The Boundary of Emptiness   作:朱莉

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 取り敢えずオリキャラにより方向性が定まり短編から連載に変更。去年からちょびちょび書いて手直ししたけど足りない。年末年始に休みあるなんて迷信なんだ……うぅ。
 今回オリキャラ?みたいなの出ます。マイルドな解釈で希釈してお読みください。

 あけおめでーす。


賑やかな来客

 

 

「余り仄めかすのは感心しないぞ、セイバー」

「仄めかしたつまりはないわ。私は曖昧なことは言い切らないの。可能性のお話なんて果てがないのよ?」

 

 ……つまり未来って訳じゃないのか?

 

「ここがそうならない世界なら未来じゃないからってことね」

「話がよくわからないんだけど?」

「その未来はセイバーが私じゃない世界だから。アーチャーは貴方だったけど、ランサーがキャスターだったし、世界が異なるの」

「あんた平行世界のサーヴァントってこと!?」

「そもそも、それがこの聖杯戦争なのかさえも曖昧なのだけれどね」

「もう少し詳しく聞ける?できればランサーのこととかも」

「間違えてる場合も考慮してよね?」

「もちろん」

 

 

 ――――

 

 

「セイバーはあの有名なアーサー王で、現ランサーはクーフーリン!?ちょっ、どういうことなのよ!」

「以前のマスターは人類最後のマスターでね、沢山のサーヴァントを使役していたのよ?異なる私が居たりね」

「そこの話は、気になるけど!置いといて今はこの戦争の話!」

「ある程度見られれば解るわ。以前のマスターの処で知り合ったもの」

「…もしかして私とも会ったこともあるのか?」

「えぇ。貴方の世界も見たわ」

「……そうか」

「それでいて、その姿で家事が得意なのね」

「成る程。それなりに信頼できそうだな。凜、私の奥の手がバレたぞ」

「なっ!?」

 

 遠坂が驚愕を顕にしていると玄関口が勢いよく開かれる音と悲鳴が聞こえた。悲鳴で誰かわかりゴタゴタしていたせいで忘れていたことを悔やむ。

 

「な、なによこれぇ?!」

「……行ってらっしゃい、マスター」

 

 すまん、早々に理解してくれて助かる。連絡するのを忘れてた。もしかしたら通すかもしれないから場所を空けておいてくれ。

 そう言えばアーチャーは消え去り、遠坂は姿勢を正す。セイバーは下座の方に座り直した。それを見てから玄関に向かう。

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃーん!大丈夫?生きてる?」

 

 すまん、詳しい理由は言えないんだが――って、そこの大きい人は誰だい、イリア…?

 

「あ、こっちは……じゃなくて、大丈夫……だね、怪我も……ないか。あー!それ令呪!……お兄ちゃんもマスターなんだね!」

 

 ちょっ、捲し立てるな、俺もさっきなったばっかりだから現状説明を遠坂から受けてるところなんだ。

 

「トオサカ?…セカンドオーナーのトオサカ?お兄ちゃんの学校にいる人?」

 

 セカンドオーナーってのがわからないんだが多分その遠坂だ。俺のサーヴァントもいるけど…上がれるか?

 

「おっけ!バーサーカー、ちょっと霊体化して。場所は居間?」

 

 確認するより早くイリアは居間に向かう。バーサーカーと呼ばれたサーヴァントはアーチャーの様に消え去っていた。玄関の鍵を閉めて、俺も居間に向かう。

 

「トオサカ!セカンドオーナーのくせにこのお兄ちゃんの家の惨状はどういうことよ!あ、貴女がお兄ちゃんのサーヴァント?あ、初めまして、私はイリア。お兄ちゃんの妹です」

「私の落ち度だろうけど、それ含めて今話してるのよ。初めまして」

「初めまして。私のことはセイバーと呼んで。ヘラクレスのマスターさんで合っているかしら?」

「…へぇ。わかるんだ」

「貴方は私のマスターの仲間……でいいのかしら?」

「お兄ちゃんが参加する有無関係なく守るわ!」

「なら仲良くしましょう。あの英雄と肩を並べるのも懐かしいわ」

「懐かしいってどういうこと!?」

 

