銀狼 銀魂版   作:支倉貢

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はい、来ました!たまクエ篇!

あんまりゲームの知識がない私ですが、頑張りたいと思います。


たまクエ篇 やっぱりいくつになってもゲームは楽しい
ポリゴンっていうと今時の若者はポケモンをイメージする


この日、朝からスナックお登勢に遊びに来ていた志乃は、カウンターでお登勢からジュースを貰っていた。隣に座る銀時が、朝っぱらからあずきをご飯いっぱいにぶっかけている。そのさらに向こうには、新八と神楽が座っていた。

お登勢は、今朝起きた出来事を銀時と志乃に話していた。

 

「あ?たまの様子がおかしい?」

 

「うーん、私の見間違いかもしれないけどさ、顔がなんか一瞬変な風に見えて」

 

「顔が一瞬変?四六時中変なアンタよりマシだろ」

 

「そーだね。四六時中セミの抜け殻みたいな締まりのない顔で、朝っぱらからあずき丼なんてバカげたもん食ってる銀よりマシだよ」

 

志乃はストローでジュースを飲みながら、あずき丼を掻き込む銀時に毒を吐く。

 

「一昔前の格闘ゲームみたいなアレ、何ていうんだっけ」

 

「ポリゴン?」

 

「そうそう、ポリゴンみたいなカクカクした顔になっててさァ、あの娘きっと働きすぎて疲れてんのよ。アンタらちょっと故障してないか見てやってくんないかい」

 

「その前にアンタの頭が故障してないか医者に診てもらった方がいいだろ」

 

「そうだね、じゃあ銀、これから精神科行こっか」

 

「何で俺だァァ‼︎しかも精神科かよ!一人で勝手に行けクソガキ‼︎」

 

ポン、と慰めるように志乃が銀時の肩に手を置く。哀れみを向けられた銀時は唾を飛ばしながらツッコみ、志乃の手を振り払った。

 

「大体どんな壊れ方したら機械(からくり)がポリゴンになんだよ。なんで機械(からくり)が疲れるんだよ」

 

「あたしゃホントに見たんだよ。最近あの娘働きすぎだしさ、心配なんだよ」

 

「目の錯覚だよ。んなアホな話があるワケねーだろ。疲れてんのはアンタの方だ」

 

ガララ、と店の扉が開く。それと同時に、たまがおつかいから帰ってきた。

 

「ただいま帰りました」

 

「おかえりたまさん、おつかいご苦労さ……」

 

「あっ ぎんときさま しのさま おはようございます」

 

志乃は思わず固まった。ポリゴンみたいだと言われてどんなものかと少しワクワクしながら待っていたのだが、帰ってきたたまはポリゴンではなく完全なるドット絵になっていた。

 

「ポリゴンどころかドット絵まで退化してますけどォォ‼︎」

 

『たまはおつかいをおえた けいけんち230をかくとく 300Gをうしなった』

 

「フキダシまでファミコン並みのスペックに落ちてるよ」

 

「ヅラ兄ィが見たら喜びそう。ファミコンは本当にあったんだ!って」

 

「それラピュタの名ゼリフ‼︎こんなくだらない所で使うなァ‼︎」

 

朝からたまのとんでもない異変と志乃の他人事のようなボケに、新八のツッコミが冴え渡る。うん、今日も上々のツッコミだ。

たまがテクテクと歩いて店内に入ってくる。

 

「おとせさま おまたせしました すーぱーがばーげんで こんでいたもので」

 

「しかも前後左右どこに移動してもカニ歩きの初代ドラクエ仕様ですよ‼︎気持ちワリーよ、ラダトームの城の哀しげな曲流れてきそうだよ‼︎」

 

「ハイ おとせさま たのまれていたしなです」

 

『たまはやくそうをてわたした へんじがない ただのしかばねのようだ』

 

「誰が屍だァァ‼︎つーか誰も薬草なんて頼んでねーっつーの‼︎」

 

ドット絵のワカメみたいな薬草を手渡され、屍扱いされたお登勢。あまりの変貌ぶりに、ついにお登勢は突っ伏しておいおいと泣き始めた。

 

