問題を残し箱根旅行編終了です。
side ■■■
「行っちまいましたなぁ……いいですかい?」
「問題はありません。顔を見るだけ十分ですよ」
あれが暁神か……なるほど。君が言うように普通の人とは違う『何か』を持っていそうだな。何より彼女に近い雰囲気があった。
だが気に掛けるほどじゃない。力だけの人間などどうにでも出来る。
「どうするんです? あいつが相手となると今の駒じゃあ足りませんぜ」
「それも大丈夫ですよ。切り札はまだありますから。しかし、本当に彼らはこちらの計画の邪魔になるんですか? 言ってはなんですが、ただの高校生でしかありませんよ?」
君が言うから一応はそれなりの準備はしているが、ただの高校生に何が出来るというのだろうか。だが君は確信を持っているようだ。
「ええ、まず間違いなくあいつらは事が起きたら首を突っ込むでしょう。直接にしろ間接にしろ関わってくるのは確かですよ」
君にしか分からない何かがあるという事か……まあ、彼らを幼い頃から知っている君の言葉だ、一応信じるとしよう。
「そうですか。それならそれを見込んだ根回しもしておきましょう。では帰りましょうか。釈迦堂さん」
「へいへい、了解しましたよ。
side out
side 暁神
さっきの視線は何だったんだろうな。
やけに俺たちを注視してたけど、騒がしくしていたから見てたって感じじゃなく、明らかに俺たちを観察していた。
そのうち1つは釈迦堂さんだったし。
七浜に行った時もそれとなく気配を感じたからもしやとは思っていたけど、こっちに戻ってきてたんだなあの人。川神院を破門されてもう4年ぐらいか?
隣に座っているモモの様子からして、気付いていたのは俺だけか。凛奈さんの方にも視線を向けてみるが気付いた様子はない。
気配の消し方が上手くなってけど、破門されてから強くなったってのも何か皮肉な感じだな。いや、破門されたからこそ型にはまることなく自由に出来るから強くなったって事か……あの人は昔からどこか野性的なモノがあったしな。
鉄心さんにはそれとなく伝えておくべきか……いや、鉄心さんの事だ、恐らく釈迦堂さんが戻ってきているのはとっくに気付いているはずだ。川神院の事は川神院に任せておけばいい。俺が出る幕じゃないな。
「オイ、聞いてるのかジン」
「聞いてるよ。明日、みんなでまゆっちの携帯を見に行くんだろ?」
急に話を振られても問題なく返す。考え事をしていても話はちゃんと耳を通って頭の中に入っている。
まゆっちの携帯の事だが、未成年が携帯を買う場合は親の許可が必要だ。まゆっちは親元を離れているからショップで承諾書をもらい親元に郵送して、署名と捺印をもらった承諾書を返送してもらわないと駄目だ。
あるいは、親に地元で契約してもらい、機種を郵送してもらうという方法しかない。
まあ、どちらの方法を取るにしても、携帯を手にするのに5日から1週間ぐらいはかかるだろう。
それを知ってまゆっちが物凄く落ち込んでたけど、ヒロに任せれば問題ないだろう。いつの間にか自然にファミリー内でまゆっちの担当がヒロになっている。
俺たちにしてみれば同学年、同じクラスという事もあるからなのだが、凛奈さんにしてみれば上手くいったとほくそ笑んでいる事だろう。あの背中が如実にそれを表してる。実に楽しそうだ。
気にかかる傭兵の噂。予言めいた占いの結果。最後に感じた意味ありげな視線。
めでたしめでたし、で終わらなかった旅行だが、今は気にしたってしょうがない。情報が少なすぎるし、いつどのように起こるかすらも分からないんだ。神経を張り巡らせても疲れるだけだし、みんなに勘付かれちゃ元も子もない。
