジられるんだろうなきっと。

 

だが、ヤマが気絶したなら好都合。少しクリスに言い聞かせておくか。

 

「クリス」

 

「なんだ、ジン兄殿」

 

「戦いにおいて作戦は重要だ。それは理解しているだろ? そしてこの勝負でヤマが勝つために作戦を考える人間だという事も理解したはずだ」

 

「はい」

 

俺の雰囲気を感じ取ったのか、クリスは居住まいを正し口調も丁寧にし真正面に向き直った。周りのみんなも俺たちの雰囲気を察して黙って見ている。

 

「だが、まだ普段の時も策に頼るのは認めていない、納得していないはずだ。違うか?」

 

「それは……」

 

押し黙り視線を逸らすクリス。素直なのはいいが少しは腹芸やポーカーフェイスを覚えた方がいいな。すぐに感情や考えている事がバレるようじゃ駄目だぞ。今は関係ないからそこには触れないけどな。

 

「じゃあ1つ聞く。例えばタクのような体格の人間がガクのような体格の人間3人に取り囲まれて暴力と受けていたとしよう。クリス、お前ならどうする」

 

まあ、答えは分かり切っているんだけど一応聞いてこう。そこから考えの違いを指摘してやった方が分かり易いだろう。

しかし自分で言っておいてんだが……ガクが3人。想像したくないな。

 

「ガクトが3人、気色悪いわ!」

 

「てかただの喝上げ現場でしょ」

 

カズにミヤ、思っていても口にしてやるな。雰囲気で分かるが落ち込むなガク。ただの例え話だ。

 

「無論、正面からそいつらを懲らしめる。その程度なら自分には作戦など必要ない」

 

「そこだよ」

 

「え?」

 

即座に言葉を返されて戸惑ってるな。金曜集会の時にモモが言った言葉と同じ意味になってしまうが、理解させるためにはしょうがいないか。

 

「お前の物事の判断は常にそこから始まる。『自分ならこうする』。それがお前の考えの基準になっている。だからそれにそぐわない人間がいたら、無意識に見下しているんだ」

 

「ち、違う……」

 

「違うのなら、何故ヤマを認める事が出来なかった。この勝負をするきっかけになった時にどうして『口先だけ』という言葉を使った。もしお前の父親がヤマと同じ事を言葉にしたら、お前は無条件で納得しただろ。違うか?」

 

俺の畳み掛けるような言葉に何も返せずただ黙り込んで視線を逸らすクリス。そう思っているフシがあるから視線を合わせられないんだろう。本当に素直だな。

 

しかし責めるような口調になってしまっているけど、別にクリスをいじめたいわけじゃない。ただ少し強く言わないと理解できないと思うからこうなっているだけだ。

 

「正直に言え。この勝負が始まる前、どこかでヤマを自分より弱いと決めつけていただろ?」

 

「……はい」

 

俯いたまま絞り出すような声でクリスは返事をした。ヤバいな。そんなつもりは全くないのに凄く落ち込ませている。誤解は早めに解かなければ拙い事になる。

 

「別に悪いとか、責めているとかじゃないから顔を上げてくれ」

 

意識して穏やかな口調にすると、少し安心したのか緊張していた雰囲気も和らぎ下を向いたまま忙しなく動いていた視線も定まり、クリスはゆっくりと顔を上げ俺を正面から見た。そして苦笑を浮かべている俺を見て明らかに安堵したように小さく息を吐いた。

 

怖がらせたかったわけじゃないけど、少し失敗したな。とりあえず、もう少し口調を和らげて話を続けるか。

 

「10人が10人、同じ容姿の人間がいないように、人はそれぞれ持つ力も違えば考え方も違う。出来る事と出来ない事も違うんだ。お前に出来る事がみんな出来て当たり前って事はまずあり得ない。それは分かっているよな?」

 

さっきまでとは違い真っ直ぐと見据えて頷くクリス。それをちゃんと理解しているのなら大丈夫だ。俺はクリスの頭に手を乗せて少し荒っぽく撫でる。

 

「『自分ならこうする』という明確な指針を持つのはいいことだが、それに囚われると世界を狭めることになる。『あの人ならどう考える』『この人ならどう行動する』という柔軟な考え方をもてば、視野は広がり自分の出来る事がもっと多くなるはずだ」

 

撫でられて少し困ったような表情を浮かべるクリスだったが、俺はそれを無視して撫で最後に軽く頭を叩いて手を放す。

 

「でもすぐにそうしろと言われても出来ないと思う。だからとりあえず、風間ファミリーの仲間にはそういう考えで接してくれ。そうすればヤマの信条もきっと理解出来るはずだからさ」

