艦これ世界にやってきた   作:零戦

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第二話

 

 

 

 

「とりあえず夕方までには近海海域の哨戒は出来たな」

 

 哨戒任務から帰還した将はそう呟いた。

 

「夜の哨戒はどうするんだ提督?」

「うーん……2100から二時間程度するか。それまでに開発もじゃんじゃんしたいしな。今の資源はどれくらいだ?」

「哨戒中に発見した資源を入れると大体が3000くらいだぞ」

 

 長波は書類を見ながらそう報告をする。

 

「とりあえず1000は使う。じゃんじゃん開発してくれよ」

「あいよー」

 

 長波はそう言って退出する。

 

「さて他の問題はと……」

 

 将は書類を捲る。

 

「間宮と明石はいつの間にか来ていたし食事と修理は問題無いか。あるとしたら食糧の生産だな」

 

 将はそう言って溜め息を吐いた。

 

「艦娘用の娯楽を作らないとあかんしな、やる事は一杯だな」

 

 一つ一つの書類を処理していると長波が部屋に入ってきた。

 

「粗方開発はしたぞ提督」

「おぅ。どれが開発出来たか?」

「はい書類」

「ん」

 

 長波から書類を貰う将。開発に成功したのは睦月型駆逐艦等に搭載されていた十二サンチ単装砲20門、五式十二.七サンチ高角砲12門、十二.七ミリ単装機銃18基、二五ミリ連装機銃12基、40ミリ連装機銃6基、13号対空電探1基、六一サンチ四連装魚雷3基であった。

 

「五式に40ミリ、電探は載せる。とりあえず電探は長波、お前に載せる」

「お、嬉しいね。長波、また強くなっちゃうよ」

 

 将の言葉に長波は嬉しそうに言う。

 

「ところでそろそろ1800だぞ提督。提督は晩飯食わないのか?」

「ん? まだ書類があるからカップ麺で済ませるよ」

「……そうかい、分かった」

 

 長波はそう言って部屋を出るのであった。長波はその足で食堂に向かった。

 

「あ、長波ちゃん。どうでした提督は?」

「まだ書類があるからカップ麺で済ませるってさ」

 

 夕食の用意をしていた間宮に長波はそう答えた。

 

「あら、それは残念ね……」

「でも司令はんって駆逐艦にレイプ未遂してんのやろ? ウチはあんま好かんなぁ」

「私もです」

「ネタにはなるねぇ」

 

 黒潮達はそう言い合う。

 

「ほら、出来ましたよ。夜間哨戒も頑張ってくださいね」

『はーい』

 

 黒潮達は食事に手を付けるが長波はポソッと呟いた。

 

「……あんまそういった雰囲気を出してないけどな……」

 

 その頃、将は武器妖精さん、工廠妖精さんの代表らと会議をしていた。

 

「十二サンチ単装砲は正直時代がね。でも勿体無いから沿岸砲として使用したいんだ」

「単装砲を扱う私としてもそれは賛成だね。沿岸砲も敵に損害を与えれる」

「それと対空機銃と高角砲もだな。ただ五式高角砲は艦艇に搭載したいんだが……」

「そこで私から」

「ん」

 

 工廠妖精さんが手を上げて将は発言を許可する。

 

「五式は艦艇に搭載しても十分使える。それに三年式にはやや劣るが五十口径だから両用砲にも使えるだろう。今は軽量化のを思案して製作している」

「なるべく早めに頼む」

「おぅ、任せな。それと40ミリも搭載となると改装の時に全長を伸ばす必要があるから時間が掛かるぞ」

「それはやむを得んだろうな」

 

 そして会議が終わると将はゴソゴソとポットとカップ麺を出して少し遅い夕食にありついた。

 

「ズズー……ズズー……」

 

 無言で麺を啜る将である。

 

(ほんとに提督業をしてんだなぁ……つい数日前には考えられん事だなぁ……)

 

 麺を啜りながら将はそう思う。

 

(ゲームだと清霜が撃沈してしまったけど、今度こそ慢心、駄目、絶対だな。此処はゲームとは違うからな)

 

 スープも飲んだ将はゴミ箱にポイッと捨てる。

 

「……撃沈艦は無くしたいな……」

 

 そう呟く将だった。そして2100時、桟橋に長波達が集合して将は旗艦である長波に座乗する。

 

「良いじゃない、寄せ集め軍団最高!!」

「せやな」

 

 四隻は近海海域の哨戒を開始するが特に異常は見当たらない。将は艦橋の羅針儀付近の椅子に座っていた。

 

