【前回の あらすじ】
休日、椚ヶ丘市内のショッピングモールに遊びに出ていた響、晴華と そのクラスメート達。
しかし そんな楽しい一時に、響達の同級生と他校生徒、そしてヤクザを名乗る男達が絡んできて…
▼▼▼
この2次小説の原作は、【暗殺教室】です。…多分?
「アカシ…何か
怒羅権組なる組織の構成員を名乗る男、馬渕がアカシに向けて振りかざした拳。
それは横から介入してきた男の手に止められた。
「んなんだ、テメーは?!
怒羅権組、舐めてんのか?!」
いきなりの横入りに、どうやらアカシと知り合いの様な この男に怒鳴る様に言い寄るが、
「あ"?!」
「…っ!?」
逆に男に凶悪な形相で睨み返され、萎縮してしまう。
「な、何なんだよ、お前…かかか、関係無いだろ?」
それでも馬渕は声を震わせながら、言葉を繋げるが、
「俺は このアカシの
だから関係アリなんだよ、このヤロー!」
「…っ!?」
男の次の台詞と その迫力に、ますます黙り込む。
「…って、アカちゃん、このワイルド系の お兄様♡、アカちゃんの お兄ちゃんなんスか?」
「…でも、失礼ですが、余り似てませんね?」
「うん、アオトさんは僕の姉さんの旦那さんだから、義兄さんだね。」
「チィイッ!もう売約済みっスか?!
【イケメンは出会った時には既に売約済み】の法則っスか?!
折角これからは、アカちゃんに るぷーお義姉ちゃんて呼ばせようと思ってたっスのに!」
「餅多…お前、ショタコンじゃなかったのかよ?」
「さっきシイコ先生の子供を見た時、先生に『お義母さん』とか言ってたし?」
「しかも結構、顔がマジだったし。」
「守備範囲が広いんスよ!」
そして始まる寸劇。
「ア、アオト…だと?!」
「日焼けした肌に青髪の凶悪面…
アニキ…ア、アオトって もしかしてコイツ、白仙会の葵蒼斗?」
しかし そのアオトなる名前を聞いて、怒羅権組の2人は驚愕。
「あ゙?! だとしたら どうなんだ?
そうだよ。いかにも俺は白仙会若頭、葵蒼斗だよ!!」
「「…!!?」」
白仙会。
関東圏を中心に全国各地に支部を置いている、国内屈指の勢力を持つヤクザ組織の1つ。
それに比べてみると怒羅権組は、超が付く程…地元で幅を利かせている程度の弱小暴力団。
この最悪と言って良い事実を知り、怒羅権組2人は完全に顔面蒼白。
「…で、アオトさんは、どうして此処に?」
「応。来週、
「うん。」
「だから何か、プレゼントを…ってな。
でもな、シノって高級品思考なんか、持ってないだろ?」
「姉さん、庶民派感覚だからね。」
「そ。アイツ、お嬢なのによ。
だから極々普通な、ショッピングモールなのさ。
下手に高級ブランドな鞄やら靴やら宝石なんか渡したら、『無駄使い!』とか言って、●されちまうぜ。」
「あはは…」
そんなチンピラ2人の存在を忘れたかの様な、アカシと蒼斗…義兄弟の会話。
「「「「「「…。」」」」」」
そぉ〜…
それを見て幸いとばかり、この場から速やかに、そして静かに退散しようとするDQN6人だが、
「おっと、何処に行く心算だ?」
「後々を考えてみると、逃げずに此処で終わらせた方が、色々と拗れずに済むと思うよ〜?」
「「「「「「!!?」」」」」」
響、そして【通行止め】と書かれた扇子を広げた更識竪奈が、その退路を塞いだ。
「あ゙?! テメー等 何、逃げようとしてんだ、コラァッ!?」
「「「「「「ひぇっ!?」」」」」」
更には それを葵にも見付かってしまい、事態は振り出しに戻る。
「そこ、何をやっているのですか?」
「とりあえずは君達、其処から動かないで!」
「「「「「「!!!!!?」」」」」」
更には この騒動を見ている誰かが通報したのだろう、モールの警備員、そして警察官が駆け付けてきた。
