ミサカ「…」(無言の頭踏み)
麦野「…」(無言の鮭弁)
フレンダ「…」(無言の鯖缶)
美管「それでは番外編どうぞ、と美管は言います」
垣根「え?あれスルー?」
とあるミサカの日常 「ロシアより愛を込めて」
ロシアのとある研究所で、一人の少女が机、詳しく言えば葉書に向かって、うんうん唸っていた。机の周りにはぐしゃぐしゃに丸められた紙がそこらへんにあり、手紙を書く内容に悩んでいるのが分かる。
「困りました、あの人に手紙を書くと決めたのはいいのですが、内容が全くと言って決まりません、とミサカは途方に暮れます」
この少女、ミサカは上条当麻が好きだ。しかし自分が飛ばされた研究所がロシアにある為簡単に会うことは出来ない。
どうにかして関係を持ちたいと思ったミサカは連絡方法を考えていると用心棒(何故いるのかは不明)のアーロンから「文通はどうだ」と言われ、それだ!と決めたミサカが机に向かって手紙を書き始めたのは約一時間前。
「やはり始まりは『視界が晴れやかとなり、銃撃戦が捗る今日この頃、上条さんはどのようにお過ごしでしょうか?』が良かったのでしょうか。しかし一般高校生は銃撃戦とは無関係な日常を過ごしてるでしょうし…とミサカは『辺り一面が白銀世界で敵から身を隠すのが容易な今日この頃』と見比べます」
「一般高校生は敵から身を隠す必要もないと思うがな」
プシューと音を立てて開いた自動ドアからミサカの部屋に入ってきた、三十代半ば程の白衣姿の男が呆れたような顔をしながら言う。
「乙女の部屋に入る時はノックをしろと言ったはずですが、とミサカは貴方を睨みつけます」
「悪いな。ノックをし忘れるのが僕の悪い癖だな」
ノックをする仕草をして男は誠意の感じられない謝罪をする。
「次こそ気をつけてください、とミサカはどうせ次も忘れるんだろうなコイツはと心の中で悪態をつきます」
「心の中で言ってないな」
「それで何の用ですか?とミサカは暗にさっさと出てけと言います」
「冷たいな」
「ここはロシアで、今は冬の夜ですから、とミサカは暖房を強くしながら言います」
「空気じゃなくお前の態度な」
男、ロランは周りに丸めて捨てられている葉書をゴミ箱に入れて言う。
「そんなに書けないならG⚪︎ogleで手紙の書き方とか調べればいいんじゃないかな。ホールにパソコンあるし」
「負けた気がするから嫌です、とミサカは拒否します」
「何に?」
「こう…何かに負けた気がするんです、とミサカは曖昧に言います」
「機械音痴だったりしないよな?」
「ナ、ナニヲイウデスカ。ソンナワケネエズラ」
「急に片言になってどうした?後ズラってなんだよ僕は地毛だよ」
事実、ロランが言ったとおり、このミサカはとても機械に弱く、学園都市にいる時に研究所である事をやらかしてしまい、学園都市から離れたロシアに飛ばされた、というのはミサカと木原君だけの秘密だ。
「うーん、そんな調べるのが嫌なら無難に『はじめまして』でいいんじゃないかな?」
「それだと普通すぎて印象に残らないので却下です、とミサカはダメ出しします」
「うわぁこの娘めんどくさいな」
「印象第一で行くなら銃撃戦で行くしか…」
「第一印象がトリガーハッピーガールになると思うな」
「ならどうすればいいんですか、とミサカはキレ気味に言います」
「逆ギレもここまで来たら清々しいな。印象なんて今の口調を変えればいいだけなんじゃないかな」
「会う機会がないのに口調変えてどうするんですか、とミサカは頭の螺子の閉まり具合を心配します」
「長い事一緒に居たけどまさか頭の螺子の閉まり具合を心配されるとは思わなかったな」
うーん、と目を瞑り、長考するロラン。
「…手紙が書けないなら手紙を出さないって選択肢は」
「本末転倒にも程があります、とミサカは本気で頭の心配をします」
手紙を書き始めてから三時間後。ミサカはようやく上条宛の手紙を書くことが出来た。
手紙は綺麗な字で書かれ、空いたスペースには可愛らしいウサギが描かれていて、女の子アピールをさりげなくされている。
「僕が手伝った甲斐があったな」
「何を言ってるのか理解不能です、とミサカは置物に言います」
「さらっと人間の称号剥奪したな」
さて、とミサカは長い間座っていた椅子から立ち上がり、体をほぐし終えるとクローゼットから分厚い軍隊服を取り出す。
「
「今回
「はい。今回のは一番クオリティが高い物ですので、とミサカは気合を込めた返事します」
ゴーグルを最後に装着し終え、ミサカは雪が吹き荒れる外に向かって歩き始める。向かうは山を二つ、谷を一つ越えた10km先のポスト。挑んだ回数三十二回。失敗した回数三十二回。
「ミサカは決して諦めません。この想いが届くまで、決して」
番外編 とあるミサカの日常「ロシアより哀を込めて」
ミサカは無事にポストに辿り着けるのか。
次回予告(嘘)
視界が吹雪で白に染まり、道を見失うミサカ。
「まだ…ミサカ…は…」
そこに現れる謎の人物。
「お前、いい根性してるじゃねぇか!ちっとばっか手を貸すぞ!」
立ちはだかる巨大な敵。
『お腹減ったんだげそー』
ミサカは無事にポストに手紙を入れられるか。
次回とあるミサカの日常「ロシアより愛を込めて」
「見てくれないとビリビリしちゃうぞ、とミサカはお姉さまの真似をしてみます」
置物「」(猿轡+亀甲縛り+目隠し)
垣根「作者からの言い訳を聞かずにあの状態にする女性陣怖い」
美管「そりゃ大分彼女達を待たせたのですから仕方ないかと、と美管は北海道ミルクアイスを食べながら答えます」
垣根「一方通行編も終わらせないといけねぇのに…」
美管「そっちは打ち切りにすれば…」
垣根「駄目だろ」