 一気に騒がしくなった居間に軽く息を吐く。というか夜なんだからあんまり騒がしいのは感心しないぞ。

 

 ――――

 

「平行世界のサーヴァントなんて反則じゃない?お兄ちゃんのサーヴァントだから嬉しいけどさ。敵のランサーはクーフーリンか。バーサーカーじゃ逃がしちゃう」

「私の以前のマスターは別の平行世界の存在とも契約していたわ。……確かカレイドルビーだったかしら」

「カレイド…って、それ……や、もう驚き疲れたわ」

「なにそれ気になる!けどそれはあとでいいわ。お兄ちゃんの今後はまだ決まってないのよね?」

 

 俺が何も知らなかったからな。話が立て込んでたんだよ。

 

「お兄ちゃんは悪くないわ!そもそも学校で戦争したトオサカのせいだし、深追いしたランサーのせいだし!もし私の前にランサーが来たらボコボコにするわ。あっ、バーサーカーじゃ逃がしちゃうんだった……うぅ」

 

 …お、お手柔らかにな?なんにせよセイバーと会えたから悪いことばかりでも無かったんだぞ?

 

「だとしてもお兄ちゃん優しすぎるよ。……だから敵が増えるんだよ」

 

 ぇ、最後の方何て言ったんだ?聞こえなかったんだが。

 

「気にしないで!…教会に行くのは勧めないわ。今回の監督は信用ならないもの。お父さんも言ってた人よ」

 

 義父が……?もしかしてコトミネって人か?

 

「そう。だからお勧めしない。お兄ちゃんを目の敵にするに決まってるわ」

 

 でも行くべきなんだろ?なら――

 

「私の使い魔で連絡するよ。わざわざ出向く必要なし。わかった?約束ね」

 

 わ、わかった。約束するよ。

 

「…肩身が狭そうだな」

 

 でも心配してくれているのは素直に嬉しいさ。アーチャーにも多分わかるだろ? というか、何時の間にそこにいたんだよ……。

 

「喧しいのは苦手でね」

 

 俺とアーチャーが話していると視界の端でイリアとセイバーがこそこそと話していた。イリアを見れば『あとで』と口パクしていたので気にする必要は無さそうである。なら俺はアーチャーから茶の淹れ方でも教わろうかな。と言えば「何でそうなる」と言われたが遠坂も乗ってきたので台所に行くことになった。

 

 

 

 

「で、なんのつもりだ?」

 

 つもりもなにも言った通りだが?強いて言えばあぁいう状態のイリアは何か企んでるときの場合が多くてね。肩身の狭い俺は飛び火しないうちに逃げ出したのさ。遠坂も来たことは意外だったが。

 

「アーチャーも居ないのに居座らないわよ。襲われても時間を稼ぐくらいはするけど」

「サーヴァントが三体もいる場に殴り込む事もないだろう。うち二体に襲われるにしても、この小僧にそんな器量もあるまい……この機会だ、あのイリアという子の事を教えてもらえないか?」

 

 そうだな。でも俺は詳しくないから事細かには言えないぞ?気になるならイリアから聞いてくれ。

 

「それで構わんさ。茶の淹れ方を教えながら話そう」

「あんた結構乗り気だったのね…」

 

 そもそもの話、俺は孤児でな。イリアは俺を拾ってくれた親の連れ子なんだよ。イリアは俺を兄の様に慕ってくれているがあっちの方が年上だったりする。この歳になれば身長では判断できないだろうしな。現に遠坂と似たような身長だろうし。何で兄なのかは欲しかったから、だったかな。

 

「彼女に兄弟や姉妹は?」

 

 妹が居る的なことは聞いたが、まだ会えてないな。名前も見た目もそっくりで違うのは身長くらいらしいが、俺には会わせたくないとも言われたな。嫌われたのだとしても、身に覚えがないし、もしそうなら謝りたいんだが…そういう理由でもないらしいし。

 

「それは……いや、何となくだが私がいうのも酷か」

 

 そうしてくれ。イリアは答えだけを聞くのが嫌なんだが俺もそうなんだ。せめてヒントのようなものをイリアから直接きくよ。今のところはぐらかされているから逃げたら捕まえるくらいは誰かにしてもらいたいけど……ってそうだ!家の片付けもしないとヤバイな。

