暗殺聖闘士   作:挫梛道

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本編再開! 新展開!
 
 


高校編
新生活の時間


椚ヶ丘学園の中等部と高等部。

両校は道を挟んで建てられており、正確には違うが、地元に住む者の感覚からすれば、同敷地内と言っても差し支えは無い。

従って同校の生徒達が、電車通学で使用する駅は共通だ。

 

「ひ〜びき!♪」

4月某日。今日この日は その高等部の入学式。

今迄通りと変わらず、椚ヶ丘駅で降りた響に、移動中は別車両に居たのだろう…彼の幼馴染兼恋人の早乙女晴華が改札口を抜けた直後、待ち構えていたかの様に腕に組み付いてきた。

 

「〜♪♡」

「…………………。」

体に流れる血の1/4がイタリア、1/4がフランス人の彼女からすれば、その御国柄からか、何の抵抗も躊躇いも恥じらいも無い行動だが、日本人100㌫な響には、まだ少しばかりの照れが有り。

 

「「「「「「 (怒) (怒) (怒) (怒) (怒) (怒) …!!」」」」」」

「…フッ!」

「「「「「「……… (怒) (怒) (怒) (怒) (怒)!!?」」」」」」

しかし、そんな自分達に向けられる周囲の嫉妬な視線には、煽るかの様な勝利の どや顔で切り返したり。

決して悪い気は、してないのだ。

 

≫≫≫

「同じクラスに、なれたら良いね〜?」

「まぁ、そんな御都合展開は…な?」

「あはは…そんな簡単には、ね〜?」

そう話している内に、2人…と途中合流したカルマは椚ヶ丘高校の門を通る。

4月初旬に行われた、仮入学式の時に渡された案内書にて、今日の段取りは分かっていた。

先ずは校舎前の掲示板に貼られたクラスの振り分け表に従い、その教室にて待機。

その後、担任教諭と顔合わせ、軽く挨拶を交わした後に講堂で入学式。

その後また教室に戻り、最初のホームルームを終えて今日は解散…という流れ。

誰が どのクラスになるかは、そのクラス表を見る迄 分からない訳だが…

 

「あ、俺はA組か〜。」

そうした中、今年度新入生で ごった返す掲示板の前に立った響達。

カルマは その名字からか、直ぐに自分の名前を確認する事が出来た。

 

「お坊ちゃんと同じクラスだな。」

そのA組のクラス表、カルマの名前の下には、よく知った名前が。

 

「あ、響! 私達 同じ教室だよ、ほら、F組!」

「御都合展開、発動だな。」

そして響と晴華は、同じクラスとなっていた。

 

≫≫≫

「1年F組…此処か。」

 

ガラ…

 

カルマと別れ、F組に到着した響と晴華。

教室に入ろうと、その扉を開けた その時、

 

「いきなり何しやがるんだ?! このクソがッ!!」

 

ベギィッ!!

 

「ぐおるしぃいっ!??」

「「ぇっえぇっーーーーーーー??!」」

2人の視界に飛び込んで来たのは、1人の女生徒が男子生徒に華麗且つ豪快な、ドロップキックを浴びせるという光景。

 

ざわ…ざわざわ…!

 

「何? 何が起きたの?」

「何だ何だ?」

この いきなりのプロレス展開に、ざわつく教室内。

 

「おい すまない、一体 何が どうなったんだ?」

「ああ、あれは、な…」

とりあえずは教室に入り、その場の近くに居た男子生徒に何が起きたのかを聞こうとした響だったが、

「ぶち●してやるよ、このクソ屑があっ!!」

その飛び蹴りを披露した女子が、吹っ飛ばされた男子に追撃を仕掛けようとしたのが目に入り、

「ちょ…?!」

「おい、止めろって!」

「そ、そうだよ! 暴力は、よくないよ!」

「キミ、落ち着きたまえ!」

「どけェッ! コイツ●せない!!」

「「「台詞が物騒過ぎる!」」」

他の男子数名と共に その間に割って入り、

「ふしゅぅ…ふしゅぅーっ!!」

「「「「女子のする呼吸じゃない!!?」」」」

何とか その殺気冷め止まぬ荒馬が如き彼女を、被害者男子から引き離す事に成功。

 

「…キミ、大丈夫かい?」

「ぁ…うん…」

その一方で蹴りを喰らった男子も、他の生徒達に介抱される様に、起き上がらせて貰っていた。

 

≫≫≫

「わ、私は何も悪く無いぞー!

