暗殺聖闘士   作:挫梛道

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次回予告とサブタイトルが違うのは、この作者の小説では『あるある』です。
 
 
 
 
F組のクラスメート、一部 名前を変更しました。
 
 


誘う時間

新学期。始業式も終えれば、翌日からは普通に1日6時限の授業な毎日が始まる。

その初日、4時限が終わった後。

 

「はい、響。」

「あぁ、サンキュ。」

昼の休憩時間、机を向かい合わせにして、晴華から弁当を渡される響。

 

「ん〜? 早乙女は吉良の弁当、作ってんのか〜?」

「ん、そうだよ♪」

其処にサンドウィッチを食べながら話し掛けてきたのは、普段は この2人の前後の席に着いている金船瞳。

 

「「「「「「な、何だってっーーーーーーー!!!!」」」」」」

 

ガタガタガタガタッ!

 

その言葉に教室内、幾人かの生徒が反応し、

「吉ぃっ良ァッ! お前、羨まし過ぎるんだよ!」

「本当に、仲が良いのね…」

「幼稚園の時から ずっと一緒って、素敵ですよね。」

「赦…さん…!」

「ひゅーひゅーっス〜♪」

「この仲睦まじいリア充に爆裂を!!」

「とりあえず そのトンカツ、1切れ寄越せ!」

「てゆーか1発 殴って良い? 1500円あげるから!」

「アホかっ!!?」

「いや…皆、少し落ち着き給えw」

響の席の周囲は渾沌と化した。

 

≫≫≫

「やぁ、吉良響…君は今、教室に居るかな?」

その寸劇から約15分後、F組の教室に来客が。

制服の襟章の色から、3年の男子の様だが、

「あぁ、吉良は、あの窓際で…」

この3年生に尋ねられた男子生徒が、教室窓際、晴華他数名と会話している響を指差す。

 

「やぁ、吉良君…だね。少し話、良いかな?」

「………。」

「俺はサッカー部キャプテンの、五条というのだが、率直に言おう。

どうだい、サッカー部に入ってみないk

「お断りします。」

そして響に話し掛けてきたサッカー部キャプテン、五条の入部勧誘を、響は秒で断った。

 

「…。」

恐らくは、去年の球技大会(秋)のキーパーとしての無双振りを耳にしての この誘い。

響は3年時、E組在籍だったので当時の部活は認められないとしても、高等部に入ったなら その縛りは無くなり、()()()()腕前を持っているなら、サッカー部に入るのは必然。

…そう考えての、事前の、キャプテン直々のスカウトを蹴られてしまい、五条は言葉を喪ってしまう。

 

「去年、顧問の…え~と、ナントカ先生にも誘われたけど、その時もコッチの条件を受け入れて貰えなかったんで、断ったんスけどね。」

因みに その時の条件とは…

 

・試合には出る。練習には出ない(気が向いたら出る)。

・椚ヶ丘中等部出身の部員は全員 退部(クビ)に。

・希望ポジションはFWかMF。DF、GKは却下。

・他

 

「君は…巫山戯ているのかい?」

コメカミに浮かんだ血管をピクピク脈打たせ、普通に考えたら我儘100%な要求に対して辛うじて冷静を保ち、響に その事を問う五条だが、

「俺としては、かなり妥協してるんですけどね?」

響は平然と、それを受け流す。

 

「練習云々やポジションの件は兎も角として、そもそもサッカーはチームプレーのスポーツ。

それを、元·本校舎の奴等と仲良くチーム?

一体 何のジョーク?

巫山戯てんのは どっち?…って話なんですけどね。」

「……!」

「「「あー…」」」

そして続く言葉に、五条は何も言い返せず。

ついでに響の近くで一連の会話を聞いていた…既に椚ヶ丘中等部のE組と本校舎勢との関係をある程度は知っているクラスメート達も、納得な反応を見せた。

 

「確かに元E組の吉良からすれば、元·本校舎の人達と一緒のチーム…というのは無いだろうね。」

「殆んど、水と油だろうしね〜?♪」

「或いはS極とN極。」

「若しくは平家と源氏。」

「自民党と中●連。」

「または共●党、はたまた社●党。」

「き●こと た●のこ。」

「うぐぐぐぐぐ…!」

そして畳み掛ける様に、相容れぬ物の例えを出され、五条は更に言葉を詰まらせてしまう。

   

「し、しかし それも もう、過去の話だろ?

中学校は もう卒業したんだし、その辺りは水に流し、互いに歩み寄ってだね…

そもそも俺と君とには、何の絡みも無かった筈だし…」

「はぁ?! アンタ…何、言ってんだ?

アンタが俺に…とか、そういう話じゃねーんだよ。

俺で無くてもアンタ、当時のE組の人達に、()()()()()()で接していたんだろ?