「やれやれ…騒ぎが大きくなってきましたね。」
「オ、
「父さん?!」
「こらこらアオトよ、プライベートでは『お義父さん』と呼びなさいと言っているじゃないか。
そしてアカシ。これは一体、何事だ?」
そして其処に、眼鏡を掻けた細目の、白髪混じりな初老の男も、その場に加わってきた。
「あ、忘れてた。
アカシ。見ての通り、お義父さんも一緒だ。」
「はっはっは…
「…って、アカちゃんて?」
「朱塚君って…」
「アカシは…」
「「ヤクザの親分の御子息様ぁ?」」
≫≫≫
「…さて、それで一体、何事だったのですか?」
…この後、警備員と警察官により、モールの事務所に連れられてきた、アオトとアカシの父親を含めた関係者達。
其処から事情聴取が始まった。
最初は馬渕達が因縁を付けてきたのは響達だと言い始め、当然 響達も それに反論するが、他5名も「何か俺達から手を出してきた、何か証拠でも在るのか?www」と言っていたが…
「証拠なら、有りますよ?」
「は?」
「え?」
▶▶▶
『俺達は只な、そっちの姉ちゃん達と、遊びたいだけなんだよ。』
『そっちのギリ弟が、「多数の女を連れてる、ムカつくヤローが居る」って連絡してきてな?』
『だから俺等は『それは羨まけしからん!』と、態々 注意しに来てやったんだよwww』
『そんな訳だ。
痛い目に遭いたくないだろ?』
『コッチは6人だ。』
『まさか お前…勝てるとか、思ってないよな?www』
『心配しなくても、姉ちゃん達とは お前等に変わって、俺達が お楽しみしてやるよ♡』
『ふ…ん…キラ、だったか?
キケンジンブツだか何だか知らんが、所詮は椚ヶ丘…お坊ちゃん学校の中の話だろ?
俺等、洞究高校だぜ?』
『そしてコッチの馬渕さんと鹿島さんは、何と!…あ·の、怒羅権組だぞ!』
『ククク…そーゆー事だよwww』
『ガキィッ! 舐めてるのか?!
東京湾に沈めるぞ、ゴラ゙ァ゙!!?』
『クソが…ちょこまかと…!
おい賽子、渋丸、魏利! 何ボヤっとしてやがる!?』
『お前等も見てないで、さっさと手を貸せ!
コイツ、全員で殺っちまうぞ!!」』
『『『『は、はいっ!』』』』
▶▶▶
「こういう人達に絡まれた時は、後で絶対に『やったやってない』の水掛け論になるのは定番…だからね。」
「「「「「「…………。」」」」」」
…しかし実は、この6人が響達に声を掛けてきた時から、アカシが その一連の会話をスマホに録音しており、更には防犯カメラによる映像にも、馬渕達が先に手を出したのが記録されており、どちらに原因が有るか…の、証拠は揃っていた。
「つまり、そちら側の怒羅権組とやらの2人、そして そっちの学生さん4人は、アカシ…即ち この白泉会組長、渋沢道雪の倅に手を出そうとした、と…そう解釈しても構わないのだな?」
「「「「「「す、すいませんでしたーっ!!」」」」」」
線目という表現が相応な、渋沢道雪の細い目が開いての…それでも尚 十分に細いが…問い掛けに、揃って土下座するDQN6人。
「てゆーかテメー等、これってテメーが完全に悪い分際で、アカシ達を悪役に仕立て上げようと嘘吐いてたって事だよなぁ??!」
「「「「「「ほ、本当に すいませんでしたーっ!!」」」」」」
そして続く、アオトの一言。
その迫力に、6人は土下座の姿勢を解く事無く、連続の謝罪。
「いや、コレは そもそも、コッチの魏利が、『生意気なヤツが居るから、〆ちまおう』って言い出したんです!」
「そ、そうです! だから、俺達も被害者なんです!
悪いのはコイツ等! 魏利兄弟です!」
相手が自分達の後ろ盾の暴力団関係者よりも、格上なヤクザと知り、先ず最初に自己保身に走ったのは、洞究高校の渋丸と賽子の2人。
「は? いや、お前等ノリノリだったじゃねーか!?
