とある魔術の日常?   作:置物

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六巻の内容突入しようと思いましたが唐突に書きたくなりました
五巻の台詞引用多々あります


一つで終わらせようとしたら二部構成にせざるを得ない長さにorz

あと二十一話の日付を十日から二十一日に変更したため空白の時間を書くかも


空白の時間 八月三十一日 前編

八月三十一日。

草木も眠る丑三つ時と言われる午前二時頃。眠気をなんとか我慢するボサボサ頭の店員のいるコンビニに一人の男がいた。

その男、一方通行は二つの缶コーヒーを手にし、じーっと見比べていた。彼は缶コーヒーを手にしてから十分以上悩んでいる。

「(愛飲してるB⚪︎SSの無糖ブラックか、新しく開拓してジ⚪︎ージアのブラックか、やべェくらい悩むなァ…)」

たかが缶コーヒーでなんでそんなに悩んでるんだと普通の人なら思うだろうが、彼にとって缶コーヒーは某赤髪の不良神父にとっての煙草並に重要な事なのだ。

一方通行はこれ以上は時間の無駄だと考え一度目を閉じ、学園都市最強の頭脳を持ってどちらを選んだらどのようなメリット、デメリットがあるかを演算。数瞬した後、ハッとした顔になり一方通行は結論を出す。

「(悩むンならどっちも買えばいいじゃねェか)」

と一方通行はB⚪︎SSとジ⚪︎ージアの両方を籠一杯に詰めていく。レベル5の財力にかかれば缶コーヒーの十個や二十個など全く痛くもない。何処かの不幸なレベル0とは大違いなのだ。

ボサボサ頭の店員に缶コーヒー一杯の籠を渡す時にふと、自分に楯突いてきた能力者と自分が負けた無能力者の事を思い出した。

「(あの三下達との一戦、あれにどンな意味があったンだ?)」

支払いを終え、二十個以上の缶コーヒーが入ったビニール袋を手に取り、自宅に向けて歩く。

ボンヤリと空を見ながら歩いている一方通行の前に六人の集団が現れる。

一人は釘バットを持ち、一人は催涙スプレーを持ち、一人はサバイバルナイフを持ち、と全員が全員違う獲物を持っている。が、共通して目が血走っていた。

そんな彼等を一方通行は気にした様子もなく歩き続ける。

おらぁ!と背後より男の絶叫。前にいる六人以外にもいたらしい。

背後の男はスタンガンで一方通行の背中に突っ込む。しかし、一方通行は背後を見ようともせず歩き続ける。

男はスタンガンをバチバチ鳴らしながら無防備な背中に突き立てる。

バチゴギン!と一方通行の背中から電気が肉を焼く音と骨が折れる音が同時に鳴る。

しかしそれは一方通行の背中が電気に打たれ、背骨が折れた音ではなく、背後より突進してきた男の手が電気で火傷し、手首が折れた音だった。

それを皮切りに、前にいた六人もそれぞれの獲物を使い一方通行に襲いかかるが、全て彼の能力に反射され、絶叫を上げながら地に倒れる。

「(まァ考えたとこで何かが変わる訳でもねェしどうでもいいか)」

一方通行はもがき苦しむ敵を無視して歩く。少し前の彼なら自分に刃向かう者には二度と刃向かう事がないようにトドメをさしたりしていたが、今の彼はそれをしない。

「(なンつゥか、こういうの俺の人格じゃない気がすンだよなァ。やっぱあン時から何かが変わったンだ。でも何が変わった?はァ、全く分かンねェ)」

ある学生寮を通る途中、何処からか真夜中にも関わらず少女のキンキンした声が聞こえてきた。

内容から痴話喧嘩と予想した一方通行は煩い声、空気の振動を反射した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大通りを歩く一方通行の背後一メートル程に、頭からボロボロの布切れを被る何かが一方通行の背中に向かって何かを訴えている。しかし今の彼は無駄な空気の振動を反射の設定に組み込んでいる為に何を言っても聞こえない状態だ。