結局、何かが起きてからしか対応できない一介の高校生でしかないんだ。思い悩んでいたって意味ないか。
携帯談義に花を咲かせるみんなを眺めながら、俺は自分の中でそう締め括った。
side out
side 直江大和
夕日も完全に沈み、夜になりようやく島津寮へと帰ってきた。
「ただいまー」
「おう」
「お帰り、マイスター」
代表して玄関の戸を開け挨拶すると、そこにはゲンさんとクッキーの姿があった。っていうかゲンさんが出迎えてくれた事が物凄く意外なんだけど……
「勘違いすんじゃねぇぞ。後でいちいち部屋に挨拶にこられたら面倒だからここにいただけだ」
俺の言いたい事を先に悟ったらしいゲンさんが言葉を掛ける前に説明してきた。言葉はぶっきらぼうだけど本当に面倒見がいいよねゲンさんは。
「旅行、楽しかったですよ!」
「ああ、本当にな」
「部屋に帰るまでが旅行だからね」
暫く玄関で少し雑談を広げていた俺たちだったが、京はさっさと自分の部屋に戻って行った。あいつも仲間以外の人がいると途端に冷めた行動とるよな……兄弟が少し心配そうにしてたけど、どうしたもんかねホント。
「で、直江、土産は?」
「後で持って行くから茶菓子用意して待ってて」
少し無茶振りをしてみる。だがさすが僕らのゲンさん。予想通りの返しをしてくれた。
「調子に乗んなボケ。今回だけだぞ。洋菓子系と和菓子系、どっちがいいかぐらいはせめてもの慈悲で聞いてやる」
「洋菓子系で」
やっぱり優しいゲンさんだった。ちなみのゲンさんへのお土産だけど、最初はネタものに行こうかなと思ってたけど、今後の付き合いとかもあるから兄弟の提案に従って箱根寄木細工の秘密箱にした。
クッキーへのお土産も同じ物にしろとキャップも兄弟に言われていた。そのお陰か、いつもなら旅行に行った後は必ずお土産の事でクッキーに追い回されているキャップだが、今回はそれ定例行事がなく、クッキーも満足していた。
その後、お土産を部屋に持って行くつもりだったが、逆にゲンさんが大量のケーキを持って俺の部屋に来た。どうやらバイトで貰った余り物らしいが、食いきれないとのことでお裾分けしてくれたようだ。
交換するようにお土産を受け取ったゲンさんはすぐに部屋に戻って行った。もっと楽しくお話をしたかったな。どうすれば兄弟みたいにナチュラルに接してくれるんだろうか。
そんな事を思いつつ、女性陣にもケーキをお裾分けするため京に電話して2階に上がる許可をもらう。
いやしかしまさかその直後に、クマのぬいぐるみを抱き締めて部屋の中を転げ回るクリスを見るとは思ってもみなかったね。しかも物凄く異様な空間と化しているクリスの部屋も見てしまった。
何と表現したらいいんだろうねあの部屋。日本とぬいぐるみの融合。これを笑わずして何を笑えというぐらいに爆笑もんだった。
そのせいで理不尽に踏みつけられることになったが、その時に俺は理解したのだった。
『こいつは面白い奴だ』と。
side out
side 暁神
眠っているカズを背負って川神院への帰路を行く。
疲れて電車の中で寝るのなら分からんでもないのに、なんで解散した後で歩きながら眠るのかねこいつは。良く食べ、良く遊んで、良く寝る。健康優良児のカズらしいと言えばそれまでだが、さすがにこれはね。
「ふふふ」
ずり落ちそうになるカズの位置を直すように背中を揺すっていると、隣でモモが何やら小さな笑い声を零した。何か笑われるような事したか?
