ハイスクールD×D ~復活のG~   作:さすらいの旅人

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この度は「ハイスクールD×D ~復活のG~」を読んで頂き、ありがとうございます。

それではどうぞ!!


月光校庭のエクスカリバー
第一話


「ふわぁ………」

 

 何時も通りの時間帯に目覚めた俺は、これもまた何時も通りに洗面所で顔を洗っていた。

 

 俺――兵藤隆誠の朝はいつもこんな感じだ。

 

 そして俺が洗面所で一通りの作業を終えると――

 

「おはようございます、リューセーさん」

 

「おはよう」

 

 タイミングが良いようにアーシアがやってくる。

 

 顔を会わせる度に、いつも笑顔を見せるアーシア。そんな彼女に俺も思わず笑みを浮かべてしまう。こう言うのを癒しキャラって言うんだよな。

 

 無論そう思ってるのは俺だけじゃなく、イッセーや父さん母さん、ぶっちゃけ家族全員がアーシアの笑みに癒されている。今の兵藤家はもう彼女がいなくてはならない存在となっているし。アーシアを本当の娘のように接してる母さんが特に。

 

「アーシア、支度が終わったらイッセーを起こしてくれ」

 

「はい、分かりました」

 

 イッセーを起こしに行く事にアーシアは嫌な顔をしないどころか、寧ろ喜んでいた。大好きなイッセーを起こしに行くのが、嬉しい日常の一つでもあるからな。

 

「今日はちょっと違う早朝トレーニングをするから、寝顔を堪能したり、ドサクサに紛れて布団に潜り込んだりしないでくれよ?」

 

「っ! ど、どうしてそれを!?」

 

「ハッハッハ。俺が知らないとでも思ってたら大間違いだよ、アーシア。まぁ取り敢えず頼むわ」

 

「はう~……」

 

 俺の指摘にアーシアが顔を赤らめて可愛い反応をしたので、思わず意地の悪い笑みをしながらも洗面所を後にする俺。

 

 そして一通りの準備を終えた俺は玄関で十分程待っているんだが、イッセー達は一向に二階から降りてこなかった。

 

「………遅いな」

 

 いつもならもう来てる筈なんだが……。まさかアーシア、今日もイッセーの寝顔を堪能したり、布団に潜り込んでるのか?

 

 さっき注意したばっかりなのに何やってんだよ、あの子は。全くもう、しょうがないな。後でちょっとお説教しないと。お説教と言っても軽く済ませる程度だが。

 

 そう思った俺は再び二階に上がってイッセーの部屋に向かう事にした。そして部屋に着くと――

 

「部長さんずるいです! 私だってイッセーさんと一緒に寝たいのに!」

 

「アーシア、別にあなたまで裸になる必要は無いと思うわよ?」

 

「ちょ、ふ、二人とも落ち着いて!」

 

 何故か裸になってるアーシアとリアスがイッセーの奪い合いをしていた。

 

 そう言えばリアスは家に同居してから、ここ最近イッセーのベッドに潜り込んで一緒に寝ているな。

 

 でもまぁ取り敢えず――

 

「お前等ぁ! 朝っぱらから何やってんだ!?」

 

「「「っ!」」」

 

 朝からR指定な事をやろうとしてる三人に俺は一先ず渇を入れる事にした。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 早朝トレーニングが終わった後、俺達は朝食を味わっていた。

 

「うむ、美味い。外国人なのに大したもんだねぇ」

 

「本当。こんなに美味しい味噌汁を作れるなんて」

 

「日本の生活が長いもので、一通りの調理は覚えましたわ」

 

 朝食を食べてる父さんと母さんがリアスが何品か作った料理を褒めていた。

 

 確かにリアスが作った料理は美味い。向かいの席に座ってるイッセーがさっきから美味そうにバクバクと食ってるからな。

 

 因みに向かいのイッセーの両脇にはリアスとアーシアが座っており、そして俺と母さんは真ん中にいる父さんの隣に座っている。

 

「ってか母さん。リアスが料理するのはOKで、どうして息子の俺は今もダメなんだ?」

 

