東京喰種√0   作:ウェズン

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ども、ウェズンです。いや~、お気に入りが二件に感想も来たわ評価も来たわで有頂天です。お気に入りしてくださった方、評価してくださった方、誠にありがとうございます。これからも出来ればでいいのでこの作品をお願いします。


#011

 服部と咲原が14区の喰種について話していた頃、晴人は昔馴染みの唯奈と遊んでいた公園で休んでいたら、後ろから声が聞こえてきた。

 

 

「!(後ろに人いたのか。考え事してて気づかなかった)って《ハルくん》?」

 

 

 今までで晴人をその名前で呼んだことがあったのはただ一人。なので、まさかと思いゆっくりと振り向けば、

 

 

「ゆ、唯奈ぁ!? あ?」

 

 

 そこにいたのは案の定唯奈であった。しかし、晴人は一瞬疑ってしまう。何故ならば、

 

 

(え、えぇ…。た、確かに面影はあるけど、これは変わりすぎじゃね? つか…)

 

 

 かつて、晴人の初恋相手であった彼女は、様々なところが女性らしく大きくなっていたからだ。それも、大幅に。

 

 

(大きくなり過ぎだろ!? 色々と‼︎)

 

 

 最後に唯奈と会った記憶によれば、確かに同学年に比べれば身長等は大きかったが、それでもまだ晴人などの男子と比べれば小さい方であった。なのに、もう長い事会ってないとはいえその成長はとてつもなかった。身長は長身の晴人を少しだが抜かし、ふくよかな胸に、長く綺麗な黒髪、幼さを残しながらも大人の女性らしい顔つきと、晴人の記憶で予想できる範囲の成長を見事に打ち破ってた。

 

 

「? えっ、えっと、ハルく…晴人さんですか?」

 

(えっ、なんで今言い方変えた? あっそうか、俺が何も言わないでいるから忘れたんじゃないかって思ったのか)

 

 

 あまりにも予想外な成長に固まってしまった晴人は、はっとなって早く何か言わねばと思い何かを言おうとするが、口ごもってしまう。

 

 

「え、えーと、あー、そんな風に言わんでいいぞ。しっかりおぼえているから、唯奈」

 

 

 ようやく絞り出した言葉を聞いて唯奈はパアッと効果音が出そうなくらい表情が明るくなる。

 

 

「やっぱりハルくんだぁ! 久しぶりだね、ハルくんっ!」

 

 

 明るくなった唯奈の顔を見て、晴人は昔の笑顔のままで何も変わってない事に変わらないなあと思い、少し安心もした。

 

 

「ああ、久しぶりだな唯奈」

 

 

 晴人は久しぶりに唯奈に会えたのが嬉しいのか自然と笑顔になっている。

 

 

(本当に久しぶりだな、色々大きくなってはいるが。…身長が抜かされたからって別に悔しくねえよ…。しかし、まさかここでまた唯奈と会えたなんてなぁ、さっきまではもう会えないと思っていたのに)

 

 

 晴人は偶然にも会えたことに感慨深いものを感じていた。

 

 

「っていうか、なんで唯奈はこんな所にいるんだ? バイトとかしてないのか?」

 

「うん、バイトはしてないよ。ここに来たのはね、ここに行けばまたハルくんに会えるかなって」

 

 

 照れ臭そうに言う唯奈に自然と自分の顔も熱くなる。

 唯奈が言ったことはつまり、晴人に会いたがってここに来たということであり、晴人は知らず知らず嬉しい気分になる。

 

 

「それで、来てみたら本当にいたから来て良かったよ」

 

「そっか~、俺もまたお前と会えて良かったよ」

 

 

 晴人も良かったと言えば唯奈は「本当に!? 嬉しい!」と笑顔で返してくれる。

 

 

「ははっ、そうかそうか。しっかしまあ、お前でかくなったなぁ(色々と)。まさか俺が身長で負けるとは」

 

 

 先程も言った様に、晴人の身長は日本の男性平均より大きいが、唯奈は晴人よりもさらに大きい。そのためか、晴人は唯奈の顔を見るために頸を後ろに傾ける必要がある。

 

 

「うん、おかげで周りと少し浮いちゃってる」

 

 

 そのことに唯奈は少しコンプレックスを抱いているようだが、そこまでは気にしてないらしい。

 

 

「でも、皆が羨ましいなぁ。私はこんなに大きいから可愛い服とか選べなくてね」

 

 

 だが、それでもその身長が不便な時もあるようで落ち込んでいる唯奈。

 