初対面なのに いきなり馴れ馴れしく肩ポンしてきた、コイツが全部 悪い!」

「「「「うわぁ…」」」」

そして事情聴取。

この飛び蹴り女子曰く、他の女生徒数人と初めまして的な会話をしていた時に、この男子が その会話に参加しようとして…らしい。

 

「あー、無いわ。」

「だ、だよねー…」

「そりゃ蹴られても、仕方無いね。」

その経緯を聞いて、響達も殺り過ぎかどうかは別問題として、一応は納得。

 

「おいおい、お前が完全に悪いんじゃねぇか?

初対面女子に、いきなり肩ポンは良くないってか不味いぞ?

あのコに恐い怖い彼氏君とか居たら、一体どうする心算だったんだ?

そういう理由でフルボッコにされたヤツを、俺は知ってる…z…?」

そして、被害者改め加害者男子にも、「今回は お前が悪い」と注意しようとする響だったが、

「………ゃ、やぁ、吉良…君…」

「お前だったんかい…(汗)」

其処に居たのは、知っている顔だった。

 

≫≫≫

「さて。直ぐに入学式が始まるから、簡単に自己紹介させて貰うわ。

今年度1年、キミ達の担任となる、須貝椎子よ。

担当教科は現代文。よろしくね。」

騒ぎから数分後。

黒板に貼り付けてあった、座席表(出席番号順)に従って着席、待機していたF組生徒達の前に姿を見せたのは、小柄童顔な女。

須貝椎子(27)。

F組の担任教師の その容姿は、仮に生徒達と同年代と言っても、誰も疑わない程に若く見えた。

 

「本格的な挨拶は入学式の後にするから、とりあえずは講堂に移動するわよ。」

 

≫≫≫

入学式。

浅野學峯を継ぐ、新しい椚ヶ丘学園理事長の紹介は、明日の始業式にて行われるらしく、この日は高等部校長の少しばかり長い演説だけで終了。

再び各教室へと戻った新1年生達。

F組でも 

「それじゃ…私は さっき挨拶したから、各自、自己紹介して貰おうかしら。

はい、それじゃ先ずは そこの出席番号1番のキミから、名前と出身中学、言ってみましようか!」

「え? ぼ、僕からですかぁ?!

え~と…と、寅蓮中学校出身、朱塚赤志です。皆さん、よろしくお願いします!」

こうして少し気が小さそうな少年の自己紹介から、新クラスの挨拶が始まった。 

 

「濱霜中出身、伊能商人です。よろしく。」

「仲額中学校出身、北倉マモルでっす!

趣味、特技はドイツ語!Freut michi!

「…!!」

そして3人目。

この男子生徒の挨拶に、その後の席の生徒が やや過敏に反応。

そして次、その生徒の番。

 

ガタッ…

 

席から立ち上がると、 

Χαιρω πολυ' .

椚ヶ丘中等部出身、吉良響です。

特技はギリシャ語。Χαρηκα πολυ' !

前の生徒に対抗するかの様に、ギリシャ語を混じえての自己紹介。

 

どどっ!www

 

この外国語を混ぜた挨拶2連発に、クラス内は ややウケ。

 

「〜!!!?www」

そして須貝は何かが壺だったのか、生徒達に背を向け、黒板に身を寄り掛け、フルフル体を振るわせている。

 

「宝塚中出身、金船瞳だ! よろしくな!」

その後もクラスメートの自己紹介は続き、

「某中学校出身、早乙女晴華です。よろしくお願いします。」

「「「「「「おおぉ〜〜〜〜〜〜〜〜♡!!」」」」」」

金髪蒼眼、見た目は西欧人100㌫な美少女の挨拶にクラス内、男子生徒を中心とした歓声が上がるが、

 

ピシィッ…

 

「「「「「「…!!?」」」」」」

それは突如、教室内に張り巡らされた凍てついた…一般人(しろうと)でも感じられる強力な殺気により、瞬時に静まり返った。

 

「く…椚ヶ丘中等部出身、榊原蓮です。よろしくお願いします。」

そうした微妙と化した空気の中も、生徒達の自己紹介は続く。 

 

「相江州中学校出身、更識竪奈で〜す。ヨロシクね♡」

 

「緋色中学校出身、竜巻碧よ。よろしく。」

 

「伊勢狩中出身、楯乃尚文。よろしく。」

  

「那座陸中出身、餅多琉風っす。皆、ヨロシクっす〜♪」

 

「須牌中出身、豊穣代瑠です。よろしくお願いします。」

 