「リアスさんは別よ別。それよりもリューセー。アンタこの前リアスさんの歓迎会の時に料理を振舞ってたけど、また腕を上げたわね」

 

「あ、分かった?」

 

 対抗心を燃やすかのように睨んでくる母さんに、俺は思わず苦笑いをしてしまう。

 

「いや~。この前知り合いから更に美味しくなるコツを教えてもらったから、つい試したくなったんだよ」

 

 知り合いと言うのはオカマのローズさんだ。筋骨隆々なあの人は見た目なんかと裏腹に、料理は繊細でかなりの腕前だ。オカマバーで出してる料理も凄く美味いからな。

 

 俺が時々コッソリとあの人の店に行っては料理のコツを教えてもらってる。それで俺の料理スキルが更に磨きがかかってるからな。

 

「全く。どうしてアンタは母親の私より美味しい料理を作れるのよ。母さんはこれでも地味にショックを受けたわ……はぁっ」

 

「まぁまぁ母さん、良いじゃないか。母さんだってリューセーの料理を美味しく食べてたじゃないか」

 

 嘆息する母さんに父さんがフォローする。父よ、そのフォローに大変感謝します。

 

「確かに兄貴が作る料理は殆ど絶品で――」

 

「イッセー、もうそれ以上言わないでくれ。リアスが段々恐くなってきた」

 

「あら、何の事かしら?」

 

 自分が作った料理より俺の料理を褒めてるイッセーに、リアスはどんどん恐ろしい笑みとなっていた。もうついでにアーシアも少しばかり涙目で俺をジッとみている。

 

「リューセー、この際だから言っておくわ。あなたに勝てない所は色々あるけれど、料理だけは絶対あなたに勝ってみせるわ」

 

「わ、私も負けません!」

 

 おうおう、随分と対抗意識を燃やしてるなぁ~。女としてのプライドってやつかねぇ~。

 

「ハッハッハ。君達の挑戦はいつでも受けて立つぞ~。何だったら今日から毎晩、料理勝負でもするか? 審査員は当然イッセーと父さんと母さんがやるって事で」

 

「え? マジ?」

 

「おお、それは面白そうだ。ここは父として厳正な審査をしなければいけないな」

 

「ダメよ。毎日そんな事されたら材料費がバカになんないわ。でも仮にやるとしたら、母さんはリアスさんとアーシアちゃんに有利な判定をすると思うわね」

 

 俺の提案にイッセーは戸惑い、父さんは乗り気だったが即座に反対する母さん。ってか、母さんさり気なくリアスとアーシア側に付いてるし。やっぱり娘が良いんだな。

 

 そんなこんなで楽しい会話をしつつも、リアスが急に何か思いついたような顔をする。

 

「あ、お母様。今日の放課後、部員達をこちらに呼んでもよろしいですか?」

 

「ええ、良いわよ」

 

 リアスのお願いに母さんはすぐに了承する。

 

「部長、どうして家で?」

 

「前に言ったでしょう? 今日は旧校舎が年に一度の大掃除で、オカルト研究部定例会議が出来ないのよ」

 

 ああ、そう言えばそうだった。俺もすっかり忘れてたよ。

 

 リアスが言う旧校舎の大掃除は使役してるリアスの使い魔達にやらせるものだが、俺とイッセーの両親の手前でそんなこと言えないからな。

 

「お家で部活なんて楽しそうです。部長さん。私、お茶用意しますね」

 

「ええ。お願いね、アーシア」

 

 となれば会議をするならイッセーの部屋にしておくか。俺の部屋は俺がいる事で光のオーラが充満してるから、悪魔のリアス達にはちょっとばかしきついだろう。

 

 まぁそれでも俺の部屋でやろうって言うなら、オーラを消す為に換気しといた方が良さそうだ。決して自分の部屋が臭うわけじゃないからな。……って、俺は一体誰に言ってるんだろうか。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 で、会議は結局イッセーの部屋でやる事になったんだが――

 

「これが小学生の時のイッセーよ」

 

「あらあら、全裸で。ちっちゃくて可愛いですわ♪」

 

「きゃっ!」

 

