ハイスクール・フリート ―霧の行く先―   作:銀河野郎のBOB

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Happy Birthday!! サトちゃん!

御無沙汰しております。

いよいよ10月、晴風クラスの誕生日ラッシュ月間スタートです

そのオープニングを飾るのは晴風クラスの航海員、勝田聡子ちゃん!
特徴的な伊予弁とさばさばした明るい性格で好きな人も多いのでは?(自分も大好きです!)

今回はもう一人お誕生日を迎えたミーナと同時アップになっておりますので、両方読んでいただけると嬉しいです。
後書きはミーちゃん編の方でまとめて書いています。

それでは、どうぞ!


特別編⑦ 二人でハッピー!(サトちゃん編)

 2016年10月1日午後6時

 

 -聡子side.-

 

 宇田

「それじゃ改めて、サトちゃんのお誕生日をお祝いして……乾杯!」

 

 八木、山下、内田

「かんぱーい!」

 

 野間

「…乾杯」

 

 勝田

「ぞなー!」

 

 学生寮のウチの部屋で始まった晴風航海科メンバーによる私の誕生日会。

 今日は土曜日ということもあり、朝から横須賀の街をみんなで散策し、ご飯を食べたり、ゲームセンターで遊んだり、誕生日プレゼントを買ったりして楽しんでいた。

 ちなみにみんなから送られた誕生日プレゼントは、髪留めとイヤリングだ。

 

 内田

「でも残念。艦長と航海長も買い物までは一緒だったんだけど」

 

 山下

「学校から艦橋組が呼び出されちゃったから、誕生日会には参加できなくなっちゃったもんね」

 

 八木

「艦長、すっごく残念がってたねー」

 

 今日の集まりは艦長の岬さんと航海長の知床さんを含めた晴風航海科全員参加だったのだが、最後のイベントである誕生日会直前に二人は急用で抜けてしまったのだ。

 

 勝田

「でも、二人には昼間にいっぱいお祝いしてもらったぞな。とっても嬉しかったぞな!」

 

 野間

「うん、特に艦長はすごかったね」

 

 宇田

「それがうちの艦長のいいところ、だよね!」

 

 勝田

「艦長、航海長、今日はありがとうぞな!!」

 

 この場にいない艦長にせめて思いが届くようにと、ウチは大きな声で感謝してみた。

 もちろん学生寮なので迷惑にならない程度に声量は抑えている。

 

 宇田

「サトちゃん、いつも元気でうらやましいな」

 

 八木

「うん、サトちゃんと一緒だと私たちも元気になるよね」

 

 勝田

「そ、そうかな? ウチは普段通りやってるだけぞな」

 

 野間

「それが勝田さんのいいとこだと思うな」

 

 山下

「お、マッチが人を褒めるなんて珍しいね」

 

 内田

「そういえば、サトちゃんとマッチって普段から結構仲いいよね」

 

 こんな感じでワイワイと6人でおしゃべりをしながら、用意したご飯を食べてのんびり過ごしていた。

 そしてご飯を食べ終わって片づけをし終わって、またみんなでまた話していた時、めぐちゃんが何かに気づいた。

 

 宇田

「あれ? ねぇサトちゃん、あのカレンダーの今日のとこにつけてる赤い印は何?」

 

 勝田

「印? そんなのつけとったかなぁ?」

 

 八木

「自分の誕生日だからじゃないのー?」

 

 勝田

「つぐちゃん、ウチはそんなん一々自分でつけんぞな」

 

 ウチは何でつけたのか思い出してみようとしてみたが、さっぱり忘れてしまったようだ。

 

 山下

「あ、何か文字が書いてあるね」

 

 内田

「うーん、ここからだと小さくて読みづらいね」

 

 野間

「それじゃ、私が見るよ」

 

 そういうと、野間さんはメガネを外してカレンダーの文字に視線を合わせた。

 

 宇田

「マッチ、メガネ外すとちょっと顔怖いんだね……」

 

 野間

「すまない、割と近くだと目を細めないと見づらくて」

 

 勝田

「めぐちゃん、それ昔ウチも同じこと言ったぞな」

 

 たしか野間さんに交代を伝えに晴風の見張り台に登った時に、野間さんからメガネを借りて感想を聞こうとした時だったと思う。

 すると野間さんは再びメガネをかけ直した。

 どうやら文字の内容がわかったようだ。

 

 山下

「それで、なんて書いてあったんです?」

 