「銀狐中学校出身、南野秀一です。よろしく。」

 

「此州羽中出身! 恵海李依梨! ヨロシクお願いします!」

 

「酸漿中学校出身、桃地マキで〜す。皆さん、よろしくお願いしま〜す♡」

 

…本年度は椚ヶ丘中等部からのエスカレーター進学者は殆ど居らず、外部受験からの入学者が多数だった為、その出身校も多岐に渡っていた。

 

≫≫≫

「…よし、自己紹介も終わったわね。

皆、其々覚えて仲良くしていって頂戴。

それじゃあ…クラス内、お互いに何か、質問したい事とかって有る?」

「「「「はいはいはいはい!!」」」」

クラス内の名乗り合わせも終わり、この新メンバーを早く馴染ませたいと思ったのか、須貝は質問タイムを開始したら、即座に男子生徒数人が挙手。

 

「さ、早乙女さんって、恋人とか居るんですか?」

少し緊張気味な男子生徒の問い掛けに、

「幼稚園の頃から ずぅ〜っと一緒な、彼氏が居まぁ〜す♡」

「「「「な、何…だと…?」」」」

普通に軽く答える晴華。

それを聞いて、一気に意気消沈する男子が幾人。

 

「ねー、響?♡」

「「「「「お、お前かーーーーーーーーっ?!!」」」」」

「巫山戯んな、テメー!?」

「こんな可愛い娘と、幼馴染で恋人だと?!」

「赦…せん…!」

「敵だ敵! エネミーだ!!」

「……………………………………………。」

そして続く追加の情報に、彼等の絶望は怒りと嫉妬に変わり、それは響に向けられるが、その響は動ず事無く、長い沈黙を溜めた後、

「…フッ!」

朝の通学時に見せた どや顔再び。

 

「「「「「「ちっくしょーっ!!!!」」」」」」

この しっと団を軽く往なしたのだった。

 

≫≫≫

「…悪いが、その辺りはノーコメントで。」

その後も生徒間で質問が交わされていく中、響が椚ヶ丘中等部出身…即ち、月を破壊したとされる超生物(殺せんせー)との関わりを聞いてくる者が居たが、それを響は『凄い上の組織から口止めされている』として口を濁し。

 

「はーい。それじゃ、須貝先生に質問。先生って、彼氏さんとか居ないんですか〜?」

「「「「…!!」」」」

そうした中、今後は1人の女生徒が、須貝に質問。

これには他にも気にしている者が居たのか、晴華の時の様に またも多数の男子生徒…並びに女子数人が過敏に反応。

 

「え? 私?」

「「「「…………………。」」」」

不意な質問に、やや戸惑う須貝。

この男子を中心に、クラス全体が注目する中、それに対する彼女の答えは、

「彼氏も何も、私、結婚してて旦那が居るから。それに、4歳の坊やも♡」

「「「「N、NO〜〜〜〜〜〜〜〜ぉう!??」」」」

両手を頬に添え、少し顔を赤くしての、只今絶賛幸せですリア充オーラ全開発散しながらの、この返答。

それを聞いた、男子達は慟哭な絶叫、そして轟沈再び。

 

「嗚呼、諸行は無常だぁ…orz」

「人の夢と書いて儚いwww」

 

≫≫≫

「…それで、今日は帰る前に最後、このクラスの学級委員長を決めたいのだけど…誰が立候補者は居るかしら?」

そうして質問タイムも終わり、この日の締めとして、この教室の委員長を決める事になり。

 

「はーい。私で良ければ、やりたいでーす。」

この須貝の問い掛けに、1人の女子が立候補。

 

「更識さんね。丁度 良かったわ。誰も名乗らなかったなら、女子の方はアナタを指名しようと思っていたの。

それじゃ、ヨロシクお願い頼めるわね。」

名簿を見ながら…それには各生徒の中学時代のデータも記載されているのだろう…須貝は少し安心したかの様に、更識の名乗りを承諾。

 

「はい♪」

そして普段から持っているのか、【無問題】と書かれた扇子を広げ、応える更識竪奈。

F組クラス委員長、女子の方は中学時代、生徒会長を務めていた彼女に決まった。

 

「次は男子の方だけど…」

「「「「「「「「……………………………。」」」」」」」」

続いて男子の方は、誰も立候補する者は居らず。

 

「仕方無い。それじゃ悪いけど、中学の時にクラス委員の経験が有る…」

 

