暗殺聖闘士   作:挫梛道

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体育着の時間

「…で、吉良っち? 吉良っちだけが、個別に あの理事長先生から貰った権利って、一体何よ?♪」

「ま、秘密って事で。そっちのが面白いだろ?」

「「「「「「いや、そんな面白味、要らねーから!」」」」」」

中間試験、そして その結果発表も終わり、それに伴う賭け…浅野(坊)による署名のイザコザも終わった ある日の朝。

響は試験の結果、E組と本校舎勢との、その賭けによって個人的に得た『ある権利』について、直接に その件で理事長との やり取りを聞いていた磯貝や、カルマ達から問われていた。

 

「心配しなくても、俺達E組には、何のダメージも無い事だから。

その上で、本校舎側(やつら)には、最高に嫌がらせになる…みたいな?

理事長先生からも椚ヶ丘の教育者として、歓迎すべき事として、既にOK貰ってるし。

期末テスト前…12月の全校集会の時にでも、爆弾落とす心算じゃないの? あの人?」

「「「「「き、気になる…」」」」」

「1つだけ言うなら…今の俺達からしたら、殺せんせーを殺る…とは別の、もう1つの目標に関係有ると言えば、有るかな?」

「「「「「「…???」」」」」」」 

余計に解らなくなるE組の面々。

 

≫≫≫

 

ガラ…

 

「起立!(ガタッ!ガシャガシャガシャガシャガシャ!!)…って、烏間先生?」

「やあ、皆、おはよう。」

「「「「「「「「お…ぉはよぅござぃまーす…」」」」」」」」

予鈴が鳴ると同時に教室の扉が開き、てっきり、暗殺ターゲットの黄色いタコが入ってくる物だとばかり思い、磯貝の号令と共に席を立ち、それぞれが(エアガン)を構える中、顔を見せたのは烏間惟臣。

 

「どうかしたんですか、烏間先生?」

「あのタコと間違えて、蜂の巣にする処でしたよ?」

いきなり登場の副担任に、銃を納め、質問する生徒達。

 

「この朝のホームルームの時間を借りて、皆に報告しておく。

今後の…体育の授業を含めた、暗殺の訓練についてだ。」 

「「「「「「???」」」」」」

烏間の言葉に、皆が大小様々な疑問符を教室内に巻き散らしていると、彼の部下の3人…鶴田、鵜飼、園川が、大きなダンボール箱を持って入ってきた。

 

「おおぉ~う…!!」

「これは…?」

「か、かっけーっ!」

皆に配られた、ダンボールの中身…それは真新しい、正しく技術大国 日本・MADE in JAPANを駆使した結晶と云うべきな、戦闘服…もとい、体操着。

 

「本日から その()()()で、体育の授業を受けて貰う。

今迄のジャージでは今後 行われる、ハードな訓練は耐えられんからな。」

「「「「「「「は…はいっ!!」」」」」」」

特殊強化繊維で編まれた黒のアンダーウェアと同素材のグローブ。

そして その上に着る、やはり様々な仕組みが込まれているダークグリーンの強化レザー製の軍服…もとい、体操着には要所に大小のポケット、パイザー付きのフード、肘と膝を保護する為のパッドも完備。

襟口を閉じる金具にはゴールドの、の文字を象ったバッジが飾られている。

尚、男女で多少?デザインは違っていた。

   

「先に言っておく。それより強い体育着は、地球上には存在しない!」 

 

≫≫≫

 

どん!

 

「にゅやーーーーーーーっ!!?」

昼時 校舎裏の山で、生徒達に隠れて(…な心算でバレバレ)1人、高級食材ふんだんなバーベキューを楽しもうとしていた殺せんせー。

程良く肉が焼け、いざ「頂きます」とばかりに網の上の食材に触手()を伸ばした瞬間、背後の崖から そのバーベキュー台 目掛けて、中村が背中から落下。

それによってバーベキューセットは無惨にも飛散してしまう。

 

「凄い…あの高さから落ちたのに、痛くも熱くもない…?」

「ななな、中村さん!?