「たまさんんんん‼︎何でこんな事にィィ‼︎一体何があったっていうんですかァ‼︎」

 

「ああ、ごめんよたま‼︎私が無理にお前を働かせ続けたばかりに故障しちまったんだね‼︎」

 

志乃は落ち着かせようと泣くお登勢の背中を摩る。神楽も銀時に言った。

 

「銀ちゃん直してあげなヨ!こんなカクカクじゃ危ないネ、刺さるアル。お子様の安全面を考慮しても、丸みを帯びたフォームに直した方がいいアル」

 

銀時は黙ってはいたが、やる気がないのがありありとわかった。

 

「別にいいんじゃね。このままでも前と大して変わらねーだろ」

 

「変わるだろォォ‼︎見てくださいよ、黙っててもその場で足踏みしちゃうんですよ‼︎右足と左足交互に振り下ろす2パターンしか絵柄無いんですよ!」

 

「大丈夫だよ、ローラ姫助けた後は姫を抱きかかえるパターンの絵も加わるから」

 

「ローラ姫なんてこの世界に存在しねーよ!」

 

「見た目はともかく元々これ位使えない奴だったろ、別にいいじゃんこのままで。そもそもお前ら若い世代は、やれCGだやれ3Dモデリングだのに慣れすぎなんだよ。ドット絵位がちょうどいいんだよ」

 

「何の話してんの」

 

話が逸れている銀時に志乃が呆れてツッコむが、構わず続ける。

 

「俺達の時代なんかな、単純な線だけで描かれたダンジョンをそれでもワクワクしながら探索してたもんだ。美麗なCGこそねーが、だからこそ、そこに無限の想像の余地があった」

 

「いやだから何の話してんだっつってんの」

 

「それを最近の奴はダラダラ長ったらしいCGムービー垂れ流しにしやがって。俺達は映画が見たいのか?……違うだろ。ゲームがやりたいんだろがァ!」

 

「知るか。どっからゲームの話にすり替わってんだ」

 

過去のゲームの素晴らしさについて熱く語られても、時代の波には抗えない。

 

志乃はそもそもゲームをしない子供だ。幼い頃からゲームをしている友人は数人いたし、銀時達がゲームをしているのを見ていたことはあったため知識はあるが、実際にやってみると一つわかったことがあった。

志乃は、極度のゲーム音痴だったのだ。RPGもパズルゲームもアクションゲームも一切できない。どれだけ簡単なゲームでも、リモコンを握って僅か1秒で負けてしまうほどのゲーム音痴であった。

以来、志乃はゲームを一切やらず、ひたすら体を使って外で遊び回る元気な子供に育った。それはそれでいい気もするが。

 

ともかく、銀時は未だ過去のゲームの良さを語る。

 

「いいかァ、ゲームはやらされるもんじゃねェ。やる(・・)もんなんだ‼︎CGもムービーもいらねェ‼︎そんなもんに踊らされてっからてめーら想像力が貧困なんだよ。グラフィックはドット‼︎イベントは文字(テキスト)のみで進行‼︎それで充分なんだ‼︎」

 

「もーいいよ黙ってろ。ウィザードリィ世代は村正求めて迷宮奥地を彷徨ってろや」

 

志乃は呆れて立ち上がり、たまの隣をうろちょろした。どこからどう見ても、見事なドット絵だ。

 

「師匠、神楽。あんなバカほっとこう。どーせ直す自信ないんだよ」

 

「そうだね。もう銀さんに頼るのはやめようか」

 

「情けないアル。DVDの配線できない男ぐらい情けないアル」

 

「………………」

 

志乃達に散々に言われた銀時に、たまは薬草を手渡した。

 

「何気ィ使ってんだァ‼︎俺にそれで何の傷を癒せというんだ‼︎」

 

「心の傷じゃね?」

 

「うるせー、てめェあとで覚えとけよ」

 

バカにされたままでは、黙ってられない。銀時は立ち上がった。

 

