もしも冷泉麻子さんと島田愛里寿さんがゲーマーだったら。
曲を聴きながらどうぞ。ガルパンはいいぞ。
ゲームくらいガルパンの世界にもあるし皆プレイぐらいするよね? という事で妄想してみました。
UA1000突破…こんな駄文を読んで下さりありがとうございます。
STG流行れ。(直球)
もしも、冷泉麻子さんと島田愛里寿さんがゲーマーだったら。
県立大洗女子学園戦車隊には、天才がいるという。
その人物は。
巧みな戦術と腕で学園を廃校の危機から救った西住みほ隊長?
廃校を是とせずお上に掛け合い、20年ぶりに戦車道を復活させた角谷杏生徒会長?
両者曰く、自分は天才ではない。唯の人、とのこと。
そもそも本当に天才とは存在するのか?
そう、努力の積み重ねをひっくり返してしまう程の天性なんてあり得ない。
才能なんてものがあるとすれば、それはない奴よりも少しだけ上達する時間が少なくて済むって程度の物だろう。
即ち、一度見た聞いた読んだだけでその道のエキスパートを唸らせるような人物が、本当に存在するのか?
その上で、
大洗女子学園戦車隊のあんこう、カメ、アヒル、カバ、ウサギ、カモ、レオポン、アリクイの全チーム員は異口同音に答える。
―――天才とはあんこうチーム操縦手、冷泉麻子その人だと。
◇
日本戦車道大学選抜チームには、天才がいるという。
曰く、13歳で飛び級し大学生になった。
曰く、戦車を駆れば万夫不当。
曰く、呂布と諸葛孔明がフュージョンした。我に敵無しを地で行く。
曰く、戦車戦術は変幻自在。あからさまにニンジャ。
曰く、戦車道島田流歴代最強。
天才という言葉は、彼女の為だけにある。大学選抜チームの全メンバーは、異口同音に答える。
―――天才とは大学選抜チーム大隊長、島田愛里寿その人だと。
そんな彼女達だが、実は現在数多の敗北を味わっている。
正直これはもう己の手に余るのではないか、勝てないのではないか、諦めてしまおうか。
業腹だが、このゲームをプレイしていると、幾度も幾度もこのような気持ちになる。
しかし。
冷泉麻子は、島田愛里寿は、強く呟く。
「我、生きずして死すこと無し。理想の器、満つらざるとも屈せず。これ、後悔と共に死すこと無し」
「我、生きずして死すこと無し。理想の器、満つらざるとも屈せず。これ、後悔と共に死すこと無し…!」
故に、彼女達は行く。 斑鳩のように。
例えばこんな麻子さんと愛里寿さん
『-撃て!避けろ!そして…当たれ!-』 ――縦スクロールSTG 斑鳩(イカルガ)より
◇
「鳳来の国」・・・・・元々、本州のはずれに位置した小国であるが、今では自らを神の力を得た「神通者」と称し、各地を武力で制圧するまでになっている。
事の起こりは、国の中心人物である「鳳来天楼」が、数年前に地中深くから掘り出した「産土神黄輝ノ塊」と呼ばれる物体にあり、物体との遭遇時から、天楼は奇跡とも呼べる力を次々に発揮し始めたと言う。
その最中、自由を望み鳳来と戦う組織「天角」があった。
彼らは「飛鉄塊」(ヒテッカイ)と呼ばれる戦闘機を使い、鳳来と戦っていたが次第に勢力を失い消滅する。
その中で奇跡的に生き残った青年「森羅」は、単身で鳳来に向かっていくが敢え無く撃墜。人里はなれた村へ墜落する。
その村は「斑鳩の里」といい、選民思想のしわ寄せで世間から捨てられた老人達の村であった。
長老「風守老人」をはじめとする村の老人達に助けられた森羅は、再び鳳来に挑むことを告げる。
老人達は武装もせずに旅立とうとする森羅に、自分達が作り上げた飛鉄塊「斑鳩」を託すのだった。
―――縦スクロールSTG 斑鳩バックストーリー。
◇
「嗚呼、斑鳩が行く・・・。望まれる事なく、浮世から捨てられし彼等を動かすもの。
それは、生きる意志を持つ者の意地に他ならない」
大洗女子学園あんこうチーム、四号戦車操縦手。冷泉麻子。
またの名を‘天才’、‘頭文字R’(由来は板金王よろしく不敗神話のRから)、‘大洗ミッドナイト’(彼女はガチ夜型。天使みたいな悪魔の笑顔はしない)
彼女を形容する言葉は数多くある。
