暗殺聖闘士   作:挫梛道

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2学期 期末試験日程
 
1日目
1時限目:英語
2時限目:家庭科
3時限目:社会
 
2日目
1時限目:国語
2時限目:音楽
3時限目:技術
 
3日目
1時限目:保健体育
2時限目:理科
3時限目:美術
4時限目:数学
 


【注意!】 
この小説は『暗殺教室』を原作とした、二次小説です。
  


期末の時間 ~2学期~

「おはようございます♪」 

期末試験を受ける為、本校舎に向かうE組の面々。

そんな彼等彼女等を山の麓で笑顔で待っていたのは、見慣れた髪型をした、見慣れぬ少女。

 

「「「「律(偽)ー、久し振りー。」」」」

「中間試験以来~。」

「はい♪」

AI(人工知能)で有る故に、試験を受けられない律の代役、偽律だ。

 

「じゃ、改めて行こうか。」

「「「「「「「「お~ぅ!」」」」」」」

こうしてE組"31"名は、本校舎へと向かって行った。

 

≫≫≫

 

 

…すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺…

 

「「「「「「ひぇっ!!?」」」」」」」

試験会場へ進む途中、3-Aの廊下に差し掛かった時。

流石に直接に襲い掛かってくる事は無いが、教室内から、さながらゾンビの如く廊下側の窓に張り付き、男女問わずに憎悪に満ちた表情で、『E組殺す』を呟き続けるA組の皆さん。

 

「な…なんつー目、してやがんだ?!」

「殺気立つって、この事かよ!?」

これには思わず、E組の面々も、退いてしまう。

 

「ぁゎゎ…み、皆さん、私、急用を()()()()()ので、E組の教室に戻りますね!」

「り、律さん?」

更には律(偽)のスマホに お邪魔していた律(本物)が、その光景に恐れ慄き、本校舎から撤退。

 

「ホラーを怖がるAIって…」

「そう言えば沖縄でも肝試しの時、ホテルの本体に逃げてましたね。」

律(本物)、戦線離脱。

(※最初から戦えない)

 

 

…E組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺す… 

 

 

尚、この光景は、B~D組の廊下を通り抜ける迄続くのだった。

 

「ちょ…何だかアイツ等、恐ろしく気合い乗ってるんですけど?」

「カルマ、吉良っちぃ、勝てるの?」

「「…さぁ?www」」

 

≫≫≫

「「「「「「「「よし。とりあえず菅谷は後で〆る。」」」」」」」」

「巫山戯るな!」 

これも既に ある意味、E組試験時恒例の光景。

D組の隣の空き教室である、E組試験会場にて、各々が指定された席に着席。

窓際の席、偽律の隣に着いたのは菅谷。

矢田を凌駕する きょぬー美少女の隣に座る この男に、しっ〇団と化した一部男子の嫉妬の炎が爆裂するのだった。

 

「…ってゆーか吉良! お前、美少女な彼女、居るじゃねーか!!!?」

 

≫≫≫

 

キーンコーンカーンコーン…

 

「始めっ!」

 

バサバサバサバサ…

 

各教室にて、チャイムと同時に出された、着任した試験官教諭の合図。

事前に裏返しにして配られた問題用紙をひっくり返す生徒達。

この瞬間、教室は闘技場に、筆記具は武器に、そして問題用紙は異形の"問"スターの集団へと、その姿を変えた。                        

 

▼▼▼

 

【英語】

 

「「「「おわ~~~~っ!!?」」」」

 

ガァァン!!

 

地中から巨大な蚯蚓が襲い掛かり、更には額に一本角を生やした単眼の巨人が、鉄製の戦棍を振りかざす。

それ等を辛くも退けると、

『It will now be your Judgment.

Now then,Count your Sins!』

今度は炎の鞭を携えた巨翼の悪魔が、空から攻撃を仕掛けてきた。

 

「だ、誰よ? もぉ~!