あなたは何処から落ちてくるんですか?」

新しく支給された、超体育着の性能・防御力に驚く中村。

そして いきなり降ってきた中村に驚く殺せんせー。

 

「「「「ひゃっはーっ!!」」」」

 

どどどん!!

 

更に続く様に数人の生徒達が、隠れて焼肉していた黄色いタコ目掛け、ナイフを片手にダイブ。

 

「こっのタコが! 俺等に黙って、1人で焼き肉かよ!!」

「没収だ、没収!」

「応!(ガッ)美味いじゃねーか!」

「あっ、吉良! テメー1人だけズリーぞ!?」

「吉良っち、私にも頂戴よ!」

「にゅやーーーっ!? 止ーめーーてーーーーっ!!」

 

≫≫≫

超体育着。

軍と企業が共同開発した強化繊維製。

耐火性

耐熱性

耐寒性

耐電性

耐水性

引っ張り耐性

斬突殴断射落等の各種衝撃耐性…

等々等々、あらゆる要素が世界最先端な、MADE in JAPAN(2回目)。  

烏間は止めたのだが、生徒達は『どうせ隠していても直ぐバレる』と、それなら 嫌がらせ 実演込みで、新装備の御披露目を実行。

それは隠れて食そうとした焼肉の邪魔だけでは終わらず、

 

パンパン!

 

「にゅやっ!? だ、誰ですか?りん〇ー先輩の読者サービスカットをインク塗れに したのは?」

読書(ジャンプ)の邪魔、果てには、

 

「うがーーーーっ!!」

 

どごんっ!!

 

「にゅやーーーーーーーっ!!?」

「か、茅野? 落ち着いて!」

窓ガラスを破っての強襲突撃、グラビアアイドルをモデルに製作していた胸像(ロケット)(推定G)の破壊と、超体育着の性能、防御力を遺憾無く発揮、存分に見せ付けた。

尚その際に、ガラスを破壊した茅野、渚、カルマが烏間から普通に説教されたのは、ご愛嬌。

     

≫≫≫

「因みに、男女のデザインが別々なのは、私のアイデアよ。」

「「「へ~?」」」

この日の放課後。

イリーナの特別外国語教習が終わり、その儘 駄弁りタイムに入ったE組の教室。

話す御題は必然的に?超体育着の話になっていた。

        

「男は兎も角、女子には もう少し可愛さを求めるべきなのに、カラスマは そーゆーのには、無関心だからね?…だから、律?」

「は~い♪」

ここで教室全員が、後ろの席の律(本体)に注目。

 

「先ずは、パターン①。男子のヤツね。」

 

パッ

 

イリーナの言葉に合わせ、液晶モニターの律が、男子の超体育着に早着替え。

両手に対せんせーナイフを手にして、ポーズを取る。

        

「最初は女子も、コレだったのよ。

次、パターン②。女子、正式採用版。」

 

パッ

 

今度は女子の体操着。

ダークグリーンの上着が長袖長ズボンの男子の それと違い、女子は半袖セパレート、ショートズボンの形状。

画面の中の律が、自動小銃を構えたポーズを決める。

手足、そして腹周りは黒のアンダーウェアが剥き出しとなるが、素材は一緒な為、防御力には大した違いは無いとの事。

 

「ん。こっちのが断然 良いよね。」

「流石はビッチ先生。」

「なんだかんだで、女子の気持ち、解ってるよね。」

「そーだよね~。言っちゃ悪いけど、烏間先生、そっち方面はダメダメだからね~!」

このイリーナ案は、女子からの評判は上々な様で、

「ふっふ~ん! でっしょ~う?」

得意気なドヤ顔になるイリーナ。

因みに男子の半数近くは「どっちでも良いし」な、興味無さ気な顔。

 

「…でも、結局はボツにされたけど、私の一推しは こっちだったのよ!

