八月二日、午前五時三分。俺はやばい状況にあった。
「すぅ…すぅ…」
「……まじでこの状況はやばいって…」
昨日ミサカが泊まりにきて、女の子を床に寝かせるのもあれだったのでベットを譲り、俺は床で寝てたのだが、ミサカは寝相が悪いようで、ベットから落ちて床で寝てる俺の隣までゴロゴロと転がり移動、俺の布団の中に入ったみたいだ。なぜ落ちた時に起きない!?どこまで深い眠りに落ちてるんだよ!!
落ち着け俺、ビークールだ俺。もしもこの状態でミサカが起きてみろ。ミサカは目の前に俺の顔があって驚き、悲鳴を上げるだろう。そうなったら隣のシスコンにピッキングで俺の部屋の扉を開けられ、現状を見て変な誤解をしたシスコンにその場で殴られ、更には連絡網でクラス中にあらぬ話をされ血祭りにあげられ、そして姉である御坂にも連絡が行き超電磁砲でとどめ…。
死ぬ未来しか見えねぇぇぇぇ!!やばいってこれ!!もしかして俺の隣にいるのは女の子ではなく女の子の形をした核兵器なんじゃねぇの!?
いやさっき自分で落ち着け言ってたじゃん!!落ち着け俺!!
「ふぅ…、とりあえず、そっと布団から出る作戦を…」
「ふぁ…」
お わ た 。
「おはようございます、とミサカは目を擦りながら言います」
「お、おはよう…」
「む、まだ五時ですか、とミサカは時計を見て二度寝を実行しようかしまいか考えます」
あ、あれ?予想してた反応となんか違う?
「ミサカさーん、この状況に驚かないんですかー?」
「大丈夫です。ミサカはちゃんと理解してますから」
お、自分が転がってきたことを理解してるの
「本当に貴方はどうしようもない屑ですね、とミサカは生ゴミを見る目で貴方を見ます」
「まったく一ミリも理解してねぇよこの電気娘!!」
「それはすみませんでした、とミサカは正座しながら痛む頭を撫でて貴方に謝罪します」
「次馬鹿な事言ったら追い出すからな」
「貴方にそのような権限があると思っているのですか?とミサカは言います」
「どういうことだよ?」
「もし、ミサカがこの場で大声を出せば、近所の方が何事かと様子を見に来る。そしてミサカを発見するはずです、とミサカは頭にゴーグルを装着して言います。そしてここは男子寮、ミサカが言いたい事は分かりますね?とミサカは貴方に脅迫します」
この野郎、自分の立場を理解した上で利用しやがった!?
「ミサカはただここに宿泊させて欲しいだけです。アイス買ってこいとか扇風機出せとか自分の欲求を満たすための脅迫はしません、とミサカは冷蔵庫を覗きながら言います」
いつの間にかミサカは冷蔵庫を開けて中をじっと見ていた。開けている場所から察するに、アイスを狙っているようだ。
「でもさ、なんで泊まりたいのか理由を聞かせてもらってないんだけど。あと雪見大福は俺の楽しみだから食うなよ」
「黙秘権を施行します、と、ミサカは雪見大福など最初から眼中にないわと言うが如くハーゲンダッ○を取ります」
「ちっ、ハーゲンダッ○のほうが高いがいいぞ」
「わーい、とミサカは実は雪見大福も取っていたことを黙っておきます」
「さて、もう一発お前の頭を殴らなければいけないようだな」
俺は立ち上がり、ミサカの頭目掛けて本日二度目の拳骨を振り下ろす。
「そういえば、ミサカは貴方に宿泊させてもらったお礼をしなければなりませんね、と、ミサカは正直したくないお礼をあえてしようと言うことで好感度を上げる作戦に出ます」
「お前の口癖で全て台無しだぞ」
「よければあの山積みの課題を手伝いましょうか?と、ミサカは言います」
「あー、それは嬉しい提案だが、うちの担任は筆跡で本人が書いたかどうか分かる人だから」
「大丈夫です。ミサカは他人の筆跡を真似ることが得意ですから、と、ミサカはさっき見た貴方の文字を真似て書いた字を見せます」
「貴方が神か」
「おぉ、すげぇ、課題がどんどん減っていく…」
「しかも偶に間違えるという徹底的なやりました感の偽装もしてます、と、ミサカはドヤ顔で貴方に言います」
「宿泊だけでここまでしてくれる訳じゃないよな?」
「アイスとコーラを所望します、と、ミサカはパシリを命じます」
「ははー」