「………」

「どうした提督ー?」

「いやなに、夜の海は怖いなぁとな……」

「まぁ今日は月が出てるから見えやすいけど、新月とかはなぁ」

「まぁ敵が来ない事に越したことはないよ」

 

 そう話していると見張り妖精さんからの報告が入る。

 

『右舷に敵艦らしき物!! 距離一万二千!!』

「艦種確認!!」

『……敵艦五、艦種クレムソン級駆逐艦四、ワイオミング級戦艦一!!』

「……戦艦か」

「どうする提督?」

「聞いてどうする?」

『司令はん、突撃しようや!! 大獲物や大獲物やで!!』

 

 そこへ黒潮が隊内無線で将に意見具申する。

 

「勿論だ。全艦突撃態勢!! 単従陣で突撃する!!」

『おォォォ!!』

「降り掛かる火の粉、揉み消してやれ!!」

 

 四隻は速度を最大にする。

 

『このままだと、敵とは反航戦になります!!』

「……左十六点逐次回頭!!」

「左十六点逐次回頭ヨーソロー!!」

 

 長波が同航戦をするために回頭する。黒潮以下の駆逐艦も長波が回頭した位置から回頭して長波に続く。

 

「左魚雷戦用意!!」

『発射用意良し!!』

「感度は敏感にするなよ。鈍感にまでしておけ!!」

「測定完了!! 距離85!!」

「魚雷発射ァ!!」

 

 艦尾の魚雷発射管から酸素魚雷が一本ずつ発射されていく。四隻からは合計十六本の酸素魚雷が放たれた。

 

「長波、命中まで後何分だ?」

「六分だな」

「そうか」

『敵艦発砲!!』

 

 漸く気付いた敵艦隊が発砲を開始する。三斉射目までは遠弾だったが四斉射目から近弾になりだした。

 

「全艦之字運動展開!! 砲撃開始ィ!!」

「撃ェ!!」

 

 ドンドンと長波の主砲である三年式十二.七サンチ砲が砲撃を始める。その間にも水雷長の妖精さんが時計を見ていた。

 

「第八斉射!!」

 

 長波が八斉射目を発砲する。そして砲弾はクレムソン級駆逐艦の一隻に命中して火災が発生した。

 

『八斉射目命中!! 敵駆逐艦に火災視認!!』

「よし、どんどん撃て!!」

 

 命中弾の報告に将は思わず叫ぶ。そして水雷長の妖精さんが叫ぶ。

 

「時間!!」

 

 その時、敵艦隊に水柱が吹き上がった。

 

「戦果確認!!」

『敵戦艦傾斜!! 傾斜しています!! 駆逐艦二隻も傾斜!!』

「探照灯照射だ!!」

「提督!?」

「出来る限り敵艦艇は叩く!!」

「……分かった。探照灯照射だ!!」

 

 長波の探照灯が敵艦隊を照らし出す。照らし出された敵艦隊のうち、戦艦は大傾斜をしクレムソン級駆逐艦四隻も二隻の艦橋が波間にあった。残りの二隻は照らし出す長波に砲撃を加える。

 

「砲撃をクレムソン級駆逐艦二隻に集中せよ!! 敵弾は全て長波が引き受ける!!」

「よっしゃー!!」

『撃ちまくれェ!!』

『雁首揃えていらっしゃいませー!!』

『砲撃開始!! 萩風、撃ちます!!』

 

 黒潮以下の三隻もクレムソン級駆逐艦二隻に砲撃を加える。しかし敵駆逐艦も果敢に反撃して照らし出す長波に命中弾を与えた。

 

「わッ!?」

「おっと、被害報告!!」

 

 転びそうになった長波を思わず片手で受け止めた将は被害報告を言いながら長波を立たす。

 

「あ、ありがとう提督……」

「ん」

『三番砲塔に命中するも戦闘に支障はありません!!』

『敵艦艇炎上!!』

 

 その言葉に将と長波が外を見ると敵駆逐艦二隻が炎上していた。機関室にも火が回ったのか航行を停止している。

 

「魚雷用意。楽にしてやろう」

 

 将の言葉に長波は頷き、長波と黒潮から二本ずつの酸素魚雷が放たれた。炎上していた敵駆逐艦二隻は波間に消えたのであった。

 

『敵戦艦の沈没位置から高雄型重巡が現れました』

「ドロップか」

 

 見張り員の報告に将はそう呟いた。程なく長波の艦橋に高雄型重巡の艦娘が姿を現した。

 

「こんばんわ、高雄です。貴方のような素敵な提督で良かったわ」

「素敵かどうかは知らんが宜しく頼むよ高雄。では帰ろうか」

 

 一隻増えた艦隊は基地に帰還するのであった。

 

 

 

 

 




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