 

「あー、やっぱお前くらいの年頃だとオシャレとかしたくなるんだな。俺にはわからんが」

 

 

 晴人はそういうことには基本無頓着だ。着る服は大抵が地味なものかユニ○ロばかりと、その年齢であるまじき服装である。そんな晴人に唯奈は、

 

 

「そんな、ダメだよ! ハルくんだってオシャレしなきゃ!」

 

 

 と、オシャレをするように力説する。

 

 

「む、むう、そうは言っても何を着ればいいのかさっぱりなんだが」

 

 

 オシャレしろと言われても、ここ数年同じような服ばかりを着てた晴人は何を着ればいいのかまるでわからない。

 

 

「大丈夫! 私がハルくんの服を見繕ってあげるから」

 

 

 任せてと胸を張ってそう言われてしまえば流石にその善意に断る訳にはいかず、「ああ、わかったよ」と承諾する。すると、唯奈は「やったぁっ!」と、嬉しそうに子供のように跳ねる。

 

 

(胸が揺れている。目にほよ…目に毒だ)

 

「それじゃあ早速買いに行こう!」

 

 

 唯奈は早速行こうと決めて晴人の手をとって行こうとすると、

 

 

「あー、わかったからそんな、ってぇ!?」

 

 

 風を切るようにな物凄い勢いで引っ張られていく。

 

 

「ほら、早く行くからねっ!」

 

「ぬおおおおおおおぉぉ‼︎ ちょま、待ってぇ!! どっからこんなに力が出てるのさぁ!?」

 

 

 本来なら晴人レベルの喰種は人間では引き寄せるのも困難な筈だが、唯奈は最も簡単に引っ張って行く。

 その間、様々な景色が見えては一瞬で過ぎ去って行く。

 

 

「よし、ここで服を買うよ」

 

「はぁ、はぁ、ようやく着いたか」

 

 

 そして、しっかりと手を握られた晴人がジェットコースターにでも引っ張られるように走って数分後、ようやく着いたのは14区の中でもかなり大きいデパートだった。

 

 

「ふぅ、ここで服を買うのか」

 

 

 息が整った晴人はそのデパートを見上げる。

 

 

(うわー、でっけえなぁ。こんな所何かしら縁でもなきゃ来ることもないな。てか、どんくらい走って来たんだ?)

 

「うん、それじゃ入ろう♪」

 

 

 楽しそうな唯奈と少し不安な晴人は並んでデパートの自動ドアを開けて中に入って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、そんな人でもなければ無理ですか…」

 

 

 喰種対策局にて、服部が言った14区の喰種全員を相手できる者は誰かを聞き、咲原はその答えに予想していたのか冷静に頷く。

 

 

「ああ、こんな奴らを相手にできるのはそいつらだけだろうよ」

 

 

 咲原はそれを聞いて身震いする。CCG最強と『隻眼の梟』はどちらもCCGにおいて有名過ぎる強者だ。咲原でさえ知っているほどの。

 故に咲原は恐怖を感じるのと同時に少し安心する。14区の喰種は強者ばかりであるもの、全員で連携をとろうとはしない喰種ばかりだからだ。

 

 

「なんと言いますか、すごい恐怖を感じますが、少し安心もできますね」

 

「ああ、本当にな。だが、そいつらばかりに気をとられてはいかんぞ」

 

 

 咲原は気をとられてはいけないというのがどんな意味なのかわからないため聞いてみれば、

 

 

こいつら(SSレート)以外にもSレート『(キャット)』も要注意だ」

 

 

 『(キャット)』は昨日の戦闘で奇襲を仕掛けて来たと思われる喰種だ。奇襲を仕掛けて来たあたり確かに油断はできないもの、何をそんなに気を付けなければいけないと言うのか。

 

 

「奴はなんていうか、色々不可解な部分があるんだ」

 

「不可解な部分ですか」

 

 

 何が不可解なのか、確かにクインケを使う喰種ということですでに普通の喰種ではないことはわかっているが、それだけな筈だ。

 

 

「ふむ、そうだな。少し長くなるが、これは『(キャット)』が現れた約8年前の話だ」

 

 

 しかし、それだけではないようで、服部は『(キャット)』が…晴人が正式にその名を名付けられた頃の話をする。

 

 

「奴の出現当時はまだ大分子供でDレート程度の三等捜査官でも簡単に倒せる程度だった」

 

 

