ティグレ・ソラン【スペイン】
(Tigre・Solana)
アギラ・ピノ【アルゼンチン】
(Aguila・Pino)
レイザー・ファスト【イングランド】
(Razor・Fast)
ユング·ヴァルド【ドイツ】
(Jung·Wald)
…以上、浅野君が今回の球技大会の為だけに、
容姿は…それぞれ名前を和訳してみれば、解る人は察せる?
【お詫び&注意】
この小説の改行や空白調整は、作者のスマホ基準としております。
読者様のケータイ機種によっては読み辛く感じる可能性が有りますが、承知と理解をよろしく願います。
m(_ _)m 外国語の指摘は堪忍して下さい
ノーサイドという言葉がある。
ラグビーで、試合の終了を差す言葉だ。
原義は、試合が終わった瞬間に敵味方の区別がなくなる事。
試合終了、その戦いの後、互いの健闘を讃え合うという精神である。
それに習ってか、E組とサッカー部がフィールド上にて互いの健闘を合っていた時、
「あ~、話している処 済まないが、サッカー部の諸君は、速やかにグランドから退散して貰えるかな?
今からA組vsE組の、リアル・ファイナルを始めるんでね?」
「「「「「!!????」」」」」
まるで空気を読めていない台詞が乱入してきた。
「浅野お前…本気で言っているのか…?」
A組・浅野学秀である。
「ああ、勿論さ。
万が一、E組がサッカー部に勝った場合、特別試合を行うのは決定事項だ。
不本意だが野球の時に、あんな実例を作ってしまった為にね。」
「そういう意味じゃねーっ!」
そう言って浅野に詰め寄っているのは、サッカー部(元)キャプテンの属。
「
最低でも10分程度のインターバルとか、入れるのが普通だろうが!?」
「そ、そうっすよ! 連戦とかて、有り得ねーし!!」
「おぃ…属? 大橋?」
「クス…随分と、彼等の片を持つんだね?」
まさか、
「この試合、決定事項と云っても同時に、イレギュラー・プログラムでも在る事は変わりが無いんだ。
僕は今回の実行委員長として、球技大会を早く締める義務が有る。
だから、さっさと試合を始めたいだけなんだが?」
「お前…いくらE組を蹴落としたいからって…プライドが無いのか? 」
「いや、そーゆー りゆーなら、しかたないだろー?な?まえはらー?」
「「!!?」」
連戦…それを然も当然だと言う浅野に、不快な感情を全開する属だが、その遣り取りに棒読み口調な台詞で、割って入る男が1人。
「吉良?」
吉良響である。
「戦るんなら、さっさと始めようぜ? な?お・坊っ·ちゃん?」
「…その呼び方は止めろ…!」
その嫌み有る言い方に、明ら様に嫌な顔をする浅野。
≫≫≫
「アサノ、本当にアイツ等は休憩もせずに、俺達と戦る心算なのか?」
「ああ。彼等は『僕達相手に休憩は不要…良いから早く試合を始めろ』…と、言ってきたんだ。」
「俺達を舐めてるのか…?
それとも、既に試合を投げてるのか?」
コイントスにより、最初のボールを得たのは、ジャージの上に白のゼッケンベストを纏うA組。
センターサークル内で、海外留学生、ティグレとアギラの2人が、連戦する形となるE組について、スペイン語で聞いてきた。
それに対して、浅野は やはり、スペイン語で
但し、その内容は出鱈目では有るが。
「ふん…」
「どちらにせよ、俺は手は抜かん!」
≫≫≫
「はぁ~…、また お前は勝手に…」
「ぃゃ…ホントウニゴメンナサイ…」
一方、フィールド上に定位置に着いたE組サイド。
勝手に連戦を承諾した響に、磯貝が呆れ顔で溜め息を零す。
「まぁ良いじゃねーか!
コイツの自己チューは、今に始まった訳じゃねーし、いい加減 慣れろ!!
それに、相手はA組だぜ?