 

「はい!」

 

最後は少しおどけるように言った俺の言葉に、クリスは思っていた以上に元気な声で返事をしてきた。なんだろう、どこか説得を間違えたか? 物凄い尊敬の目で見られているんだが……

 

それから気絶したヤマを休ませるために旅館に戻ることになった。俺は少しだけ寄る所があるとみんなを先に行かせたが、案の定モモが渋ったので言う事を1つ聞くと約束をしてみんなと一緒に帰らせた。

 

約束した時のモモの顔が物凄く気になる。はやまったか? お願い事の予想はだいたいつくが時々予想の斜め上をいくからな。それなりに覚悟をしておく必要がありそうだ。

 

まあそれは後にして、そろそろ声を掛けてやるか。みんながいなくなるのを待っていたようだし。

 

「もう出て来ても大丈夫ですよ『猟犬』さん」

 

「人払い、感謝します。それと私の事はマルギッテと呼びなさい。敬語も不要です」

 

茂みを掻き分けて林から『猟犬』さん改めマルギッテが姿を現した。雰囲気からして勝負をしに来たといった感じじゃないな。俺個人に勝負とは違う用があるみたいだ。

 

「それで、俺に何の用だ? さっきのクリスへの説教に対する苦言か?」

 

少しからかうような口調で問い掛けてみたものの、マルギッテの雰囲気は全く変わらない。怒るでもなく呆れるでもない。まるで探るような目で俺の姿を注視している。

どうやらかなり真面目な話らしい。聞く態勢を取り頷くと、マルギッテは変わらず俺を真っ直ぐ見たまま質問を投げかけてきた。

 

「あの夏より8ヶ月、貴方はいったどこにいましたか?」

 

思いもしなかった質問だ。てっきり俺の事を調べ上げた結果、不明な点を聞いてくるものとばかり思っていたんだけどな。

でも何故今そんな事を聞いてくるんだろうか。記憶が戻って帰国した事は知っていると昨日言っていたのに。

 

「どこにって、あの国の日本大使館にずっといたけど?」

 

「それを証明できますか?」

 

「信用できないのか? なんだったら確認してもらっても構わないぞ」

 

やけに食い下がるな。会って話をしたのは数回だし、殆どの時間は手合わせだったが、終わった事に関していちいちこだわるような性格じゃなかったはずだ。

しかも俺が記憶を取り戻して、大使館に滞在して、日本に帰国した事なんてマルギッテには殆ど関係のない事だ。多少は事情聴取されていたかもしれないが、それでも気にするような事じゃないはず。

 

それ以前にらしくない。こんな本題から遠回りの質問をする性格でもないはずだ。

 

「らしくないな。言いたい事があるならはっきり言ったらどうだ?」

 

俺の言葉に目を見開いたがそれも一瞬。すぐに目を閉じて少しだけ顔を下げる。たぶん話す事を頭の中で整理しているんだろう。

数秒、その姿勢のままでいたマルギッテは顔を上げ目を開き、再度俺を真っ直ぐ見たまま話を始めた。

 

「昨日、貴方の殺気を受けた時、半年前にある戦場で良く似た殺気を感じたのを思い出したのです。最初は勘違いかと思っていたのですが、改めて思い返して、『良く似ている』のではなく『全く同質』な殺気だと気付きました」

 

「なるほど……だから俺がどこにいたのかを確認したかったってわけね」

 

「その通りです」

 

「でも悪いが、俺があの国の日本大使館にいたのは間違いないからな。さっきも言ったように確認してもらってもいいぞ」

 

「いいえ。それには及びません。私は貴方を信用します」

 

首を振るマルギッテに苦笑を返す。曲がりなりにも信用はされているようだ。

 

話はどうやらそれだけだったらしいが、俺には引っかかる事ばかりだ。『良く似た』なら別に何とも思わないが、『全く同質』と言われると気にならないわけがない。

 

あの時俺がマルギッテに放った殺気は普通の殺気とは違う。暁の(ワザ)の1つで【滓心(ししん)】というものだ。それと全く同質の殺気を感じたという事は、その殺気を放った人物が『暁の一族』である可能性がかなり高いという事だ。

 

俺以外に『暁の一族』がいないなんて都合のいい考えはもちろんなかった。少なくとも両親のどちらか、そしてその祖父母のどちらかが生きていれば俺以外の『暁の一族』がいる。

 

さらに親の兄弟や祖父母の兄弟。暁の“血”と“武”がどういった方法で覚醒するのかは知らないが、少なくとも俺の血縁は確かに存在している。その中に覚醒した者がいてもおかしくはない。