律、パターン③!!」

「は~い♡♪」

調子に乗ったイリーナが、「更に讃えろ」とばかりに自身の一推しとやらを自信満々、律に着替えを指示。

 

パッ

 

「「「「おおおおおおぉ~っ!!」」」」

「「「「はぁあああああっ??!」」」」

「「「「うおぉぉおお!?」」」」

「「「「えぇええええ~?」」」」

ノリノリな律が衣装換装(ドレスチェンジ)すると、教室内に歓声と喚声が交差する。

E組の皆が注目した液晶モニターには、アンダーウェア無し、下は上着素材の超ミニスカートに、上も同素材の黒ビキニだけ…

一応スカートの下には、アンダーウェアと同素材の黒のビキニパンツという、体育着でも防護服でも なんでも無い、謂わば『危ない水着』を装備した少女が、その衣装に相応しい せくしーぽーずを披露。

 

「「「かっはぁっ?!」」」

既にイリーナを超えた、自称・成長期な爆弾体型での そのポーズは、数人の男子生徒を着席した姿勢で更に前屈みにさせるには充分な爆発力だった。

 

「何考えてんのよ!このビッチ!!」

「こんなの着れる訳無いじゃない!」

「ナメてんのかよ!?」

「巫山戯とるな…」

「むっきーっ! 何ですってー!!?」

「いやいや、これはコレで、別に良いんじゃないk(ガンッ!)キャミーっ?!」

「お、岡島ぁ〜っ?!」

このパターン③は当然ながら、一部を除き、男女から大不評。

そして このパターン③に肯を示した一部の男子は当然ながら、女子達に〆られた。

 

≫≫≫

「…あっの堅物、結局ヒントにも気付かず、何のプレゼントもくれないし!

食事に誘ったりするの期待して、予定開けてたのに、有り得ないわよ!!」

体操服の話は一段落。

続く話題は、先日に訪れたイリーナの誕生日の話。

E生徒一同とE組担任は、1週間位前からの、本人の然り気無い(わざとらしぃ)アピールで察して、プレゼントを渡していたのだが、どうやら副担任は全然気付かなかった様だ。

             

「へ~? それじゃあビッチ先生、バースデーの夜は ぼっち先生だったんだ~?」

「「「「「ぷっぷぅーーっ!?」」」」」

このカルマの一言が大ウケ、数人が吹き出してしまう。

                          

「なぁ!? だ、誰が ぼっちだ? 誰が?!」

それに対して、顔を真っ赤にして怒る ぼっち先生。

 

「あーっ! 不愉快! 今日は もう、喋るの お終い!!」

 

ピシャッ!

 

そして其の儘、教室から出て行った。

 

「あ~ぁ…カルマ君、ぼっち先生、行っちゃったわよ?」

「…今、結構マジに怒ってなかったか?」

「ん~、明日の朝には、元の調子に戻るっしょ?

それに大ウケした吉良っちや櫻瀬さんだって、同罪と思うけど?」

 

≫≫≫

「あ゙~、もう何なのよ!

カルマもヒビキもリオもソノも(中略)リンカもトーカも!

とりあえず、笑い過ぎだろーが!!」

ぼっち先生…それは かなり悪い方の壺に入ったのか、激怒(げきおこ)な顔の儘で下山するイリーナ。

 

「そもそもカラスマが、誕生日に お誘いでなくても、何かしらのプレゼントをくれてたなら、其の儘…ブツブツ…」

学校の敷地を出て、住宅街の中でも、周囲を気にせず其の儘の顔でブツブツ言いながら、歩いていると、

「おい…イリーナ?何か あったのか?」

その普通ではない雰囲気故か、知っている声から呼び止められた。

 

「……カラ…スマ…?」

 




 
 
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