「オイあんまウィザードリィ世代なめてんじゃねーぞ。直そうと思えばな、こんなもん一瞬で直せんだよ。わかった、お前らがそこまで言うならわかった。俺が直してやるよ」

 

「ホントアルか」

 

「見とけよポリゴン世代。ウィザードリィ世代の力を見せつけてやるよ」

 

すると、突然画面が切り替わる。真っ黒な空間に白い線が入り、奥行きを表しているだけの世界が広がった。画面下には、パーティーメンバー全員(銀時達)の名前とヒットポイントが書かれてある。

 

『くらくしめったへや ゆかにころがるさかびんから かつてここがさかばだったことがそうぞうできた』

 

『ふと へやちゅうおうにめをやると さかびんにまじってひとが……いや こわれたからくりにんぎょうがよこたわっている たすけおこしてしゅうりしますか?』

 

『はい/いいえ』

 

『からくりにんぎょうのしゅうりに せいこうした』

 

「何にも直ってねーだろうがァァ‼︎」

 

全て文字(テキスト)のみで話を進めた銀時に、新八のツッコミと跳び蹴りが入る。そこからさらに口喧嘩に発展した。

まぁこうなるだろうとある程度予測していた志乃は、懐から携帯を取り出してある人物に電話をかけた。

 

「もしもしたっちー?ちょっと、源外のおっちゃんに代わってほしいんだけどーー」

 

********

 

所変わって、源外のからくり堂。銀時達は、そこへドット化したたまを連れてきた。

 

「うーん、こりゃ風邪だな」

 

たまの症状を、源外は風邪と断定した。予想外の答えに、新八が尋ねる。

 

「風邪⁉︎機械(からくり)が風邪ひくってどういうことですか⁉︎」

 

「正確に言えば電脳ウィルスに感染しとる」

 

「電脳ウィルス?」

 

今度は志乃が、源外に問う。

 

「電脳空間を彷徨うデータやプログラムを破壊する不正プログラムよ。大方事務仕事をこなすため、ネットに回路を繋げた際に侵入され感染したんだろう」

 

「じゃあ、その電脳ウィルスのせいでたまさんはプログラムを破壊され、こうして不調を起こしていると?」

 

「じーさん、たま直るヨネ?元に戻るヨネ?」

 

神楽の質問に、源外は腕を組んで難しい顔をした。

 

「……うーん、普通のウィルスなら市販のウィルスバスターで駆除できるが、コイツについてるのはちと厄介な奴でな……」

 

源外の話によると、たまを侵している電脳ウィルスは、"獏"だという。

獏はプログラムに取り憑き、それを喰らうように増殖・肥大化する最新型のウィルス。宿主である機械(からくり)システムの情報を取り込み、自身のプログラムをも書き換えていく。より効率的に増殖できるように、より駆除されないように自身を強化・成長していく。

寄生したばかりの獏ならばまだ対抗策もあるが、長く取り憑き、成長した獏を駆除するのは難しい。

さらに、寄生したシステムが高度であればあるほど、獏はその能力を高める。元々超高度な機械(からくり)であったたまに侵入した時点で相当育ったものだったのだろうが、さらにそこに長く潜伏していた。

今の獏は、誰の手にも追えない、最強最悪のウィルスになっているという。

 

志乃は不安を隠せず、震える声で源外に尋ねた。

 

「源外のおっちゃんでも……もうどうにもならないの?」

 

「……バカ言っちゃいけねェ。俺ァ江戸一番の機械(からくり)技師だぞ。やれねェ事はねェ……。だが、なにせ最新型のウィルスワクチン作るにも時間がかかる。仕事終えた頃にゃ、たまの中身は奴に喰らい尽くされた空っぽの抜け殻。魂の抜けた、ただの人形になっちまうだろうよ」

 

たまが消える。そのショックが、志乃を襲った。

そんな彼女を見やりつつ、源外が再び口を開く。

 

「だが……まだ一つだけ、たまを助ける方法がある」

 

「「「「‼︎」」」」

 

