銀狼 銀魂版   作:支倉貢

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小ネタ6連発。ポッと思いついた話なのでストーリー性はほぼ皆無です。


小ネタは軽く笑えるくらいがちょうどいい

☆勘違いは早めに解消させておけ☆

 

万事屋銀ちゃん。時雪は志乃が遊びに来ていないかとそこに足を運んだが、いたのはオーナーである銀時のみ。他愛ない会話をして帰ろうとしたその時、銀時に呼び止められた。

 

「おいトッキー」

 

「何でいきなりトッキー呼ばわり?」

 

思わず足を止めて、ツッコむ。銀時はソファから腰を上げて、時雪に詰め寄った。

 

「お前、志乃と一つ屋根の下をいいことにあんな事やこんな事なんてしてねーだろーな」

 

「してませんよ。ていうかできませんって」

 

突然切り出されたのは、志乃の事だった。時雪は志乃と付き合ってはいるものの、寝ている部屋は当然違うし、デートなんて一回もしたことがない。誘えない自分が悪いと思っているのだが、恥ずかしくてなかなか話ができないのだ。

しかし銀時の疑惑の目が時雪を捉え、彼の肩を掴んで揺さぶる。

 

「本当だろうな?志乃はまだ12歳なんだぞ、お前わかってんだろーな?」

 

「ちょ、揺らさないでくださ……わあっ⁉︎」

 

ドサッ

 

思わずバランスを崩した時雪が、テーブルに背中を打ち付ける。それにつられて銀時も前のめりに倒れ込んでしまった。

 

ガラッ

 

そのタイミングで、扉が開く。そこに、運悪く志乃が立っていた。

何が運悪くって、ちょうど志乃が見たのは、まさに銀時が時雪を机の上に押し倒しているかのような光景なのだ。

 

「…………えっ」

 

ポカンとした志乃が、押し黙る。銀時と時雪は冷や汗が止まらない。

 

「……………………」

 

「いやっ志乃、これはそのっ、事故……」

 

時雪が必死に弁明しようとするが、志乃の目が嬉々として煌めき、涎を垂らす。お忘れかもしれないが、志乃は衆道好きである。

 

「……これは何?まさかのご褒美⁉︎ありがとうございます‼︎」

 

「違ェェェェェェ‼︎お前コレいいの⁉︎お前の彼氏奪られてるよいいの⁉︎つーか何がご褒美だ、コレほとんど罰ゲームだろーがァァァ‼︎」

 

昼下がりの万事屋に、銀時のツッコミが響き渡った。

 

 

 

☆何事もほどほどにすべし☆

 

時雪が桂に呼ばれてやってきたのは、コスプレした志乃のポスターやフィギュア、ストラップが飾ってある部屋だった。背筋に寒気を感じながら、時雪は桂に尋ねる。

 

「……あの、桂さん。何なんですかこの志乃のグッズ。めっちゃクオリティ高いんですけど」

 

「俺の可愛い妹の可愛いポスターやフィギュアだ。ちなみに全て地下都市アキバNEO製だ」

 

「気持ち悪っ‼︎ていうかなんで志乃のコスプレ⁉︎」

 

「フハハハハ、幼少期より溜め込んでいた写真を使ったのだ!すごいだろう……ぐぎゃっ⁉︎」

 

高笑いをして自慢した桂の腹に、弾丸のように志乃が飛んできて、蹴りを放った。そこからさらに銀時と二人がかりで、めちゃくちゃに蹴りつける。

 

ドガッバキッガッメキッゴッ

 

「何してんだてめーは‼︎気持ち悪いんだよ変態‼︎」

 

「速やかに死ね」

 

「自業自得ですよ桂さん」

 

リンチされている桂に、そりゃそうだよなぁ、と時雪は冷めた視線を送った。

 

 

 

☆夢は現実と程遠い☆

 

ジャラッ

 

鎖同士が擦れ合う金属音。それは銀髪の少女の首輪に繋がり、その先は黒い制服を着た童顔の少年が握っていた。鎖を引くと、少女が首から引っ張られるが、少女は恍惚とした表情を浮かべている。

少女の名前は霧島志乃、少年の名前は沖田総悟。

 

「んっ……総悟様ぁ……」

 