≫≫≫

「先生、ちょっと良いですか?」

クラス委員長も決まり、今日は もう帰るだけとなった時、それに待ったを掛ける声が1つ。

 

「金船さん?」 

響の後の席に座っている、飛び蹴り女子…金船瞳だ。

 

「どうかしたの?」

「新学期早々ですが、席替えをお願いします!」

「…はい?」

この いきなりの席替え要求に、目が点となる須貝。

 

「理由は? まさか、イケメン君の隣が良いとかな理由なら、却下よ。」

傍目は我儘100㌫な申し出に、厳しい眼を向ける須貝。

それに対する金船の応えは

「いぇ、私じゃなくてコイツ。

コレ、後から私や早乙女さん、その他 女子を視姦するド変態セクハラ男だから、女子が視界に写らない、1番前の角の席に移動させて下さい。」

「私からも お願いします!」

自身の2つ後の席…元A組5英傑·榊原蓮を指差しての理由に、昨年、椚ヶ丘の学園祭にて被害に遭っている晴華も同調。

 

「ちょ…視姦て…」

それを聞いて、須貝が どん引き。

 

「いや、ちょっと待ってくれないか?

視姦ってなんだよ、視姦って?!」

そして顔を真っ赤にして、どういう事か、問い質す榊原。

 

「【視姦(しかん)】…相手を見つめる事により その相手を辱め、性的興奮を煽る行為の事。

隠れて相手を覗き見る窃視とは異なr

「違う! そういう事を言ってるんじゃない!!」

そして この質問を、金船の代わりに解説しようとした男子に、渾身の突っ込み。

 

「兎に角、コイツは初対面女子にも気安く、肩ポンしてくる変態セクハラ野郎なのは事実ですから、席の移動をお願いします。」

「私なんか この人に以前、いきなり髪の毛を触られました。」

「ちょ…待って…それは…」

金船と晴華の告発に、必死になって弁明しようとする榊原だが、それは事実。

例え、その制裁としてドロップキックを食らったり、彼氏君に身体全身サンドバッグからの急所蹴りを貰っていたりとしても…だ。

 

「あちゃ〜…いや、偶〜に居るっスよね、『自分は顔がイイから女には何しても大丈夫』みたいな、愉快な勘違いしてるヤツ。」

「いや全く…最低だな。」

「最悪です!」

「女性の敵ですね。」

「嫌い。」

そして次々と、女子達から冷たい言葉と台詞を浴びせられる榊原。

 

「…………………。」

更識に至っては、普段から何本も持っているのか…今度は【汚物は消毒だ】と達筆で書かれた扇子を広げての、無言のアピール。

 

「…。」

そして実は このクラスには もう1人、椚ヶ丘中からのエスカレーター進学した生徒がいたのだが…彼女は この場での下手なフォローは、今後の自身の教室内での立位置を危うくすると直感し、黙りに徹する事に。

 

「あー、分かった、分かりました!

仕方無い…榊原君、キミは1番 前の席に移動!

彼より前の人達は1つずつ、席を移って!」

結局はクラス女子達の圧に屈したのか、須貝は榊原と…それより前に座っていた者達に、席替えを指示。

 

「全く…兎に角、榊原君?

今後は無闇矢鱈に女性に触れる様な行為は、控える様に。

スキンシップかセクハラかと言うのは、それをされた方が決めるのだからね。

それにキミ、そういうので もしかして彼女に、恐い彼氏君とか居たら、どうする心算だったの?

それを理由でボコボコにされたっt

「先生〜、その辺りなら もう、吉良がコイツに言ってまーす。」

因みに金船瞳だが…彼女は中学時代、陸上部のエースで男女問わずに高い支持を受けていたが、特定な相手は今は まだ居ないらしい。

  

「全く…俺にボコられた時に反省したかと思ったが…全然 成長ってか学習してないな…」

 

 

 

…こうして、響の高校生活1日目は終わるのだった。

 

 

 

 

 

「…先生!」

「何かしら?」

「私の席、ひびk…吉良君の隣が良いでs

「却下よ。」

  




 
【新キャラ】 
今後のネタになりそうだと、頭に浮かんだ人達をとりあえず出してみた。
作者の他作品からの使い回し有り。 
但し今後、出番が有るかは未定。
彼、彼女等の元ネタを全て察せた人は、上級読者認定。
結構 中の人祭りになりましたw
豊穣さんは、ホウジョウとは何の関係も有りません。
 
 
次回:揉め事打壊の時間(予定)
乞う御期待!
 
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