たまを救える方法。それを聞いた途端、反射的に志乃が叫んだ。

 

「その方法って何⁉︎言って、おっちゃん!」

 

「危険な賭けになるぞ……たまにとっても、てめーらにとっても」

 

「…………構わねェ。早く言え」

 

銀時も、源外に方法を言うよう催促する。

源外はゴーグルの奥から、真剣な眼差しで二人の兄妹を見た。

 

「その言葉、たまのために命をかけてもいいととっていいんだな」

 

「…………好きに解釈しやがれ。いいから早く言えってん……」

 

ふと、背後に気配を感じる。銀時と志乃が振り返ると、巨大な槌を両手で振り上げる橘が。

この超常現象的かつ殺人的な展開に、二人はついていけない。

 

「……え、何コレ」

 

「何やってんのお前……ねェ何やって」

 

銀時が言い終わる前に、橘は無言で大槌を力いっぱい振り下ろした。銀時と志乃めがけて下ろされた大槌は床を破壊し、破片と共に大量の赤い飛沫も飛び散る。

衝撃の出来事に新八と神楽は固まっていたが、次には新八はへたり込んでいた。

 

「ぎっ………………ぎぃやぁぁぁぁぁ‼︎」

 

「銀ちゃんんんんん‼︎志乃ちゃんんんんん‼︎」

 

「なっなななな何やってんですかァァァァ橘さんんんんん‼︎こっ……これっ……これ命かけるっていうか……コレもう銀さん志乃ちゃんコレ……コレェェェェ‼︎」

 

取り乱す新八と神楽を無視して、橘は黙って大槌を肩に担ぐ。大槌が打ち据えられた跡には、砂埃が巻き上がっていた。

その中心に、小さな影を見つける。新八と神楽は屈んで顔を近づけ、それが何なのかジッと見つめた。

跡の中心に、超小型化した銀時と志乃が、頭にたんこぶを作って倒れていた。

 

「………………」

 

「え?……何コレ。……誰コレ。ヤダコレ」

 

嫌な予感が迫ってくるのを感じた二人。

彼らを絶望の淵に立たせるように、橘が再び大槌を構えた。

 

「コイツは打出の大槌Z503型。打ち付けた対象物に超電磁波を送り、何やかんやで細胞を縮小し、対象物を小さくする源外さん作超科学兵器」

 

「……え。ウソですよね、違いますよね橘さん。まさかソレ僕らにも……」

 

「歯ァ食い縛れ二人共」

 

「やっ、やめろォォォォ!これ以上罪を重ねるなァァァ‼︎そんな事をして何になるというんだよ‼︎一体何のためにこんなっ」

 

橘が大槌を手に新八と神楽に迫る中、源外は口角を上げた。

 

「…………決まってんだろ。ウィルスを駆逐するんだよ。ウィルスワクチンでもウィルスバスターでもねェ、てめーら一寸法師が。幸運を祈る」

 

源外のからくり堂に、大きな音と悲鳴が響き渡った。

 

********

 

鉄のパイプの空の下、銀時達はオイルの川を下っていた。一寸法師よろしくお椀に乗り、箸で漕いで。

 

「志乃ちゃん、そろそろ交代してくんない?」

 

「何言ってんの、さっき代わったばっかでしょ」

 

「何言ってんのはてめーだ志乃。若いうちの苦労はブックオフで買ってでもしろっていうだろ。中古でもいいんだよ」

 

「ハア、オイルって漕ぐの異様に疲れるアル」

 

たまの口の中に入れられて、オイルを漕ぐことどれ程経ったか。残念ながら、今の彼らにはわからない。

 

「今どの辺アルか」

 

「口から入ったから、多分胃の辺りじゃない?」

 

「つーか機械(からくり)に胃なんてあんの?」

 

「知らないです」

 

「そもそもさ、俺達一体どこに向かってんの……」

 

「知らないです」

 

「知らねーじゃねーだろ‼︎」

 

イライラが溜まっていた銀時は、ついに新八に八つ当たりを始めた。

ああ、うるさくなる。志乃は溜息を吐いて突っ伏す。

 