こんな問題、作ったのわ~!!?」

「マジ、中間の時よりエグいぞ、これ!」

「俺 何も悪い事、してねぇしぃ~!?」

逃げ惑う生徒達。

既に解答(せんとう)処では無い。

 

≫≫≫ 

「「「「「ハァ、ハァ…」」」」」

「「「「「「ゼィ、ゼィ…」」」」」」

それでも生徒達は、幾多の凶敵(もんだい)を次々と撃破(かいとう)していった。

しかし、既に満身創痍。

 

バッサァ…

 

『GyuAOOOOOOOOHN!!』

「「「「「あ…ぁあ…!????」」」」」

そんな彼等の前に絶望を与えるべく、獰猛な咆哮と共に天空より降り立ったのは、禍々しい程に凶悪な角と鉤爪と牙を備えたラスト問題…巨大な翼飛竜だった。

 

▼▼▼

「「ぐったり…」」

「おい、お前達は効果音?をリアルに口に出すな。」

「アンタ達が それだと、私等にも伝染するから!」 

E組試験教室では、クラスの2凶問題児…もとい、2大エースが その台詞通りに ぐったりと、机の天板に顔を埋めていた。

 

「いや、辛うじて…」

「殺ったって、手応えは有るんだけど…」

「ん。多分…殺れてる…って、思えたら、良いな~…」

「「「「「「「…………。」」」」」」」

強気だか弱気だか判らない発言に、動揺の色を隠せないE組の面々。

この2人が この有り様なのだから、当然、他の皆も、解けきれている筈も無く。

 

「問題エグいわ…」

「それでいて、数も有るわ…」

「まあ、ある程度は予想してたけど…」

期末試験初日、1時限目の英語から、かなりの消耗を強いられた響をはじめとするE組の面々。

 

「あと、こんなのが、9教科だぜ?」

…所謂"5教科"と位置される、外の科目のテストでも、1学期の それと比べ、難易度が上がっているのは明らか。

そのマイナス思考が、生徒達をますます消耗させて往く。

 

「「「「「「「「「やっべー。まぢで、半パねぇー。」」」」」」」」」

生徒達は確信する。

今回の このテスト、一問の取りこぼし、一問のイージーミスが、正に命取り。

その一挙手一投足が、大きく順位に影響すると。

 

▼▼▼

【家庭科】

 

『キッシャーーーーーーッ!!』

「「クッソがぁ!」」

小気味に嗤いながら、スピードを活かして撹乱を狙う黒い小猫に、翻弄される吉田と村松。

 

ブゥンブン…

 

素早い動きで、ヒット&アウェイでの攻撃を繰り出すこの妖猫に向け、戦鎚を振り回す吉田と二振りの短剣を振り翳す村松だが、その攻撃は掠りもせず。

 

ズバァッ!x2

 

『フニ゙ャーーーーーーッ!!?』

「「っ!?」」

だが、この吉田の攻撃を避けた直後、黒猫は大小2本の矢に射抜かれた。

 

「…素早い敵に対して、只 武器を、闇雲に振り回しても、駄目。」

「躱した先の動きを、見切るんだ。」

「「お…応…」」

駆け付けてきたのは、小型ボウガンを構えた速水と、巨弓を背負った千葉。

 

「来たわ…」

「…新手だ。」

「「…!!」」

この4人の前に、次なる問題(てき)が襲来する。

 

スチャ…

 

各々の武器を手に、構える吉田達。

 

『汝等に問う…』

「「「「!!?」」」」

彼等の目の前に現れたのは、背に生えた翼を広げた、巨大な人面の獅子だった。

 

≫≫≫

『…………………………………。』

「アイツが…」

「家庭科のラスト問題…か…?」

「…だと、良いですわね。」

響、イトナ、律(偽)の前に現れたのは、漆黒の長い髪を靡かせ、やはり漆黒の、所々に闇紫の装飾が施されたドレスを纏った、鋭い目付きの妙齢の女。

 

『…………………。』

その妖女が、まるで虫を見下すかの様な冷ややかな視線を響達に向けると、懐から掌サイズの小綺麗な小箱を取り出し、静かに その蓋を開けた。

 