しかし風紀委員、園みどり子(通称そど子。由来は聖書のソドムより。炎の匂い染み付いて、むせる)は言う。
「冷泉さんが天才?あの子は史上最低の出来損ないの遅刻魔よ!ただ、飲み込みが上手いだけよ!」
そして彼女は一つ、秘密を知っている。
「あの飛鉄塊ムスメ、夜はただのゲーマーよ?」
あるシューティングゲームに、はまってるそうだ。
「・・・・・はあ」
CONTINUE? 10、9、8、7、6543210
「・・・またクリア出来なかった」
シューティングゲーム、斑鳩。
私が高校生になってから、夜時間を作ってはプレイしているゲームだ。ちなみにドリームキャスト版。
非常に独特の設定があり、バックストーリーも充実。
自機や敵機は全て実在している鳥の名前であり、機体のメカメカしさが際立ち、それでいて美しく麗しい背景等のビジュアル。
そして何より一度聞けば忘れない、胸を打たざるを得ないであろう素晴らしいBGMが売りのゲームだ。
一昔前なら、ゲームセンターにちょこんと置いてあるほど。
ただし、
「もう朝・・・。朝は何故来るのだろう・・・」
難易度は、鬼畜。
このゲームはSTGを超えたパズルゲーム。とはよく言ったものだ。
だったらパターンを覚えてしまえばクリアなんて簡単だろう。
そう考えていた時期が、私にもあった。
「パターンを覚える・・・?ああ覚えられたなら簡単にクリア出来るだろうな。・・・2面のボス仏法僧までは」
このゲームは全5面。
ただでさえきついゲームなのに、3面からはパターンを覚えるとかそんな次元の話ではなくなってくる。
曰く、指が動かなくなる。曰く、何が起きたのか分からない。曰く、集中しすぎて酸欠になってミスった。etc
良くも悪くも、極限まで突き詰めすぎなゲームである事は否めない。好き嫌いも相当数分かれる。
「・・・だからちょっと寝てから学校に行こう。そうしよう」
「や・だ・もー!!!麻子!!今出ないと朝錬遅刻するよ!遅刻!」
って沙織。いつのまに。
「寝かせてくれ沙織。私は3面ボスの鶉(ウズラ)を倒す為に英気を養わなくちゃいけないんだ」
「またゲームの話して!今は学校に行くの!!」
私のおかんかお前は。
「明日は大洗の町で戦車道のエキシビジョンマッチをするから、今日は朝錬やるって皆で決めたでしょ?だから早くい・く・の!!!」
ズルズルと引き摺られる私・・・。
「・・・ぁあ、私が往く。望まれる事なく、浮世から捨てられし私を動かす者。
それは、朝起きろという意志を持つ者の意地に他ならない・・・」
「謎ポエム言ってないで早く立ってよ!もう!」
・・・私は、冷泉麻子。
周りから‘天才’だとか‘飛鉄塊’だとか呼ばれている戦車乗りにして、孤高の斑鳩シューター。
このゲームは、私に生きている実感を与えてくれる。
そして私には、仲間がいる。
◇
「・・・我、生きずして死すこと無し。理想の器、満つらざるとも屈せず。これ、後悔と共に死すこと無し」
「隊長?またおまじないですか?」
「ああ。今回はこれを言わないと駄目なんだ。メグミ、アズミ、ルミ」
「今回の相手は社会人のチームですからね。ゲン担ぎってやつですか?」
「・・・そんな事じゃない」
「・・・隊長?」
今日は、戦う日だ。
そして我が流派の人間がこの言葉を遣う時というのは、
「島田流の名に賭けて、眼前の敵を全てなぎ払え。そういう事だ、三副長」
「ヤヴォール・マインヘル!!!(了解しました、我が主)」
「突入」
―――自らの意志が強固であるほど、様々な試練に苛まれるものだ。無論、試練を目前に避ける事も出来れば、逃げる事も出来る。
だが、
「ノロいな」
「装填完了」
「発射。大隊長、敵機撃破」
「状況終了。・・・よかった。今日はボコのアニメに間に合いそう」
試練の真意は、そんな己の心を克服することにある。
・・・私は独りそう信じてる。
「アニメを見終わったら、今度こそ斑鳩をノーショットでクリアしてやる。4面ボスの鶚(ミサゴ)さえ倒せれば、クリアまであと少し・・・。頑張ろう」
私は、島田愛里寿。