それくらいのハンデ、認めてやれや!」
「…………………………………………。」
本人の前で、ディスってるのかフォローしてるのか判らない(恐らくは両方)発言をしているのは、寺坂だ。
※※※※※※※ E組・対A組先発オーダー ※※※※※※※
FW 前原 岡島
MF 堀部
木村 杉野 村松
DF 寺坂 三村
磯貝 赤羽
GK 吉良
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ピーーーーーーーーーーーーーッ
ポン…
キックオフの笛の音と共に、浅野がボールを軽く蹴り、隣に立っていたアギラにパスし、
ポン…
アギラは やはり直ぐ傍に立っていた、ティグレにパス。
「HAUWAAAAAAAAーーU!!!!」
「「「「「!!????」」」」」
そして そのティグレが、自分の足下に来たボールを、猛々しい咆哮と共に、
ズガシャァッ!!!!
センターサークル内、その場のグランドの土を激しく抉り削りながらの、超ロングシュートを撃ち放った。
バキィッ!!
「ドイヒーーーーーーーーーーーっ!!?」
「「「「お、岡島ぁああ?!」」」」
しかし その、ゴールに向けて一直線に放たれたボールは、偶々その軌道上に立っていた岡島の顔面を直撃。
「寺坂、一旦 外だ!」
「お、応!」
ポン…
ボールのフォローに入った寺坂が、磯貝の指示でボールをフィールドの外に蹴り出し、一時 試合を止めた。
岡島→OUT
吉田→IN
「岡島、仇は討ってやるぞ…」
「お前の犠牲、無駄には しない!」
「…教室では常時、グラビア雑誌鑑賞か、カメラ越しに女子を舐める様に追い掛けてるわ、真夜中の校舎では全裸で走り回ったりする様な変態だったが…決して悪いヤツではなかった…!!」
「弔い合戦だ!」
「いや、お前等…別に
改めて決意を固め、険しく顔を引き締める響達に、やや引きしながら突っ込んでいるのは、磯貝である。
≫≫≫
ドガァッ!
「うっゎ…くっそ!」
「な…なんちゅードリブルだよ?!」
試合再開後も、A組の猛攻は止むことは無い。
スローインからのボールを受けたティグレは再び その場から、あの地面を抉りながらのシュート…を撃つ事は無く、今度はドリブルで進軍。
ブロックに入った吉田を、交通事故さながらに吹き飛ばした。
「磯貝、杉野! その18番に、2人掛かりで付け!」
「わ…分かった!」
「了解!」
響の指示で、ティグレに2人掛かりでマークに付く2人。
「ティグレ! こっちだ!!」
「…………。」
ポーン…
無理をすれば、別に躱せなくは、抜けなくは無い…
しかしスペインのクラブチームのエースは、より確実な試合運びを優先させ、逆サイドを走るアギラに向けて高い浮き球を蹴り渡す。
パシィ…
それを受け取り、ドリブルで進むアギラ。
「行かせるかよっ!」
それを寺坂が止めに入るが、
「………。」
「んなっ…?」
フェイントを混ぜた、巧みなボールキープで それを突破。
バシィッ!!
そして直接、ペナルティーエリア外からのロングシュート。
ガッシ…
しかし、この天空から獲物を見つけた荒鷲が、急降下から その獲物目掛けての低空飛行の様な鋭い一撃は、
「Que?!」
「いってぇ~~~~~~~!!?」
響の両手に受け止められる。
「ば…馬鹿な…俺のシュートを止めただと?」
「アサノ…ヤツは前の試合も、かなりな守備を見せていたが…アイツはJaponのクラブユースの代表か何かなのか?」
「いや、そういう訳じゃない…
唯単に、油断ならない奴…なんだ…。」
自身のシュート、或いは その実力を認めている者のシュートを、如何に距離が有ったとは云え、完璧に防がれた事に驚きを隠せないアギラとティグレ。
「次は…決めてみせる!」
≫≫≫≫
「吉田、村松! お前達はボール関係無く、17番に付いてくれ!」
「ぉ応…って…」
「良いのかよ? もう1人の外人にも、既に磯貝と杉野が2人、付いてるんだぜ?」
「大丈夫だ! 問題無い!!
