皆様のイメージが違ったらすみません!
あれからすぐ感じたものは、最初は満月のいい夜で居間にいたはずの世界が、太陽のある昼間に入れ替わったことに気が付く。
何がおきたかわからず慌てて懐に収めていたスペルカードを取ろうとしたが、ただ空から落ちていることに気がついた。
そのことに少しだけほっとして←(おい!? Σ\(゚Д゚;)
そこで初めて、冷静になりようやく現在の状況をしっかり把握した。
「おー、空だ。……って、うそーーーーー!?」
現在地点、上空4000メートル。
そこから急速に、高速に想像してたよりも早く自身が落下していることに気が付き、慌てて体制を立て直し、空を飛ぼうとしたが……
―――時既に遅し、冷静になり気づいた時にはもう水面がすぐそこだった。
「(……\(^o^)/)」
ふと思い、周りを見渡してみると、一緒に召喚されたとおもわれる男一人に女の子二人、加えて三毛猫が一匹。
……ふむ。濡れるね。まぁ、いっか〜
バシャン!!
水面に4つの柱ができた。……地味に痛い。
僕はすぐさま水面に上がり足をつけた。簡単にいうと水面の上に立っているのだ。
『ぎにゃあああああああ!!お、お嬢ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
なんかすぐ近くでさっきの三毛猫が叫んでいたのでとりあえず助けた。
『お、おう。嬢ちゃんすまねぇな。助かった』
「どういたしまして。歳をとった紳士な猫さん。」
僕は猫さんを抱えながら、陸地に着くと後ろから別の気配が感じた。
後ろを向くと、無表情な顔の女の子がいた。
「……この子、君の?」
「……うん。」
「はい! 返すね、三毛猫さん!」
「……うん。ありがとう。三毛猫を助けてくれて」
「いいよ〜、気にしなくて。たまたま近くにいたから助けただけだしね〜」
「……うん。それでもありがとう」
お礼をいう女の子に三毛猫をはい。と渡し僕は周りを見ると、先ほど一緒に落ちた残りの2人が視界に入った。
「し、信じられないわ! 問答無用で引き摺りこんだ挙げ句、空に放り出すなんて!」
「右に同じだ、クソッタレ。場合によってはその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」
「…………いえ、石の中に呼び出されたら動けないでしょう?」
「俺は問題ない」
「そう、身勝手ね」
……僕も、岩の中ならまだ平気だよ。マグマの中とか深海とかはわかんないけれど……。あ、一応、天照お母様の血をひいてるから、太陽の力でマグマは平気かな?……でも、血は引いてるっていっても半分だけだしな〜。
「此所……どこだろう?」
「さあな。まあ、世界の果てっぼいのが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃないか」
俺は心の中で全力否定する。だって、一応、俺も亀ですから
「まず間違いないだろうけど、一応確認しておくぞ。もしかしてお前達にもあの変な手紙が?」
「そうだけど、まずその “オマエ” って呼び方を訂正して。私は久遠飛鳥よ。以後気をつけて。それで、そちらの猫を抱き抱えている貴方は?」
「……春日部耀。以下同文」
「そう、よろしく春日部さん。それで次に、野蛮で凶悪そうなそこの貴方は?」
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃った駄目人間なので、用法と用量を守った上で、適切な態度で接してくれよお嬢様」
「取扱説明書をくれたら、考えておいてあげるわ、十六夜君」
「ハハ、マジかよ、今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」
ケラケラと笑う十六夜に傲慢そうな態度の飛鳥。それと我関せずで無関心な耀。
……ふむ。なんか、物凄く僕たち問題児ですって感じの人達だなぁ〜。
――コイツァ面白くなりそうだねぇ〜!クックックッ!