「どうした?」
「いや、そうしていると本当の兄妹に見えて微笑ましくてな」
ああ、そういう事か。
確かに同学年だけどカズは“妹”って感じが強いな。こう何と言うか、見守ってやりたい、みたいな感情がある。もちろん仲間たちにもそう思う時はあるが、カズに対してはそれが顕著になる事が多い。
そんなこと思ってるからヤマに『根っからの兄貴気質だな』なんて言われるんだろうな。
だがモモにカズと兄妹のように見える、と言われるのは悪い気分じゃないな。何故なら――
「数年後には兄妹になってるんだ。いい予行演習だよ。まあ、頭に『義理』ってのがつくけどな」
「なっ!?」
思わぬ俺の反撃に頬を染め固まるモモ。つまりはそういう事だ。
漏れ出そうな笑い声を噛み締めながら、固まっているモモをそのままにして歩みを進める。数秒で硬直が解けたモモは恥ずかしいのか嬉しいのか分からないが何やら悶えていたが、すぐに俺の横に並び身を寄せるようにして隣を歩く。カズを背負っているため腕は組めないがその顔はご満悦そうだ。
しかし、余りこの件に関しては口にしない方がいいな。言葉にした自分も思った以上に恥ずかしかった。モモが固まったお陰で顔を見られる事はなかったが、俺も間違いなく赤くなってたからな。でも、同じ思いでいてくれている事だけは分かったし、今後もたまになら口にしてもいいか。
そんな事を考えながら帰り道を進んで行くと、川神院の山門が見えてきたと同時に何やら懐かしい気配を感じた。約4年振りに感じる気配だけど恐らく間違いない。これは……
「フハハハ。久しいな百代。それに暁神」
山門の前で腕を組み尊大な態度で待っていたのは、やはり九鬼揚羽さんだった。しかも何故かその横に従っているのは英雄の専属のはずの『女王蜂』忍足あずみだった。
揚羽さんと『女王蜂』の組み合わせか……まさかと思うがあの事か?
「久し振りだなぁ、揚羽さん。私と勝負して負けて以来か?」
「で、あるな。約1年振りか」
そういえば鉄心さんがそんな事言ってたな。揚羽さんは高校を卒業すると同時に九鬼の軍需部門の統括をする事になり、まともに勝負が出来る時間が取れなくなるから最後に本気で死合いをしたって。
結果はモモが勝ったらしいけど、それでも四天王の座は守っているらしい。確か今の武道四天王ってモモと揚羽さん。それから鉄乙女さんに橘
違うか、橘さんは少し前に四天王以外の人に負けたって鉄心さんが言ってたな。ということは橘さんに勝った人が新しく四天王入りしたって事だろう。
「それで? 今日はまた私と勝負しに来たのか?」
「それも面白そうだがすまんな。今日はそっちの暁に用があってな」
「ジンに?」
俺に用事ね……考えられるのは英雄の事か、あるいは今日聞いたあの事か。
視線だけでどうすると問い掛けてくるモモに、背負っていたカズを預ける。そんな俺の行動に蚊帳の外にされるのを理解しんだろう、不貞腐れたように口を尖らせるので宥めるように頭を撫でてやる。
暫く撫でていると満足したのか、俺の手から離れたと思うといきなり伸びあがってキスをしてきた。
思いっきり不意打ち気味な行為に反応できなかった俺を見て、イタズラが成功した子供のような笑顔を浮かべるとカズを背負って逃げるように山門をくぐっていった。
残されたのは、呆然となる俺と、からかう様なニヤケ顔の揚羽さんと、呆れた様な半眼で見てくる『女王蜂』だった。
「仲睦まじいな、暁」
「盛ってんじゃねぇよ『
く、反論できない。『女王蜂』なんかここぞとばかりにイジってきやがる。まるで鬼の首を取ったみたいだ。ていうかお前猫被らなくていいのか? あれは英雄の前だけなのか。
だがやられっぱなしというのも性に合わない。やり返すか。
「仲睦まじくて申し訳ありませんね。男日照りの2人には刺激が強すぎましたか?」