「……イッセー先輩の赤裸々な過去」

 

「イヤァァァアア!! 皆見ないでぇ! ってか母さん、んなもん見せんなよ!」

 

 それはもう完全にそっちのけだった。兵藤家で行うはずだった放課後のオカ研会議は、母さんが持ってきたアルバムで台無しになってしまったから。

 

 イッセーは恥ずかしい過去を見られてる為に、母さんを睨みながら悶えていた。ある意味、先日の『レーティングゲーム』の口説き文句よりきついかもしれない。

 

 そう言えば母さん、前に言ってたな。俺やイッセーが女の子の友達が沢山連れてきたら、俺とイッセーのアルバムを見せてみたいって。

 

 それが叶ってしまったから、母さんはあんなに嬉しそうな顔をしながらアルバムを見せてるって訳か。良かったな、母さん。俺たち兄弟にとっては嫌な夢だけど。

 

「……ああ、小さいイッセー」

 

 因みにイッセーに絶賛ゾッコン中のリアスは幼年期のイッセーの写真を見て、頬を赤らめながらまじまじと見つめている。

 

「……小さいイッセー小さいイッセー小さいイッセー」

 

 何かリアスがちょっと壊れた人形のように呟いているんだが、大丈夫か?

 

「部長さんの気持ち、私わかります!」

 

「アーシア、あなたも分かるのね? 嬉しいわ!」

 

 あらら、リアスだけじゃなくアーシアもか。好きな男の恥ずかしい写真を見ると暴走するんだろうか。

 

「そしてコレが小学生の時のリューセーよ」

 

 おいおい今度は俺かよ。勘弁してくれ、母さん。

 

 どうでも良いんだが祐斗。お前何で母さんが俺のアルバムを開いた瞬間、そんな興味深そうに見るのかな?

 

 そして母さんが俺の幼少時代の写真をリアス達に見せると――

 

「あら? イッセーと違って普通ね」

 

「普通ですわね」

 

「……今と変わりませんね」

 

「あ、小さいリューセーさんが小さいイッセーさんに怒ってる写真もあります」

 

「アハハ。何かリューセー先輩がイッセーくんの保護者みたいだね」

 

 リアスと朱乃と小猫は拍子抜けしたような反応で、アーシアと祐斗は笑みを浮かべながら見ていた。

 

 その反応に母さんは苦笑しながら説明しようとする。

 

「リューセーは小さい頃から凄く落ち着いてる子なのよ。でも不思議な事に、イッセーと一緒にアニメを見たりゲームしてる時は年相応にはしゃいでいたのよね」

 

 ほっといてくれ、母さん。その頃の聖書の神(わたし)は娯楽と言う素晴らしさを知り始めたばかりだったから、年甲斐もなく思わずはしゃいじゃったんだよ。まぁ見た目は子供だったから良いんだけど。

 

「へぇ。今のリューセーとは思えないほど、過去にそんなギャップがあったのね」

 

「意外ですわね」

 

 何だよリアスに朱乃。その如何にも俺の弱みを見つけたような意味深な笑みは。

 

 ひょっとしてこの二人、先日の修行の恨みを晴らそうと、ちょっとした仕返しをしてるんじゃないだろうか。

 

 だったら俺は――

 

「よし。今日は折角皆がいる事だし、久しぶりに俺がゴージャスな夕飯でも作ろうじゃないか。リアスと朱乃なんかより遥かに美味い料理を作ってやるよ」

 

 女としてのプライドを根こそぎ圧し折ってやろうと挑発する事にした。

 

 

 ピキッ!