てゆーか誠冨! 元はと言えば、お前が下らない話、持って来るから!」
「はぁあっ?! 逢徒、お前だって洞究と怒羅権組の名前を出せば、吉良だって流石にヒビって、余裕で〆る事が出来るとか言ってたじゃないか!」
「「はぁ!?」」
「「ぁあ?!」」
そして魏利兄弟も含めて、責任の擦り合いを始めた。
「ガタガタ五月蝿ぇえっ!!」
「「「「ひえっ?!」」」」
「誰が最初に言ったとか、そんなのは どーでも良いんだよ。
ほいほい そういう話に乗った時点で、皆 仲良く同罪だろうが!!」
「「「「ひぃいいっ?!」」」」
しかし その言い訳も、青井蒼斗の怒声で一瞬で無効化。
「しかも コッチの餓鬼共は兎も角、怒羅権組…だったか?
そっちは もう、マジに只じゃ済まないよなぁ?!
「いや、俺達は、そっちのガk…いや、お坊ちゃんが渋沢道雪様の御子息様とは知らなかったんです!」
「そ、そうです! 最初から知っていたら、こんな真似は…
元々、俺達に話を振ってきた、このガキ達が…!」
「いや、その話とやらを断っていれば、それで済んでいた話じゃないか。
それに渋沢の息子が どうだとかは、関係無い。
例え儂の身内で無かったとしても…そうだとしたら、任侠者がカタギに手を出すのは御法度だろう。
それとも怒羅権組とやらは、その理を平気で破る…そんな 無法者の集まりなのか?」
「「ぅ…」」
そして怒羅権組…馬渕と鹿島の2人。
必死に…やはり他責の弁明をするが、その言い回しは渋沢の前では悪手だった。
「さて…それで最終的に、お前さん達は どうしたい?
白泉会の身内に手を出したとして、ヤクザ者同士の話に発展させるか?
それとも単に、極道が素人に手を出したとして、普通の警察沙汰に落ち着けるか…
仮に組同士の話となれば、そっちの学生さん…君達も怒羅権組の関係者として、その先の話の輪の中に加わる事になるから、余り勧めは せんがな。
まぁ、こういうのは、余り警察の前で言う台詞じゃないのだが。」
ゴゴゴ…
「「「「「「…?!」」」」」」
「「………。」」
あくまでも、にこやかな表情で話す渋沢道雪。
しかし、その笑顔の裏側に潜み蠢く怒気殺気は、尋常で無く。
それを肌で感じ取った加害者側の6人は顔を引き攣らせ、現場立ち合いの警察官2人は複雑な表情を浮かべた。
この後 結局、馬渕と鹿島…怒羅権組の2人は とりあえずは警察署にて1日拘留。
他4人も一時 警察署に連行され、各々が其処から連絡を受けた家族に引き取られる事に。
響達も被害者側とは云え、一応は当事者として一緒に警察署に。
尚、本来なら予定していたカラオケだが、店に事情を連絡して、キャンセルする事になったていた。
≫≫≫
「ああ、君達、ちょっと…良いかな?」
「「「はい?」」」
一通りの聴き取りを終え、警察署を後にする響達に話し掛けてきた渋沢道雪。
「アカシの…家の事情には、びっくりしたかな?」
「はい…何しろ、朱塚君ですから?」
「まさか、アカちゃん家が…ってのは、今でも正直有るっス。」
「ふむ。だろうね。
しかし儂はアカシには、今迄 儂等極道とは何の関わりも持たせてないし、これからも持たせる心算は無いんだ。
その為にアカシには昔から、母親の姓を名乗らせているのだからね。
だから…願わくば、これからもアカシとは仲良く…せめて、普通に接してやってくれないか?」
「その心配は、無いですよ?
