とある魔術の日常?   作:置物

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第一章
一話 始まり


「だりぃなぁ…」

目の前に積み上げられた課題を見つめながら俺、草木(くさき)陽太(ようた)はぼそっと教室から去っていく見た目ロリな先生に聞こえないように呟いた。

七月十九日。

夏休み前日、学校から夏休み学力が落ちないように課題が出されることは分かっていたのだが、量が異常に多い。これ本当に夏休み中に終わるの?と言う位多い。

まぁ、ここ学園都市に住んでる学生は超能力開発なんていう頭をいじくるカリキュラムをしてるし、頭が多少なりともよくなっているだろうから出来るんだろうけど、鉛筆で字を書くという行為を嫌っている上にめんどくさがっている俺は無理だな。

そんな俺が課題を夏休み中に終わらせる方法は二つある。

一つ目は友達の誰かに手伝ってもらうという方法だが、フコウダーは俺より頭悪いし、人生と書いて妹と読むシスコンはのらりくらり避けるだろし、守備範囲が異様に広い似非関西弁は報酬がないとやってくれない。

ならば二つ目の方法を実行するしかないじゃないか。

「そうと決まれば小萌先生に直談判だ!」

俺は机に積まれた課題を持ち、小萌先生がいるであろう職員室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「小萌先生はいますかー!」

課題で両手が塞がっている為、足で職員室の戸を開けながら小萌先生を呼ぶ。

「どうしたのですかー草木ちゃん?」

職員室の中からではなく廊下から声が聞こえた。後ろを振り向くと、我等が担任小萌先生が出席簿を片手に持ってこっちに向かって歩いていた。

「いやぁ、小萌先生にちょっと相談があって」

「草木ちゃんが相談とは珍しいですー。どういった内容ですかー?」

「はい、それで相談と言うのは宿題の量を減らし」

「それは無理ですー」

…ん?あれ?言い切る前に無理って言われたぞ?

「草木ちゃんはテストの点数と単位がギリギリ足りないものがいくつもあったですよー。でも普段の授業態度はいいので補習は無しの代わりに課題の量を増やそうと職員会議で決まったですー」

「待ってください!課題の量を増やされるくらいなら補習の方が断然マシなのですが!?あと小萌先生!俺が字を書くのが嫌いなの知ってるでしょ!?」

「はいー。だからそれを治す為に補習ではなく課題の量を増やそうという案が出たですよー。なので課題を減らすのは無理ですよー」

それでは先生、会議があるのでー、と小萌先生は出席簿を自分のデスクの上に置いた後、会議室のある方向に消えていった。

「…だりぃなぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大量の課題をハンドバックに詰め込み、死んだような目で虚空を見ながら下校する男子高校生がいた。

というか俺だった。

くそう、確かに俺は課題提出をちょくちょくしなかったりテストを寝て過ごして残り十分で解くような奴だよ。課題の方はなんとも言えないがテストの方は頑張ればそれなりの点数を取れるんだ。

とぶつぶつ呟きながら自分の住んでいる寮の玄関を通り、いつ止まるかも分からないほどオンボロなエレベーターに乗り、自室に向かう。

気分一転して、今日のご飯はなににしようと冷蔵庫の中身を見て考えようとしたら遠くからドーンと言う音が聞こえてきた。冷蔵庫からカーテンがかかっている窓に視線を変えると、眩しいくらいの光が一瞬目に映った。

「どっかで電撃姫が暴れてるのか?ったく、はた迷惑だなぁ」

と適当な事を言って冷蔵庫に視線を戻すと突然部屋が真っ暗になった。

「あ?ブレーカーでも落ちたか?」

このままじゃ夕飯作れねぇ。

手探りでキッチンのシンクの下にある懐中電灯を探し、ブレーカーのある風呂場まで行き、ブレーカーを上げたが冷蔵庫が機能していなかった。壊れてた。

「おい、ちょっと待てよ。これついこの間買い換えたばっかだぞ!?『耐久性抜群!象が踏んでも壊れません!』っていう売り文句に惹かれて五年間使ってた中古冷蔵庫を泣く泣く業者に引き渡したんだぞ!?突然の落雷くらい耐えてみろよ!?」

こんな時はあれだ。友人の台詞を借りるしかないな。

「ふ、不幸だぁぁぁ!!」




「冷蔵庫、短い付き合いだったな」
俺は冷蔵庫の取扱説明書に書いてあった業者に繋がる電話番号に電話をかけ、中に入っていた食べ物を一度全部取り出し、冷蔵庫の供養をしていた。
これどうしようかなと冷蔵庫の中身を眺めているとピンポーンと、呼び鈴が鳴った。
「お、もう来たのか?電話してからまだ五分も経ってねぇよ」
はいはーい、今開けまーすと扉を開けると顔に刺青を入れた厳つい男が立っていた。
「あー、アレだ。業者様の到着だぁ。で、回収して欲しいモンはどこにあんだ?」
業者って客より偉いんだっけ?と疑問に思いながら壊れた冷蔵庫のところまで案内する。
「アレをパパッと運べ」
と、男が玄関の方に向いて誰かに話しかけると、玄関からアンチスキルの服装に似た黒尽くめの男達が入ってきて冷蔵庫を回収していった。
「結構耐久性には自信があったんだけどなぁ…」
そう言って去っていく男の背中には哀愁が漂っていた。

*後書きの話はフィクションです。個人、団体名及び物語とは一切関係ありません。
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