とある魔術の日常?   作:置物

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七話 缶詰

上条を探しに飛び出したはいいが、居場所が分からず、当てもなく近くの川原を歩いていると川に石を投げている上条を発見した。

その姿を見て、「お前は担任に怒られた小学生か!」というつっこみをしたかったがシリアスな場面だし自重しようと思い、真面目な顔で上条に話しかける。

「なにしょぼくれてんだよ。お前らしくもない」

「陽太…」

こちらを振り向く上条の顔は笑顔だった。が、その笑顔は俺がいるから無理をして作っている笑顔だと一発でわかるものだった。そういえばこいつ、メンタル豆腐だったな。

「確かにお前はあの場においては邪魔だったかもしれない。でも邪魔なのはお前の能力であってお前自身じゃねぇ。それはわかってんだろ?」

「そうだけど…」

「ならいいじゃねぇか」

そう言っても上条はまだ納得してないような顔をしている。こういう慰め役は性に合わないんだけどなぁ。

「それによ、お前の能力はインデックスを守るのに最高じゃないか。相手は魔術師、つまり異能を使う集団なんだしよ。あと、お前から背負ったことなんだ。最後までちゃんと面倒見ろよ。俺も手伝うからさ」

「そうだよな…。ありがとうな陽太」

先程までの顔つきと打って変わって晴れやかな顔つきになった上条は「それじゃインデックスが心配だから」と言い、小萌先生のアパートに走って帰っていった。

「さてと、俺もやることやるか」

 

 

 

 

 

 

 

「冷蔵庫のセッティングを…!!」

お楽しみの時間だぜヒャッハー!!とテンションを高くする。

いやー、上条とインデックスには悪いが小萌先生のアパートを探す時も上条を探す時も心の片隅には冷蔵庫についていっぱいいっぱいだったんだわ。結局今日買った家電製品で残ったのあれだけだし。

あ、冷蔵庫のセッティングするんだし冷蔵庫に入れる食材を買わないとな。

寮に向かう前にスーパーか?スーパーだなスーパーに一直線だー!!と普段出さないようなテンションでスーパーに走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふーんふふーんふふふーん」

七月二十日夜九時五分、スーパーで変な鼻歌を歌いながら食材をカートに突っ込んでいく男子高校生がいた。というか俺だった。この流れ二回目な気がするが…気のせいだろう。

「にんじんキャベツにレタスに…ん?どっちがキャベツでどっちがレタスだ?まぁどっちも突っ込めば関係ないか」

上条がいたなら「いや関係あるだろ!?」とかつっこんでるだろうが生憎俺は今一人。抑止力と言うものがないのだ。

そのままきゅうり、なす、れんこん、じゃがいも、かぼちゃ、しいたけえりんぎまいたけぶなしめじと、どんどん食材をカートに突っ込んでいく。

後は缶詰コーナーで適当な缶詰買って帰ろうと多くの食材の入ったカートを押して缶詰コーナーに寄る。

「気分的には鯖の味噌煮を食いたいなぁ…。ってあれ?」

おいおい、おかしくはないですか?なんで鯖の味噌煮の缶詰だけ売り切れなんだよ?今日に限って特売かなにかあったのか?いや、でも特売をする時に張り出されるチラシは表にはなかったし、自然と全部売れた…?でもなんで鯖の味噌煮?くそう…、食いたかったなぁ鯖の味噌煮。

「結局、缶詰は鯖の味噌煮に限るって訳よ」

と、独り言らしきものが缶詰コーナーの棚の後ろから聞こえてきた。

棚の向こう、お菓子コーナーの所を覗いてみると大量の、それこそ商品棚に置いてあった全てではないだろうかと思わせる程の量の鯖の味噌煮の缶詰と少しのお菓子ををカートに入れて押していた金髪の女がいた。

「っておいそこの金髪鯖缶ガール止まれぇぇぇ!!!」

名前が分からなかったため適当な名前で呼ぶと自分のことと認識したのかこちらに振り向く金髪鯖缶ガール(仮)。

「ん?結局、アンタ誰よ?」

「そんなことはどうでもいい。俺はお前に一つ言いたいことがあるんだ」

「…?」

 

 

 

 

「ひとつでいいのでその鯖の味噌煮の缶詰譲ってください!!」

 

 

 

「…は?」

 

 

 

ここに、あっけにとられた顔をした大量の鯖の味噌煮の缶詰の入ったカートを押す金髪の少女に土下座する男子高校生というシュールすぎる光景が完成した。




上条「あ、そうだ。陽太も一緒にインデックスのところにもど」
草木「冷蔵庫のセッティングを…!!ヒャッハー!!」
上条「…あいつ、あんなおかしな状態になるまで無理をしてたのか…」
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