ハイスクール・フリート ―霧の行く先―   作:銀河野郎のBOB

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Happy Birthday!! りっちゃん!

皆様、ご無沙汰しています。

本日10月12日は、晴風の第一魚雷発射管担当の松永理都子ちゃん、りっちゃんの誕生日でございます!

アニメでは同じく魚雷発射管担当で幼馴染のかよちゃんといつも一緒で、二人してゆるふわな雰囲気を醸し出しているのがすごく可愛いです!
一方、母が元プロボウラーで自身もボウリング達人級と結構やる子です。
そしてなんと、実家が老舗温泉旅館ということが判明しております。
(※出身地の群馬県吾妻郡にはかの有名な草津温泉があります)

今回はそんなりっちゃんのお話です。

それでは、どうぞ!


特別編⑧ 温泉でハッピー!

 2016年10月8日午後5時

 

 -理都子side.-

 

 西崎

「おー! まさに古き良き旅館って感じ! 楽しみだね、タマ!」

 

 立石

「うぃ!」

 

 松永

「さーさー、みんな上がってよー」

 

 ここは群馬県にある私の実家の温泉旅館「松永館(しょうえいかん)」。

 温泉大国と呼ばれる群馬県の中で、うちの実家は結構古くからやっている老舗旅館の一つだ。

 そして今日からの三連休、私は砲雷科のみんなをうちの旅館に招待してお泊り会をすることになった。

 

 宗谷

「松永さん、本当によかったのか? ご実家とはいえ、こんなに立派なところに2泊もさせてもらって」

 

 松永

「副長、気にしなくていいんだよ。うちの家族や仲居さんたちにもみんなを紹介したかったし、むしろ大歓迎だよー」

 

 姫路

「副長は気にしすぎなんだよ~。私なんて小さい時からりっちゃんのおうちによく泊まってるよ~」

 

 小笠原

「かよちゃんの場合は、友達の家でのお泊り会的なノリな気がするけどね」

 

 日置

「ねーねー! そんなことより早く温泉行こうよ!」

 

 武田

「順子、慌てなくたって温泉は逃げないってば」

 

 万里小路

「ふふ、楽しみですね」

 

 みんなのテンションも上がってきたようだ。

 私はみんなを引き連れて旅館の入り口をくぐった。

 

 

 

 松永

「ここがみんなで泊まる部屋だよー」

 

 西崎、小笠原、日置

「おおー!」

 

 私は今日からみんなに泊まってもらう大部屋へ案内した。

 オラオラ組(じゅんちゃん命名)が部屋に入って大はしゃぎしている様子を見て、満足してもらえたことを私は密かに喜んでいた。

 そしてみんなは部屋の隅の方に荷物を置き、畳の上で寝そべったり着替えを取り出したりしている。

 

 松永

「さてー、みんなこれからどうする? 温泉にする? それとも夕飯にする?」

 

 姫路

「あ、りっちゃんその前に一ついいかな~?」

 

 この後どうするかを尋ねようとした時、かよちゃんが私に声をかけてきた。

 すると、かよちゃんの言葉を待っていたかのように他のみんなが私の元へ駆け寄ってきた。

 

 松永

「あれ? みんなどうしたの?」

 

 姫路

「それじゃみんな~、せ~の~」

 

 

 姫路、西崎、小笠原、武田、日置

「りっちゃん、お誕生日おめでとー!」

 

 宗谷

「おめでとう」

 

 立石

「おめ、でと」

 

 万里小路

「おめでとうございます」

 

 松永

「ふぇ!? ええええ!?」

 

 みんなの口から出てきたのは、私の誕生日を祝う言葉。

 突然の不意打ちに私は変な声を出してしまった。

 しかし私の誕生日は10月12日、まだ4日も先のはずだ。

 親友のかよちゃんが間違えるとは考えられない。

 

 西崎

「本当は12日にお祝いしたかったんだけどさ、平日だから大々的にお祝いできないじゃん? そんな時にりっちゃんからお泊り会のお誘いが来たから、ちょっと早いけどお誕生日祝いしようってことになったんだ」

 

 姫路

「ちなみに立案したのは副長だよ~」

 

 宗谷

「ま、松永さんには訓練や航海演習でいつも世話になっているからな。そのお返しだよ」

 

 副長が照れくさそうに教えてくれた。

 みんな、私の誕生日を覚えていてくれていたようだ。

 

 松永

「みんな、ありがとー! すっごく嬉しいよ」

 

 今まではかよちゃんや家族、旅館で働く仲居さんたちに誕生日を祝ってもらったことはあった。

 今年は実家での誕生日会を諦めていたが、こんなサプライズという形で晴風クラスのみんなにお祝いしてもらえた。

 それがとても嬉しかった。

 

 松永

「よーし! お返しに今からお母さんに頼んでお料理一杯用意してもらうよう頼んでくるよー」

 

 西崎

「やったー! おいしいご飯が一杯食べられる!」

 

 立石

「ご、は、ん!!」

 

 宗谷

「お、おい、そんなこと急に決めて大丈夫なのか?」

 

 万里小路

「もしお金が足りないようでしたら、私がお出しいたしますよ?」

 

 宗谷

「万里小路さん、そういう問題じゃなくてだな――」

 