厭味ったらしく言うと反応速度は予想以上に速かった。
「はっはっはっは、我に喧嘩を売っているのか、暁?」
「死にてぇのかテメェは?」
「買いましょうか? 返り討ちにしてあげますよ?」
3人とも笑顔を浮かべているのに雰囲気は殺伐としている。傍から見ると物凄く滑稽な光景に違いない。っていうかこんなアホな事してる場合じゃないだろ。
「話を戻しましょう。それで、俺に用事って何ですか、揚羽さん?」
俺の言葉に自分を取り戻したんだろう、揚羽さんは取り繕うようにわざとらしく咳払いをし、『女王蜂』はバツが悪そうに視線を逸らした。
この手のからかいはもう止そう。なにより女性に失礼だな。
「うむ。暁、我が九鬼の軍需部門の統括をしているのか知ってるか?」
「ええ、鉄心さんに聞いてますけどそれが何か?」
「ああ、実はお前に確認しておきたい事があるのだ。あずみ」
揚羽さんの言葉に、横に従っていた『女王蜂』が俺の前に立つ。まさかと思うがこの雰囲気、恐らく聞かれる事はマルギッテと同じ事だな。
「オイ『
案の定、思ってた通りの言葉だ。
何か俺の周りで動き出しているのか? いや違うな。これは俺自身の行動が招いた結果だ。俺が記憶喪失の間、あの部隊にいたからこその今こんな状況になっているんだ。
留まらずにすぐに大使館に行っていれば『女王蜂』や『猟犬』と深く関わる事はなかった。そうすれば2人ともその『
なら受け止めるしかない。自分の行動の結果は何があろうと自分で責任を持たなければならないんだ。
「聞いた事はあるな」
「どこで聞いた?」
「今日、『猟犬』に聞いた」
「『猟犬』? ドイツのマルギッテ・エーベルバッハか?」
頷くとそこで会話を切り考え込む『女王蜂』。たぶん俺と『猟犬』の繋がりを考えているんだろう。だが難しい事じゃない。考えればすぐに分かるはずだ。
「そうか、F組の留学生はドイツ軍のフリードリヒ中将の娘だったな」
「そういう事だ。で? 俺にそれを聞いてどうするんだ?」
俺の言葉に返答を渋るかのように顔を歪める『女王蜂』は振り返り揚羽さんの方を見た。恐らく答えていいのかの確認を取ったんだろう。『女王蜂』は無言で頷く揚羽さんに小さく頭を下げると、さらに真剣な表情で話し出した。
「3ヶ月前、中東にある九鬼の軍需施設に傭兵部隊が襲撃を掛けた。目的なんかは一切不明だったが、その傭兵部隊の1人に、施設にいた警備隊の半数が殺された。あたいもその時、視察に行かれた英雄様の護衛でその場にいたんだが、その傭兵の気配が知ってる奴に良く似ていてな」
なるほど……つまりそれが――
「後々に『
つまり俺に疑いが掛けられてるってわけね。だから半年間同じ部隊にいた『女王蜂』と、軍需部門統括で昔1度だけ手合わせした事のある揚羽さんがここに来たってわけだ。英雄の奴、言葉通り俺の事を揚羽さんにそのまま伝えたな。
「悪いが俺じゃない。言葉で言って信用してもらえるとは思ないけど」
「案ずるな。我もあずみもお前がそのような事をする人間ではないと知っておる。ただその傭兵を知っているかどうかを確認したかっただけだ」
全く身に覚えがない事だから両手を上げて降参のポーズを取る。それに対し揚羽さんは俺の言葉を否定するように言う。どうやらマルギッテと同じで、それなりに信用はされているようだ。
「名前を聞いたのも今日初めてです。顔を見た事もなければ姿を見た事もありませんよ」
「ふむ……そうか」
俺の言葉に考え込む揚羽さん。これ以上聞かれても分からないんだからどうしようもないんだけどな……でも気になるな。マルギッテや『女王蜂』すら気に掛けるほど俺に似ている気配を持つ傭兵。
ああ駄目だ。占いの結果のせいか悪い方向にしか繋がらない。とりあえず今は考えるな。相手は戦場の生業とする傭兵だ。俺から首を突っ込まなければ向こうから来る事はないんだから。