彼女のほんのり赤い頬に手を添えて、顎を上向かせる。素直に甘えてくるようになるまで、苦労して調教した甲斐があった。

沖田はショートケーキの乗った皿を志乃の前に出した。

 

「オラ、ご褒美のケーキだ。ちゃんと食えィ」

 

「ハイ……」

 

畳の上に置かれたケーキに顔を近づけ、苺を咥える。口の周りにクリームがつくのを気に留めず、まるで餌を食べる猫のように完食した。

 

「ごちそうさま……美味しかったです、総悟様」

 

「ククッ……オイオイ、口にクリームがついてるぜィ?」

 

「あっ……」

 

沖田に指摘され、志乃の眉が下がる。そして、物欲しげな表情で彼を見上げた。

 

「ほーら、何をしてほしいのかちゃんと口で言えィ」

 

「総悟様っ……お願いします、舐めてください……あ、私の口を……」

 

真っ赤になりながら、縋るようにぎゅっと沖田の上着を掴む。可愛くおねだりしてきた彼女の頭を優しく撫でた。

 

「ククッ……仕方ねェなァ」

 

志乃の唇に口を寄せクリームを舐め上げると、ピクリと肩が上がった。

 

「んんっ……」

 

「何逃げてんでィ。おねだりしたのはどっちだィ?」

 

「あっ……ごめんなさい……」

 

小さな声で謝る彼女の顎をこしょばせて、首輪の鎖を引っ張り顔を近づけた。

 

「まぁいい。この後激しくしてやらァ。せいぜい、可愛い声でナけよ……?」

 

「っ……は、はいっ……!」

 

 

 

 

 

「オイ起きろクソサド野郎」

 

苛立ち混じりの声と共に、体が蹴られる。アイマスクで視界は塞がれたままだが、声からして志乃だとわかった。

 

「……?」

 

「てめーいつまで寝てんだ?あんコラ。私だって眠いのにわざわざ起きてやってんだよ。ナメんなよ」

 

どうやら彼女は、眠っていた自分を起こしに来たらしい。とてもいい夢を見ていたのに、邪魔されて腹が立つ。

 

「……今すぐ猫耳メイドになって『おはようございますにゃあご主人様♡』って言ったら起きる」

 

「誰がするか今すぐぶちのめされてーのか、あぁん⁉︎」

 

いつも通りからかってみたら、さらに強く蹴られた。沖田は仕方なく体を起こしてアイマスクを外して志乃を見上げる。

鋭いツリ目に、勝気な輝きを宿す赤い目。夢の中で見たあの縋るような潤んだ目とはかけ離れている。

 

(チッ、夢か……いつか絶対ェ正夢にしてやらァ)

 

 

 

☆ウェデイングドレスは人生に一回で充分☆

 

「トッキー!」

 

元気な明るい声で、志乃が時雪を呼ぶ。ほつれた糸を直していた時雪の元に、志乃がタキシードとドレスを持ってやってきた。

 

「ヅラ兄ィがコスプレ贈ってきたんだよ!しかもウェデイングドレス!」

 

意気揚々と、志乃が純白のドレスを見せる。また桂の趣味か。時雪は苦笑を浮かべた。

 

「懲りないね、桂さん……ていうか何でそんなにテンション高いの?」

 

「何でって、トッキーの分もあるからだよ!さっ、早く着替えて!」

 

「えええええ⁉︎」

 

どうやら今回は自分も巻き添えにされたらしい。時雪は笑顔でタキシードを差し出してくる彼女に何も言えず、それを受け取った。

 

〜着替え完了〜

 

「えへへ……未来の旦那様と揃えるなんて、ヅラ兄ィも粋な事するじゃん」

 

「み、未来の旦那様って……」

 

くるりとターンして、嬉しそうに笑う志乃。未来の旦那と呼ばれて、時雪は頬を赤らめた。あんまり乗り気でない彼を、志乃が見上げてくる。

 

「え?結婚しないの?」

 

「ゔっ……そ、そういう話はまだ早いっていうか……」

 

「そうか、俺はいつでも隣は志乃のために空けてあるぞ。さぁ志乃、こっちに……ぐふっ‼︎」

 

どこからともなく現れたタキシード姿の桂に、志乃はブーケを強く投げつけた。

 

「ハイ、ブーケトス。おめでとう、次の幸せはアンタに訪れるよ」

 

