とある魔術の日常?   作:置物

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四話 幻想殺し

普通の人なら炎に触れると火傷をしたり熱がったりするだろう。しかし、まるでなにも感じてないように俺は炎の中を歩く。

「へぇ、炎の中にいてそんなに平然と居られるのは、超能力のおかげかな?」

「当たり前だろ。じゃなかったら学園都市でもビックリ人間受賞確実だ」

「僕にとっては、さっきのツンツン頭と同じくらいビックリ人間だと思うんだけどね」

俺の知り合いでこの階に住んでるツンツン頭と言えば上条と土御門くらいだけど、多分上条だろうな。こういう面倒事はだいたい上条と決まっている。

「まぁこの街はそんなビックリ人間の宝庫だからな」

と、適当な相槌をしながら少しずつステイルの方向に歩いていく。目標まであと五メートルくらいか?

「おっと、それ以上近づくと殺すよ?」

近づいて欲しくない理由は知らないが、ステイルは殺気をこちらに向け、手に炎を浮かべながらそう言った。普段の俺なら「すみませんでしたー!!」と言って逃げていただろうが今は理由が理由だから逃げない。

逃げない俺に苛立ったのか、

「巨人に苦痛の贈り物を!!」

炎の剣を俺に振るう。

その一撃は辺りで沈静し始めていた炎を再び燃え上がらせ、金属製の手すりを溶かし、俺に直撃し爆発した。

普通の人間なら骨も残さず燃えてしまうような一撃だっただろうが、俺には一切通用しない。

「な!?」

流石に今の一撃で生きていたのは驚いたのか、目を大きく開き、ありえないといった感じにぽかんと口を開いている。目の前まで来たのにまだ驚いてるとか。

「おらおら、さっさとそこどけよ。俺は自分の家電製品達が無事かを調べなくてはならないから」

「…は?」

「だから、俺の部屋はお前の後ろにあるの。わかる?お前でかいから横にずれてくれないと通れないの」

「あ、あぁ…」

ったく、さてと俺の家電製品達はあぁぁぁぁぁぁ!!??

「嘘…だろ…?」

そりゃああの爆発だから壊れても仕方ない。でも少しでも壊れてない物があるというわずかの望みを打ち砕かないでくれよ。なんで…なんで…!!

 

 

 

 

 

 

「冷蔵庫以外すべて溶けてるんだよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

俺が一日かけて探し集めた冷蔵庫以外の家電製品達が溶けて混ざり合ってて「え?これ近代アートか何かですか?」みたいな感じになってるぅぅぅぅぅ!!?

この「三秒でどんなものも暖める」電子レンジは七万したんだぞ!?このテレビなんて「超画質!肉眼で見るより綺麗に見える!」って言う売り文句に惹かれて買ったんだぞ!?まだ見てねぇのにあんまりだ!!肉眼より綺麗に見れるか分からなかったじゃねぇか!!というか他にも買ったけど買いすぎた所為でどんな物があったか肉眼じゃ分からねぇほど混ざっちゃったよ!!

「うッうッ…糞ォ…」

そんな打ちひしがれてる俺に追い討ちをかけるが如く突如スプリンクラーが作動する。

「あぁ、まるで俺の心を表しているかのような雨だな…」

「いやいや、これ雨じゃないから」

ステイルがなにか言ってるがそんなことどうでもいい。俺は今目の前の現実に手一杯なんだ。

 

「そーいや、ルーンってのは壁や床に『刻む』モンだったんだっけな」

 

と、エレベーターから突然聞きなれた声が聞こえた。

その声は、俺が部屋に居るときにたまに隣から「不幸だー!!」と叫ぶ声だ。その声は、学校に居るときによく話をする声だ。その声は、どんなに不幸な目にあっても明るく笑って生きてるあいつの声だ。

その声は、困ってる奴を見ると放っておけない底なしの優しさを持つあいつの声だ。

その声は自然と俺を落ち着かせ、エレベーターの方に振り向かせた。

「…ったく、参ったぜ、アンタすげぇよ。正直、ホントにナイフ使って刻まれてたら勝ち目ゼロだったよ。コイツは回りに自慢したって構わねーぜ」

「ははっ、すごいね、君は戦闘センスの天才だ。だけど、経験が足りないかな?確かに紙は水に弱いのは赤ん坊でも知ってる事だ。だけど、コピー用紙ってのはトイレットペーパーじゃないんだから簡単には破けないよ」

ステイルは余裕を持った感じであいつに言う。

「殺せ!『魔女狩りの王(イノケンティウス)』!!」

ステイルが叫ぶと炎の巨人があいつの乗ってきたエレベーターの扉を溶かして出てきた。しかしそんなものあいつのかかればなんでもない。

「邪魔だ」

そう言ってあいつは裏拳で炎の巨人を殴り、消し飛ばした。あいつの右手には『幻想殺し(イマジンブレイカー)』という異能であれば全てを破壊するものが宿っているから造作も無い事だろうが、俺から言わせてもらったらチートだ。

「なっ!?馬鹿な!?どうして魔女狩りの王(イノケンティウス)が再生しない!?」

へぇ、あの炎の巨人には再生機能があるんだ。

「まさかコピー用紙が破れたのか!?」

「インクは?」

ステイルに静かに、諭すようにあいつは言った。

「たとえコピー用紙は破れなくっても、インクは落ちちまうんじゃないか?ま、それでも一つ残らず潰すことはできなかったみてえだが」

そしてあいつは一歩、一歩とステイルに近づく。

「あ…あぁ…」

ステイルはこの世の終わりを目の当たりにしたかのような声を上げて後ろに下がる。

それでも諦めきれないのだろう、踏みとどまり、呪文を唱え始める。

「灰は灰に!!塵は塵に!!吸血殺しの紅十字ぃ!!」

しかし先程まで出せていた炎はすこしも出なかった。

そうこうしている間にあいつはステイルの目の前まで近づいて拳を振り上げていた。

「歯ぁ食い縛りやがれ魔術師ぃ!!」

そしてあいつ、上条当麻の右手がステイルの顔面に刺さった。




草木「…あれ?俺主人公してなくね?」
イケメン「どんまい」
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