厄介なのは海外組だけ、残りの
「「お…応!」」
ティグレに続き、アギラにも、2人マークを指示する響。
守備の隙間を気にする村松と吉田だが、響は無問題をアピール。
「な、舐めるな、吉良ぁ!
アギラ!ボールを僕に寄越せ!!」
「アサノ?」
響達が何を言っていたのから分からないが、それに反応したのだろう、浅野の怒声に少し驚いたアギラが、パスを出す。
パシィッ!
「巫山戯るな!吉良ぁ!!」
ペナルティー内、殆どフリーな浅野のシュートが、ゴール中央に立つ響の右真横を通り過ぎようとするが、
ガッ…
「なぁ?」
ボールは その場から動かず、横に伸ばしただけの響の左手に、ワンハンドキャッチされる。
「行くぞ!…木ぃっ村ぁ!!」
「「「「応!!」」」」
バシィッ!
透かさず、前線に大きく蹴り上げる響。
それに合わせ、ダッシュする木村達。
それは先程のサッカー部との試合で見せた、得点のパターン。
スタッ…
「…っと!」
バスッ…
かなり練習していたのか、ボールを目で追う事無く、その落下地点迄走り込み、ボール着地と同時に、ペナルティーエリア内にクロスを上げる木村。
「ナイスだ!」
それに合わせた前原がゴール前、胸でワントラップした後にシュートを放とうとするが、
「Tha's Naive!」
スバァッ!
「うわゎっ?!」
イングランドからの留学生、レイザーの刃の如きな鋭いスラィディングタックルに刈り穫られる。
「行くぜ!」
タッ…
その儘、DFポジションからオーバーラップするレイザー。
パシィッ…
そして中央線を少し超えた辺りで、アギラの居る方向に体を向けて、低空のパスを出す。
「…貰った!」
しかし そのパスコースにイトナが割って入り、ボールをカットしようとするが、
「Ha! I said…"Tha's Naive!"」
クィ…
「何…だと!?」
レイザーの蹴ったボールには特殊な回転の掛かっており、イトナの足に触れる寸前で弧を描く様に その起動を変え、
「……。」
トン…
「あっ…?!」
「しまっ…?!」
ティグレの足下に収まってしまう。
「HAUWAAAAAAAAーーーーUu!!」
そしてフィールドに再び、轟雷の如きな雄叫びが響き渡る。
そして しなやかな野獣の如き脚から繰り出されるのは、
ズガシャァッ!!!!
キックオフ直後、試合開始早々に岡島を退場に追い込んだ、あのシュート。
今度はセンターサークルでなく、ペナルティーエリア内側。
2人掛かりのマークを物とせず、土塊を周囲にバラ撒きながら…正しく猛獣の爪と牙と化したと形容するに相応しい超弾が、E組ゴール、左上角を襲うが、
「覇ぁっ!!」
バキッ!
「q…Que?!」
斜め上方に跳んだ響の拳に弾かれ、
「オラっ!」
ぽーん…
それを拾った寺坂に、大きく前方に蹴り出された。
「正拳突きディフェンス!…不破ちゃん、これで勘弁ちょw」
「いや お前…それ、要は只のパンチングだよな?(-.-;)」
…ドヤ顔の響に、ジト目で突っ込むのは、寺坂である。
≫≫≫
「何なんだ、アイツは?!
