次こそ、次こそ最後にします!
本編後の教えて!フレンダの質問コーナーで…!?
同日午前十二時五分。
窓から差す日の光とテレビの音で一方通行は目を覚ます。
ソファに沈ませていた自身の体を起こし、欠伸をし、辺りを見渡すと、打ち止めがテレビ放送している相⚪︎を食い入るように見ていた。
一方通行が起きたのを察知したのか、打ち止めは体を一方通行の方に向ける。
「おはよー、ってミサカはミサカはお寝坊さんな貴方に朝の挨拶をしてみる」
「…」
少し考えた素振りを見せ、一方通行はソファに寝転ぶ。
「ちょっとー!どうしてミサカを無視するの!ってミサカはミサカは憤慨してみる!」
ねぇねぇねぇと体を揺すってくる打ち止めを面倒に感じた一方通行ははぁ、と溜息をつき、もう一度体を起こす。
「さっきおはよーって言ったけど実はもうお昼だったりするんだよ、ってミサカはミサカはお昼ご飯の催促をしてみたり」
「結構オマエ厚かましいな」
「ミサカの性格は他個体の妹達の模写だったりするからミサカ自身のせいじゃないよ、ってミサカはミサカは他のミサカに責任転嫁してみる」
こンな感情豊かな妹達がいるのかよ…と一方通行は絶対能力進化計画で殺してきた妹達を思い出すが一人もこんな性格の奴はいなかったと思う。恐らくまだ会ったことない10032号以降の妹達を模写したのだろう。
「(もしもこンな普通の人間みたいな性格の奴が実験中に一人でもいたら…)」
と途中で考えるのをやめる一方通行。ifなんていくらでも考えられるし、考えた所で過去や現状が変わる訳でもないのだから時間の無駄だと思うからだ。
クソが、と苛立つ仕草を隠しもせずに立ち上がり、ドアの方向へ歩いていく。
そんな彼を見て打ち止めは頭に疑問符を浮かべたが、昼ご飯の方が優先順位が高かったか、「ご飯♪ご飯♪ってミサカはミサカは歌ってみる」と言いながら彼に着いて行く。
外は嫌な程快晴だった。
同日十二時十八分。
ファミレスに着いた一方通行と打ち止めは、案内されたテーブル席に向かい合って座っていた。
ファミレス入り口で「コイツの格好でファミレス入れンのか?」と思った一方通行だったが意外にもウエイトレスは迎え入れた。若干引きつった笑顔で。
もし迎え入れられなかったら他人の振りして入ろうと思っていたことは秘密だ。
「うーん、どれにしようかなぁ、ってミサカはミサカは涎を垂らさないよう我慢しながら悩んでみる」
メニューを懸命に見る打ち止めから目を離し、別段何かがある訳でもないが、なんとなく窓の外を見る。
「貴方はもう決めたの?ってミサカはミサカは聞いてみる」
メニューから顔を上げて打ち止めは聞く。
「お前がメニュー見てるから決めれねェっつうの」
「じゃあはい!ってミサカはミサカはメニューを貴方に差し出してみる!」
「あァ?お前は決めたのか?」
「貴方が決めた物以外を選んで少し交換したい、ってミサカはミサカは提案してみる」
「…お前が食いてェやつ二つ選べ」
「え?じゃあオムライスとステーキ!ってミサカはミサカは呼び出しベルを押しながら答えてみる!でも二つも食べきれないよ?」
「呼び出しベルを押した後に言うか普通…。片方は俺が食う。それでいいだろォ」
そう言って一方通行は机に頬杖を突き、打ち止めはそれならと注文を取りに来たウエイトレスにオムライスとステーキを頼む。
「(はっ、なンだよこれ。お前が食いてェやつ二つ選べ?昔の俺ならぜってェ言わねェな)」
ウエイトレスが厨房に逃げるように去った後を眺めながら自嘲気味に笑う一方通行。
数分後、同じウエイトレスがオムライスとステーキを運んできた。
「お〜、美味しそう!ってミサカはミサカは率直な感想を述べてみる!」
並べられた二品を見て目を輝かせる打ち止め。
「実は暖かいご飯を食べるのはこれが初めてだったり!ってミサカはミサカはナイフとフォークを掲げて言ってみる。ふぉぉ、すごい湯気が出てる、ってミサカはミサカは凝視してみる」
「そォかよ」