「暁、家族や親族の事――」
「悪い揚羽さん。俺、捨てられてたのを鉄心さんに拾われてるから、望んでる答えはあげられませんよ」
「っ……すまん」
遮り答えた俺の言葉に、揚羽さんはバツが悪そうに謝罪してきた。さすがの『女王蜂』も驚いて目を見開いてたな。
別に何でもない事だけど、俺自身が気にしていない事で空気が悪くなると非常に居心地が悪い。こう、悪気がないのに相手を泣かせてしまったような感じでどうも苦手だ。
「まあ、そういうわけで、俺はその『
「そうか。時間を取らせて悪かったな」
務めて明るく言う俺に、揚羽さんも同調してくれた。
「上がっていきますか? お茶ぐらいしか出せませんけど」
「まるで自分の家のようだな」
「自分の家ですからね」
調子よく会話を続けた事で完全に重苦しい空気は払われた。誘ったのは冗談ではなく本当なので、促すように手を上げたが、揚羽さんは小さく首を振った。
「我もこれから用事があってな、時間が差し迫っておる。お誘いは嬉しいが、またいずれ時間に余裕のある時にな」
「そうですか」
「うむ。ではあずみ、帰るぞ」
「はい、揚羽様」
歩きなのか、それとも近くに車を止めてここまで来たのか、きびすを返して去っていく2人の背中を見えなくなるまで見送る。
その間も考える事は傭兵『
今日という短い間に違う人から3回も同じ名前を聞くと、さすがに気にしないでいられない。今まで気にも留めていなかった自分の家族や親族について、1度は調べてみるべきなのかと思わなくもない。
でも、俺が捨てられた理由が、その捨てた人が俺を家族や親族と関わらせたくないからだとしたら、逆に首を突っ込む事になるんじゃないだろうか。あの占い師、本物っぽかったし予言めいた結果が本当になったら、俺がみんなを巻き込む事件に関わる事になるから下手な動きはしたくない。
結局、今まで通り生活しながら、情報を集めつつ徐々に小さく行動していくしかないって事だな。事件に直面したら大した差はないかもしれないが、心構えをするしないで変わってくる事もある。
バスの中で考えたように、何かが起きてからしか対応できない一介の高校生でしかないんだ。思い悩んでいたって意味ない。
大きな息を吐くことで鬱憤を吐き出し、頬を叩くことで気持ちを切り替えた俺は、地面に置いてあった3人分の荷物を担ぎ、
あとがき~!
「第85話終了。あとがき座談会、司会の春夏秋冬 廻です。今回のお相手は――」
「川神百代だ」
「隙あらばイチャつこうとする百代ちゃんです」
「いいだろう、私とジンは恋人同士なんだから」
「そうですね、さて今回のお話ですが、まあ読んでの通り今後のための伏線をいくつかバラ撒いています」
「ついに釈迦堂さんも名前が出てきたな」
「そうだね。ちなみに第64話の最後の視点『side ■■■■■』は釈迦堂さん視点でした」
「分かる人にはモロバレだろ?」
「だろうね。■が5つだから『釈迦堂刑部』の5文字そのままだしね」
「それで? 最初の視点は誰なんだ?」
「ひ・み・つ」
「気色悪い言い方するな! 今時点で名前出せないってだけだろ!」
「まあね。原作知ってる人は釈迦堂さんが一緒にいる時点でどんな人物像になるかは分かると思いますが。あの人物がこの物語における○○的存在になります」
「そこで伏字する意味があるのか?」
「小賢しいと思っていただいても結構。読者にバレていても物語に出来なければそれはいつまでも伏線になってくれるんだ」
「拾ってこその伏線だろ。まあ拾い忘れはないんだろうけどな」
「さすがにね。さて、いよいよ謎の人物として浮き上がる『
「また変な逃げ道作ってるな。どうせまだ考えてないだけだろ」
「いや、さすがにそれはないけどね。でも今はやっぱり触れられないって事で。では次投稿もよろしくお願いします」