(Ending X-01 Open 07/31 23:59)
「遅いじゃん!どこで道草食ってた!!」
「……悪かった。ちょっと自転が遅れたンだよ」
無理矢理に病院から退院してきた
全身を包帯でぐるぐる巻きにし、点滴したまま無言で頭痛に堪えている
手首のミサンガを弄りながら、しゅんとして元気のない
何とかこの場を取り持ち空気を明るくしようと話題を振るが、少し世間とズレているせいで空回りしているエステル。
三人の様子を眺め、黄泉川と芳川は顔を見合わせて笑った。
「ずっと鍋を食べるの待ってたんだから、暗い顔せずに楽しく食べましょ」
「おらっ、
「あ、あの、黄泉川!先生の怪我はかなり深いから、もうちょっと優しくだな!」
「……構わねェよ」
いつもなら文句の一つも吐き捨てる
「……あのね、ミサカのせいでこの人が、」
「別にいいじゃん、そんな話」
えっ?と驚く
「何だかS区画で爆発事故やら陸橋の崩落事故があったってニュースで騒がれてるけど、ぶっちゃけ私は興味ないじゃん。偶然お前らの外出時と時間が被っていても、別に気にしない」
「あなた達が何をして来ようと、私達の食卓はあなた達を拒絶しないわよ。それはエステルちゃんにしても同じ」
そう言って、黄泉川は三人分の皿に鍋料理をよそって手渡した。
「これはただの他愛のない話なんだが、私の家は独り身にしては広すぎる気がするじゃんよ、芳川」
「あら、そうなの。これも意味のないアドバイスなのだけど、だったらルームシェアとかしてみたらどうかしら?愛穂の部屋なら、四人くらいは住めそうじゃない?」
「おお、じゃあお前も来いよ。……しかし、困ったな、どうせならあと三人欲しいじゃん」
「あら愛穂、たった今偶然気付いたのだけど、目の前に人間が三人いるわ」
「おお、偶然じゃん!」
「これは疑いようもなく偶然ね」
笑って
「ミサカも二人と一緒に住みたい!ってミサカはミサカはあなたの顔を覗き込んでみる!」
「先生、どうでしょう?私も賛成です!」
「……」
二人の表情を見て、溜め息をついた
『総体』との約束を思い出す。
一人で生きて、独りで死ぬ。
けれど、今はまだその時期じゃない。彼女が彼女自身の幸せを掴むまで、傍に寄り添い続けるぐらいはいいはずだ。
例えそこに自分の居場所がなくても、彼はそれだけで満足して死ねる。
だから、四人が見守る中、彼はとある番号に電話をかける。
「もしもし、俺だ。……あァ、あの案件は無しでいい、気が変わった。あ?……何の事はねェよ。単純に、住む家が見つかっただけだ」
【Facts】
◆一方通行は黄泉川や芳川との同居へ同意し、オリアナに依頼していたアジトをキャンセルした。
◆一方通行は束の間の休息を楽しむ。これが彼にとっての本当の救済かもしれない。