暗殺聖闘士   作:挫梛道

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E組暗殺サバイバル メンバー内訳
 
・チーム(ブルー)(殺さない派)  ・チーム(レッド)(殺す派)  
 渚              カルマ    
 響               中村
 茅野              寺坂
 磯貝              吉田
 片岡              村松
 前原              イトナ
 杉野              千葉
 竹林              速水
 奥田              岡野
 神崎              木村
 矢田              岡島
 不破              菅野
 原               三村
 倉橋              狭間
 櫻瀬
  
・中立
 律
 


サバイバルの時間

殺せんせーを今迄通りに殺すか、それとも助ける方法を見つけるか…2つの考えで2つに別れてしまったE組。

その仲裁案として、2チームに別れてのサバイバルゲームを行う事が決まった。

 

「…は、良いけど このルール、最後の2つだけは意味が解らねー。」

「コッチは吉良専用ルールだろ。」

「何でだよ?!」

「だって、『相手の戦闘服(ジャージ)を脱がす、或いは自ら脱ぐのは禁止とする。』だもんね。

安全面の意味からでしょうけど…」

「「「「「「そんなの吉良しか居ねー。」」」」」」

「だから何でだよ!?」

「ヌルフフフ…そして最後の1つは、途中、心変わりした人の為の救済案ですね。」

「ハッ、そんなヤツ、居るとは思えねーがな!」

殺せんせー監修の主だったルール説明。

切り開かれた広場。其処に流れる沢を堺として、北側を(殺さない)チーム、南側を(殺す)チームのエリアとして、其々の奥に旗を設置。

敵の攻撃が、僅かにでも命中(ヒット)…即ち戦闘服に敵チームのインクが付着すれば、その者は死亡扱いとなり、戦線離脱。

中央エリア東、殺せんせーが待機している観戦場に移動。(この場での暗殺行為も可)

そして何れかのチームが、この敵陣の旗を奪うか、敵チームを全滅させた方が勝ち。

 

「俺は中央西の高台で、勝負の判定やゾンビ等の違反行為を見張る。

それ以外は君達が どんな動きを見せようが、干渉しないから安心してくれ。」

「「「「はーい。」」」」

「いや、旗ぁ獲るか全滅させるかは分かり易いけど…」

「やっぱり最後のが、意味不明だよね?」

烏間が補足の説明をする中、即興でルールの書かれたメモを回し読みする生徒達だが、彼等には どうしても、その最後に記された一文だけは、その必要性が理解出来なかった。

 

「…それから、ゲームが始まる前に、これだけは皆さんに言っておきます。」

「「「「「「…???」」」」」」

殺せんせーに、生徒達が注目。

 

「今回の衝突、先生は決悪い事だとは思っていません。

互いに本気で、本音で ぶつかり合い、そうする事で より纏まりが強まる事も有ります。

しかし その反面、修復不能になる可能性も、決して低くない。

只、最初に言いましたよね?

どちらが勝ったとしても恨みっこ無し、その勝者チームの意見を全員の総意とする、と。

だから、決着が着いた後も、クラスが分裂した儘で終わる様な結末…

先生の事を本気で思ってくれているなら、それだけは絶対に無いと約束して下さい。

大丈夫。先生はキミ達が全力で決めた結果ならば、それを尊重しますよ。」

「は、はい!」

「…ん。それは、約束するよ。」

 

≫≫≫

「人数的には1人とは言え、コッチが有利だが…」

「アッチに かなりな人材が流れたのは、否定出来ないわね。」

その後、両チーム各自別れての作戦タイム。

チーム(ブルー)…殺さないチームは、磯貝と片岡、そして響を中心に地図を見ながら戦略を練っていた。

 

「狙撃の千葉に速水さん。

機動力(スピード)の木村に岡野ちゃん。

パワーの寺坂。そしてブレインにカルマと中村ちゃん…か。」

「ああ。しかし それも初めから分かっているなら、幾らでも策の打ちようは有るさ。」

「でも、それはカルマも承知じゃね?」

「うん。だからこそ、カルマなら俺達相手に どんな攻めで来るか、それから考えよう。

とりあえずは渚と吉良だが…」

「「???」」

 

≫≫≫

「…………。」

「落ち着けたかい?」

一方の殺すチーム、チーム(レッド)側。

渚との取っ組み合いで頭に血が昇っていたカルマも、今は冷静さを取り戻していた。

それを承知な上で、中村が茶化し気味に尋ねると、

「ん~、もう大丈夫だよ〜♪

…いや、まだ少しだけ、興奮してるかな?