 そのことは対しては珍しくも何もない、8年も経てばその喰種にもよるが大体はSレート近くになる。だが、

 

 

「しかし、一週間後、奴はBレートにあげられた」

 

「!?」

 

 

 それには驚いた。何せ少し前までDだったのが急に2レートも上がる、これは大量の共食いでもしなければできないことだからだ。

 だが、それはあり得ない。何故なら、晴人は当時はまだ大分子供だった筈だ。故にそのようなことができるほど精神がまだ成長していなかった筈だからだ。

 

 

「…実力を隠していたのでは」

 

「それはないな。当時奴と戦ってた捜査官は上等だ、手を抜いている暇はなかった筈だ」

 

 

 咲原が流石におかしいと思ったのか言ってみるも、服部はそれを即却下する。

 

 

「んで、話を続けるが、奴がBレートになってからはしばらく現れなくなった。何故かはわからんがな」

 

 

 この頃は急に姿を見せなくなったことにより、一部では他の喰種に喰われたのでは、という噂があったらしいが、

 

 

「だが、数年後、また奴は現れた。クインケを持って」

 

 

 そんな時からナイフを持っていたことに驚いた咲原だが、まだ驚くことがあった。

 

 

「そして、奴がまた現れたと思ったら、今度はSレートに引き上げられた」

 

 

 また現れたと思いきや、またBから2レート上がった。何故こうも急成長するのか、その数年間何をやっていたのか、確かにSレートとはいえ注意しなければいけないと思う咲原。

 

 

「こっからはわかっているとは思うがレートは上がってはない。何故たった数年でここまでの成長ができたのかはさっぱり不明だ。それに、あのクインケも色々と謎だ」

 

 

 服部が言ったクインケの謎について咲原は、

 

 

「その、クインケは盗まれたのではないのですか?」

 

 

 と、ずっと捜査官から盗んだと思っていたようだが、服部は違うと言う。

 

 

「それは違う。Sレートになった奴だが、今まで奴が殺した捜査官は一人もいないし、奪われたこともない」

 

 

 捜査官から盗んだ訳ではないとするならば、それはつまり、

 

 

「それでは、あのクインケは…」

 

 

 答えが思いついた瞬間、咲原は首をふってそれを否定しようとするが、服部は咲原の察した答えを肯定する。

 

 

「そうだ、あれは奴自身が作ったクインケと、そういうことになる」

 

 

 服部はこう言うが、服部もそれはあり得ないと思っている。

 

 

「まあ、確かにあり得ない話であるが、現状そうとしか考えられない」

 

 

 もし、その話が本当なら、それはとんでもなく一大事な話になる。何故ならば、クインケの製造方法は絶対機密であり、外部には絶対に漏らしてはならないからだ。それが喰種であればなおさら大変な事だ。

 

 

「もしそうならば、一刻も早く奴を『(キャット)』を見つけて捕らえなければ大変なことになるじゃないですか!」

 

 

 咲原は慌て出すが、服部はあくまでも冷静だ。

 

 

「まあ、待て。確かにこれは不味い話だ。クインケの製造法を知ったとありゃ、クインケの弱点も知ったかもしれない。そして、奴が他の喰種にその事を教えて対策をするかもしれない。

 だがな、わかっている通り奴らは基本的に協力や同盟とかはしない奴らだ、だから実際はそこまで危険視しなくていい」

 

 

 確かにそうだ、もしその情報が知れ渡っていれば、今頃ここの喰種達によって捜査官達は簡単に殺されてただろう。

 

 

「まあ、それでも奴を捕らえなければいけないことに変わりはないが」

 

 

 結局のところ、何故晴人がクインケを持っているのかや、どうやって短時間で強くなれたのかは捕まえて聞き出すしかないという結論に収まった。

 

 

(ま、この件はあいつに任せればいいか)

 

 

 結論が出て来たもの実のところ、クインケ以外に関してはそこまで考えなくても二人にとってはどうでもいいことであった。

 故に、これは自分の管轄外だと思う服部は一番仕事を任せたくない者に任せることにした。

 

 

(『(キャット)』にはあの『黒鬼(クロオニ)』と何かしらの関係がある可能性があるからな。どうもあいつはその『黒鬼(クロオニ)』を執拗に探している様だし、ついでにこいつの事も任せればいいだろう)

 

 

 その者というのが知っての通り『第二の死神』と言われている捜査官だ。服部はその捜査官に一任する事にして服部達は今日も喰種の脅威から人々を護るべくクインケを持って巡回しに行く。




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