 

 

 すると、俺の挑発にリアスと朱乃からは何かが割れたような音がする。二人は笑っているが、全身から怒気のようなオーラを発していた。

 

「ふ、ふふふふ……。リューセー、それは私たちに喧嘩を売ってると思って良いのかしら?」

 

「あらあら、うふふふふ。そこまで言われたら、私としても黙っていられませんわね」

 

 おお恐っ。短気なリアスはともかく、普段温厚そうな朱乃も聞き捨てならなかったようだ。

 

「朱乃、こうしてはいられないわ。今から私の部屋で作戦会議よ」

 

「分かりましたわ、部長」

 

「リューセー、あなたは私と朱乃を怒らせてしまったようね。あなたのその驕り、今日の料理勝負で消し飛ばしてあげるわ」

 

「上等だ。そっちこそ後悔すんなよ」

 

 完全に火が点いたリアスと朱乃は、一旦イッセーの部屋から出て行ってしまった。

 

 急な展開によりイッセー達は呆然とするも、その中で母さんがすぐにハッとする。

 

「ちょっとリューセー、アンタ何てこと言ってるの! あんな事言われたら誰だって怒るわよ!」

 

「良いじゃないか。今回は料理勝負するだけなんだからさ。それに母さんとしても、偶には大人数でわいわいと食事したいって言ってたろ?」

 

「そ、それはそうだけど……」

 

「何れ義娘(むすめ)になるかもしれない彼女達の料理を、今の内に知っておいたほうが良いんじゃないかなぁ?」

 

「っ! ……………そ、そうね。母さんの口に合うかどうか確かめないといけないわね。じゃあ母さん、ちょっと買出しに行ってくるわ。それじゃ皆さん、ゆっくりしてってね」

 

 そう言って母さんは嬉しそうな表情でイッセーの部屋から去っていった。

 

 この一連の流れにより、未だに呆然としてるイッセー達は意識を取り戻す。

 

「はぁ~~。兄貴ってば相変わらず母さんを上手く誘導するなぁ」

 

「フフフ、娘を欲しがってる母さんの考えは手に取るように分かるんだ。ってな訳で祐斗に小猫。今日は家で夕飯をたくさん食べてってくれ」

 

「アハハ……。ではお言葉に甘えて」

 

「……夕飯が凄く待ち遠しいです」

 

 祐斗は苦笑し、小猫は嬉しそうにコクコクと頷いていた。特に小猫はいっぱい食べるだろうな。何せこの前の修行で、俺が作った料理を食べまくってたし。

 

「あうぅぅ、わ、私も部長さんたちと一緒に手伝ったほうが……」

 

 大丈夫だよアーシア。君には本日、料理の審査員と言う重要な役割があるから。

 

 そんな中、祐斗が再び俺達のアルバムを見ようとページを捲っていた。

 

 それに気付いた俺は、祐斗からアルバムを返してもらおうと思った。けれど、祐斗が急に何故か今のページをまじまじと見つめていた。その視線は、まるで何か予想外な物を見付けたかのように。

 

 何事かと思って俺も祐斗が食い入るように見てるページへ視線を落とす。これにはイッセーも気になって俺と同じことをする。その写真は小学生時代の俺と園児時代のイッセーの姿があった。

 

 その写真には俺やイッセーだけじゃなく、イッセーと同い年の園児とその父親が写りこんでいた。

 

 確かこの女の子(・・・・・)は嘗て近所に住んでいた子だ。よくイッセーとヒーローごっこして遊んでいたな。俺は二人がソレをやってるのを見物してたけど。

 

 イッセーが小学校に上がる前に、父親の転勤で外国に行ってそれっきりだった。

 

 けれど祐斗が見ているのは園児じゃなく、父親の方だった。いや、正確には父親が持っているもの――聖剣を指差す。

 

「お二人とも、この剣に見覚えは?」

 

 俺とイッセーに真剣に問う祐斗。さっきまでと雰囲気が変わったな。

 

 イッセーは祐斗の変わりように違和感を感じながらも答えようとする。

 

「いや、何しろガキの頃だから覚えてないな」

 

「……聖剣がどうかしたのか?」

 

「っ!」

 

 俺が聖剣と言った瞬間、祐斗は驚きながら即座に俺の方へと視線を移し――

 

「教えて下さい、リューセー先輩。この聖剣はいま何処にあるんですか?」

 

 今度は俺に詰問してきた。

 

 祐斗の目は果てしない憎悪に満ち溢れており、俺はどう答えようかと一瞬迷ってしまうほどに。




今回はダラダラ感を出さないように、なるべく短く済ませるようにやってみます。出来たらの話ですが……。
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