経緯は兎も角、渚君や吉良っちと本気で戦り合える機会なんて、そうそうに無いからね♪」

「ぉお〜う、何時もの悪魔の微笑(デビル·スマイル)だw」

カルマも普段の悪巧み時の、まるで悪魔の角と羽、尻尾を幻視させるかの様な、(さわやか)な笑顔で返す。

 

「オラ お前等、気合い入れて行くぞ、コラァッ!!」

「…何故、お前が仕切る。」

「偉そーに。」

「んだとぉっ??!」

そうした中、他のチーム(レッド)の面々は小さな口論?を繰り広げており、それを見たカルマはリラックスした表情で苦笑。

 

「ん。チームの士気高揚(もりあげ)寺坂(アイツ)に任せるとして…千葉と速水さん、呼んできてよ。」

「了〜承。」

 

≫≫≫

「ヌルフフフ。見て下さい、イリーナ先生。

皆、良い目をしていますよ?」

「え?」

中央エリアに即興(マッハ)で建てられた櫓の上で、殺せんせーがイリーナに話し掛ける。

 

「皆、己の大義、信念を抱いているからです。」

「………。」

殺せんせー曰く、人間は大義を持つ事で、普段以上の能力(チカラ)を発揮出来る。

戦いの中の緊張感(スリル)も戦後の充実感も、普段の訓練とは段違いになる…らしい。

 

子供達(ガキ)のケンカも生徒の成長…授業として活用するなんて…ね。」

…そうした会話の中、両チームメンバーは各々、作戦により指示された配備に着いていく。

  

▼▼▼

『双方 準備は整った様だな。…それでは、始めるぞ。』

「「「「「……………………!!」」」」」

戦闘服に仕込まれた通信機越しに烏間の声が届き、戦場(フィールド)に散っていた生徒達に緊張が走る。

 

『クラス内暗殺サバイバル…開始ッッ!!!!

 

パシュッ!

 

「「ぇ゙…?!」」

その開戦宣言の直後、2人のプレイヤーが被弾した。

開幕アウト。

 

「速水さんか? 油断した。」

「た、竹林君?!」

「矢田さん離れて! 狙われてる!!」

「う、うん!」

1人は竹林。そして もう1人は…

 

「あ゙~ん、しくったぁ~あ!?」

「そ、ソノ?!」

櫻瀬園美。

 

「ソノ…あなた…」

「私がカルマ君の立場なら、真っ先に磯貝君に吉良君、そしてイケメグを狙うから…ね。」

その弾は、本来は青チームの司令塔の片翼、片岡を狙った物だった。

しかし開幕と同時、片岡は隣りに居た櫻瀬に「ごめん」の一言と一緒に突き飛ばされ、尻餅を搗くかの様に倒れ込むが、結果、着弾は免れる事に。

しかし その代わり、その弾は櫻瀬に命中(ヒット)

 

「ぅぅう…私も直ぐ、避ける予定だったのにぃ…」

「……!!」

片岡は思わず、その弾が飛んできた方角を険しい表情で凝視。

 

「千葉君…だろうけど…!」

千葉がE組No.1の狙撃手(スナイパー)なのは分かり切っていたが、それでも今の自分の位置と狙撃先とでは距離が有り過ぎる。

その名手が敵に回った厄介さを改めて実感しながら、

「ソノ…ありがとね。」

片岡は振り返る事無く小さく一言、その場から走り去った。

 

『竹林君、櫻瀬さん、戦線離脱(リタイア)です。』

このゲームの脱落者の情報は、律が操作、戦場全体を監視している複数台のドローンを通じて随時、プレイヤー達に伝えられる。

そして、この最初のリタイアの報告がされた直後…

 

『千葉君、岡島君、リタイアです。』

更に2名、脱落者の報せが。

 

