「皆、揃ってる?」
「お~ぅ、
球技大会の練習を始めてから2日目の朝。
E組の面々は、普段より少しだけ早く、教室に集まっていた。
球技大会に備えての、男女合同のミーティングの為だ。
「じゃ、まずは竹林、頼むぞ。」
「…面倒でした。」
2日間、野球部の偵察に出向いていた竹林が脇に抱えたノートパソコンを開き、律の本体に接続する。
⇒⇒⇒⇒⇒
カキーン!
コーン!
カーン!
カコーン!
「「「「「お、ぉお~ぅ…」」」」」
大型ディスプレイの映像には、ピッチングマシーンから放たれるボールを悉く、遙か彼方に打ち飛ばす進藤の姿が映し出されていた。
その映像だけで、とりあえず意気消沈するE組男子陣。
「キャプテンの四番、進藤一孝。
去年の都大会でも、打率5割の数字を叩き出した、超中学級スラッガーですね。」
「マジか…」
「凄ぇな、あの球も、かなり速い設定だぜ?」
「よ~し、杉野!コイツは敬遠だ。」
「打ち取りてぇ~!」
中村の意見を軽く否する杉野。
「続いては、ピッチャーの楫木厚です。」
⇒⇒⇒
バシッ!
ズバァン!
ズドン!
ビッシィ!
「「「「「「うっわぁあ~…」」」」」」
野球部エースピッチャー、楫木厚の投球練習の映像を見て、男女問わずドン引くE組の面々。
「楫木の球速はMAX146.5㎞。
持ち球はストレートとカーブ。
以前の練習試合も、9割方ストレートだった様です。」
「あの豪速球なら中学レベルじゃ、ストレート1本で勝てるんだよな、これが。」
竹林の解説に、杉野が補足。
「はい、試合終了の お知らせ~♪」
「「「「「諦めるのかよっ!?」」」」」
そして中村の一言に、男子が突っ込む。
「この2人が目立ち過ぎていますが、他のレギュラー達も決して、油断出来る様な選手ではありません。」
「…まあ、対策は今から考えよう。次はバスケ部だな。」
「はい、奥田ちゃんと律、解説お願い!」
「は、はい!」
「お任せを♪」
≫≫≫
「はい、これが女子バスケの主力メンバーです!」
2日間、女子バスケ部の偵察に出向いていた奥田愛美と、彼女のスマホの中のモバイル律が、律本体に映る画像を解説。
「先ずはバスケ部エース、パワーフォワードの獅子雄実琴。身長176㌢。
特待生としてバスケ部に居るだけあり、スピード、パワー、ジャンプ力、攻守全てに隙の無い選手です!
彼女にリバウンド勝負で勝つのは難しいでしょうが、それを成さないと試合に勝つのは厳しいでしょう。」
「あー、特待の獅子雄ちゃんね…」
「不破さん、知ってるの?」
「小4と中1の時に同じクラスだったんだけどさ、このコん家って、律が言ってた様に特待でないと
「バスケについての情報は無いのね…」
「次はセンター、鷹村守璃。身長183㌢!!
ゴール下の存在感は攻守、いずれにしても脅威的!
180超えの身長も、決して飾りではありません!!」
スモールフォワードの熊耳朱緒、シューターの潘騨爛々…律の解説は続く。
「最後に この4人をコートでフルに活かす司令塔、ポイントガード、バスケ部キャプテンの掛布ランディバー。身長168㌢!
スタメンの中では唯一、身長170㌢を割っていますが、小柄な分、そのスピードは随一!
パスセンスは勿論、時には自ら敵陣に切り込み、その儘 決めるのも当たり前な選手です。
如何に彼女にボールを触れさせないのが課題でしょう。」
「「「「……………………。」」」」
ノリノリな律の解説が終了、想定以上の相手戦力に、言葉を失う女子達。
因みに冴えまくる律の説明の前に、奥田は喋る隙を与えて貰えなかった。
「しかし、ありゃ、マジにヤバいな…」
「ああ、掛布は兎も角、残りの4人が…」
「うむ…冗談抜きにパねぇ…」
「…確かに。」
この女子バスケ部の映像を、一緒に見ていた男子達が呟き合う。
「やっぱり、男子から見ても脅威的?」
茅野が問うと、
「ああ、脅威的ってゆーか、胸が胸囲的?
兎に角ヤバくて、パねぇ…」
「「「「ん。ん。ん。ん。」」」」
ぴしぃ…
「「「「「「うっぎゃあぁあ!!?」」」」」」
男子を代表して答えた岡島の言葉に、そして それに賛同した頷きに女子達の殺気が瞬時に限界突破。
イングラムにKG9、デリンジャーにコルガバが、その場に居た男子達に浴びせられた。
「あんなのは飾りよ!エロい人には解らないのよ!!」
地雷を踏んだ男子達が阿鼻叫喚の悲鳴を上げる中、小柄な緑色の髪の少女が涙目ながら、夜叉の様な形相で叫ぶのだった。
▼▼▼
放課後。
「はい、茅野さん!また3歩歩いたわ!