俺のシュートは、プロ選手からもゴールを奪えるんだぞ!?」
「ティグレ、落ち着け!」
…結局 前半は、ディグレとアギラが中心となり、何度となくE組ゴールを攻め立てるが、磯貝達の執拗なマークや、最早 鉄壁と謂っても良い響のセービングに阻まれ、両者無得点で終わっていた。
A組側ベンチでは、その結果に…特に、自身のシュートを何度も止められたと云う現実に、ディグレがヒートアップ。
同様に何度もシュートを止められるも、辛うじて平静を保てているアギラが、怒れる猛獣のクールダウンに努めていた。
「…ディグレ、アギラ。ちょっと良いかな?」
「「アサノ?」」
≫≫≫
「大丈夫だったか、岡島?」
「ボールは友達だぞ? 怖くないぞ?!」
「…いや それ、不破にも言われたから。」
一方のE組ベンチ。
戻ってきた響達は真っ先に、試合開始早々に超弾の直撃を受けて退場した岡島の下に。
「避けられはしなかったが、烏間先生の殺人シュートのが速かったし…だろ?吉良?」
「まぁ…な。」
「それに、普段の女子達のシバきのが、断然痛いし…」
「「「「「「……………。」」」」」」」
どうやら岡島は、大丈夫な様だ。
≫≫≫
「何だとアサノ?! もう一度、言ってみろ!!?」
再び
「…だから、僕がゴール前、高めのクロスを打って吉良を誘い出すから、其処へ攻撃選手全員で飛び出して、吉良を潰s(バキィッ!)うゎぁっ?!」
「「「「「きゃあああぁ??!」」」」」
「「浅野?!」」
「「「浅野君?」」」
「お…落ち着け、ディグレ!」
「これが落ち着いていられるかっ?!!」
後半に対しての、浅野の出した指示…作戦を聞いたディグレの拳が、その説明を言い終わる前の浅野の顔面を撃ち抜いた。
スペイン語での会話故に、何を話しているか分からない中の、いきなりの暴力。
A組女子が悲鳴を上げる中、アギラが頭の中では既に無駄だと理解しつつ宥めに入るが、怒りの野獣は静まりはしない。
「フゥ…此迄…だな。」
溜め息1つ吐いたアギラは、自身が所属しているチームユニフォームの上から着ていた白いゼッケンベストを脱ぐと、
「君が、俺の代わりに出るんだ。」
「え?ええっ??」
そう言って、控え要員のA組男子に手渡した。
その男子は、言葉は通じなくとも、そのアクションだけで何を言っているかは理解出来た為、呆然且つ、驚きな表情となってしまう。
「お前が出ろ!」
パシィッ!
「うわゎっ?!」
そしてティグレも同様に、別の控え男子に向けスペイン語で怒鳴りながら、ゼッケンを投げつける。
「ま、待て2人共? 何の心算だ?」
慌てて浅野が、その行為を質すが、
「解らないのか?」
「そんな巫山戯た指令を出す様な奴と、一緒に
「う…」
2人から返ってきたのは、痛烈な応え。
「わ、分かった…さっき言った作戦は無しにするから…だから…」
「…もう、遅いよ。」
「…………………………………。」
狼狽える様に、前言撤回しようとする浅野だが、アギラは冷めた目で目の前の人物を見据え、ディグレは既に、『コイツは話す価値無し』とばかり、沈黙を決め込んでいる模様。
「で…でも2人共、悔しくないのか?
前半、吉良に完全に抑えられてたじゃないか?
負けた儘で、良いのか? 勝ちたくは、無いのか?」
「「A゙・aah!!?」」
「ひぃっ…?!」
戦る気の失せた2人に対して、今度はプロ(…の卵)のプライドを挑発するかの言葉を投げ出す。
…が、その台詞を聞かされた2人は、何処かの危険人物の様な…ヤ●ザも土下座して逃げ出すかの形相で、浅野を睨み付ける。
「テメー、巫山戯るのも大概にしろ!!」
「…お前の様な、下種の下でプレイする方が、俺達にとっては、余程 屈辱的なんだよ。
手段選ばずも結構だが、お前は その手段とやらの選択も、それを持ち掛ける人選も、誤り過ぎた。」
…しかし その言葉は、その前の台詞が彼等の
「「………………?」」
その やり取りに残る留学生、レイザーとユングが、頭上に疑問符を浮かべて見ている。
「アサノ、せめてもの情けだ。
アイツ等には黙っていてやる…
スズキ·サンも、余計な通訳は、しないでくれますね?」
「今のを知れば、アイツ等もボイコット必至だろうからな。
まぁ、それは それで、面白いが?」
「…Si.」
そんな2人に目を向け、来日に合わせ、一緒に派遣された日本人の通訳担当に、他言無用を釘さし、本当に試合に出る意志は無いとばかり、設けられているパイプ椅子に座るティグレとアギラ。
「それに元々これは、クラス対抗のイベントなんだろう?
