ハイスクールD×D ~復活のG~   作:さすらいの旅人

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久しぶりの更新です!

それではどうぞ!


第十三話

 駒王町西側にある廃工場で隆誠がエリーと本格的な戦闘を開始してる中、一誠達がいる駒王町東側にある廃屋では別の戦闘が既に始まっていた。

 

「ひゃっはぁ~! これが『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』! 俺呼んで、『(ちょ)(ぱや)の剣』!」

 

「くっ!」

 

 廃屋の屋根の上では二人の少年が戦っていた。

 

 一人は悪魔の木場祐斗。もう一人は現在堕天使側に組している少年神父、フリード・セルゼン。両者共に途轍もないスピードでの攻防を繰り広げている。

 

 悪魔でスピードの特性を持っている『騎士(ナイト)』の祐斗に、フリードが祐斗と同じスピードで戦えているのには当然理由があった。

 

 それはフリードが使っている聖剣――『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』。それは使い手のスピードを底上げして高速の攻撃を繰り出せる聖剣である為、今のフリードは祐斗に匹敵するスピードで戦っている。

 

 対する祐斗は複数の魔剣を使って高速攻撃をするも、フリードの『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』によって悉く破壊されていた。だがそれでも負けじと、新たに魔剣を創造して攻撃を繰り返す。

 

「おいおい、なんつー戦い方してんだよアイツら……。速過ぎて全然見えねぇぞ……!」

 

「……ですが、スピードを封じられてる祐斗先輩がかなり不味いのが分かります」

 

 祐斗とフリードの戦いに目が追い付けない匙と小猫だったが、それでも不味い状況だと言うのは分かっていた。

 

 しかし――

 

「小猫ちゃんの言うとおりだ。今のところは互角だが、木場が段々焦り始めてるな」

 

「兵藤、お前アレ見えてんのか!?」

 

「まぁな」

 

 一誠は余裕な感じで二人の戦いを両目で捉えていた。

 

 普段から隆誠の修行で高速バトルを繰り広げているので、一誠にとって二人の戦いを見るのは大した苦ではない。

 

 祐斗が不利になり始めてる事に、一誠は『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』を展開する。

 

「おい木場! 俺も加勢――」

 

「イッセーくんは手を出さないでくれ! 僕一人でやれる!」

 

 一誠が加勢しようとするも、祐斗は即座に拒否した。

 

 

 

 

 

 

「ったく。兄貴がいないとコレかよ」

 

 俺――兵藤一誠が加勢しようと動こうとするも、木場は少年神父――フリードとの戦闘中でも察知するかのように拒否してきた。

 

 木場がエクスカリバーに恨みを抱いてるのは分からんでもない。けどだからって、何も言わずに勝手な事はしないで欲しい。

 

 ま、こうなる事を兄貴は予想してたみたいだがな。取り敢えずは木場の好きにやらせるとしよう。けど木場が死にそうな展開になる場合は有無を言わさず参加させてもらう。もし木場が文句言ってきた場合、力付くで黙らせろって兄貴に言われてるし。

 

 けどまぁ、好きにさせるつっても、今の状況は木場に不利だ。だったら木場を優勢にさせる為の支援(サポート)はさせてもらう。

 

 その為に今は赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)で力を溜めて、木場にドラゴンの力を与えようと俺は考えた。アイツの身体能力を考えて、二回分のチャージを与えれば充分な筈だ。下手に力を与えすぎたら木場の身体がオーバーヒートしちまう。

 

「木場! 譲渡するから一旦こっちに来い!」

 

「まだやれる!」

 

 また拒否か。支援(サポート)ぐらいは受け入れろよ。

 

「こうなったら、アイツの足を止めてでも――」

 

「なぁ兵藤。足を止めりゃ良いんだな?」

 

 俺の呟きに反応した匙が確認してくる。

 

「え? あ、ああ、そうだが……」

 

 思わず頷くと、匙は左手から何かを出そうとしていた。

 

「ラインよ!」

 

 匙がそう言った瞬間、匙の左手から神器(セイクリッド・ギア)らしき物が出てきた。手の甲には可愛らしくデフォルメ化されたトカゲの顔らしきものが装着されている。

 

「匙、それってまさか……!」

 

「行くぜ! 伸びろ、ライン!」

 

 左腕を伸ばして言った途端、トカゲの顔が口を開いてベロみたいな触手がフリード目掛けて伸びて行く。

 

 ………え? 何故にフリード? 俺は木場の足を止めて欲しかったんだけど。

 

「どわぁ! な、何だ!?」

 

「っ!」

 

 俺の考えを余所に、トカゲの舌はフリードの足にグルグルと巻きついた。それにより戦闘中のフリードは動きが止まる。

 

 突然の展開にフリードだけじゃなく、木場も呆然とするように立ち止まっている。

 

「見たかっ!? これが俺の神器(セイクリッド・ギア)! 『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』だ! こいつに繋がれたら、奴の力は俺の神器(セイクリッド・ギア)に吸収され続ける! ぶっ倒れるまでな!」

 

 おおっ。なんつー厄介な神器(セイクリッド・ギア)だ。力を溜める俺の『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』とは相性悪いな……。

 

「くそっ! くそくそっ! この神器(セイクリッド・ギア)もドラゴン系かよ!」

 

 悪態を吐きながらエクスカリバーで取り払おうとするフリードだが、匙の神器(セイクリッド・ギア)は無傷。つーかあのトカゲってドラゴンだったのか?