私達、まだ知り合って1月程度ですけど、朱塚君…アカシ君が どんな人物かは、もう大体 分かってますから。」
この渋沢の頼みに、軽い口調で返したのは、更識。
【心配御無用♡】と書かれた扇子を広げている。
「アカちゃんはアカちゃんっスよ。」
「確かに今日のアレコレで、少しキャラ上位修正したけど。
普段は頼り無さそうな癖に、如何にも勝ち目無さそうなバカ相手に、物怖じせずに対応したのも、逆に ある意味納得ですよ。
本当に大した度胸、胆力だ。足、ガクブルだったけどw 」
「ついでに、会話録音とかの用意の良さ、判断力もですね。」
「あはは…」
餅多、響、晴華も、更識の発言に言葉を繋げ、それにアカシは照れ笑い。
「本当、あのヤクザが吉良君から私達に
「えぇっ?!」
そして恵海李衣梨。
少し顔を赤くしての言葉に、アカシは彼女以上に顔を赤くして驚き、
「「「「………………。」」」」
ニョキ…パサ…パタパタ…
それを見た他4人は、角、翼、尻尾を生やしての(比喩)、
▼▼▼
この件は即座、警察から各学校に報された。
当然、吉良家や某県の、晴華の実家にも警察からの連絡は入り、晴華の父親が翌日…日曜日の朝には椚ヶ丘市入り、響の両親と共に、自分の娘や将来の義息子(予定)に あれこれと問い質したりしたのは、別の話。
そして やはり、連絡を受けた椚ヶ丘学園の対応も早かった。
「どういう事ですか?!
確かに許される事じゃないのは分かりますが、それでも退学だなんて?!」
週明けの月曜日。
学園理事長室に突撃、押し掛けてきたのは、前日に退学の報せを受けた、魏利誠冨の母親である。
「兄の方は、停学で済んだのですよ!?」
「………。」
どうやら他校に通っている、同罪の双子の兄の方は、2週間程度の停学で済んだ様なので、それと比べての退学という厳しい措置に、納得が往かない様だ。
「……………。」
それ対して、今年度より浅野學峯から椚ヶ丘学園の理事長を引き継いだ新しい理事長の男は、無言無表情で魏利母親のマシンガンさながらな主張を聞いている。
「………………。」
「って、さっきから! 黙ってるだけで人の話、聞いているんですか?!
何か、弁明でも謝罪でも処分の取り消しでも、言ったら どうなんですか?!!」
その無言の対応に、魏利母親が遂にブチ切れ、それに対して新理事長は、
「クックック…ハハハ…
アッヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!
もう駄目! く、苦しいっ!!?」
「ハァ?!」
其れ迄の魏利母親の剣幕が余程 愉快に感じていたのか、そして それを堪えるのに限界を感じたのか爆笑、盛大に大声で笑い出した。
「な、何が可笑しいのですか?
理事長さん、アナタは巫山戯ているのですか?!」
その反応に対して、魏利母親は当然な質問を投げ掛けるが、
「ヒャヒャヒャヒャ…いえいえ、巫山戯ているのは貴女でしょう?」
この椚ヶ丘学園の新理事長…笑門(わらかど)圭佑は、嗤いながら それに応え始める。
「先ず、普通に考えて、ヤクザを連れて他人を脅しに掛かる…キャハハ、それだけで、1発
くぷぷぷ…
何しろ前科者に ならずに済んだのですから?
アハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
元々の素が過度の笑上戸な性格なのか、時折 笑い声を挟んで説明する笑門。
「…し、しかし!」
「確かにDQn…コホン、洞究高校さんでは、其処迄 問題視しなかったみたいですが…
アチラの学校さんは もしかしたら、ヤクザ絡みな騒動は日常なのですかねぇ?
まぁ どちらにしても、他所は他所、ウチはウチ…な話なだけです。
そんな訳で、残念ですが この決定は覆りません。
それでも何か不満、文句が有るなら、訴えて貰って結構。
裁判なり何なり、起こしても一向に構いませんよ。
尤も その時は、ぅぷぷ…此方も弁護士の先生に、出張って貰いますがね?
アヒャ…アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」
「…………!!」
≫≫≫
「ふぅ…」
結局、魏利母親は笑門に完全に言い負かされ、夜叉の如きな睨みをしながら理事長室から出て行った。
「アハハハハ…一応、電話しときますかね?」
一息吐いた後、笑門はスマホを取り出し、
「もしもし…どうも、笑門です。
実は溝口先生、斯々然々な事が有りましてね?