周りから‘天才’だとか‘仏鉄塊’(STG斑鳩の各面ボスが乗る機体。大型の飛鉄塊の総称)だとか呼ばれている戦車乗りにして、孤高の斑鳩シューター。
このゲームだけが、私に生きている実感を与えてくれる。
他には、何も無い。
◇
大洗女子学園対大学選抜チーム戦 前夜
「良い夜だな。夜型人間にとってこんな夜は、外をぶらつくに限る」
明日は学園の未来を掛けた大事な日だというのにな。
・・・やっと斑鳩をクリアできた。まさかそんな記念すべき日が、今日とは思わなかったが。
「ん?あれは西住さんと会長か?」
「・・・苦労をかけるね」
「あ、いえ」
「どうする?明日の試合。・・・辞退するという選択肢も」
「それはありません。退いたら、道は無くなります」
「・・・どんな相手でも、どんな試合でも、全ての力を出し尽くして戦う。悔いの残らぬようやり遂げる。
やっぱり西住さんは、格好いい。今度斑鳩を勧めてみよう」
勿論、大洗の学園艦で。
「浮き世に絶対などというものは無く、理不尽な思いを胸にして途方にくれる時もある。それを乗り越える為には、確固たる信念と洞察。そして幾分かの行動力を持つ必要がある・・・」
明日は、油断せずに往こう。
「・・・STG斑鳩の第3面 信念。その冒頭の言葉。貴女も斑鳩シューターなのね、大洗の人?」
「・・・?」
いつの間にいたのか。私の眼前には、小さな女の子が立っていた。
この顔・・・確か、
「大学選抜チームの隊長、島田愛里寿さんか」
「そうよ。貴女は?」
「冷泉麻子だ」
試合会場の地形の下見に来ていたのは、西住さんだけじゃなかったんだな。
「・・・最初はシューティングゲームなんて下らないと思っていたんだが、今では生粋の斑鳩シューターになってしまった」
「斑鳩とはそういうゲーム。マイナーであるが故に、一度はまれば心の奥深くに残り続ける。名作とはえてしてそういうもの」
「明日は、悔いの残らないよう全力で戦うつもりだ」
「・・・貴女は私に勝つつもりでいるの?」
「ああ」
しっかりと島田さんの目を見て、答える。
仲間の為にも、勝つ事を諦めはしない。
「・・・貴女方大洗に事情がある事は知ってる。その立場も。でも、それはそれこれはこれ。
斑鳩に乗り続けて寿命を削り、最後には散っていった主人公【森羅】のように、私は最後まで独りで戦いそして勝利する」
まるで死に急いでいるような、他には何も無い、孤高の瞳。
孤高の戦車乗り。
だから、
「我、生きずして死すこと無し。理想の器、満つらざるとも屈せず。これ、後悔と共に死すこと無し」
私は呟く。強く。そして響くように。
「その言葉」
「・・・斑鳩をプレイした事がある者なら、クリアした者であるならこの言葉の意味、分からないわけじゃないだろう。
明日、勝って学園に帰るのは私達だ」
「・・・そうか、貴女達は飛鉄塊。斑鳩というわけね」
そう言うと彼女、島田愛里寿は居住まいを正し眼光鋭くこちらを見やる。まるで斑鳩1面ボス‘仏鉄塊’烏帽子鳥(エボシドリ)のように。
「改めて名乗ろう。私は日本戦車道・大学選抜戦車大隊 大隊長 島田愛里寿。またの名を、仏鉄塊」
「私は大洗女子学園戦車隊あんこうチーム 操縦手 冷泉麻子。またの名を、飛鉄塊」
―――きしくもこの時間。この日。天才と呼ばれる二人は揃ったのだった。
「何にせよ明日、現実はその姿を現す。貴女が今まで何を求め、何を見て、何を聞き、何を思い、何をしたのか。見せてもらうわ」
「悪いが、それを見せるのは私達だ。私は独りじゃない」
◇
・・・私達?そんな事が明日何の役に立つのだか。
「お帰りなさいませ、大隊長」
「夜更けまで陣地視察とは、頭が下がります」
「寒かったろう?愛里寿。何話してたんだ!?」
上着を手渡される私。
視察と宣戦布告を終え、車に戻った私を待っていたのは三人の女性達。
明日私が乗る戦車、センチュリオンの乗組員だ。
「―――宣戦布告をしてきた。・・・どうやら、明日の相手は今までで最も手強そうだ」
「へえ・・・。愛里寿にそう言わせるとは、相手方もやるじゃないか!