「どーすんだオイ、イキナリウィルス倒せとか一寸法師にされて機械(からくり)の口に放り込まれてよォ、俺達ウィルスの倒し方もウィルスがどこにいるのかもなーんにも知らねーんだぜ」

 

「僕に当たらないでください。全部源外さんのせいです」

 

新八が責任を全て源外になすりつける。

その間にも、源外から手渡された爪楊枝に銀時は当たる。

 

「こんな爪楊枝一本で何ができんだよ、こんなもん歯に挟まったイカさえ取れやしね……あっ、取れた‼︎意外に使えた、ありがとうジーさん‼︎なんて言うかボケェェ‼︎クソジジイ‼︎死ねっ‼︎イカを喉に詰まらせて死ねっ‼︎イキナリドラえもんみたいな道具出して人を地獄に叩き落としやがってよォ、ここから出たら絶対今度アイツの中に入って爪楊枝素振りしながら尿道から出てきてやるよ‼︎」

 

「ハイハイわかったから。あんたが不安なのは充分わかったから」

 

「愚痴はそこまでにしましょ、たまさん救うにはこれしか方法ないんですから。どっちみちやるしかないんですよ」

 

「そうネ、虎穴に入らずんば虎子を得ずアル」

 

子供が三人がかりで大人を宥める。オイルの川の先に、ようやく陸が見えてきた。

 

「ここってどの辺だろ」

 

「口から入って胃を通ってきたから、小腸の入り口の辺りじゃない?」

 

「つーか機械(からくり)に小腸なんてあんの?」

 

「知らないです」

 

兎にも角にも、陸を見つけた四人は、そこへ上陸する。陸のすぐそこにはトンネルがあった。しかし、現在地も何もわからない状態で動くのはあまりにも危険だった。

 

「んー、どっかに人いないかな……?」

 

「バカ、こんな所に人なんているわけ……」

 

チャプ、と水音が聞こえる。

四人がその先を見ると、全身白タイツの人間が、尻に矢が刺さったまま倒れていた。

 

「いたァァァァァァァァ‼︎人いたァァァァァァ‼︎なんでェェェェェ⁉︎なんでたまさんの体内に人がいるんだよ‼︎つーかなんで全身タイツ履いてんだよ‼︎」

 

「おおっ、これこそまさに地獄に仏。よし、あの人に色々聞いてみよう」

 

「ちょっと待って志乃ちゃん!危ないよ!」

 

志乃は新八の忠告も無視して、白タイツの横にしゃがみ込む。

 

「すみません、ちょっとお伺いしたい事がありまして。あの……こちらにお住まいの方ですか?私ら初めてここに来たんですけど、勝手がわからなくて」

 

しかし、白タイツは一切反応を見せない。志乃は思い切って、ゆさゆさと体を揺すってみる。

 

「あの、すいませーん。……ケツに矢刺さってますけど、大丈夫ですか」

 

「ああ、旅の人よ」

 

「ぬをっ⁉︎」

 

突然、ぐるりと首をまわして白タイツは志乃を見上げた。志乃は思わず、ビクリと慄く。

 

「今際の際に再び人に会えるとは、運がいい」

 

「今際の際ってケツに矢刺さってるだけですけど」

 

「どうか死にゆく私の最期の頼み、聞いてもらいたい」

 

「ねェ聞いてる?ケツに矢刺さってるだけだってば」

 

「我が王に言伝を頼みたいのだ」

 

志乃の言葉に一切耳を貸さない白タイツ。対する志乃は弱冠イラついてきた。

それでも構わず、白タイツは語り続ける。

 

「残念ながらウィルス軍を前に我等白血球軍は壊滅。じきこの世界は奴等『獏』の手に落ちるでしょう。願わくば王だけでもここからお逃げいただきたい。そして……古くから伝わる伝説の異界の戦士、一寸法師をお探しください……と」

 

そう言い残して、白タイツはガクリと倒れた。




志乃に新たな属性が追加されました。

『ゲーム音痴』
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