実験が中止になってから結構な日が経っているが、その間の生活というのはどのようなものだったのだろうと一方通行は考えたが、自分には関係ないと切り捨てる。
自分の前に置かれたステーキを食べるべく供えられたナイフとフォークを持ち、フォークでステーキを抑えた所で打ち止めの方向から何かを食べる音が聞こえない事に気付き、視線を向けると打ち止めが一方通行を見ていた。
「なンだ?湯気出てるメシは初めてなンじゃねェのか?」
「えーと、ご飯を食べる時はいただきまーすって言うの聞いたことある、ってミサカはミサカは思い出してみる。もしよかったらやってほしいなー、ってミサカはミサカはお願いしてみる」
「…」
一方通行は手にしたナイフとフォークを置き、手を合わせる。
「…いただきます」
「…!いただきまーす!ってミサカはミサカは手を合わせて言ってみる!」
「(こンなンでメシが美味くなるとか変化がある訳でもねェし時間の無駄だろ)」
オムライスをナイフとフォークで不器用に、しかし美味しそうに食べる打ち止めを見て思う。
「(けど…こういうのも悪くねェな…)」
「美味しい美味しい、ってミサカはミサカは分けてもらったステーキを食べながら率直な感想を述べてみる」
「こンなの何週間前から倉庫にぶち込まれたかも知れねェ食材だろォが」
ファミレスの店員に聞かれたら名誉毀損で訴えられそうな事をさらっと言う一方通行。丁度店員は全員厨房に入っていたから誰にも聞かれなかったから彼は運が良かった。まぁもし聞かれても彼に何かを言える勇気を持つ者はいないだろうが。
「それでも美味しいものは美味しいもん、ってミサカはミサカは言ってみる。それに、誰かと食べるご飯は感覚が違うもの、ってミサカはミサカは精神論を述べてみる」
「ハッ、けど食ってる相手がテメエらを一万回以上殺した相手だったらどうだ?まさか忘れたなンてねェよなァ?」
「ミサカはミサカは脳波リンクで精神も接続状態なんだけど」
「あ?それが何だってンだ?」
「その脳波リンクが作る精神ネットワークがあるの、ってミサカはミサカは説明してみる」
研究者さんはミサカネットワークって名付けてたと言って打ち止めはナイフとフォークをオムライスの横に置く。
「ミサカ達と脳波リンクは脳細胞とシナプス、ミサカネットワークは脳ってところかな?ってミサカはミサカは例を述べてみる。『ミサカ』単体が死んでもミサカネットワークは消滅しない。脳波リンクによって経験した事は全ミサカに伝えられるから忘れる訳がない、ってミサカはミサカは言ってみる」
しっかりと、一方通行の目を見て言い続ける。
「ミサカ達は実験の為に生まれて死んできた。それが当然だと思ってた。でも、ミサカ達が、『ミサカ』が死ぬ事を悲しんでくれる人、泣いてくれる人、怒ってくれる人がいるんだってことを教えてもらった、ってミサカはミサカは胸を張って宣言してみる。だからもうミサカは死なない、これ以上死んでやる事は出来ない、ってミサカはミサカは考えてる」
「…そォかよ」
その真っ直ぐな視線から逃げるように、一方通行はステーキに視線を落とし、切り分けていく。
「あ、でも貴方には感謝もしてるんだよ?ってミサカはミサカは付け加える。貴方がいなかったら傾きかけてた欠陥電気計画が拾われなかったはずだから、ってミサカはミサカは説明してみる。貴方のおかげでミサカ達は生まれたのだから、ってミサカはミサカは感謝を述べてみる」
「人を産んで殺してたらプラスマイナスゼロだろォが。いや、むしろ生まれなかったら死ぬっていう苦痛を味合わなかった分恨むのが普通じゃねェか?ま、俺は楽しく愉快に殺させてもらってたから何言われても気にしねェけどよ」
「それは嘘、ってミサカはミサカは断じてみたり。貴方は本当は実験なんてしたくなかったと思う、ってミサカはミサカは推測してみる」
「…はァ?」
動かしていたナイフとフォークをとめ、狂人を見るような視線を打ち止めに向ける。
「どこをどう美化すりゃそンな台詞を吐けンだ?嫌々やらされてるように見えたか?」
