銀狼 銀魂版   作:支倉貢

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はしゃぐ時は周りの人へ配慮しながらはしゃぎましょう

祭り当日。

楽しそうに屋台を練り歩く客の姿を見て、志乃の心も浮足立っていた。

この祭りの雰囲気がまた、テンションを無理にでも上げさせる。

 

「はあああ……綿菓子……!リンゴ飴……!クレープゥゥゥ!!イヤッホォォォイ!!」

 

「待てクソガキコラァ!!」

 

我慢出来ず屋台へ走り出した志乃の首根っこを、土方が掴んで制止する。

志乃の体はそのまま宙に浮き、悪戯をして怒られている猫のようになっていた。

 

「わーっ!放せこのチンピラ!」

 

「誰がチンピラだァァ!!いい加減にしねェと叩っ斬るぞてめー!!」

 

「痛いっ!?」

 

志乃の失言に怒り、土方は志乃を地面に叩き落とす。

尻餅をついた志乃を放って、土方は将軍がいる櫓へと向かっていた。

 

「ったく、だからガキのお守りは嫌いなんだ。たかが祭りでガチャガチャ騒ぎやがる……」

 

「はァ!?私はそんなガキじゃねーっつーの!てかお兄さん、アンタが全然わかってないよ!祭りで心踊らない奴がいるか?否!祭りははしゃいだもん勝ちなんだよ!!ってことだから今日の仕事はサボる!」

 

志乃は土方を指差して抗議すると、振り返った土方を無視して屋台へと走り去った。

 

「なっ!?オイ待てガキ!!」

 

「警備はあんたらが居るから問題ないでしょ?じゃ、私は祭りを楽しんでくるー!」

 

土方が咎めるのも聞かず、人混みの中に吸い込まれていく。

そんな彼女を見た一人の男が、志乃の後を追うように同じく人混みの中に入っていった。

 

********

 

「いや〜、やっぱ祭りはサイコーだなァ!」

 

志乃は頭に狐のお面、右手には綿菓子と水風船、左手にはチョコバナナとリンゴ飴を持ち、祭りを満喫していた。

次はどのお店に行こうか。

甘味ばかり食べたから、今度は焼きそばやたこ焼きにしようか。

金魚すくいも良いし、射的も外せない。

どれもこれも楽しいイベントばかりだ。

 

「そーいや、ステージの方は何やってんだろ」

 

志乃は祭りのチラシを開いて、ステージ発表者の一覧を見る。

踊りや演劇など、どれも楽しそうだ。

 

「よし、ステージ行ってみるか」

 

志乃はチラシを折りたたみ、はむっとリンゴ飴を口に含みながらステージへと向かった。

 

********

 

持っていた食べ物を食べ、綿菓子片手にちょうどステージに辿り着いた頃には、花火が打ち上げられていた。

 

「わぁ……!」

 

ステージに立つ演者には目もくれず、志乃は花火を見上げた。

夜空に咲く美しい花々は、見ている者を楽しませる。

花が開いた後に聞こえる腹の底に響く重低音が、より一層心を(たか)ぶらせる。

可憐に咲く花を、志乃はうっとりと眺めていた。

 

「綺麗だなぁ……」

 

「ああ、とても綺麗だな」

 

「!!」

 

背後から突如聞こえてきた声に、先程まで昂ぶっていた心は一気に静まった。

声だけでわかる。

背後に、志乃が一番会いたくない男が立っていることが。

 

「やっぱり祭りは派手じゃねーと面白くねェな。お前もそう思うだろ?志乃」

 

「…………あんたは……」

 

「どうした?まさか俺のことを忘れたわけじゃないだろう」

 

「ああ。あんたのことだけは、忘れたくても忘れられないね……高杉晋助」

 

志乃は後ろを振り返らず、背後に立つ男の名を呼んだ。




……あれ?

今回は短い……。
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