腕と足が疼くってもんだ!!」
獰猛な笑みを浮かべ、わなわなと手足が武者震いに震える操縦手。
「大隊長の前ではしたないわ、操縦手。私達はただ大隊長の指示に従い、敵戦車を薙ぎ払うまで。明日は頼むわよ、装填手?」
無表情で、鷹のような鋭い流し目で二人を見つめる砲手。
「我らは大隊長の手であり足。そして、戦車センチュリオンそのもの。君こそ外してくれるなよ?砲手」
腕を組み眉間にしわを寄せ、力強く前方を睨み付ける装填手。
「…誰に向かって言ってるのかしら?」
「君だが?」
瞬時に眼と眼が合う、強者たち。
「二人とも止め止め!!心配しなくても私がちゃあんと愛里寿の指示通りにセンチュリオンを動かして、ジャックポットにもってってやるさ!―――誰も、私達に追いつけやしねえよ」
操縦手がそう言うと、他の二名は笑みを浮かべた。
あのメグミ達三副長をはじめ大学選抜メンバーに様々な助言と訓練を課し、フォーメーションを教え鍛え上げたのは他でもない、被弾率0%と称される彼女。
「―――帰還する」
「運転よろしく」
「キーはここ」
「あいよ!」
【日本戦車道・大学選抜戦車大隊・大隊長車】
その意味を、無双という。
「―――明日は完膚なきまでになぎ払ってやる。この私、仏鉄塊・島田愛里寿が」
決着は、明日。
◇
当日 試合終盤
「まさかここまで高校生がやるとは・・・」
「小賢しいったらありゃしない!」
「どうする・・・?」
「ここで隊長に泣きつくなんて!」
「でも自分達のメンツばかり言ってたら!」
―――状況は大学選抜側の劣勢。巧みなチームワーク、戦術と腕で大洗側が有利になっている。
「・・・あっちのチームはあんたね、ボコ。どれだけボコボコになっても立ち向かってくる。決して強くはないのに諦めない」
『私は独りじゃない』
「独りじゃない・・・か」
―――島田愛里寿!君は天才だ!島田流は君の代で最盛を迎えることだろう!
―――飛び級もして大学に!?やはり貴女は天才だ!
―――あの娘、とっつきにくいね。
―――天才だもん。私達とは視点が違うのよ。気持ち悪いね。
・・・・。
・・・・・・少し、羨ましいな。
相手は全員、飛鉄塊斑鳩。全員がボコられグマのボコだった。
―――我、生きずして死すことなし。
分かっていたはずだ。状況から見て、もう私は勝てない。
・・・・ここが潮時だ。諦めよう。
「―――大隊長」
「・・・ん?」
「指示を」
「・・・指示?」
「出撃するのでしょう?」
「私達は大隊長車センチュリオン」
「我らチームの思いは、昔も今もただ一つ」
「何処へなりとも!誰のものでもない貴女だけの道を!」
「さぁ、行きましょう」
「何処へだって、行ってやるさ!」
「・・・・・・貴女達」
―――日本戦車道大学選抜チームには、天才がいるという。
天才という言葉は、彼女の為だけにある。
天才とは大学選抜チーム大隊長、島田愛里寿その人だと。
―――皆が皆、私を天才と呼ぶ。その言葉しか、言いやしない。不快だ。気持ちが悪い。
でもゲームは、私に全力を出させてくれる。
クリアしてみせろ島田愛里寿。と、語り掛けてくる。
だから斑鳩というゲームだけが、私に生きている実感を与えてくれた。
他には、何も無い。独りだ。
・・・本当に?