 野間

「ああ、「ミーナさんお誕生日! ウチと一緒ぞな!」って書いてあったよ」

 

 マッチが教えてくれたその瞬間、その場の時間が一瞬止まったような空気になった。

 ウチは今の今までこの日本にはいない大切な家族の誕生日をすっかり忘れてしまっていたのだ。

 

 勝田

「しまったあああああ!! すっかり忘れとったぞなー!!」

 

 山下

「さ、サトちゃん。とりあえず落ち着いて、ね?」

 

 勝田

「しゅうちゃん、これは忌々しき事態ぞな! 今すぐお祝いしないといかんぞな!」

 

 内田

「でも、ミーナさん今日本にいないし、お祝いって何をすればいいの?」

 

 すると、つぐちゃんがそぉっと手を挙げた。

 

 八木

「えっとね、ミーナさん今オーストラリア近海で航海演習中なんだって」

 

 宇田

「え? つぐちゃん何でミーナさんのこと知ってるの?」

 

 八木

「実は、武蔵と戦う前にヤマトさんからちょっと特別な通信機を貰ってて、それ使ってたまにミーナさんと連絡を」

 

 勝田

「なんと! さすが晴風の誇るスーパー通信士ぞな!」

 

 八木

「そ、そんなことないよぉ///」

 

 ウチの言葉につぐちゃんは顔を赤くして、照れていた。

 後で聞いた話だが、ヤマトさんはミーナさんと別れる前につぐちゃんと同じタイプの通信機を渡していて、これを知ったつぐちゃんが試しに一回連絡してからこの関係が続いているようだ。

 しかしこれで、ウチがやることは決まった。

 

 勝田

「よーし! これからミーナさんに電話して誕生日をお祝いするぞな!」

 

 内田

「確かにいい考えだと思うけど、今連絡して大丈夫かな?」

 

 山下

「確か今はオーストラリアだったよね? 日本の真南だから時差とかは大丈夫じゃないかな?」

 

 勝田

「そうと決まれば早速やるぞな! つぐちゃん、通信機今持っとるぞな?」

 

 八木

「う、うん」

 

 つぐちゃんはポケットに手を突っ込み、中から白色の画面のついた機械を取り出した。

 

 宇田

「それが例の特別な通信機?」

 

 八木

「うん。これすごいんだよ。通話だけじゃなくて、映像通信もできるんだよ」

 

 勝田

「よっしゃ! それじゃ映像通信するぞな! つぐちゃんよろしく!」

 

 つぐちゃんは手慣れた手つきで通信機を操作し始める。

 目にも止まらぬ速さで操作を済ませると、部屋の中に空中ディスプレイが現れた。

 

 山下

「わぁ、これも空中に画面が出るんだね」

 

 野間

「さすが、ヤマトさん特製だな」

 

 そしてしばらくすると、画面にミーナさんの姿が映し出された。

 ウチはみんなの真ん中になるように、場所を移動した。

 

 ミーナ

「ツグミか? どうした、一体何の――」

 

 勝田

「ミーナさーん! お久しぶりぞなー!!」

 

 ミーナ

「って、サトコか! ほんと久しぶりじゃな! なんだ、一体ワシに何の用じゃ?」

 

 ウチはみんなに視線で合図を送り、伝えたかった言葉をミーナさんにみんなで送った。

 

 勝田、宇田、八木、山下、内田

「ミーナさん! お誕生日おめでとー!!」

 

 野間

「ミーナさん、おめでとう」

 

 相変わらず野間さんはマイペースであったが、みんなで誕生日祝いをすることができた。

 

 ミーナ

「な、なんじゃお主ら。みんな揃っておったのか!?」

 

 ミーナさんは驚きの表情を見せている。

 まさにウチの思惑通りであった。

 

 テア

「ミーナ、どうした。突然いなくなったと思ったら、日本からの通信か?」

 

 レターナ

「お、スゲーじゃんこれ! 空中に画面出てるじゃん!」

 

 ミーナ

「か、艦長。それにレターナまで」

 

 画面に現れたのは、アドミラル・シュペーの艦長さんのテアさんと、ミーナさんの幼馴染のレターナさんであった。

 二人の手には食べ物が握られており、いかにもパーティの途中という雰囲気であった。

 

 勝田

「あ、お二人ともお久しぶりぞな! ところで、そっちはパーティか何かやっとるぞな?」

 

 テア

「あぁ、今日はミーナの誕生日だからな。シュペーの甲板で誕生日パーティだ」

 