「な…!?」

「きゃ?」

「ぬぉっ?!」

その中から翔び出てきたのは、質量保存の法則を冒涜したかの様な、夥しい程の数の、不可視の揚羽蝶の群れ。

光の反射によって、初めて その輪郭のみが視認出来る蝶の集団が響達の周りを飛び回り、羽ばたきによって巻き散る鱗粉の毒素が身体の自由を奪い、更には剃刀の如くな鋭い羽で、身を切り刻むかの様に纏わり憑く。

 

「くっ…流石は、五教科の中でも最強と謂われる家庭科()

攻撃が えげつない、で・す・わぁあ…♡」

「そのネタは もう良い!」

「…ってゆーかアンタ! 悦んでないか?」

五教科最強・家庭科()

それは1学期期末試験時、寺坂組が殺せんせー触手破壊権利奪取の為に用いた奇策(ネタ)

但し今は、それを自虐的に懐かしんでいる暇は無く。

 

ヒュン!

 

「ぐゎっ!?」

「イトナっ!」

「イトナ君!」

不可視蝶で動きを封じられたイトナに、黒き妖女が振り降ろす巨大な処刑鎌が襲い掛かった。

家庭科様が本当に最強かどうかは さて置き、それこそ2ヶ月前の中間試験…響の喉元に膝を食い込ませ斃した、数学最終問題にも匹敵な厳しい責め…その前に、イトナが倒れてしまう。

 

「吉良っち君! 律さん(本物)から話は聞いてるわ!!

今回の期末、クラス全員が50位以内を狙ってるって!

確かに この家庭科は、学年ランキングの採点枠の外だけど…」

薙刀で不可視の蝶を振り払いながら、2学期中間試験、学年17位だった律(偽)が響に話し掛ける。

                  

ビガアッ!!

 

「…幾らメイン教科でないからと言って手を抜いて、彼方の皆さんに花を持たせなくても、好いんでなくて?」

そして身体から雷を発生させ、周囲の蝶を焼き落とした。

  

「…確かに!」

 

ニョキ…パサ…パタパタ…

 

そして それに、響も同調。

正直、今回はメイン5教科以外は適度に流す心算だった響だが、律(偽)の言葉に、テストに対する心構えを少し変更する。

但し それは、本校舎勢に…特に浅野に対する、嫌がらせ的な意味合いであるが。

 

パサァッ…!

 

「本気出すぜぇーーーーーーーっ!!」

「ま゙っ♡」

 

ドガガガガガガガガガガガガガ!!

 

制服のブレザーとカッターシャツ、そしてアンダーシャツを脱ぎ捨て、()()()()()となった響が、両手に持っていた旋棍(トンファー)での、大振りと小刻みのコンビネーション連打で、周囲の蝶を全て叩き墜とした。

その際、両手を朱に染めた頬に添え、凄く嬉しそうに、且つ艶やかな表情をした少女が その様をガン見していたのは、別の話。

 

ズシャッ!

 

「ぅおっ!?」

不可視の蝶を掃討した響に、妖女…或いは魔女か、そんな形容が相応しい家庭科ラスト問題が、両手で携えた大鎌で襲い掛かってくる。

白銀の蛇が巻き付いたかの装飾が施された黒鋼の長い柄に、鈍い光を放つ黒刃。

その振り下ろされた凶刃を、響はトンファーのクロスガードで受け止める。

 

「ぬゎゎ…な、何ちゅうパワーだよ?!」

『…………………。』

 

グィグィ…

 

しかし その華奢な容姿からは想像出来ないパワーで、響のガードを押し潰そうとする黒衣の魔女。

 

「吉良っち君!」

「り、律(偽)ぅ、家庭科(ラスボス)、俺が引き留めとくからトドメ、刺せないか?」

処刑鎌とトンファーでの力比べをしながら、響は律(偽)に攻撃を要請。

 

「…そ、その位置だと、諸共になっちゃいますが?」

攻撃方法は確かに有る。

しかし それは響も巻き込んだしまう為に、躊躇している律(偽)だが…

「…構わん、殺れ。」

「い、イトナぁああああっ!!?」

斃れていたイトナが上体を起こし、(巻き込まれる当人の意見は無視で)それを後押し。

 

「ん…!」

 

パサッ…

 

その言葉を背に、律(偽)は律(本物)と同型の桃色のウィッグを外し、本来の黒髪ポニーテールを露わにすると、着ていた椚ヶ丘の制服も、瞬く間に白小袖緋袴に換装。

 

「ちょ…待t…」

 

ス…

 

テンパる響を余所に、律(偽)は右掌を前方、静かに差し出すと、

「…雷光よぉおっ!!」

 

カッ…!!