だったら せめて最後は、俺達外様に頼らず、本来の自分達のメンバーだけで戦り抜いてみたら どうだ? Cachito?」
「うぅ…」
体育祭、そのラスト競技として企画された、本校舎3年選抜チームvsE組の棒倒し。
その際、本校舎勢として呼び寄せられた、アメリカ人とカナダ人の2人が、参加人数の差を問い質し、その返ってきた答えに激怒、競技出場を放棄した事が有った。
E組を潰す事だけを優先して、彼等のアスリートとしての
此の度の指示も、それを理解出来ず、反省も学習もせず、招集した者を未だ単に自分の目的の為の
≫≫≫
ピーーーーーーーーーーーー!
「…あの外人2人、出て来ないのか?」
「怪我した様子は無いけど…」
「素人(笑)の吉良っちに、必殺シュート悉く止められて~、凹んじゃったとか?」
「いや…流石に それは無いだろ?」
「まぁ、出ないのは有り難い事だから、良いじゃないか!」
「ハッ! そりゃそーだ!!」
後半開始。
前半、E組ゴールを散々と脅かした留学生コンビがベンチに下がっているのを見て、その経緯、事情を知らないが故、色々と話すE組メンバー。
「良いか!左右に揺さぶって、あの外人DFをおびき寄せて釣り上げた後、逆サイに居るヤツにパスしてシュートだ!
それでも油断するなよ?
どーせ、あの外人キーパーも、鬼スペックの塊だろうからな!!」
「「「「「「「「応!!」」」」」」」」
ドリブルしながらの前原の指示に応え、志気を上げるE組メンバー。
前半、A組の攻撃の要となった留学生2人が不在となり、この後半はE組がボールを支配する割合が多くなる。
4月からの訓練で、基本的な運動能力は既に、E組の方が遥かに上に位置していた。
「そ~れ…っとぉ!」
ビシィッ!
作戦通り、DFのレイザーの守備を避け、その守備範囲の外から、パスを受けたカルマがシュートを放つが、
ガッ…
「…っですよね~?」
それは難無く、ドイツからの留学生、ユングに あっさりと止められてしまう。
「ユング! レイザーにパスだ!
レイザー! 攻撃に参加しろ!!」
ドイツ語と英語を巧みに話し、留学生達に浅野が指示。
トン…
「SHAAAAAAAAAH!!!!」
指示通りにパスを受けたレイザーが、ドリブルで進軍。
「「「ヤッロ!」」」
それを止めるべく、木村、杉野、吉田が前に立ちはだかるが、
パシィッ…!
流石に3人掛かりのプレスは躱し難いと判断したか、レイザーは横方向にパス。
「…もう、騙されは、しない!」
それをイトナが、カットに入る。
前半、難無くパスカット出来ると思っていたボールには、特殊回転が加わっていた。
イトナは今度は それを踏まえ、想定されるコースに脚を延ばそうとするが、
クィ…
「な…に…?!」
「HAHーー! It's The W・Edge!」
そのボールは、先程とは逆の方向に、弧を描く。
パシィッ…
そして、そのボールを受け取ったのは浅野学秀。
「ヤッロ!」
「往生せぃや!!」
その前に出てきたのは、吉田と村松。
吉田のプレスを横スライドのフェイントで、間髪入れずの村松のスラィディングを両足でボールを挟み持ってのジャンプで躱すと、
「浅野!」
「………………。」
ダダッ…!
「あ…浅野…?」
左側、真横やや後方を走る、榊原の呼び声を無視して、その儘ドリブルで前進。
ペナルティーエリアに入ってからのシュートを打つが、
「ぅおらっ!!」
どん!
それは真正面に立った、寺坂のブロックに阻まれる。
「へっ! 吉良やイトナの一撃の方が、余っ程 重くてキツかったぜ!」
腹を押さえながら、ニヤリと笑う寺坂。
パシィッ…!
そして大きく蹴ったボールは杉野が拾い、再びE組のターンが始まった。
しかし、この攻勢もキーパー・ユングには全く通用せず、やがて…
ピッ…ピッピーーーーーーーーーーー!!
タイムアップを告げる、ホィッスルが鳴るのだった。
念の為…サッカー部との試合でも そうでしたが、響君は