目が覚めると知らない部屋のベットで知らない天井を見ていた。カーテンがかかっている窓から少し光が漏れている。時間的には朝くらいか?
天井のしみの形から見て、ここは前俺が入院してた病院だろう。
だが、俺はあえてここがどこかわからないかのように振るまう。
「知らないて」
「はいカット、とミサカは無慈悲に貴方のネタをぶった切ります」
ベットの横の備え付けの椅子に座る、常盤台中学の制服に軍用ゴーグルを装着したミサカがイヤホンを片耳に差し、足で拍を取りながら俺の台詞を遮る。
「言わせてくれよぉぉぉぉ!!」
「二度ネタほど胸糞悪い物はないので、とミサカは片耳にイヤホンを差し、寿限無を聴きながら貴方に言います」
「寿限無ってそんなリズム感あるもんなの!?あとそれ二度どころか五、六回以上繰り返してなかったっけ!?」
「そこは熱いパトスでなんとかしてます、とミサカは一分で聞き飽きた寿限無を止めてウィークマンをポケットに仕舞います」
「熱いパトス冷めるの早いな!?っと、日って言えば、俺が気絶してからどんくらい時間が経ったんだ?あと一方通行は?」
ミサカは軍用ゴーグルを頭から外し、カチャカチャ弄くる。
「大体一日ぐらいですね、とミサカは軍用ゴーグル型時計を確認しながら言います。二つ目の質問は、貴方が気絶した後、上条当麻が来て一方通行を撃破しました、とミサカは答えます」
最後に見えた人影は上条だったのか。どうやって実験について知ったか知らないが、まさか俺と同じ日に来るとは。運がよかったな俺。って。
「それ時計だったのかよ!?」
「ミサカのこれは特別製なんですよ、とミサカは威張ります」
そういえば、とミサカは軍用ゴーグルを頭に付けながら言う。
「先程お姉様がお見舞いに来たのですが、貴方が寝ていたので伝言とお見舞いの品を預かってます」
「なんて?」
「『妹達を助けてくれてありがとう』と」
助けてくれてありがとう、ねぇ…。
「俺は私情で動いただけなんだけどなぁ。後負けたし」
「『それでも、妹達の為に戦ってくれたことには変わりないでしょ?』、とミサカはお姉様の用意周到さに感服しつつ伝言の続きを言います」
「まさかの俺の返しを予想した伝言を残すとは…これが超能力者…!!」
俺は動かない体をわなわなと震わせる(ように頑張る)。
「ミサカから一つ質問があるのですがよろしいでしょうか?とミサカは確認を取ります」
「なんだ?」
ミサカは意を決したように、少し息を吸って言う。
「貴方は、ミサカがお姉様のクローンと知って、どう思われましたか?また、どうしてミサカ達の為に命を捨てるような真似を?」
「友達だからに決まってるじゃん。クローンって知ったときは流石にびっくりしたけど、友達ってことには変わりないし」
俺は間髪入れずに答える。
「友達というだけで命を賭けられるのですか?とミサカは疑問を投げかけます」
「他のやつは知らないが、俺は賭けれる」
ただし親交の深い人限定だけど。
「そうですか…。聞きたいことも聞けましたし、ミサカは退散しますね」
「これからどうするんだよ?」
スライドドアの前に立つミサカはこちらを向かずに答える。
「暫く研究施設の世話になって調整をして、短い寿命を回復してきます、とミサカは答えます」
「そうか…それはいいことだ。あ、そういえばさ」
「なんでしょうか?とミサカは話を早く終わらせろオーラを漂わせます」
「ミサカって名前ないんだろ?」
「そうですね。普段は検体番号で呼ばれてますから」
「なら俺が名前をつけてもいいか?」
「…は?」
体をこちらに向けて、きょとんとした顔をするミサカ。
「こちらとしてはいつまでもミサカと御坂で言い分けるのは面倒なんだよ。いいだろ?」
「まぁ、いいですが」
「よっし!候補は二つあるんだけど第一候補を言うぞ!美鈴なんていうのはどうだ!御坂の名前って確か美琴だろ?楽器の名前が入ってるし姉妹を意識するんだったら楽器の名前を入れるのは当然として響きがいいのが鈴を入れた美鈴ってわけだけどどう?中々よくね!?」
一息で言ったからか、ミサカはすこし驚いた表情をしている。
「…確かにいいのですが、記憶違いでなければ美鈴とはお姉様の母の名前でしたが」
「なん…だと…!?」
まさか俺と同じ感性を持つ物がいようとは…。いやこの場合美鈴さんが自分の名前から連想して美琴って名前を考えたのか?
「いやまだもう一個候補あるし…。第一候補が潰れたぐらいでへこたれないし…」
「それで、第二候補はなんですか?とミサカは研究員との待ち合わせの時間を気にしながら言います」
「楽器っていうか楽器の種類になるんだけどさ、美管ってのは?美しい管楽器で美管」
「美管…ですか。中々いい響きですね、とミサカは偽りない賞賛を送ります」
「ということは?」
「これからミサカは美管と名乗ります、と美管はさっそくもらった名前を名乗ります」
「あぁ!よろしくな美管!」
それでは今度こそ、とミサカ、いや美管はスライドドアを開けて廊下を出る。
「あ、言い忘れてました」
スライドドアが閉まる前にこちらに振り向き、さっきまで無表情だった顔に笑顔を浮かべる。
「名前をくれてありがとう」
その笑顔はとても魅力的で、俺にとっては眩しい物だった。
美管が出て行った後、一日も寝ていた俺に眠気などあるわけもないので二度寝などできるはずもなく、なにか暇つぶしできるものはないかとドラク○などのRPG者の勇者気分でベットの横にあるタンスを調べると、百合の花が描かれた手鏡があった。
「お、可愛らしい手鏡だ…な…」
持ち上げて手鏡を見てみると、俺の顔が映った。が、そこは問題ではない。問題なのは髪だ。
俺の髪型は前髪は眉毛にかかるかかからないかぐらいで、えり足は肩まであるわ全体的に厚いという奇抜な髪型(他人からの評価であって俺の評価は中々いいんじゃね?)だったのだが、髪の毛が自然に立つほど薄く切られ、ワックスかなにかをつけているようで、ツンツンしている。
どこかで見たような、いや、ものすごく見覚えがある。この髪型は…。
「まんま上条の髪型じゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!!」
「あの髪型はミサカ的にないと思ったので切りましたが、気に入ってくれたでしょうか、とミサカはあの人の反応を想像しながらニヤニヤ笑います」
教えて!草木の質問コーナー
草木「まさかこのコーナーの所為で病院から連れていかれるとは思わなかった。まだ身体中が痛いんだぞ!」
垣根「おう。俺も仕事帰りに拉致られるとは思わなかったぜ。ぱぱっと終わらせて寝てぇし、さっそく一枚目」
草木「どんとこい」
垣根「ペンネーム『お絞り少女』から『どうして一方通行と対決してる最中に攻撃を止めて話始めたのですか?』だとよ」
草木「あ~、そりゃあ俺だって止めずにおらおらしたかったよ?でもさ、一方通行に俺の能力が簡単にばれるわ頭痛が激しくて演算できないやらと色々理由があったからだよ」
削板「男なら根性でなんとかしろ!」
草木「観客は黙ってろ!」
垣根「そんじゃあ二枚目。ペンネーム『魔法使い』さんから」
草木「…?一体だれ」
垣根「『私の話が飛ばされたから。代わりの出番が欲しい』」
草木「お前かぁぁぁぁい!!あとそれは俺に言うなぁぁぁぁぁぁ!!」