 宇田

「あ、そっちも誕生日パーティだったんですね」

 

 すると、ミーナさんが不思議そうな顔をしてこっちを見ていた。

 

 ミーナ

「なぁ、そっち「も」と言っておったが、そもそも航海科組で集まって何をしとるんだ?」

 

 内田

「あぁ、これはサトちゃんの誕生日パーティですよ」

 

 ミーナ

「……なに?」

 

 ミーナさんが呆然とした様子になっている。

 どうやら事態を把握できていないようだ。

 

 ミーナ

「ちょっと待て、今日はサトコの、誕生日なのか?」

 

 勝田

「そうぞな。ミーナさんが晴風に乗っていた時に「ウチと誕生日いっしょぞな」って二人で盛り上がってたぞな。忘れたぞな?」

 

 宇田

「いや、サトちゃんもさっきまで忘れてたじゃん……」

 

 めぐちゃんからの指摘をウチはさらっと無視する。

 一方、ミーナさんは画面越しでも分かるくらい完全に動揺していた。

 

 ミーナ

「しまったああああああ! ワシとしたことが!!」

 

 レターナ

「なんだよミーナ。大事な友達の誕生日を忘れてちゃってたの? しかも自分と同じ日の人をさ」

 

 テア

「そうだな。サトコは晴風の乗員、我々の恩人だぞ。そんな人の大事な日を忘れるとは、あってはならん事だぞ、ミーナ」

 

 ミーナ

「うぅ、ワシとしたことが。面目次第もない……。すまない、サトコ」

 

 ミーナさんが申し訳なさそうに頭を下げている。

 さすがに居た堪れなくなったのでウチはフォローに入ることにした。

 

 勝田

「ミーナさん、ウチは全然気にしとらんぞな。せっかく二人揃っての誕生日ぞな。そんな辛そうな顔なんてしてないで、一緒に楽しむぞな!」

 

 宇田

「そうだよ、ミーナさん。そうだ! せっかくお互い誕生日パーティやっているんだから、このまま一緒に誕生日パーティやろうよ」

 

 山下

「いいねー。一緒に盛り上がればもっと楽しいよ」

 

 内田

「うん、やろうやろう!」

 

 めぐちゃんの提案にしゅうちゃんとまゆちゃんが乗っかってきた。

 

 八木

「なんだか、思ってたより大騒ぎになっちゃったね」

 

 野間

「でも、みんな楽しそうだし、いいんじゃないかな」

 

 つぐちゃんと野間さんは盛り上がっているウチたちを一歩引いたところから眺めているが、提案自体には賛成してくれたようだ。

 

 テア

「こちらも問題ないぞ。レターナ、みんなにこのことを伝えてきてくれ」

 

 レターナ

「了解でっす! テア艦長」

 

 そういうとレターナさんは画面の外へ消えていった。

 テア艦長もノリノリな様子だ。

 

 ミーナ

「みんな……、ありがとう。わしはこの手厚い待遇に、ド感謝するぞ!」

 

 勝田

「あははは! ミーナさん、それ晴風での歓迎会で言ってたのと同じぞな」

 

 ミーナ

「な、なんじゃい。これしか思い浮かばなかったんじゃ。文句あるか?」

 

 勝田

「あるわけないぞな。さぁみんな、これからもっと盛り上がっていくぞなー!」

 

 宇田、八木、山下、内田

「おー!」

 

 野間

「うん」

 

 ミーナ

「テア、こうなったら私たちも精一杯盛り上がろう!」

 

 テア

「ああ、サトコとミーナに最大限の祝福を送ろうじゃないか」

 

 

 この後、アドミラル・シュペーの乗組員を交えた合同誕生日会は大いに盛り上がった。

 一緒に乾杯をしたり、ドイツ語でウチのことを祝ってくれたり、お互いのパーティ料理を教え合ったりと楽しい時間を過ごせた。

 余談だが、野間さんがいると知ったシュペー乗組員の一部(マッチファン)が暴走して大変なことになったことも忘れられない思い出となった。

 

 偶然出会った同じ誕生日の人と一緒に楽しく誕生日が過ごせる。

 こんな出会いがあったのなら、あのRATt騒動も悪くはなかったと思う。

 晴風クラスという大切な家族、霧の艦隊の人たち、シュペーのみんな、こんな素敵な仲間たちと出会えてウチはとても嬉しかった。

 

 これからもみんなと楽しく過ごせたら、絶対幸せぞな!!

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