「でも、そうじゃないとおかしな点が二つあるの、ってミサカはミサカは言ってみる」
「…」
「一つ目は実験中、ミサカ達と話しかけてきた事。もし実験に協力的だったなら、ミサカ達と会話せずに殺してしまえばいい筈なのに、ってミサカはミサカは言ってみる」
「実験中にも言ったが、そンなの暇潰しだ暇潰し。一方的に殺すのも飽きンだよ」
「二つ目は、乱入してきた二人目の、あの人との戦い。どうして手を抜いたの?ってミサカはミサカは聞いてみる」
「手を抜く?俺が?ありえねェな」
切り分けたステーキを一口食べて否定する一方通行。
「言い方がちょっと違ったかも。貴方はどうして相手と同じ土俵に立ったの?ってミサカはミサカは再度聞いてみる。貴方の能力であの人を遠距離から攻撃してしまえば確実に勝てるのに、ってミサカは…ミサ…」
言葉の途中でごとん、と鈍い音がテーブルの上から聞こえた。
打ち止めが目の前のテーブルに突っ伏している。オムライスより手前に突っ伏していたためどこかのお約束みたいにはならなかったのは幸いか。
「オイ?」
一方通行は席から立ち、打ち止めの体を揺する。
「あ、あはは」
疲れたような声で打ち止めは笑い、顔を上げる。見ると、顔全体から尋常ではない脂汗が流れ、頬が紅潮している所に無理矢理笑顔で繕っている状態だった。
「こうなる前に研究者さんとコンタクトとりたかったんだけど、ってミサカはミサカは苦笑してみる。ミサカは肉体的にまだ未完成な状態だから培養機から本来出ちゃいけないんだけど、ってミサカはミサカはため息をついてみる…」
はぁぁ、と失業した中年男性のような深く、活力のないため息をする。
「チッ…」
舌打ちをし、頭を掻き、一方通行はしゃがんで打ち止めの体を背負った。
「俺も研究所に用があるからそのついでだ」
「…ありがとう、ってミサカはミサカ…は…」
意識を失った打ち止めを落とさないよう打ち止めからかかるベクトルを操作し、一方通行はテーブルの上に一万円を置いてファミレスから出た。
一方通行は自分が知り得る研究所の一つの入り口に立っていた。
ドアには網膜を調べるためのスキャナがあったが、実験が凍結してから時間が経っていたため自分のIDは生きてないだろうと思い無視する。
ドアをノックし、その衝撃をロック部分に集中させ、破壊する。
ドアはぎぃ…、と音を立てて開く。
中では、一人の女性がコンピュータから吐き出される大量のデータ用紙とにらめっこしながら時折赤ペンでチェックを入れていた。
「オイ」
一方通行の呼びかけに女性、芳川桔梗は顔上げ、あら、と言ってにっこり笑う。
「おかえりなさい一方通行。わざわざ壊さなくてもキミのIDはまだ九十日ほど大丈夫だったのに」
「もうIDが必要ないドアになっちまったから関係ねェな」
「それもそうね。その背中に担いでいるのは何かしら?」
「妹達の一人の打ち止めって言うらしい。ここに来たのは妹達の調整用機材を借りる為だ」
そう彼が言って打ち止めをデータ用紙で埋れた椅子二つを繋げた上に横に寝かせると、芳川は大分驚いたような顔をした。
「どうしてキミが知ってるのかしら?」
「あン?何の事だ?」
「これよ」
手に持っているデータ用紙をひらひら掲げる芳川。
それは学習装置のスクリプトだった。
「それがどォした?」
「あら?その様子だとキミは気付いてその子を連れてきた訳じゃないのね。それじゃあ簡潔に言うわ。その子の脳にはウィルスがインストールされてるのよ。それも世界を滅ぼしかねない程の物がね」
「はァ!?」
一方通行はあまりの規模のでかさに大声で驚き、近くにあったデスクにぶつかる。当たり前だ。つい昨日会ったばかりの少女が世界を滅ぼす程の物だと誰が予想出来るだろうか。
椅子に横になる打ち止めをチラ見する一方通行。
「コイツは人造の超能力者か何かかよ?」
赤ペンでチェックを入れる作業を再開し、芳川は言う。
「いえ、その子自身の強度は強能力程度よ。ミサカネットワークって言葉に聞き覚えはあるかしら?」
「コイツら妹達の間で繋がってる脳波リンクだろ?」