その物体は声が聞こえないなら視界に入ればいいと思ったのか一方通行の前に躍り出る。

「(あ?なンだこの怪人チビ毛布は?何口パクして…あァ、俺が反射してっからか)」

一方通行は試しに反射の設定を元に戻す。

「おーい、流石に目まで見えないとかないよね、ってミサカはミサカは確認を取ってみる」

耳に入ってきたのは甲高い、しかし平淡な少女の声だった。

「ちっ、俺になんか用があンのか?クソガキ」

やっぱり何かが変わったなァ俺と思いながら一方通行は足を止め、話を聞く。

「やっと返事をしてくれたよわーい、ってミサカはミサカは喜んでみたり!我思う故に我有りとか嘘っぱちだねやっぱり他者が認めない限り自己を思った所で自己は存在し得ないね!ってミサカはミサカは間違った知ったかぶり知識でコギト=エルゴ=スムを否定してみたり」

「ンな事はどうでもいい…あン?ミサカ?」

ミサカという単語に一方通行は怪しげな物を見る目で目の前の物体を見る。いや元々そんな目で見ていたが。

彼が知る「ミサカ」とは、レベル5第三位の超電磁砲の御坂と、絶対能力進化計画に用いられた二万の御坂のクローンである妹達のミサカだが、目の前にいる物体はどう見てもどちらでもなさそうな大きさだった。

「おい、その毛布取っ払ってよく顔を見せてみろ」

「え?えーっと、往来で女性に衣服を脱げって言うのは些か大胆というかなんというか…」

「脱げなンて一言も言ってねェだろォが!顔見せろって言ってンだ!」

「ほ〜い、ってミサカはミサカは物分かりがいいので顔を見せる」

少女は「でゅわっ!」と顔を覆っていた毛布を下ろす。

そこにあったのはよく知る妹達と同じ顔だった。ただし、その顔つきは妹達の設定年齢の十四歳より幼く見られ、恐らく十歳前後と思われる。

「その顔にミサカ…テメエも妹達の一人か?」

「ミサカの検体番号は20001号、妹達の最終ロットとして製造されて、コードは打ち止めって言うの、ってミサカはミサカは自己紹介してみる」

「で?その妹達が今更俺に何の用だ?まさか、実験再開なんて言うンじゃねェよな?」

「実験は完全に中止したよってミサカはミサカは元気良く答えてみたり!でも逆に途中で止めちゃったからミサカはこんなチンマリした状態で追い出されちゃったのってミサカはミサカはがっくりしてみる」

「結局、何しに俺ンとこに来たンだよ?」

家にさっさと帰りたい一方通行は歩き始め、打ち止めは話をしながら後を追いかける。

「貴方は実験のカナメであるはずだから研究者さんと連絡取って欲しいな、ってミサカはミサカは可愛い容姿を駆使してお願いしてみる」

「他ァ当たれ」

「いっえーい速攻即答大否定!ってミサカはミサカはヤケクソ気味に叫んでみたり!でも他の研究者さん達が何処にいるかわからないし頼れる人は貴方しかいないの、ってミサカはミサカは懇願してみる」

「他ァ当たれ」

「まさかの同じ返事!?ってミサカはミサカは貴方の投げやりさ加減に驚いてみる!」

ビニール袋から缶コーヒーを一本取り出し、片手で開けながら、どうしてこンな面倒い奴に引っかかったンだと思う一方通行だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大通りから脇道に逸れ、更に細い路地を幾つか通った先に五階建ての学生寮が現れた。

周りにある全てのビルが十階以上の高さを誇るので、朝の日差しは拝めず、夜はじめっと冷たい雰囲気を出すこの学生寮に一方通行は少し前から嫌気が差していた。

「ここが貴方の住んでる場所?とてもステキだねってミサカはミサカは褒めてみたり」

「そりゃ皮肉か?で、オマエはいつまでついて」

「お世話になります!ってミサカはミサカは先手必勝」

「オイ、テメエなに言って」

「ゴチになります!ってミサカはミサカは豪華な三食と三時のおやつと夜食を希望してみる」

「……」

「……」

暫しの沈黙。

「ちっ」

沈黙に負けた一方通行は苦虫を噛んだような顔で舌打ちをした後、何も言わずに学生寮に入っていく。

「あ、待って、ってミサカはミサカは貴方を追いかける」

「(あ〜、ホントなンなンですか俺ェ。いつもならこンなガキ無視する筈なのによォ。やっぱり何かが変わったンだ。でないとこれ説明できねェだろ)」

階段を上がりながら自分の中の変化を探すが全く分からずじまいだった。

三階の廊下に出た所で打ち止めが一方通行を追い越し、両手を広げて進路を塞ぐ。

「貴方の部屋は何号室?ってミサカはミサカは尋ねてみる」

「505号室」

「明らかにこの階じゃないんだけど!?ってミサカはミサカは人を邪険に扱う貴方に驚いてみたり!」

「間違えた、106号室だったわ」

「それも違うよね!?ってミサカはミサカは貴方の茶目っ気に驚いちゃった!そんなに貴方はジョークを言う人だったっけ?ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」

