※注意!※
この小説の原作は『暗殺教室』です。
3日目
1時限目:美術
「あー、もう! 本来なら得意分野なんですけどっ?!」
古代ギリシャの彫刻を連想させる動く彫像を前に、菅谷創介は予想外の苦戦をしていた。
今回の期末試験、些か集中力が欠けている菅谷。
その理由と云うのが…
「雷よぉ!」
バチィッ…ごごーん!
何時の間にか桃色のカツラを取り捨て、ポニーテールに結った長い黒髪を露わに。
「あらあらあら? もう、お終いですの?
もう少しだけ、頑張って頂きたい物ですわぁ♡」
「…………………。」
初日の1時限目、国語の時から、自身の直ぐ隣で、凄く嬉しそうでいて物足りなさを思わせる、艶めかしい表情で、
これが仮に喪女さんだったりしたら、別に其処まで気にもならなかっただろうが、大人な雰囲気も併せて持っている美少女さん(しかも きょぬー)が お色気全開の弩S全開で無双されているのだから、気になって気になって仕方がないと云った感じの菅谷。
『俺が集中出来ないのは どう考えても律(偽)が悪い』とでも思っているのか。
「えーい、集中しろ集中!
切り替えろ切り替えろ切り替えろ!!」
しかしながら、この儘で良い訳がないのは解りきってる菅谷は、邪念を棄て祓わんと、目を瞑り、頭を振り回す。
そして再び目を見開くと、何か覚悟を決めた様な面構えで、目の前の動く彫像群を手に持った鎚で粉砕。
新手として現れた、無数の向日葵に向け、立ち向かっていくのだった。
▼▼▼
3時限目:英語
「くっそー! 何時にも増して、パねぇぞ、この英語!」
中高一貫の進学校では、中3から高校の範囲を教え習う事も、さほど珍しくはない。
特に椚ヶ丘で それが はっきりと出ているのが、英語・数学・理科である。
鋭い爪と牙、そして重い尻尾を素早く操り、更には口から炎と吹雪の
今回の期末テストは、正しく それが、具体的な形となり、生徒達に猛威を振るっていた。
≫≫≫
「どいつもこいつも、このラスト問題で殺られてるだろーな…
だが俺は、テメー等 雑魚とは違うぜ!」
A組、5英傑の一角、瀬尾智也がロケットランチャーを構える。
「…確かに停学喰らって、他の教科のイマイチ感は否めないが、英語は別だ。
親の仕事で1年半、
その時に基本的な会話は充分に覚えた!
停学なんざ関係ねー!
この程度の問題文、単語や文法は全て その範囲内なんだよ!」
bnmb!
そう叫びながら放ったランチャーが、ドラゴンの頭部に命中した。
「見たか! 今更、日本の中学レベルで躓くかよぉ!」
しかし、自信満面で放った その攻撃は完全攻略には至らず、
ガシッ!
「うがぁっ!?」
ドラゴンの反撃の爪を受けてしまう。
「…バカな? 何故 倒れない? 満点解答の見本だぞ!?」
「…単語 直訳したの、単に並べ変えて文章作りゃ良ってモンじゃねーよ、ターコ!」
「吉良ぁッ?!」
其処に現れたのは響。
BOMB!!
茫然としている瀬尾に悪態を吐きながら前に立ち、肩に担いだ6連ミサイル砲を一斉発射させた。
ずしぃん…
「な…何だ…と…!?」
崩れ落ちるドラゴン。
その
ずどぉん… ばったーん… どさぁっ…
「はぁあっ?!」
更に瀬尾の目の前で、中村莉桜、不破優月、そして渚が、各々の
「満点解答!? E組如きが…だとォ?!」
「知ってる〜、優等生?
吉良っちも言ったけどね、こーゆー和訳はねぇ、只単に直訳すりゃ良いって訳じゃないのよ?」
「問題文、小説から引用されてるのに気が付かなかった?
原作に添った言い回しでないと、減点されるよ?」
中村と不破が、自分なりに感じた出題者の意図を説明する。
事実、今回の英語の試験は問題文が有名小説から引用されており、普段の生徒の読書量や、臨機応変さも採点基準に加えられていた。
「…てゆーか、瀬尾よぉ…」
更に響が言葉を続ける。
「お前…2年の時も、アメリカ帰り自慢してたけどよ、ぶっちゃけ発音、てんでダメダメだったぜ?
バラエティーなんかで、〇〇地方の方言に訳されるアクセントだ。
あれじゃ多分、最初の発音問題も撃沈してるだろな?」
「何ィ?」
「英語自慢したいなら、せめて中村ちゃんみたく、英国仕込みでないとな…」
「ふっ…止せよ吉良っち、照れるぜ…w」
「いや…照れるて人は、其処でドヤ顔なんてしないから…」
ドヤ顔の中村に、ジト目で突っ込んだのは渚である。
「くっ…俺に勝った位で、良い気になるなよ、吉良!
