未踏召喚://インデックス   作:白滝

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エンディングX-01 休息は束の間

(Ending X-01 Open 07/31 23:59)

 

 

 

「遅いじゃん!どこで道草食ってた!!」

「……悪かった。ちょっと自転が遅れたンだよ」

 無理矢理に病院から退院してきた一方通行(アクセラレータ)達一行は、芳川家の部屋に集まっていた。

 全身を包帯でぐるぐる巻きにし、点滴したまま無言で頭痛に堪えている一方通行(アクセラレータ)

 手首のミサンガを弄りながら、しゅんとして元気のない打ち止め(ラストオーダー)

 何とかこの場を取り持ち空気を明るくしようと話題を振るが、少し世間とズレているせいで空回りしているエステル。

 三人の様子を眺め、黄泉川と芳川は顔を見合わせて笑った。

「ずっと鍋を食べるの待ってたんだから、暗い顔せずに楽しく食べましょ」

「おらっ、一方通行(アクセラレータ)!怪我してんなら力を付けなきゃな。もっと食え!」

 一方通行(アクセラレータ)の肩をバンバン叩く黄泉川に、エステルの顔が真っ青になる。

「あ、あの、黄泉川!先生の怪我はかなり深いから、もうちょっと優しくだな!」

「……構わねェよ」

 いつもなら文句の一つも吐き捨てる一方通行(アクセラレータ)だが、この人達と一緒にいる時は不思議と黙って受け止めるんだな、とエステルは感慨深くなった。

「……あのね、ミサカのせいでこの人が、」

「別にいいじゃん、そんな話」

 えっ?と驚く打ち止め(ラストオーダー)の頭を撫でながら、黄泉川はいつものようにニッコリと笑っていた。まるで自分達の子供を見るように。

「何だかS区画で爆発事故やら陸橋の崩落事故があったってニュースで騒がれてるけど、ぶっちゃけ私は興味ないじゃん。偶然お前らの外出時と時間が被っていても、別に気にしない」

「あなた達が何をして来ようと、私達の食卓はあなた達を拒絶しないわよ。それはエステルちゃんにしても同じ」

 そう言って、黄泉川は三人分の皿に鍋料理をよそって手渡した。

「これはただの他愛のない話なんだが、私の家は独り身にしては広すぎる気がするじゃんよ、芳川」

「あら、そうなの。これも意味のないアドバイスなのだけど、だったらルームシェアとかしてみたらどうかしら?愛穂の部屋なら、四人くらいは住めそうじゃない?」

「おお、じゃあお前も来いよ。……しかし、困ったな、どうせならあと三人欲しいじゃん」

「あら愛穂、たった今偶然気付いたのだけど、目の前に人間が三人いるわ」

「おお、偶然じゃん!」

「これは疑いようもなく偶然ね」

 笑って一方通行(アクセラレータ)達を迎える二人に、打ち止め(ラストオーダー)も思わず顔が綻んだ。

「ミサカも二人と一緒に住みたい!ってミサカはミサカはあなたの顔を覗き込んでみる!」

「先生、どうでしょう?私も賛成です!」

「……」

 二人の表情を見て、溜め息をついた一方通行(アクセラレータ)がポケットから携帯電話を取り出した。

 『総体』との約束を思い出す。

 一人で生きて、独りで死ぬ。

 けれど、今はまだその時期じゃない。彼女が彼女自身の幸せを掴むまで、傍に寄り添い続けるぐらいはいいはずだ。

 例えそこに自分の居場所がなくても、彼はそれだけで満足して死ねる。

 だから、四人が見守る中、彼はとある番号に電話をかける。

 

 

 

「もしもし、俺だ。……あァ、あの案件は無しでいい、気が変わった。あ?……何の事はねェよ。単純に、住む家が見つかっただけだ」

 

 

 

 




【Facts】


◆一方通行は黄泉川や芳川との同居へ同意し、オリアナに依頼していたアジトをキャンセルした。

◆一方通行は束の間の休息を楽しむ。これが彼にとっての本当の救済かもしれない。
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