もしも本当に訴えられた場合……………………
はい、そうです。その時は先生に、お願いしたい…と思いましてね。
………………………………………………。
あ、はいはい。それでは その時は、宜しく お願いします。」
「しかし、吉良響君…ですか。
浅野先輩ぃ…本当に彼、
アハ…アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
≫≫≫
「災難だったみたいね。」
…その頃の職員室。
響達は呼び出しを受け、担任の須貝に一通りの説明、報告、事実確認をしていた。
「笑門理事長が、君達には一切の お咎め無しという判断をされているから、それについては これ以上、もう何も言う事は無いわ。
でも、朱塚君…彼の お父様からも、お願いされたみたいだけど…」
少し心配…申し訳無さそうに、アカシの実家の件で口を開く須貝だが、
「あ、大丈夫ですよ、シーコ先生。」
「あの親父さんにも言ったけど、アカシはアカシ…ですからね。」
響達からは、『…で? それが何か?』な受け返し。
「そう…ありがとう。
それと、朱塚君の家の事は、皆には…」
「それは勿論、」
「了解です。」
「それに、アカちゃんがヤクザの親分の息子と言っても、絶対に誰も信じたりしないっスよ〜♡」
そしてアカシの家庭の件にも、一応の口止めするが、これも無問題と応える。
「…と言うか、先生は朱塚君の家の事、知ってたのですか?」
「それは勿論よ。去年、彼の入試願書が届いた時には、何処から情報を仕入れたのか…先代の浅野理事長が その事を知っていてね。
その上で『何の心配も問題も有りません(ニッコリ)』と言われたから、私達も普通に受け入れたわよ。」
▼▼▼
そして、やはり同じ頃。
「さて、怒羅権組の組長さん。
今日は何故 儂が、此処に足を運んだかは、理解出来ているな?」
「………………………………。」
怒羅権組の組事務所に、渋沢道雪が訪れていた。
「テメェッ!
「ひぃぇっ?!」
「止さないか、
「へ…へぃ。スイマセン。」
そしてアオト以下、事務所内と その外、黒塗りの高級車にて待機している者も含め、総勢100人近い白泉会の組員も一緒に、だ。
黒服の下は
「「「「「…。」」」」」
今の部屋には、怒羅権組の組員も数名居るが、国内最大級ヤクザの醸し出す迫力に、完全に萎縮している。
「こ、今回の件は、組同士の話には、しない筈じゃなかったのか?」
この、まるで大蛇の群れに包囲された小蛙な状況の中、声を絞り出す様に、そして声を震わせながら渋沢に質す怒羅権組組長。
「その通り。だから今日 儂は、白泉会とは関係無く、1人の父親として、この場に来たのだよ。」
「だ、だったら、この組員達は?!」
「ああ、今の俺達は
「
「…………………!!?」
それで返された応えは、ヤクザ的にもグレーな返答だった。
「…さて、それじゃ、話を始めよう…いや終わらせようか。
この度 儂、渋沢道雪は お前さんの処の組員2人に自分の息子、並びに息子の友人5人をヤクザの名を語り脅した件で、慰謝料並びに諸々の賠償、そして迷惑料として、総額1億を請求する。」
「はぁ?! い、1億ぅ!!?」
その額に、驚きの顔を隠せない、怒羅権組組長。
「被害者は儂の息子を含めて、6人。
そんなに大きな数字じゃないと思うが?
それに儂は、アンタの組で無くとも、其処に居る当事者2人に要求しても良いんだ。
しかし、『組』の名を出して事に及んだのだから、先ずは『組』に対して請求するのが筋だと思ったのだが?
まぁ、儂は『個人』でも『組』でも、払うべきを払って貰えたら、どちらでも構わないが?」
「…………。」
穏やかな口調ながら、言葉の節々に
「…仮に、それを突っ撥ねたとしたら?」
「その時は勿論、儂個人と組の話し合いは終了。
「……!!?」
この宣戦布告とも受け取れる渋沢の言葉に、ますます黙り込む怒羅権組組長。
「…わ、分かった。その1億、コイツ等に払わせるから、この2人、好きにしてくれ。」
「はぃいっ?!」
「く、組長ぉっ!?」
「当たり前だろうが!
お前等みたいな下っ端に、1億も出せるか!
かと言って、白泉会と戦り合える訳無ぇーだろ!!
よりにもよって、白泉会なんかとトラブりやがって!
そんなバカはウチには要らねぇ! テメー等は破門だ!!」
「「ひぇぇぇぇ〜っ???!」」
そして あっさり、この状況の元凶の2人を見限り見捨てるのだった。
「し、しかし、1億なんて金…」
「も、持ってないし、払える訳が…」
この流れに、掠れる様な小声で話す、馬渕と鹿島。
「ああ、それなら、心配要らないぜ。
俺が
ついでに それを返済する為の働き口も、紹介…世話してやるさ。
組長さん、構わねぇよな?」
「勝手にしてくれ。
コイツ等もう、ウチとも部外者だ。」
「「そ、そんな…………!?」」
「あ゙?! 何か、不満なのか?