 

『……!?』

「あばばばばばば??!」

その掌から、煌めき迸る雷光を放出、家庭科ラスト問題、そして響に直撃させた。

  

≫≫≫

「あらあらあら? 吉良っち君、大丈夫ですか?」

「…………………………………………。」

結果、家庭科ラスト問題は その場から姿を消す。

…が、その際の、雷光を放った時の律(偽)の顔。

それを見ていた響とイトナは、それが物凄く嬉しそうにしていた満面の()()笑みだったのは気のせいだった…と、自身に言い聞かせていたとか。

 

▼▼▼

「「ちーん…」」

「だ・か・ら、効果音をリアルに口にするなっての…」

2時限目終了後、"あしたの〇゙ョー"のラストシーンな如く真っ白になり、机に甲垂れ込んでいる問題児コンビに突っ込むのは、木村である。

 

「重傷ね…」

「ま…まぁ、他のクラスだって、条件は一緒ですから…ですよね?」

「ん~…1時限目の後、チラッとA組、覗いてきたけどさ…」

「クッククク…そぉりゃ もう、滾ってたわよ~?」

「朝と違って私達が廊下、歩いてるの眼中無いのか全然気付かないのか…」

「全員が狂ったかの様に、机の前で集中して何かブツブツ言ってたわ。

憎悪って…あんなにも潜在能力(チカラ)、引き出せるんだ…って感じ?」

「「「「「「……………。」」」」」」

 

▼▼▼

 

【社会】

 

ドッドッドッド…

 

その重々しい踏み込みから生る土煙を巻き上げながら、巨大と云う形容も烏滸がましい程な、1頭の巨大な犀の様な獣が、闘技場内を狭しと駆け回る。

 

「「「「「「「「「「HyAA・HHAAAAAAAH~!!」」」」」」」」」」

その犀の背中目掛け、奇声と共に、槍を手にした集団が、高台からダイブした。

 

ドスッドスドスドスドスドスドスドスドスドス!!!!

 

落下の勢い其の儘に穂先を突き付け、その背に着地した後も、何かに取り憑かれたかの様な鬼気迫る顔で、何度となく追撃の槍をひたすら背中に突き刺し、ある者は鋭く変化した爪で皮を穿ち切り裂き、そしてまた ある者は、やはり鋭く変化した歯…牙で、その皮噛みつき引き裂いていく。

 

 

…rす! 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!

 

 

この理性の欠片も見受けられない解答(こうげき)、それは 正しく、狂戦士(ベルセルク)と形容するに相応しく、

 

ズゥン…

 

結果、この犀は重い音を立てて、その場に崩れ落ちた。

 

「…そうだ。それで、良いんだ。」

その光景を1人、その者達と居た高台から飛び降りず、その場から傍観の構えを見せていた浅野が、自らが育成した()の戦果を見て、満足気に呟く。

 

「「「「「「「ヴォオオオオッ!!…ォォオ!??」」」」」」」

 

パサァッ…

 

問題(てき)撃破の興奮其の儘に、雄叫びを上げていたA組の面々。

そんな彼等の前に、次に耳を擘く羽ばたきの音と共に姿を見せたのは、人の身体に鷹の嘴、翼、鉤爪を持った鳥…

それは、社会ラスト問題。

金と紅の羽を生やし、気高い氣を纏った、半人半鳥が舞い降りた。

 

「…あれは彼等には少し、荷が重いかな?」

その姿を見て一言。

浅野は手にしていた戟を構えると不敵に笑い、闘技場に歩を進めるのだった。

 

≫≫≫

 

2学期期末試験、初日終了。

   




 
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