俺は、()()()()()()とは無理だって言ってるんだよ。

その程度の理解力すら無いのか?」

「…??!」

しかし、それでも食い下がろうとしない五条の台詞に、響は それまでは一応は学内の先輩に対しての、ソフトだった口調を急変させて対応。

 

「それに水に流す…? そーゆーのは普通、()()()側が言うモンだろ?

何、()()側が偉っそうに それ言ってんだ?

資格有ると思ってんのか? 説得力無いぞ?

…ったく、どっちが巫山戯てんだ?…って話だよ。」

「ぅ…」

「あ〜、もうマジ話に ならね。帰れ帰れ。

大体 俺、本職は空手なんだよ。」

 

ㇲ…

  

「……!?」

正拳をゆっくりと寸止めで顔前に突き出した後、シッシッと、まるで周りを飛ぶ蝿を払うかの様に手を振るい、五条に退場を促す響。

五条は『後輩の分際で…!』と思い、それを問い詰めようとも思ったが、それをすると今度は本当に()()で対応される映像(ビジョン)が頭に浮かび、思い止まる。

そして取り付く島が無いと悟ったのか、五条は それ以上は何も言わず、F組の教室から出て行くのだった。

  

≫≫≫

「ねぇ、吉良君?」

「ん?」

その後…響に話し掛けてきたのは 五条登場前から会話していたクラスメートの1人、朱塚赤志。

 

「さっき吉良君、『本職は空手』とか言ってたけど、それなら空手部に入るの?」

「いや、その心算も無いけどな。」

この朱塚の質問に、響は あっさり否定。

 

「何しろ都内には もう、転校からの1年間、部活動公式試合参加不可の縛りが解かれたが居るからな。」

「鬼?」

「何だい、その物騒な二つ名?は?」

響の『鬼』発言。少し大袈裟と言えそうな表現に、、一緒に居たクラスメートが興味を持つ様な素振りを見せ、

「あー、煌兄ちゃんかー。」

晴華は思い出したかの様に、納得した顔を浮かべる。

 

「響の お兄さんでね、やっぱり空手してるの。

それで、響より…と言うか、普通に凄く強い。」

「「「「へー。」」」」

「空手ってのは基本、体重無差別だからな。

個人戦…上に上がれば、何れ ぶつかる事になる。」

「あー、だから兄弟で試合とかは、避けたいんだ?」

「いや、単に兄にボコられたくないだけだよ。

…かと言って、個人戦(アニキ)を避けて団体戦…この学校の奴等とチーム組むなんて、もっとゴメンな話だ。」

「…其処迄 嫌ってるって、本当に相当ですね。」

「…っスね。」

「…って、何だか『アニキ』の発音に、凄い違和感を感じたのは気の所為?」

それからの晴華と響の説明で、その場、他の面々も納得。

 

≫≫≫

それから少しの後、今度は高等部No.1のイケメンを名乗る3年の男子生徒が教室に顔を出し、「君の様な美少女には自分の様な(以下略) 」と、晴華に交際する様に迫ろうとするが、その台詞を言い終える前、F組の教室内全体を尋常では無い、強大·凶暴·狂悪な殺気が支配。

 

「…!!!??」

そして それを敏感に察知し、生命の危険を感じた自称イケメンは即座、教室から撤退するのだった。

  

次は…殺す!!

「「「「「「「やっぱり この前の殺気は気の所為じゃなかった!

てゆーか やっぱり、吉良(コイツ)だった!!?」」」」」」」

 

▼▼▼

 

ざわ…ざわざわ…

 

新学期が始まり、1ヶ月が経過。

高校では初めての中間試験が終わり、その結果が廊下の掲示板に貼り出されていた。

A〜F組の6クラス。総勢240人の順位が、5教科合計点数も一緒に、だ。

 


 

  【1学期 中間テスト:1年 順位表】

 

  1位 南野 秀一 (F組)   496点

  2位 赤羽 業 (A組)    494点

  2位 更識 竪奈 (F組)   494点

  2位 能神 涅虚 (E組)   494点

  5位 早乙女 晴華 (F組)  493点

  6位 栗原 万里 (B組)   492点

  7位 河上 姫子 (D組)   491点

  7位 吉良 響 (F組)    491点

  9位 磨月院 芽代 (C組)  488点

  10位 浅野 学秀 (A組)   486点

  10位 伊能 商人 (F組)   486点

       

  13位 北倉 マモル (F組)  482点

       

  45位 朱塚 赤志 (F組)   449点

       

  120位 金船 瞳 (F組)     402点

  121位 餅多 琉風 (F組)    400点

       

  162位 荒木 鉄平 (B組)    348点  

  163位 榊原 蓮 (F組)     345点  

       

  166位 小山 夏彦 (C組)    337点  

       

  239位 魏利 誠冨 (C組)    305点

  240位 瀬尾 智也 (D組)    301点

 

 


         

 

  

ギリ…

 

この順位表を、歯軋りしながら苦虫を噛み潰した様な顔で、睨み付ける生徒が1人。

 