あー、分かった! もう良い!
魂、阿久津! 直ぐに船の用意しろ!
東京湾…だったか? 今からクルージングだ!!
「ふむ、仕方無いかな?」
「「ひぃぃいぇっ??!
ま、待って下さい! お金、払います!お金、貸して下さい!
そして働いて、返しますからぁ〜!!」」
…この後、馬渕と鹿島の2人を、椚ヶ丘市で見る者は、誰も居なくなった。
▼▼▼
担任の須貝から、アカシの家庭の事情は、口止めされた。
それを響達は承知。
…しかし、
「…で、チンピラが私等に凸してきた処を、アカちゃんが私等を…正確には りえりー守るべく颯爽と、その前に立ち塞がったっス!」
「其処に痺れた! 憧れたあ!」
「んで、それを見た りえりーがトゥンク♡
目がキラキラの
「「「おおぉ〜〜〜〜〜!」」」
「「「「「キャー(//∀//)ーッ!!」」」」」
それ以外については、別に黙る事も無く。
クラス内、自ら語る事は無いが…何処から情報を得たかは知らないが、その件を聞かれた時は多少の脚色をして、色々と話していた。
特に餅多と響が。
「ちょ、ちょっと、吉良? 餅多さん?!
2人して一体 何を、言ってるんだよ!?」
「るぷー、適当な出鱈目を言わないで下さい!
ぱんつが大変になんて、なっていません!!大体ぱんつが大変って、何なのですか?!」
その餅多の誇張解説に、顔を赤くして、必死に否定するアカシと恵海。
「へ〜? 恵海アンタ、トゥンクと目が はぁと♡は、否定しないんだ?www」
「うっ…!そ、それは、ですね…ゴニョゴニョ…
い、いや! ヤクザから女の子を守る為に、男子が身を挺したんですよ!
あんなの誰が見ても、カッコ良いと感じますよ!
そ、そうですよね! 早乙女さん?更識さん?」
特別な感情は持ってないと必死に弁明、晴華と更識にも同意を求める恵海。
「「「「「…www」」」」」
クラスメート達もアカシの恵海に対する感情は前々から察していたが、この やり取りに、実は恵海もアカシの事は満更でも…等と勘繰ってしまい。
「「「「「「……………………!」」」」」」
しかし瞬時、この2人は周りが煽り囃したりして無理矢理に繰っ付けるよりも、生温かく成り行きを見守った方が面白いと、当人を除くF組全員が…響と餅多でさえも…感じ、言葉は交わさずとも下手な手出しは厳禁と疎通、クラス内で決まるのだった。
「「「白ご飯、持って来い!」」
っス!」
≫≫≫
…しかし、
「……。」
「…………………。」
それから数日、この2人、進展する気配は まるで無し。
「「…………………………。」」
互いに意識しているのは明らかなのだが、少し顔を合わせただけで、互いに顔を赤くして、俯き無言で互いに別方向に歩いて行く展開。
「小学生か?!」
「いえ、最近は小学生だって、もっとオープンよ!」
これにクラス内のwktkのリミットは、既に限界近くに達していた。
「「「「「もう付き合っちゃえよ!! どんっ!!!!」」」」」
葵蒼斗…アオト(トラブルバスターズ)
渋沢道雪…渋沢道雪(トラブルバスターズ)
笑門圭佑…ケイスケ(トラブルバスターズ)
魏利兄弟…竜(スラムダンク)
渋丸…渋井丸拓男(デスノート)
賽子…累に切り刻まれた隊士(鬼滅の刃)
…のイメージで。
馬渕と鹿島…並びに怒羅権組の皆さんについては、適当なDQNチンピラをイメージして下さい。
魏利母親…コレも適当に、釣り上げ三角眼鏡でザーマスなオバハンを、イメージしてみて下さいw
それからアカシ姉(アオト嫁)ですが…名前は出ましたが、シノさん(トラブルバスターズ)のイメージで。
…え? 魅武さん?
あの人は…機会が在れば、その時にw