何故なら
「次の お前の台詞は、『俺は5英傑の中では一番の雑魚!5英傑に入れたのが不思議な位のな!!』…だ。」
「違ぇーよ!」
不破の横入りの台詞に、顔を真っ赤にして怒鳴る瀬尾だが、
「あ~、瀬尾、瀬尾?」
「あ゙ぁ!?」
更に響が割って入る。
「どーでも良いが、放っといて良ーのか?あれ?」
「へ?」
スオォォォォぉ…
響が指を指し示す先には先程、瀬尾が倒し損ねた
「う…うわあぁぁぁぁぁぁぁあ~っ!?」
「「「南~無~…(ー人ー)」」」
ぶぉおおぁ〜〜!!
そして そのドラゴンの吐く灼熱の炎の
▼▼▼
「へ~、歳は、本当に、同い年なんだ?」
「ええ。本当の学校の試験は、明日からなの。
父から詳しい事情は聞かされてないけど、結果的には今回の事は、私自身も成績アップに繋がってるから…」
「ところで…ねえ、律? ウチの男で、誰か気になったの、居る?」
「え?」
「…じゃないわよ。」
「気付いてないの?」
「あなた、男子の間じゃ、かーなーり、評判良いのよ?」
「え? そうなんですか?…そうですね~、私的には…」
3時限と4時限の間の休憩時間、律(偽)を中心に女子達はトークを盛ってる。
「残るは数学だけだね。」
そうした中、響達は3時限目の事を話していた。
「どーよ、カルマ?」
「ははは…吉良っちもだけどさ、皆、目の色変えて、力み過ぎじゃない?♪」
「おぅ、余裕だな?」
「まあね…『勝ち』って、そーゆうんじゃないと思うんだよね。
通常運転でサラッと勝つからこそ、完全勝利なんだ。」
「カルマ?」
「まぁ見てなよ。正しい勝ち方…
「カルマ君…」
▼▼▼
4時限目:数学
「シャババババ!」
頭に2本の巨大な角を生やした、単眼の武神【問1】が暴れまわる。
「最初っから こんな難問かよ!?」
「いきなり時間を削らせる気だな?
皆、コイツは後回しだ!
出来る問題から片付けよう!」
磯貝が皆に指示を飛ばすが、それを無視するかの如く、寺坂竜馬が問1に立ち向かって行く。
「止せ寺坂! 無理するな!!」
磯貝が制止を呼び掛けるが、
「大丈夫だ! コイツはなぁ…ヤマが大当たりなんだよ!!」
ぐぃ…
そう言うと寺坂は敵の首を自分の右肩に抱え上げてホールドし、更に両腿を両手で掴んで大きくジャンプ、
「う~りゃあっ!」
そして自らも尻餅を搗く形で地面に勢い良く落ちる。
ドンッ!!
その技…首折り、背骨折り、そして股裂きの3つの技が一度に決まり、問1は二度と立ちあがる事はなかった。
「だから言ったろ…大当たりだってよ!」
「…やるな、寺坂!」
そんな寺坂に頼もしさを感じた響も、
「それじゃ俺も、サクっと殺りますか!」
目の前の問1を見据えるのだった。
≫≫≫
「何? この、如何にも『ラスボスです』って感じの風体は?」
響の前に、ラスト問題【問20】が降臨した。
身に纏っていた真紅のマントを脱ぎ捨てると、胸に日輪をイメージしたかの様なマークが刻まれた、全身を白銀の鎧に身を包んだ闘神が、其処に居た。
3本角の仮面の下から見える眼が不気味に光ると同時に、響に攻撃を仕掛ける。
≫≫≫
「でぇい!」
数度の激しい攻防を経て、敵を宙に高く投げ飛ばす響。
直ぐに落下地点に位置を取ると、その場でブリッジ、
「やっ!」
その上に落ちて来た敵を腹筋の力で、もう一度 天高く跳ね上げると、自らも
ガキィッ!!
相手の両腕を首の後ろでクロスさせて掴むと右脚を首に掛け、左脚は相手の左脚を極めるという、技の掛け手自身にも、かなりの柔軟性を求める
しかし、この響の繰り出した技は それだけで終わらず。
首をロックしていた右脚を外すと、今度はフリーになっていた相手の右脚をガッチリと固め、その儘 相手の身体を背中で包み込む様にブリッジする形で、
ガガァン!!
地面に激突させたのだった。
「あ~、しんどかった!」
途中、闘神からの攻撃により、ダメージを受けた首筋を押さえながらも、完全攻略の手応えを感じた響。
『もう此処には用は無い』とばかりに、まだ戦っているクラスメートを気遣いながらも、
≫≫≫
こうして2日間に渡る攻防の末、全ての
暗殺、賭け…全ての結果は、答案用紙に付けられた赤い
そして3日後…全教科の採点が終わった。
『偽』律の容姿は姫島朱乃(ハイスクールDXD)のイメージで。