2歩以内に、可能なら、ボールを持ったら直ぐ、歩かずに体制を整えて投げる!!」
「はい!」
旧体育館に、烏間から女子陣のコーチを任された園川雀の声が響く。
「不破さん! レイアップは膝を柔らかく、体全体で跳ぶ!
ボールはリングに置いてくる感覚よ!」
「は、はい! う~、庶民シュート、舐めてた…」
「よし、5分休憩!
皆、初日よりはマシになってるけど、まだまだ動きが固いわ。
集中力が欠けているわよ!」
「「「「「「「は…はぃ!」」」」」」」
今日で練習3日目だけあり、確かに練習には慣れてきていた。
女子陣が集中力に欠く理由、それは、園川雀が着用していた、エンジ色に2本の白ラインのジャージ。
所謂イモジャーなのだが…
しかしながら園川に、其れを突っ込める勇者は誰一人として居なかった。
「あ゙っあ゙ぁん゙?!」
「「「「ひぇっ…!?」」」」
何故なら この園川、普通に鬼コーチで怖かったから…。
▼▼▼
グランドでは男子達が野球の特訓。
其処では
ブォン!
「速ぇ~!」
「あんなの打てる訳が無ぇ~!!」
殺
スパァ…
「はい、アウトですねぇ…
木村君。もう少し速く、走らないと。」
「マッハで捕球送球するな!」
殺野手が分身で鉄壁の守備を敷き!
更には…
「吉良君、昨日は また夜遅くまで、彼女サンと電話。
楽しげに話してましたね~?
あの会話、甘党の先生が、ブラックコーヒーを飲んでしまう程でしたよ~?」
殺
「………………………………。」
ぷちぶちぶちぶちっ!!
「うらぁ! 死ねや、このタコ!!」
「にゅやーっ!?」
これに煽り耐性が限界突破したのか、手にした【対せんせーラバーシート】をコーティングした金属バットで、殺捕手の脳天目掛け、縦一文字に振り下ろす響。
「待ちやがれ、このタコ!
一遍ぶっ死なす!逝ってこい黄泉比良坂!!」
「にゅやーっ!? ごめんなさい吉良君!
落ち着いて! 少し落ち着いて!」
響と殺
「おいおい…あの殺捕手、一体 吉良に、何を囁いたんだよ?」
しかしながら、分身である殺
まだまだ余裕な殺監督。
≫≫≫
「「「「ゼィゼィ…はぁはぁ…」」」」
何だかんだで、殺監督によるマッハ野球の特訓で、息絶え絶えなE組男子達。
昨日までは偵察で、今日から練習に参加した竹林に至っては、大の字で地面に倒れている。
そんな中、殺監督は
「そろそろ、監督のマッハ野球にも慣れた所で、次のステップに進みましょう。」
「「「「「「次のステップ?」」」」」」
「はい。皆さんは朝、ピッチャー楫木君の投球の映像は見ましたね?」
「ん。カーブもだけど、とりあえずストレートがパなかった。」
「その通り。聞く話では、かなりプライドの高い生徒だそうですから、まさか君達、E組相手に変化球を投げるという選択は無いでしょう。
すなわち、ストレートさえ見極めてしまえば、こっちのもんです。」
「それが出来りゃ…」
「大丈夫ですよ、前原君、これからの練習は、投手が楫木君と全く同じフォームと球種…そして楫木君と
「「「「「「「「「!!!!!」」」」」」」」」
「さっきまでの殺投手の球を見た後では、彼の球なんか、止まって見えるでしょうねぇ?」
「「「「「「「「あ…」」」」」」」」
「そうですね…先ずは、確実にバント出来るレベルまで到達して貰いましょう!」
「「「「「「「「応っ!!」」」」」」」」
≫≫≫
殺投手の仮想・楫木の打撃練習が終わった次は、特別コーチの烏間による、鬼ノックで練習は締め括られる。
「よし、今日は終了だ。」
「「「「「「「ありがとうございました!
お疲れ様っしたー!!」」」」」」」
≫≫≫
「悪い杉野、渚。もう少しだけ、良いか?」
「「吉良?」
君?」
▼▼▼
そして、球技大会の日を迎えた。
獅子雄実琴……………黒神くじら(めだかボックス)
鷹村守璃………………松本乱菊(BLEACH)
熊耳朱緒………………魔王(まおゆう)
潘騨爛々………………甘露寺蜜璃鬼滅)
掛布ランディバー……支取蒼那(ハイスクールDxD)
楫木厚…………………花宮真(黒子)
…を、松井先生風にアレンジした画(一部キャラは身長補正も)をイメージして下さい。