体育祭の日が やってきた。
「あ~ん!1位獲れなかったよぉ~!」
女子徒競走にて、暗殺訓練の成果もあり、かなりの身体能力を得ている矢田だったが、順位は2位となる。
「ま、矢田は仕方無いちゃ、仕方無いよな。」
「…だよな。胸元に あれだけ、重量的にも空気抵抗的にもハンデ背負っていt(ガン!)わばぁ!?」
「「「「お、岡島ぁーーっ!?」」」」
「うがーーーっ!!」
「カエデちゃんも、落ち着いて?!」
≫≫≫
「凄えぜアイツ等!何の抵抗も無く、網の中を進んでやがる!?」
障害物競走の障害の1つ、ネット潜り。
茅野が その網の下、地面と接している胸部との間に
しかし、此処での快走も及ばず、結果は2位に。
「ふっ…」
そして1位を獲り、茅野に対して勝ち誇ったドヤ顔をしているのは、茅野以上の抵抗の無さで他者の追随を許さず、先に網を潜り抜けていた、バスケットボール部主将、3年B組の掛布ランディバーだった。
「く、悔しくなんて、無いんだからね!」
≫≫≫
「前原~、お前、何やってんだよ?!」
「俺じゃない! 岡野だ!!」
「…ふん!」
二人三脚にE組代表として出場した、前原と岡野。
序盤は息の合った走りを見せ、トップに躍り出るが、終盤に前原が突如として体制を崩して失速、ゴール時には3位となっていた。
「いきなり岡野が、脇腹に肘鉄打つからだよ!」
「アンタが どさまぎで お尻、触ろうとしたからでしょうが! この変態セクハラ男!!」
「はぁ? 誤解を招く発言は止めろ!
腰に手、回そうとしただけだし?」
「「「「「「前原、お前が悪い!」」」」」」
≫≫≫
「あ…あの…ビッチ先生?」
「ん? 渚、どーかしたの?」
借り物競争に出場していた渚が、イリーナに声を掛ける。
「その…僕の御題が、『ちてきな女性』だったから…」
「なぬ? 知的な女性?!
なぁぎさぁ~~~!
あんた、分かっているじゃないの~~♡」
「うぷぷ…?! ビ、ビッチ先生!? 苦ひいってば!!」
…渚が拾った御題の札には、『痴的な女性』と書かれていた。
そして渚がイリーナに話し掛けた際の、公開
見事、1位を獲ったのだった。
「むっきー! 何だか納得イカないわ!」
≫≫≫
パシャパシャパシャパシャパシャパシャ…
「良いですよ、皆さん! もっと楽しそうな笑顔で!」
そんなE組の奮闘を、親バカ丸出しでカメラに収めている人物。
菅谷プロデュースの特殊メイクで、他者に怪しまれる事無く?E組サイドでシャッターを連打している殺せんせーである。
「皆さんの勇姿、先生特製の卒業アルバムに しっかりと収めますから!」
「気合い入ってるね、殺せんせー?」
「ヌルフフフ…当然です!
2学期になってから先生、主役なのに出番が少な過ぎますから!
この前、ガラッと教室の扉を開けて、一言喋っただけですよ?!」
「殺せんせー…」
「はい?」
「主役の心算だったんだ…?」
「にゅやーーっ?! 不破さーーーん!?」
そして、
「よし、俺達の出番だ! 皆、行こうか!!」
「「「「「「「応っ!!!!」」」」」」」
磯貝の呼び声に、体育祭公式プログラムの締めの競技である、男女混合800㍍リレーに出場する、響、木村、杉野、岡野、片岡、中村、速水が応じ、立ち上がった。
▼▼▼
リレーを前にして3年の優勝は、A組、B組、そしてE組に絞られていた。
現在学年トップのB組を抑えてE組が優勝するには、このリレーで1位を穫るのは当然として、更にB組が3位以下にならないと駄目だと云う、かなり厳しい状況だった。
バァン!
そして、リレー スタート。
第1走者の岡野が軽快な走りを見せ、暫定トップで第2走者の杉野にバトンタッチ。
その後も片岡、磯貝、速水、響、中村と首位をキープし続け、
「ほいっ! 後は任せた!」
「任された!!」
アンカーの俊足・木村にバトンが渡る。
少なくとも、このリレーの1位はE組が確定となった。
…しかし、
「…くっ!」
「な…?」
暫定2位のポジションを走っていたA組のアンカー、浅野がB組のアンカーである進藤に追い抜かれ、其の儘 進藤が2位でゴール。
『B組、野球部主将、進藤が執念の追い上げ!
リレー自体は2位に甘んじるも、総合では学年トップを死守!
E組の優勝を、見事に阻みました!
3年の優勝は、B組となりましたぁっ!』
額に包帯、右頬に絆創膏、そして左目には眼帯、更には身体中を痛々しい姿にした、荒木の嬉しそうな声の実況が、校庭に鳴り響いた。
≫≫≫
「…ちょっと待て、浅野!」
「……何だい?」
A組サイドに戻ろうとした浅野を、進藤が呼び止める。
「さっきのは一体、何の真似だ?
お前、わざとスピードを落としただろ?!」
「…何の事だい?
君達が学年トップを獲れたんだから、それで良いだろう?」
「…其処迄して、
「E組は常に、ENDの象徴でなくてはいけない…この学校の理念に従っただけさ。
例え、
「お前…!」
それだけ言うと、浅野は改めて、A組サイドに歩を進めるのだった。
…そして、体育祭の真の〆の競技、本校舎選抜チームvsE組の、棒倒しが始まる…。