暗殺聖闘士   作:挫梛道

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球技大会(秋)の時間

11月末日。

この日は学内にて、12月の期末テストの前、最後のイベントとも言って良い、球技大会(秋)が行われる日である。

今回の種目は、男子がサッカー、女子がバレーボール。

…なのだが、

 

≪≪≪

約1週間前。

 

「期末テスト前に組むプログラムじゃないよな~?」

「暗殺もタイムリミット迫ってきたし。」

「確かに。サッカーやバリボーの練習、やってる場合じゃねぇぜ!」

「そーゆー事で今回は、浅野(おぼっちゃま)に花を持たせてあげる方向で。」

「「「「「「おーぅ(棒)。」」」」」」

…な具合に男女共に、今一モチベーションの上がらないE組の面々。

彼等は既に その先の、期末テストに標準を絞っている様だった。

しかし、その消極的姿勢に難色を示す人物が1人。

 

「いやいや皆さん、試験も確かに大切ですが、折角 参加するからには、やはり優勝を目指さないと!」

顔をサッカーボールとバレーボールのハーフ&ハーフにしている殺せんせーである。

 

「いやいや、優勝って、E組(おれら)、1学期の野球と同じく、クラス対抗のトーナメントからは外されてるから。」

「ん。サッカー部とバレー部と対戦だからね。」

この球技大会は、4月…即ち新年度の時点で既に、学内行事として多分に漏れず、E組を専門職相手に晒し者とする目的で組み込まれていた。

 

「勿論、簡単に無様晒す心算は無いんだけど…

ぶっちゃけ、椚ヶ丘(ウチ)のサッカー部って、どうなんだ? 前原?」

「ん~、野球部と比べてみると~…な、都内でも そこそこな実績。

でも素人集団相手なら、充分に無双出来るぜ?」

杉野の問い掛けに答える、元·サッカー部の前原。

 

「因みに女子バレー部は?」

「ん~、集会なんかで、地区大会の結果発表とかされたの、見た事無いし…

まぁ、それなり…じゃないかしら?」

…つまり、男女共に、素人集団である自分達では、勝つのは難しいと。

 

「いやいやいやいや!

諦めたら そこで試合終了ですよ!!

君達は1学期、野球部とバスケ部に勝てたじゃないですか?!

今回も勝ちに行きましょうよ~?

私が また烏間先生に お願いして、暗殺とサッカーとバレーの特訓が両立出来るメニューを組んで貰いますから~!

サッカーとなると、君の見せ場ですよ?

ね? 前原君 ! 次回は『前原の時間』ですよ~?」

「ちょ…あ、足に しがみつくな!」

「メタるな!」

「泣くな、泣くな!!」

…結局は安〇先生に扮したタコの、涙ながらの説得に折れてしまうE組の面々。

 

≫≫≫

「…先ずは、スタメンと、そのポジション決めだな。」

「前原は、やっぱしFW?」

とりあえず男子の方は、元サッカー部の前原が中心となって、レギュラーを決める話し合いが始まった。

 

「いや、俺は中盤に下がる。」

「ん。このクラスで、ゲームメイクが出来るのって、前原しか居ないからな。」

「確かに、こういうのは素人よりか、経験者に任せたのが良いよ。」

「「「「それと寺坂。とりあえず お前、キーパーで決まりな。」」」」

「テメー等、どーゆー意味だ? 固羅ァ!!?」

…そんなこんなで、女子の方も片岡が中心となったミーティングでレギュラーも決まったり、その後も それぞれの競技と暗殺の特訓が両立出来る訓練メニューをこなしたりで、球技大会当日に至ったのだった。

                  

▼▼▼

「う~む…」

「これは…」

「ケッ! 面白いじゃねーか!!」 

第1試合のA組vsD組の試合がグランドで行われているのを見ながら、渡された球技大会の組み合わせ表を見て、様々な反応を見せる、E組男子。

 

「野球の時の()()を踏まえて…ってヤツだね~♪」

その紙に記されていたのは、変則的なトーナメント表。

A~D組のクラス対抗トーナメントの隣に、特殊ブロックとして、サッカー部vsE組が書き込まれてあった。

万が一、E組がサッカー部に勝利した場合、リアル・ファイナルとして、トーナメント優勝クラスとの試合を行う仕様。

これは現在、体育館で行われている女子のバレーボールも同様な仕組み。

 

「あの負けず嫌い…いや、負ける展開が嫌いな お坊ちゃんが進んで、こんな進行して来るか~?」

「俺達が勝てる訳が無いと、余っ程サッカー部を信用しているのか…」

「いや、アイツが他人を信用するとか、有り得んぞ。」

「ん。"唯我独尊"を地で行ってる様な奴だからな…」

「それじゃ、自分達が勝つ自信…秘策か何かが有るとか?」

「「「「う~~~~む…」」」」

 

ピッピー!

そんな会話をしていく内に、試合終了。

7-0のスコアで、A組がD組に勝利した。

 

≫≫≫

そして試合は決勝戦まで進む。

決勝カードはA組vsB組。

 

わーわーわーわーわーわー…

 

「「「「…………………。」」」」

「なぁ…意外と両チーム共に、結構 良い動きしてないか?」

「ん~、確かに。」

その試合を見ながら話す、E組男子。

 

「あ~、アレな…」

「杉野?」

「進藤から聞いたんだけどさ、本校舎側(アイツラ)、先週から体育の授業、サッカーやってたんだと。

ついでに女子は、バレーボールらしい。」

「マジか?」

「応。しかも、部活練習レベルのガチな内容だったらしいぜ?」

「俺達の最近の体育ってーと…」

「烏間先生のハンティング。」

「烏間先生との模擬戦。」

「烏間先生&タコとのケードロ。」

「「「「「…一般的な体育の授業じゃねーよな…。」」」」」

…そんな会話の中、試合は進んで行き、

  

ピーーーーーッ!

 

「く…!」

その笛の音に、思わず顔を歪ませるA組・浅野学秀。

前半終了間際、B組・進藤の放ったシュートが決まり、1-3。

B組の2点リードで折り返しとなった。

 




 
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