「志乃、既に不幸が襲いかかってる」

 

 

 

☆金は天下の回り物☆

 

「神威、阿伏兎さん!地球にようこそー!」

 

おーい、と両手を振って、傘をさして歩いてくる神威と阿伏兎を迎える。地球に来ていると連絡を受けた志乃は、せっかくだから江戸を案内しようと彼らを誘ったのだ。

神威は彼女に駆け寄ると、手を握る。

 

「久しぶり志乃、ついでに一緒に春雨に……」

 

「私の行きつけの団子屋さんに案内するね!私の奢りだよ!」

 

その手を振り払い、「こっちだよー」と二人を手招きした。無視された神威の笑顔が黒くなる。

 

「ねぇ聞いてる?」

 

「ダメだ、完全にシャットアウトしてるぜ」

 

〜団子屋〜

 

「んー、いつ来ても地球のゴハンは美味しいね」

 

バクバクバクバクと、神威が団子を両手に食べまくる。机には既に大量の皿が重ねられていた。

相変わらず落ち着きのない早食いに、志乃は呆れる。

 

「……お前さ、もうちょっと落ち着いて食べれないの?何?夜兎の人達ってみんなこうなの?」

 

「団長が特殊なだけだ。気にすんな」

 

確かに神威が団子をガツガツ食べているのに対し、阿伏兎はそこまでがっついていなかった。皿の数が少ないと言えば嘘になるが。

 

「あーもう、食べカス口についてるよ。ほら、取ってやるからジッとして」

 

神威の口元につきっぱなしの食べカスを見かね、志乃は懐からハンカチを取り出し口元に持っていく。その光景を見た阿伏兎がニヤニヤして茶化すように言った。

 

「おー、なんか夫婦みてーだな」

 

その一言を聞いた志乃は、パンとハンカチを机に叩きつけた。

 

「自分で拭け‼︎」

 

「余計な事言わないでよ阿伏兎。あともうちょっとだったのに……」

 

むすっと頬を膨らませ、神威は再び団子に口をつけた。

 

〜会計中〜

 

「嬢ちゃん、ごちそーさん」

 

「……待って、話し合おう」

 

「は?」

 

さっさと店から出ようとした阿伏兎のマントを掴む。伝票に書かれたとんでもない金額に、志乃の胃がキリキリと痛んでいた。

 

「いや待って頼むよ。こんな金額聞いてないってちょっと」

 

「嬢ちゃんの奢りって話だったろ。俺ァ知らねーよ」

 

「いやいや確かにそう言ったけどさ。ていうかアンタら12歳の女の子にこんな大金出させて恥ずかしくないの?」

 

「いや、俺ら海賊なんで」

 

こんな時に海賊になるな。逃げる汚い大人に、志乃はまだ食い下がる。

 

「せめて割り勘で頼むよ。大体アンタんとこのバカ団長のせいでこんな……」

 

そう言って神威を振り返ると、何故か椅子に座って団子を食べていた。

 

「ん、美味しい」

 

「何でまだ食ってんだテメェはァァァァァァ‼︎」

 

 

 

☆末恐ろしき女子☆

 

「んっ!クレープ美味しいー!」

 

「そうね、美味しいわね」

 

「二人に喜んでもらえて何よりだ」

 

江戸の街。その大通りを、志乃はお妙、九兵衛と共に歩いていた。九兵衛に奢ってもらったクレープを食べ歩いていると、ふと何かに気がついた。

 

「あーむっ。んぐんぐ……むっ」

 

「?どうかしたの志乃ちゃん」

 

「そこの電柱の影に隠れてるおめーら、そんなとこに隠れてないでこっち来たらいいじゃん」

 

志乃は5mほど離れた電柱に、近藤と東城が隠れているのを、気配だけで察した。

察知能力の高い志乃は、半径10m以内なら気配だけで誰かがわかるのだ。末恐ろしい子供である。

 

「えっ⁉︎バレた⁉︎」

 

「何をしているのですか貴方のせいですよ‼︎」

 

「死ねェェェェェェゴリラァァァァ‼︎」

 

「いい加減にしろ東城ォォォォォ‼︎」

 

二人は当然、半殺しに遭いました。

 

 

☆終わり☆

 




あー、楽しかった。

次回、六角事件篇です。
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