……おっとと、へんなキャラが混じっちゃったよ。
「それで、最後にそこの、着物が凄く似合ってる大和撫子な貴女は?」
すると、飛鳥といった少女が話しかけてきた。
「僕?……僕の名前は月y――月神華姫だよ。よろしくね♪」
危ない危ない。もう少しでツクヨミなんて言いかけたよ。……いや、まぁ、いずれバレるだろうけどまだね〜、神名は隠しておかないとね〜。
そんでもって僕はいっぱくおいて〜……
「――あと、僕はこう見えて男だから♪」
――――――――――――――――――――――
「ヤ、ヤハハ……嘘だろ?信じられねぇ………」
「う……嘘でしょう?その顔で」
「………………男の娘?」
僕の発言にしばらく固まってた3人がやっと起動し、そんな事を言ってきた。
「まぁ〜、自覚はしてるし、その反応も分かってたからあえて突っ込まないよ?それに、最後の男の"こ"っていう"こ"の部分の発音がなんか違う気がするけど気のせいかな?………」
た、確かに、お母様たち譲りの容姿だよ? 高天原でも屈指の美女な女神様たちだよ?そんな2人の血を持ってるならそりゃ〜こんな姿になるさ。 でもねでもね、一応、こんな見た目だけれど男なんだ。だから、ねぇ……
「まぁ、そんな事は置いといて……それで?みんなはこれからどうするの?」
「そうだな。呼び出されたのはいいけど、なんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれてた"箱庭"について説明してくれる奴がいるんじゃねえか?」
「そうね、何の説明もないままだと動きようがないものね」
「……この状況で落ち着き過ぎてるのも、どうかと思うけど」
「(全くです。本当にその通りなのですよ!)」
……なんか、遠くのところでウサギさんが騒いでる。
それに見たところ、十六夜達が痺れを切らし始めたようだ。僕はもう気づいてるけどほかの皆は気づいてるのかな?
……いや、それは愚問かな
「仕方がねえな。こうなったらそこに隠れてる奴にでも話を聞くか?」
――ほら、ね?
すると、物陰に隠れていた"黒いウサギ"さんは心臓を鷲掴みにされたように体を跳ね上げた。
ガサガサと音をたてすぎだよ〜。
「あら、貴方も気づいてたの?」
「当然。かくれんぼじゃ負け無しだぜ? そこの二人も気づいてるんだろ?」
「風上に立たれたら嫌でも判る」
「気配察知をしとかないといろんな意味(貞操的に)で危なかったから。それに、そこにいる人?と近い気配を知ってたから」
「へえ、面白いなお前ら」
そんなやり取りと共に向けられる冷ややかな視線に耐えきれなくなったのか、物陰から一人の少女が現れた。
「や、やだなあ御四名様。そんな狼みたいな怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここはひとつ穏便に話を聞いていただけたら嬉しいのでございますよ?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「黒いウサギさん!」キュピーン!
「あっは、とりつくシマもないですね♪ 後、最後の方は何故に黒ウサギに反応しているのでございますか!?しかも、眼が小動物を狩る時の獰猛な猛獣の目でございますよ!!」
バンザーイ、と降参のポーズを取りながら驚くという器用な事をやってのける黒ウサギ。
しかしその眼は冷静に四人を値踏みしていた。
(肝っ玉は及第点。この状況でNOと言える勝ち気は買いです。)
などと、黒ウサギが考えていると……
「えい」
「フギャ!」
突然、消えるかの如く移動した耀さんが、力いっぱい黒ウサギのウサ耳を引っ張った。
「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか、初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きにかかるとはいったいどういう了見ですか!?」
「好奇心の為せる業」
「自由にも程があります!」
そう言いつつ耀の魔の手から脱出した黒ウサギ。しかし、ついた先は更なる問題児たちの元でした。
「へえ?このウサ耳って本物なのか?」
「………。じゃあ私も」
そう言いながら即座にウサ耳を掴む二人
「ちょっ!ちょっと!」
黒ウサギが助けを求める視線を僕に向けてくる…………が。
「あんまり引っ張ってあげないでね〜。"月の兎"さんの耳はデリケートだから〜」
そういいながら、遠くでニヤニヤとして手をふっていた。
「おう!わかったぜ!」
「ええ、わかったわ」
「この、問題児様方ー!」
黒いウサギさんは叫ぶが、十六夜くんは右、飛鳥さんは左のウサギ耳を掴むと左右同時に引っ張った。
「フギャァァァァァァッッ!!!??」
そんな叫び……いや、悲鳴が辺りを木霊した。
「(月の兎さんって、幻想郷も箱庭もいじられるのは変わらないんだね〜)」
そんな呑気な事を思いながら十六夜たちと黒うさぎのじゃれあい?を見守るのだった。
―――――――――――――――――――――――
「―――――あ、あり得ない。あり得ないのですよ……。
まさか話を聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは……。
学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのデス……」
「いいからさっさと進めろ」
半ば本気の涙を瞳に浮かべる黒ウサギに同情する者は誰一人として居なかったのだった。
「(今頃、幻想郷の月兎さんはいつもの如く因幡の兎さんに弄られてるのかな〜?)」
そんな呑気な事を思いながらも黒うさぎの言葉に耳を傾ける。
「――コホン。それでは改めまして。ようこそ、皆様!"箱庭の世界"へっ!
我々は御四人様にギフトを与えられた者達だけが参加できる【ギフトゲーム】への参加資格をプレゼントさせて頂こうかと召喚いたしました!」
「ギフトゲーム?」
「そうです!既に気づいていらっしゃるでしょうが、御四人様は皆、普通の人間ではございません!