「マジか…」

「嘘だ…ろ…?」

その名前を呼ばれた2人は、自身の戦闘服に付着した青のインクを見ながら呆然。

狙撃(スナイプ)の為に茂みに潜んでいた千葉と、その護衛役をカルマから指示されていた岡島。

確かに狙撃する事により、隠れていた位置がバレてしまうのは解るが、それでも行動が早過ぎる…何よりも距離が有り過ぎる。

(殺さない)チームに、こんな遠距離狙撃が出来る人物なんて、居ない筈だ…と。

 

「殺ったね♡」

そして、その狙撃手は茅野カエデ。

 

「磯貝君の読み、大当たりだった。」

()()()()だった彼女は、本来ならば それを使っての近接戦闘を得意としていた。

しかし それを隠す為に、彼女は今迄サポート役に徹したり、モデル MSZ−006やXXXG−00W0等の、長距離狙撃(ロングレンジ)専用の長物(ライフル)を好んで使用。

周囲からは銃器を使う方が得意と見られる様に、()()()()()

だが そうした訓練の中、何時の間にか本当に…千葉や速水には一歩劣るが…狙撃手(スナイパー)として堅実に成長。

そして作戦会議時、磯貝が示していた数ヶ所の『千葉か速水(スナイパー)が潜んでいると思われる場所(ポイント)』。

櫻瀬が撃たれた事により その場所がハッキリした瞬間に、其処を狙う事が出来たのだった。

…尚、これ迄の日常では其れ等の得物は銃器としてで無く、殴打武器として響や岡島をしばき斃す割合の方が高かったのは、余談である。

 

≫≫≫

『菅谷君、リタイアです。』

「……ッ?!」

それから1分。

次に動きを見せたのは、またもチーム(ブルー)

今回の様な舞台(フィールド)の場合、遮蔽物が無い草原の中央突破は簡単では無い。

外側から回り込んでの攻めが、必然的に定石となる。

オンラインのサバイバルゲーム名人、神崎が その経験を現実(リアル)でもフルに活かし、林を大きく迂回。

菅谷を背後から狙い撃ちでの撃破。

 

「ひゅー♪ 流石は有子さん。」

響と神崎は以前…その時は互いにクラスメートと気付かずだが…オンラインゲームで1度、対戦した事が有った。

その際に、敵チームの鬼畜な連携(ルール違反に非ず)の前に、成す術無く惨敗した響。

後日、何気無く教室内で話していたら、その時の敵チーム隊長(キャプテン)が神崎だったと知り、顔を引き攣らせての苦笑。

「今度は同じチーム、組もうぜ!」と話したり。

その時の約束が果たされると同時、その活躍、味方となった時の心強さに思わず響も感嘆。

  

…吉良君。後で、OHANASHIね。(ニッコリ♡)』

「(」°⁠o(」° 何で?!…m(_ _)m ごめんなさいゴメンナサイごめんなさいゴメンナサイごめんなさいゴメンナサイごめんなさい…

そして この通信。

その勘の鋭さに、思わず戦慄するのだった。

 

≫≫≫

『三村君、リタイアです。』

「ぇっ?!」

「…良しッ!」

その後、神崎は更に もう1人、狩りを成功させる。

オンラインでのサバイバルゲームの経験値が、確実に活かされた。

ゲームと比べ、この現実(リアル)での戦場(フィールド)は、彼女からすれば狭過ぎた。

その地形から、誰が何処に伏せるかを予測するのは容易い作業だった。

…が、

「少し動き過ぎたね、神崎さん。」

「…!?」

彼女の進撃も、カルマに阻まれる。

 

「確かにサバゲーの経験や知識は脅威だったけど、些か正直過ぎだよ。

メンバーの配置とか、コッチの動きを読めるなら、逆に()()を突くのも簡単だよね?

…諜報役の三村が殺られたのは、確かに痛かったけどさ。」

「…………。」

『神崎さん、リタイアです。』 

 

≫≫≫

そして…

 

『奥田さん、原さん、不破さん、リタイアです。』

 

『狭間さん、リタイアです。』

 

両チーム離脱者を出しながら、ゲームは着実に進んで行く…

 


 

現状 生き残り

・チーム(ブルー)(殺さない派)  ・チーム(レッド)(殺す派)  

 渚              カルマ    

 響               中村

 茅野              寺坂

 磯貝              吉田

 片岡              村松

 前原              イトナ

 杉野              速水

 矢田              岡野

 倉橋              木村

 




 
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