「普通は信号が各『ミサカ』から他『ミサカ』に発信され、記憶の共有、意思疎通を行うのだけれど、打ち止めは特別でね、その子から発信される命令信号には他『ミサカ』は逆らえないのよ。その子はミサカネットワークの管理者ってところね」
「大層な役職もらってンだなこのガキ。で、そのウィルスである命令信号はどういうモンだ?さっきの切羽詰まってた様子じゃロクでもねェ内容なンだろ」
「記述の傾向を追う限り、人間に対する無差別な攻撃という所ね」
「………なるほどな。確かに世界滅ぼしかねねェ」
一方通行は持ち前の頭脳でその意味を理解した。
現在、一万人弱もの妹達のほとんどは外部、世界中の協力機関で調整している。学園都市に配備されている対能力者用部隊|警備員≪アンチスキル≫や|風紀委員≪ジャッジメント≫が穏便に事件を収拾させる、というのは時間的及び距離的に不可能だろう。
学園都市外で起きる一万人弱もの能力者が同時に事件を起こせばいくらなんでも隠蔽しきれない。
しかも、その能力者達は学園都市の人造能力者だと知れば世界中が学園都市に避難の目を向け、協力機関は学園都市に対する支援を打ち切るだろう。
外部との関係を立たれたら、いかに学園都市であろうとも存続出来ない。
後はどうなるか想像がつかない。
学園都市が解体され、職を失った研究者がオーバーテクノロジーを持って世界中の軍事研究所に流れるか、逆に崩壊の危機に駆られた学園都市が次世代兵器と能力者を使った武力蜂起をするか。
どちらにしても世界のパワーバランスが崩れ、世界規模の恐慌、下手すれば戦争に発展するかもしれない。学園都市の『中』対『外』などと小さい物ではなく、ありとあらゆる国家、民族、宗教、思想といった物全てに亀裂が入る。
それは世界の終わりと言っても過言ではない。
なまじ『滅ぼす』力を持っている為に、一方通行には簡単に想像できた。
「でも、キミが打ち止めを連れてきてくれたおかげで幾分か余裕は出来たわ、ありがとう」
「そォかよ。そンじゃ、用事も無くなった事だから帰るわ」
壊れたドアを開き、一方通行は研究室から出て行く。
「…彼、変わったわね」
打ち止めを抱きかかえ、芳川はそう呟いた。
教えて!フレンダの質問コーナー
フレンダ「結局、前編から中編までに時間が空いちゃった訳だけど」
垣根「あ?」
フレンダ「そんな事が些細な事になるくらい重大な話が今回ある訳よ!」
垣根「へー」
フレンダ「この間空白の時間 八月三十一日 前編で五十回突破したでしょ?」
垣根「大分期間空いてたからすっかり忘れてたぜ、」
フレンダ「な、なんと!空白の時間 八月三十一日 後編が終わったら!」
垣根「終わったら?」
フレンダ「読者アンケートで一位になった人の日常を書くって訳よ!」
垣根「…で?」
フレンダ「鈍いなぁカッキー」
垣根「誰がカッキーだ」
フレンダ「つまり!出番がない私達にスポットライトがあてられる可能性がある訳よ!」
垣根「お、おぉぉぉぉ!?俺が主役の『とある科学の未元物資』が!?」
フレンダ「そう!ありえる訳よ!」
ミサカ『フレンダさんと垣根さんが自分達の話で盛り上がって本題に入れない為代わりにミサカが説明します、とミサカはカンペに書きます。作者は空白の時間 八月三十一日 後編を25日までには書き上げる予定ですので25日0時00分までアンケートを取ります。下に選択肢を書きますのでこれがいいと言った物を活動報告にお願いします、とミサカは書いていきます。
一、とあるフレンダの日常
二、とある垣根の日常
三、とあるミサカの日常
四、とある削板の日常
五、とある麦野の日常
六、上記以外の日常
上記以外の日常を選んだ場合、誰がいいのかも教えてください、とミサカは懇願します。因みに上記のミサカの日常はこのミサカかもしれませんし違うミサカかもしれません』
フレンダ「缶詰食べ歩く回とか最高な訳よ!」
垣根「語られなかった俺の恰好良い暗部活動とかで読者に印象を持たせあわよくば主役張れる位の人気に…!」