その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵なのでございます。
"ギフトゲーム"はその"恩義"を用いて競い合うためのゲーム。
そしてこの箱庭の世界は強大な力を持つギフト保持者がオモシロオカシク生活できる為に作られたステージなのでございますよ!」
大げさに両手を広げ、僕たちに説明していく黒ウサギ。
飛鳥さんはその説明に対して質問するために手をあげていた。
「まず、初歩的な質問からしていい?
貴方の言う【我々】とは貴女を含めた誰かなの?」
「Yes!異世界から呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活するにあたって、数多とある"コミュニティ"に属していただきます♪」
「嫌だね」
十六夜くんはコンマ数秒で拒否の言葉を口にした。
「属していただきますっ!!!
そして"ギフトゲーム"の勝者はゲームの【主催者】が提示した賞品をゲットできるというとってもシンプルな構造となっております」
「………【主催者】って誰?」
「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試すための試練と称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示するために独自開催するグループもございます。
特徴として、前者は自由参加が多いですが【主催者】が修羅神仏なだけあって凶悪かつ難解なものが多く、命の危険もあるでしょう。
しかし、見返りは大きいです。【主催者】次第ですが、新たな"恩義"を手にすることも夢ではありません。後者は参加のためにチップを用意する必要があります。参加者が敗退すればそれらは【主催者】のコミュニティに寄贈されるシステムです」
「後者は結構俗物ね……チップには何を?」
「それも様々ですね。金品、土地、利権、 名誉、人間、……そしてギフトを賭け合うことも可能でしょう。ただし、ギフトを賭けた戦いに負ければ当然ご自身の才能も失われるのであしからず」
黒ウサギはその笑みのなかに黒さを混ぜる。
……う〜ん。幻想郷の月の兎もそうだったけど、月の兎さんは笑の中に黒さを混ぜるのは流行っているのかな?鈴仙もたまにそんな笑みを浮かべてるし。そのあとだいたい因幡てゐのイタズラにハマってるけれど……
すると、飛鳥さんはその持ち前の挑発的な声音で黒ウサギに質問をする。
「そう。なら最後に一つだけ質問させてもらってもいいかしら?」
「どうぞどうぞ♪」
「ゲームはどうやったら始められるの?」
「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期日内に登録していただければOKです!
商店街でも商店が小規模のゲームを開催しているのでよかったら参加して行ってくださいな」
「………つまり"ギフトゲーム"はこの世界の法そのもの、と考えてもいいのかしら?」
けっこう鋭い飛鳥さんの問いに黒ウサギは感心したかのような声をあげてまた喋り出す。
「ふふん?なかなか鋭いですね。しかし、それは八割正解、二割間違いです。
我々の世界でも強盗や窃盗は禁止ですし、金品による物々交換も存在します。
……が、しかし! "ギフトゲーム"の本質は全く逆!!一方の勝者だけが全てを手にするシステムです。
店頭に置かれている賞品も、店側が提示したゲームやクリアすればタダで手に入れることも可能ということですね」
「そう。なかなか野蛮ね」
「ごもっとも。しかし、【主催者】は全て自己責任でゲームを開催しております。
つまり奪われるのが嫌な腰ぬけは初めからゲームに参加しなければいいだけの話でございます」
そう告げると黒ウサギは一枚の封書を取り出した。
「さて、皆さんの召喚を依頼した黒ウサギには、箱庭の世界における全ての質問に答える義務がございます。
……が、それら全てを語るには少々お時間がかかるでしょう。
新たな同士候補である皆さんを何時までも野外に出しておくのは忍びない……。
ここから先は我らのコミュニティでお話させていただきたいのですが………よろしいですか?」
「―――――待てよ、俺がまだ質問してないだろ?」
今まで静聴していた十六夜くんが黒ウサギに向かって真剣な顔で話しかけた。
「……どんな質問でしょうか?ルールですか?それともゲームそのものですか?」
「そんなのはどうでもいい。あぁ、どうでもいいんだ。
俺が聞きたいことはただ一つだけ。
―――――この世界は面白いか?」
十六夜くんの言葉にを全員が黒ウサギを見つめ、次の言葉に耳を傾けた。
「―――――Yes。"ギフトゲーム"は人を超えたものたちだけが参加できる神魔の遊戯。
箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」
黒ウサギは目を輝かせ楽しそうにそして嬉しそうに自信満々で答えた。
……この世界にはどんな面白い事が待ち受けてるのだろうか?
「――ふふふ。じつに楽しみだねぇ」
新たな出会いに胸をときめかせながら、僕はこれから先の未来を楽しみにしていたのだった。