 

「家族の心配か?」

 

 イリアの家族は多分こっち側な筈だから、マスターになったことを正直に伝えるよ。問題はこの家の家主だな。

 

「凜」

「あー、うん、わかったわよ。召喚に関しては違ったとしても大元、というかその原因は私のせいだものね。私たちも手伝うし、ある程度誤魔化すわ」

 

 誤魔化す云々は助かるが片付けに関してはやらなくてもいいからな。丁度ごみの日も近かったし、倉にしまい込むから平気だ。さっき一応バーサーカーも手伝ってくれる旨を伝えられたしな。

 

「家主の帰宅はいつだ?」

 

 あぁ、家主は――遠坂ならわかるだろ、学校で講師をしている藤村先生なんだ。学校に行く前に飯を食べにくるから明け方頃には準備をしておきたいんだ。っと、そうなると急がないと不味いな。…お茶の淹れ方は別の機会でもいいか?

 

「それぐらいなら凜の許可で容認しよう」

「私も来ていいならいいわよ。なんなら明日の放課後でも良いくらいだし」

 

 なら直ぐにでも戻ろうか。…もう話も終わっているだろうしな。

 

 というかなんでアーチャーはイリアの事が気になったんだろうか、同じ学生の俺の情報より気になるのはわかるんだが……。まぁ、話の種になっただけ良かったか。

 

 

 

 

 ――――

 

 

 

「……セイバーってアーチャーの真名ってわかったりする?」

「私の知るアーチャーなら知っているわ。後でいい?」

「私が言うからそれに返答するだけでいいよ。答えを聞くだけなのは嫌いなの」

「わかったわイリア」

「彼は私の好きな人?」

「…私の知る彼ならばね」

「成る程。ならトオサカも守らなきゃね」

「私も協力するわ。マスターの次くらいにはね」

「お兄ちゃんが一番に決まってる。なんならバーサーカーを付けるくらいよ」

「なら私はイリアを守るわね」

「ま、真顔で言わないでよ。嬉しいじゃない。――私の事に関して違和感は?」

「そもそも、イリアという名前は知らないわね。イリヤなら知っているけど。もしかして妹が居たりするの?」

「せいかーい!じゃあさじゃあさ、セイバーの知るイリヤを教えて貰える?」

「私の知るイリヤは、活発で素直で正義感が強く、家族想いの優くて強い女の子よ。カレイドのお話もその子で、お兄さんには別の感情がありそうだけれど」

「成る程許せん」

「マスターの性格ならそうなるのも頷けるわ。アーチャーから聞いてなければそう思わないくらいには」

「だよね!けどそっかぁそうなるとこの戦争は優位ね。トオサカがどうあれ彼女に協力的なのが二組、最後の取り決めは揉めるだろうけど」

「別に聖杯に願望なんてないわよ」

「トオサカ!」

 

 話が終わったかわからないけど区切らせてもらうぞ。朝までにここを片付けることになったから、バーサーカー借りる。遠坂は誤魔化すのを頼む。セイバーは俺とここの家主と顔合わせしないとだし、心配されない程度に手伝ってくれると助かる。イリアはバーサーカーに壊れた家具を倉へ運ばせてくれ。

 

「お兄ちゃんと居たいんだけどなぁ。添い寝したいなぁ。そうしたら頑張れるなぁ」

 

 …………はぁ。そうだな、久し振りに添い寝してやるから頑張ってくれ。

 

「わーい、頑張るよー!バーサーカーやっちゃって!ついでに使い魔飛ばしとくー」

 

 そんなにはっきりついでってゆーなよ。

 

 

 

 




 
 
 毎回書き方が一緒じゃないのは色々試行錯誤のせい。きっと。書き方忘れてるなんてことは言わなきゃバレへん。
 前書きのオリキャラはバーサーカーのマスター。イリヤと酷似している(身長は遠坂さんとどっこい)。おかげで教会に行くことはなくなりました。名前は打ち間違えじゃないよ。
 定期的に見直しとか更新したいけどしばらく無理っぽい。いつも通りだな!

 書き直したりするときに削除するかもなのでご理解頂きたい。
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