 

気にはなる、が、調べる事の出来ない以上、どうする事も出来ないのが現状だ。とりあえず情報だけは仕入れておこう。

 

「マルギッテ、あんたが感じた殺気の持ち主。誰だか分かるか?」

 

どうやら俺からの質問を待っていたらしい。すぐに答えは返ってきた。

 

「明確に姿を見たわけではありませんが、傭兵たちの中に広まるある噂からその傭兵ではないかと推測しています」

 

「噂?」

 

「『相対する者全てを容赦なく殺め、その返り血で真紅に染まる姿はまさに悪魔の様だ』という噂。それ故にその傭兵は『紅血の悪魔(クリムゾン)』と呼ばれています」

 

『クリムゾン』……噂の内容からして日本語では『紅血の悪魔』って感じか。

 

「話は以上なので私はこれで。クリスお嬢様をよろしくお願いします」

 

そう言って小さく頭を下げたから手を上げて応える。それを確認して頷いたマルギッテはきびすを返し再び林の中へと姿を消した。

 

その後ろ姿を見送りながらも考える事はさっきの話。

 

俺の殺気と全く同質の殺気を放つ傭兵。噂と言いながらもマルギッテほどの力を持つ軍人がそれを信じるという事はかなり信憑性は高い。紛争のない平和な日本にいる限り関係のない話だと思うが、気に掛けるにこした事はないだろう。

 

でもまさか『暁の一族』の可能性の高い人間の話を、外国人に、しかも戦場の噂として聞くとは思ってもいなかったな。

 

ある意味で予想を裏切った出来事に、俺は苦笑を浮かべながら宿への道を歩き出した。

 

  side out

 

 

  side 川神百代

 

どうやら大和が目を覚ましたようだ。

 

膝枕をしている京と何やらやっているようだが、まあいつもの事だ。気にするようなもんじゃないな。寝ている間にジンが大和の体内の気の巡りを調整していたし、今から薬も飲むし、体調ももうしばらくしたら良くなるはずだ。

 

「ほらクリ、さっさと携帯番号をみんなに教えろ」

 

「ああ。ちょっと待ってくれ」

 

私の言葉に少し顔を赤くして視線を手もとの携帯に落とし操作をするクリ。この程度で恥ずかしがるなんてウブだなクリも。

 

今の私の体勢だが、胡坐をかいて座っているジンの上に横になって座り体は回された左腕で支えられている状態だ。ちなみにこれはさっきの約束した『言う事を1つ聞く』でお願いしたものじゃない。この体勢は私にとってはもうデフォだ。そんな事でせっかくのお願い事を使うわけにはいかないからな。

 

周りのみんなももう慣れたもので、誰も私たちに文句を言う奴はいない。もっとも、最初から文句など言わせるつもりはないがな。

 

「……よし、赤外線送るぞ」

 

「オッケオッケー」

 

「うん、来たよ」

 

「こっちも問題なし」

 

「クリスさんのメアド、EDOとか入ってるね」

 

「おー、俺も来たぜ」

 

「あれ? 俺様こねえぞ?」

 

私も確認。うん、来てるな。ジンの方を見ると頷きながら操作しているから問題なようだ。と、なにやらガクトが赤外線通信が来ないとか騒いでる。日頃の行いが悪いからだな。どうやら問題なく届いたようだが。

 

「ま、松風。赤外線とはなんですか?」

 

「ちょ、まゆっち。そんな事も知らないで女子高生なんてJOBやってんのかよ。やべえって」

 

「しょぼ~ん……です」

 

何やら相変わらず面白い事をやってるなまゆまゆは。お、どうやらタカがフォローに入るようだ。本当にまゆまゆの事になると行動早いな。

 

「まゆ、帰ったら携帯を買いに行こう」

 

「え?」

 

「持ってた方が連絡取り易いでしょ? 毎月の電話代はかかるけど、携帯は安いのは本当に安いからね。それに、僕もまゆが持っていてくれた方が嬉しいから」

 

「は、はい! 私も嬉しいです!」

 

お~お~。天然ジゴロだなタカ。まるで口説き文句だぞ。お互いに気付いていないからいいけど……いや、この場合よくないか。

あ、しまった。くっそ、せっかく携帯を操作していたんだからさっきの会話、録音しておけばよかった。そうすれば凛奈さんと一緒にイジレるのに。

 

その後、嬉しすぎて夢見心地になるまゆまゆを見てみんなで笑ったり、クリとまゆまゆが大和の容体を心配したり、と穏やかな空気が部屋を覆っていた。

 