「………クソッ!」

A組の浅野学秀である。

彼の順位は10位。全体的に見ても決して悪くない成績だが、中学時代を考えれば、納得往かない結果なのだろう。

去年の2学期の終わり、当時 理事長だった彼の父親による、内部エスカレーター進学に対しての改革により、外部受験の参加者が激増。

全国でも成績優秀だった学生達が、例年よりも多数入学した結果である。

これにより、昨年度ほ ほぼトップだった響ですら、今回は7位。

しかし、学年全体のレベルが高いのも、また事実。

順位真ん中の生徒の5教科の平均が80点、最下位の生徒ですら、平均60点を超えているのだから。

昨年の椚ヶ丘中3年に置き換えれば、トップ50周辺の学力の持ち主が最低位なのだ。

今年の椚ヶ丘学園高等部の1年生の学力は、前年度と比べても遥かに高いと言ってよかった。

 

≫≫≫

「うわぁ…結構 手応え、有ったんだけどなあ?」

「でも全体は兎も角、クラス内だと妥当でしょ?」

「それに点数自体は、かなり良い。」

「上には上が、居ただけだろう。」

「応。伊能と北倉(マモ)には勝てたから、まぁヨシとしよう。」

「「おいっ?!」」

順位表を見ながら、話してるのは、響、朱塚、伊能、北倉。

この4人、座っている席が近いからか自然と雑談する事も多く、それなりに仲良くも なっていた。

…主に朱塚が弄られるポジションで。

 

「つまりアカシは、渚きゅんの立ち位置ですw」

「(¬_¬)吉良…キミは誰に、何を言ってるんだい?

…てゆーか、誰それ?」

「…ん?」

「ん? どうかしたのかい? …って、スルー?

そんなメタ的なボケ突っ込みな やり取りの中、響は自身の背後に、妙な視線を感じた。

 

「………………。」

それを辿ると、試験結果を確認している生徒達…人混みの後ろ側で1人、まるで自分を親の仇でも見ている様に睨み付ける男子生徒を確認。

 

「…!?」

しかし この男子は響と目が会うと、逃げる様に その場から立ち去って行った。

 

「…誰?」

少なくとも響からすれば、何の面識の無い、知らない人物。

原因不明な一方的な敵意と云うか殺意に、何の反応も出来ずにいた。

 

▼▼▼ 

…自分に怨み持ってそうなヤツ。

響は それを、とりあえず元·本校舎の生徒だと推定。

教室に戻り、心当たりが無いかと響が 尋問した 尋ねてみたのは、元5英傑の榊原。

 

「そ、それって、もしかしたら…」

それが過剰だったかは別問題として、自業自得で響にトラウマを刻まれた事で、必要以上に響を苦手として…と言うか怖れている榊原は怯えた口調で、今の椚ヶ丘中等部出身…エスカレーター進学組で(5英傑を除き)響、或いは嘗てのE組生徒に何らかの恨みを持っていそうな人物の名前を1人挙げた。

 

「ギリ?…誰、ソイツ?」

C組の魏利誠冨。

中学3年時は榊原や浅野とクラスメートだった この生徒には双子の兄が居り、その兄の方は昨年の期末テストの結果で、エスカレーター進学の権利を喪ってしまう。

そして外部受験を挑むも、不合格だった(落ちてしまった)らしい。

 

「いや、完全に逆恨みじゃねぇかよ?!

大体それだったら、恨むとしても、俺じゃ無くて寺坂だろ?」

「ひぃえっ?! ごめんなさいっ!?」

まだ響を睨んでいた人物が、その魏利と確定した訳では無いが、それでも思わず哮る響に、怯えながら謝る榊原。

 

「ちょっと吉良君、あんまりイジメたらダメですよ!」

「オメーが、コイツを嫌っているのは解るけどよ?

そりゃあ私も このセクハラ男、大っ嫌いだし?」

「こんな弩変態セクハラ屑男でも一応、人権は有るっスよ?」

「いや、コイツが勝手にビビってるだけだし?!

…てゆーか、金船!餅多! お前等も その言い方、普通に酷いからな!?」

その様子を見かねたのか、クラスの女子数名が響を注意し、響も それに反論。

因みにだが高校に進学して、響はクラスメートを基本、男女共に呼び捨てである。

一部 男子、数名は下の名呼びだが。

E組在籍時、女子は一部を愛称で呼ぶ以外は『さん』付けだったのは、自分は新参者として遠慮していたからだ。

尚、男子は兎も角として、女子で下の名で呼んでいるのは晴華だけである。

 

≫≫≫

そして、試験明けの最初の金曜日。

 

「ねーねー、テストも終わったし明日、皆で ぱぁーっと遊びに行かないっスかぁ〜?」

 




 
実は中学時代、5英傑の中で、響から1番無惨な目に遭わされてるのは榊原www
 
 
 
 
次回予告:揉め事打壊の時間(今度こそ)
乞う御期待!
 
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