少なくともここには
「大隊長」
「大隊長」
「愛里寿!」
『戦車道は、人生の大切な全ての事が詰まってるんだよ。でもほとんどの人が、』
「・・・それに気付かない」
何だ。
私も、その一人だったわけか。
・・・みんなごめんなさい、気付けなくて。
そして、ありがとう。
「大隊長車センチュリオン、突入。敵は全てなぎ払え!!」
「ヤヴォール!!!マインヘル!!!」
―――天才にも、眠れる本能の一つくらいはあるものだ。
「隊長!?」
≪お待たせ諸君。私が前線を留守にしてた間に、ずいぶん賑やかになっているな。
これより、私達センチュリオンが直々に敵を排除する。手の空いているメンバーは手伝いなさい≫
「はい!!!」
「来たぞ!センチュリオンだ!チハ部隊!!戦車前進!!!」
「鵯越えですな!?」
「撃てー!!!」
「超!根性ーーー!!!!」
無駄。無駄。無駄。無駄。
「敵ながら天晴れ・・・」
「嘘でしょ!?アヒルさんチームと知波単部隊がこうも一瞬で・・・」
無駄無駄無駄無駄。
「無駄無駄無駄無駄ー!!!センチュリオンは止まらないさー!!!大隊長車だぞー!!?愛里寿が車長で!私が動かして!こいつが砲手で!こいつが装填手!
例えるならッ!
ネオ!ブルーアイズ!アルティメットドラグォオン!!!強靭!無敵!!最強!!!」
「騒がしいわ。事は全てエレガントに運ばなきゃ。大隊長の為にも。敵機撃破」
「全ては我らが大隊長の為に。装填完了」
「・・・私は今年で13歳になる。そんな私が、どうやって戦車砲飛び交う戦場を勝ち抜き、島田流後継者と呼ばれ、今の地位にいるか分かるか?」
≪隊長が語りだした!≫
≪という事は、≫
≪集まりましょうか≫
≪いつも通りの、≫
≪バミューダアタック!≫
「おお!ついに!私が教えた必殺の三位一体機動術がー!!!勝ったな・・・!」
「やめなさい。大隊長の前でみっともない。敵機撃破」
「装填完了。いつでも」
「・・・我がチームの皆が万夫不当であるように、貴女達大洗女子学園に軍神がいるように、私には最強の眼があるのよ」
戦術眼というね。
さあ、見得は切った。勝負はこれからよ。
我らに摩利支天の御加護あれ!!
◇
「あんなにこっちが優勢だったのに、たった1輌で10輌も倒してくるなんて・・・。みぽりん!」
「しかもその全てが一撃撃破。无二打とは。いい砲手、いえ、いいチームワークですね」
「あの装填速度。あの動き。間違いありません。こいつは、エースです・・・!」
「状況は一転して、NO REFUGE って所だな」
こちらで残っているのは、私達四号と西住さんのお姉さんの戦車だけか。
「でも、私達の戦いはいつもそうじゃないですか?」
違いない。
「敵が来るよ!!みぽりん!!」
「装填完了です!五十鈴殿!」
「行進間射撃でも可能ですが、0.5秒でもいいので停止射撃の時間をください。確実に撃破してみせます」
「麻子さん」
「おうよ」
「何がおきても、敵センチュリオンの顔めがけて突っ込んで往って下さい」
「履帯切れてでもか?」
「はい。勝負は、ここで決めるから・・・!」
「分かった。・・・」
「麻子?」
私は一瞬だが、チラと皆の顔を見る。
皆良い顔をしてる。多分私も同じ顔をしてるだろう。スリル満点だ。
・・・いつの日からか私には、沙織以外にこんなにもたくさん仲間ができた。
独りじゃないと、教えてくれた。これが生きるという事だと、教えてくれた。
皆が教えてくれた、私だけの道。
「・・・私は、皆を信じるよ」
―――県立大洗女子学園戦車隊には、天才がいるという。
大洗女子学園戦車隊のあんこう、カメ、アヒル、カバ、ウサギ、カモ、レオポン、アリクイの全チーム員は異口同音に答える。
天才とはあんこうチーム操縦手、冷泉麻子その人だと。
そしてその言葉は、彼女に対する信頼の表れである。
「I am deeply grateful to you.」
◇
やがて一つの因果は、その意志を元の場所へと回帰させ、記憶の深淵に刻まれた起源の意識を思い起こさせるだろう。
故に、私達は行く。 斑鳩のように。
自分だけの道を仲間と共に・・・・・・!
例えばこんな麻子さんと愛里寿さん
『眠れる本能』