クリも少しだけだが柔らかくなったし、まゆまゆも自分の意見を言うようになった。ジンが危惧していた事は確かに起きたが、これで2人も本格的に仲間入りしたな。

 

「よーし! 後は2人に川神魂を授けるぜ」

 

「川神魂?」

 

キャップの突然の宣言に首を傾げるクリとまゆまゆだが、確かにキャップの言う通りだな。川神学園に通う以上、知っておいてほしい志だ。

 

「こういう(うた)がある」

 

私はジンの脚の上から下り、居住まいを正してクリとまゆまゆに視線を向ける。

 

――光灯る街に背を向け 我が歩は果て無き荒野

  奇跡も無く標も無く ただ夜が広がるのみ

  揺るぎない意志を糧として 闇の旅を進んでいく――

 

「これが川神魂だ」

 

雰囲気にのまれたのか、真剣な表情で聞き入るクリとまゆまゆ。そんな2人に私の言葉を補うようにガクト、ワン子、キャップの言葉が掛けられた。

 

「あえて荒野を行かんとする男の(うた)だぜ」

 

「女のアタシだって分かるけど、長いわ」

 

「勇往邁進。ひと言で言えばそういう事だな」

 

全く、せっかく私がカッコよく言ったのに簡単に纏めるなよな。まあ間違っちゃいないが。それとガクト。ワン子の言うように別にこの言葉は男だけのものじゃないぞ。

 

「勇往、邁進」

 

「困難をものともせずに、ひたすらに突き進む……そういった意味の四字熟語だよ」

 

言葉を噛み締めるように呟くクリに、タカが言葉の意味を教える。難しく言う必要もない。恐れることなく進めという事だ。

 

「いい言葉だな」

 

「はい。前に進む意思が溢れる言葉ですね」

 

「辛い時は口にすればいいさ。同じ旅を行く仲間がいる。声にするだけでも力が湧き上がってくるはずだ」

 

言葉の意味に感銘を受けているクリとまゆまゆにジンが声を掛ける。いつか必ず自分の壁にぶつかる時が来る。そんな時にこそ思い出してほしい。そんな気持ちからだろうな、きっと。

 

「それさえ刻み込めば、他には何も言う事ねーよ。ってなわけで! みんな揃った事だし、本当の意味で新しくなった風間ファミリーの門出を祝って乾杯しようぜ!」

 

「急に話を切り替えるのはやめようなキャップ」

 

キャップの言葉にツッコミを入れる大和。どうやら多少なりとも調子を取り戻してきたようでひと安心だな。

 

しかし乾杯は悪い事じゃないな。どうやらみんなも反対するような事もないようで、全員が飲み物の入ったグラスを手に取った。私はピーチジュース。ジンはオレンジジュースだ。

 

「えー。若葉かおる頃となりましたが……」

 

「堅っ苦しいわよー!」

 

「てか僕たちを相手に口上なんて意味ないでしょ」

 

乾杯の前の挨拶に入ろうとしたキャップにワン子とモロロのツッコミが容赦なく入った。うん、遠慮ないやり取りがまさに私たちの証拠だ。

 

「分かったよ。じゃあ簡潔に行くぜ。楽しくやろう。それで十分だ。カンパーイ!」

 

「「「「「「「「「「カンパーイ!」」」」」」」」」」

 

11個のグラスがカチンとぶつかり合う音が、これから恐らく、死ぬまで続くであろう新生風間ファミリーを祝う鐘の音になった。




あとがき~!

「第83話終了。あとがき座談会、司会の春夏秋冬 廻です。今回のお相手は――」

「暁神です」

「ほいよろしく。さて今回のお話ですが――」

「変な伏線みたいなもの仕込んだなオイ」

「おおう、いきなりのツッコミ。まあその通りなんだけどね」

「ちゃんと伏線になるんだよな? 俺としてそこが1番心配なんだが……」

「他の事で心配しろよ。っていうか思いっきり君が関わっているのに心配するところそこなの!?」

「当たり前だろ。ちゃんとした伏線にならなきゃ心配するだけ損だろ」

「間違っちゃいないが……スッゲー馬鹿にされてるような気がしてならないんだけど?」

「気のせいだ。ところで、結局今回で終わらなかったな」

「ははは、終わらなかったね」

「計画性ないなホント」

「返す言葉がないね」

「まあそれはいい。でも次は本当に終わるよな? 多ければ2話って言ってたからな前回のあとがきで」

「…………」

「なんで視線を逸らす?」

「それでは皆さんまた次回お会いしましょう! ではサラバ!」

「……終わるかどうか分からないってことか」

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