「あー、わかったわかった。311号室だ」

「本当に?ってミサカはミサカは先まで嘘を言ってた貴方を疑ってみる」

「さァな」

一方通行は打ち止めを手で横に押しやり、自身の部屋へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扉が無くなり、ベッドは引き裂かれ、本棚は倒され、食器が割られ、冷蔵庫は縦に真っ二つにされた部屋があった。傷だらけの表札を見ると、微かに一方通行と書いてある。

「わ〜…すごく斬新な部屋だね、ってミサカはミサカはこれからお世話になる貴方の部屋を無理矢理褒めてみる」

打ち止めも部屋の状況に苦笑いを浮かべつつ部屋の主の気に触らないように言う。

そんな彼女を無視して一方通行はもう一つ隣の部屋のドアノブに手を掛ける。

「隣の人に用事があるの?ってミサカはミサカはついでに今晩寝るのに必要な毛布を借りてきて欲しいと思ったりしちゃったり」

「こっちが俺の部屋だ」

「え?だって表札に一方通行って」

「誰が馬鹿正直に表札出すか。そっちはダミーに決まってンだろ」

ドアを開け入っていく一方通行の後ろを着いて行く打ち止め。

玄関は靴を脱がなくていい洋式、真っ直ぐ伸びる廊下の先にある部屋は十畳程の広さがあった。右側にはそこそこの大きさのベッドと本が綺麗に仕舞ってある本棚が二つとテレビが、真ん中にはテレビの方向に向いているソファが、左側には業務用冷蔵庫が置いてあった。

「わぁ〜、個人宅に業務用冷蔵庫を持ってるって珍しいね!貴方は料理するの?ってミサカはミサカは貴方のエプロン姿が見れるかもしれないという期待に目を輝かせてみたり!でもキッチンはどこかな、ってミサカはミサカは疑問を投げかける」

「何を勘違いしてるが知ンねぇが」

一方通行は業務用冷蔵庫を開けて打ち止めに中身を見せる。中には缶コーヒーがびっしりと(一方通行にとっては少し隙間があるだけでびっしりとは言わないが)詰まっていた。

「コイツは缶コーヒー用の冷蔵庫だ」

「このカフェイン中毒!ってミサカはミサカは貴方のエプロン姿の夢を壊されてショックだよ!」

そんな打ち止めの戯言を無視して一方通行はソファに寝転ぶ。

「で、テメエこれからどうするンだ?さっきのダミーの部屋を見ただろ?俺と一緒に居たら明日の朝にはあの部屋の冷蔵庫みたいに真っ二つになってるかもしンねェぞ?」

「それでもお世話になりたいかなぁ、ってミサカはミサカは頼み込んでみたり」

「あァ?何でだよ」

「誰かと一緒に居たいから、ってミサカはミサカはびしっと即答してみたり」

「…そォかよ」

一方通行は一瞬黙り込み、答えた後天井を見上げる。

「ねぇねぇ、貴方はベッドで寝ないの?ってミサカはミサカは聞いてみる」

「そのベッドは俺の体に合わなかったからな。使いたきゃ勝手に使え」

「わーい!ってミサカはミサカは見た目年齢相応の行動を取ったり!」

ベッドに飛び込む打ち止めを見た後、一方通行は瞼を閉じ、体が異様に疲れていることを感じ取る。

その理由を考えた末、一つの答えを導く。

「(なンだ、考えてみりゃいつ振りだ?あンな無邪気な声をかけられたのは)」

襲いかかる睡魔に抗わず、一方通行の意識は闇に沈んだ。




教えて!フレンダの質問コーナー

フレンダ「なんで一方通行な訳!?」
垣根「作者が唐突に書きたくなったって前書きで言ってるだろうが」
フレンダ「私にも出番寄越せー!」
垣根「俺も欲しいぜ。『とある科学の未元物質』」
ミサカ『フレンダさんと垣根さん主役回も考えているみたいです、とミサカは以前より作者が言ってたことを伝えます』
フレンダ「やったぁぁぁ!」
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