 小笠原

「副長、せっかくりっちゃんからのおもてなしなんだから、細かいことは気にしないで思い切り楽しもうよ」

 

 ひかりちゃんの言う通り、今日から3日間みんなには楽しんでほしい。

 それがみんなをここに連れてきた一番の理由なのだから。

 

 松永

「それじゃ、ご飯までもう少し時間かかるだろうから、先にお風呂にいきましょー」

 

 日置

「やったー! 温泉温泉!」

 

 ということで、まずはみんなにうちの旅館自慢のお風呂に案内することになった。

 

 

 

 うちの旅館は地元群馬の山の幸をメインとしたお料理や、お客様へのきめ細やかなおもてなしなど、たくさん誇れることあるが、その中でも一番の自慢はなんといっても温泉だろう。

 旅館裏の山にある源泉から引っ張ってきた源泉かけ流しで、疲労や腰痛、さらには美容にも効果のあるなど、お客様にも大変満足いただいている。

 今日は特別に1時間だけお風呂を貸切にしてもらって、私たち9人だけで温泉を満喫してもらうことにした。

 

 西崎

「はぁ~、ほんのり色づき始めた秋の山を見ながらの露天風呂、最高だねぇ~」

 

 立石

「ごく、らく」

 

 宗谷

「あぁ、とても気持ちいい」

 

 露天風呂でのみんなの様子を見るに、満足してもらえたようでなによりだ。

 

 万里小路

「ほんとうにいいお湯ですわ。松永さん、今度はお父様たちとまた宿泊させていただきますね」

 

 小笠原

「お客さんが増えるよ! やったねりっちゃん!」

 

 武田

「おいばか、やめろ……って、別にいいんだった」

 

 日置

「ひかりちゃん、そのネタはダメだよ……」

 

 じゅんちゃんの言うネタというのはよくわからないけど、万里小路さんのお目にかかったのなら、これから中部地方からのお客様がすごく増えそうな予感がする。

 

 こんな風に楽しくお風呂に入っていると、今ここにいる砲雷科のみんなが、私の中で特別な存在なのだと改めて思う。

 晴風クラスに入ってすぐの航海演習でRATt騒動に巻き込まれ、その時に数多くの戦闘で共に頑張ってピンチを乗り越えてきた。

 演習から無事に戻ってきてからも騒動に絡んだ出来事が色々続いて、その度に協力し合って頑張ってきた。

 副長、水雷長、砲術長、ひかりちゃん、みっちん、じゅんちゃん、万里小路さんとは出会ってまだ半年しか経ってないけど、みんなと仲良くなれてよかったと心から思っている。

 そしてもう一人、誰よりも大切な親友もここにいる。

 

 姫路

「りっちゃ~ん、隣いいかな~?」

 

 松永

「もちろんだよー、かよちゃん」

 

 かよちゃんとは幼い頃、親がやっていたボウリングを通じて出会った。

 それから事あるごとに家族同士の交流で出会うため、自然と仲良くなった。

 そして今は二人とも横須賀女子の水雷科を受験して、同じクラスに配属されている。

 私の人生はかよちゃんと共に歩んでいると言ってもいいだろう。

 

 姫路

「りっちゃん、みんなをここに連れてこられてよかったね」

 

 松永

「そうだねー。今度は晴風クラスのみんなも、ヤマトさんとムサシちゃんも、全員を招待したいねー」

 

 姫路

「なんだか、修学旅行みたいだね~。校長先生に頼んで修学旅行ここにしてもらう?」

 

 松永

「それもいいかもねー」

 

 二人揃って冗談なのか本気なのかわからない話で盛り上がる。

 私とかよちゃんはいつもこんな感じだが、この雰囲気が私にはとても落ち着ける。

 

 松永

「それと、かよちゃんありがとう。誕生日のお祝い、本当はかよちゃんが言いだしっぺでしょ?」

 

 姫路

「はて、何のことかな~? さっきも言ったけど、発案は副長だよ?」

 

 松永

「またまたー。でも、みんなにいっぱいお祝いされてほんとに嬉しかったよ。ありがとうね、かよちゃん」

 

 私が感謝の言葉を述べると、かよちゃんからお返しの言葉が返ってきた。

 

 姫路

「りっちゃん、それは私もだよ。砲雷科のみんなと一緒にりっちゃん家の旅館でお泊り会できるなんて思ってなかったよ。ありがとね」

 

 松永

「うー、かよちゃんに改めて言われるとちょっと恥ずかしいかなー」

 

 口では恥ずかしいと言っているが、本当は喜んでもらえてすごく嬉しい。

 私は今、とても満ち足りた気分になっている。

 

 松永

「さーて、そろそろ夕飯も出来上がる頃かな。かよちゃん、いこう」

 

 姫路

「そうだね、りっちゃん」

 

 

 

 山だらけの町に生まれて、実家の跡取りを期待されながらも、小さい頃に憧れていた海の仕事に就くことを夢見て入学した横須賀女子海洋学校。

 最初は大変なことに巻き込まれちゃったけど、あの事件があったからこそ今こうしてみんなと一緒に過ごせることがとても大切に思えるようになった。

 これからもかよちゃんと砲雷科、そして晴風クラスのみんなと一緒に大きな波を超えていこう。

 

 もし航海で疲れちゃったら、うちの旅館でゆっくりしていってね。

 いつでも大歓迎だよ!

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