 

『あれは五大龍王の一角、「黒邪の龍王(プリズン・ドラゴン)」ヴリトラの力だ』

 

 解説あんがとよ、ドライグ。

 

 五大龍王か。そういや前に冥界で会ったタンニーンのおっさんも元龍王だったけど、今は悪魔になってるんだよなぁ。

 

 っと、今そんな事を思い出してる場合じゃない。

 

 本当だったらフリードじゃなくて木場の足を止めて欲しかったが、どっちにしろ俺にとっちゃ好都合だ!

 

 そう思った俺は一瞬で足を止めている木場の所へ向かう。

 

「え? あ、あれ? ひょ、兵藤が消えた?」

 

「……イッセー先輩はあそこです」

 

「え、あそこって……嘘だろおい!? さっきまで俺の隣にいたのに!」

 

 俺が超スピードを使って辿り着いた事に、匙が信じられないように叫んでいたが無視だ。

 

「っ! クソ人間、テメェいつの間に!?」

 

「ほいっとな」

 

「イッセーくん、何を……!?」

 

 驚いてるフリードも無視し、背後から木場の肩に手を置くと――

 

『Transfer!』

 

 俺の神器(セイクリッド・ギア)が音声が発せられ、チャージしていたドラゴンの力が木場の身体へ流れて行く。

 

「これはっ!」

 

「木場、手を出さない代わりに力は送らせてもらう。言っとくが文句は受け付けねぇぞ。もしお前がやられちまったら、兄貴や部長に怒られるのは俺なんだからな」

 

 兄貴に木場の監視役を任された以上、木場を失うわけにはいかない。イケメンのコイツを監視なんてしたくないが、仲間である以上そんなこと気にしてられない。

 

「……受け取ってしまった以上は仕方ない。ありがたく使わせてもらうよ!」

 

 多少の不満はあれど、俺が手を出さない事に納得する木場。その直後に木場の全身からオーラが迸った。

 

「『魔剣創造(ソード・バース)』ッッ!」

 

 木場が自分の神器(セイクリッド・ギア)名を叫びながら、魔剣を地面に突き刺す。

 

 そして周囲一帯に夥しい刃が咲き乱れた。地面のあらゆる所から様々な形をした魔剣が出現する。

 

「チィィ!」

 

 フリードが舌打ちしながら、自身に向かって伸びる魔剣を聖剣で横なぎに破壊する。

 

 あれだけの魔剣を聖剣一本で全部破壊するか。やっぱりエクスカリバーってのは、並の聖剣と一味違うみたいだな。

 

 それにしてもずっと気になってたんだが、此処には俺達やフリード以外の誰かがいるな。廃屋の中に見知らぬ気を持った誰かが。

 

「ほう、『魔剣創造(ソード・バース)』か。使い手の技量次第で無敵の力を発揮する神器(セイクリッド・ギア)

 

「っ! 誰だっ!?」

 

 その時、廃屋の中から第三者の声が届く。そこへ視線を送ると、神父の格好をした初老の男が現れた。

 

「おおっ!? バルパーのじいさん!」

 

 フリードの言葉に全員が度肝を抜かした。この男が兄貴が言ってたバルパーって奴か。「聖剣計画」で胸糞悪い事を仕出かした……。

 

「……バルパー・ガリレイッ!!」

 

「フフフ。いかにも」

 

 憎々しげに木場が名前を言うと、男――バルパーは堂々と肯定した。こいつが木場の敵で、兄貴が嫌う(神の名を利用した)クズ野郎の一人か。

 

「フリード、まだ聖剣の使い方が十分ではないな」

 

「そうは言うがね、じいさん。このクソトカゲのベロベロが邪魔で邪魔で!」

 

「体に流れる因子を刀身に込めろ。そうすれば自ずと斬れ味は増す」

 

「流れる因子を刀身に込めて、ね」

 

 その指摘にフリードは頷き、途端に持っている聖剣の刀身がオーラが集まりだして輝きを放ち始める。

 

「お、おおほぉお~~!」

 

 奇怪な叫び声をあげるフリードは、輝きを放つ聖剣で匙の神器(セイクリッド・ギア)を難なく切断する。

 

「なぁ~る。聖なる因子を有効活用すれば、更にパワーアップってか。それじゃあ……」

 

 あ、フリードが木場だけじゃなく俺にも狙いを定めてやがる。

 

「俺様の剣の餌食になってもらいやすかぁ! ついでにクソ人間、テメェもクソ悪魔と纏めてぶった斬ってやらぁ!」

 

 お~お~、聖剣を使えば俺に勝てると思ってるようだな。

 

 面白ぇ。そんな聖剣(もの)赤龍帝(おれ)に勝てると思ってるなら、相手してやろうじゃねぇか。

 

「お前の相手は僕だ!」

 

「だったら先にクソ悪魔から片付けてさせてもらいやすよぉ!」

 

 俺が参戦しようとするも、木場がさせないと言わんばかりに俺の前に立つ。

 

「死ねぇええ!」

 

 聖剣を振り翳すフリードに――

 

「やらせん!」

 

 木場とフリードの間に割って入るように――

 

 

 ギィィンッ!!

 

 

 ゼノヴィアが現れて、持っている聖剣でフリードの攻撃を止めた。

 

「やっほ。イッセーくん」

 

「イリナ!?」

 

 何とゼノヴィアだけじゃなくイリナも駆けつけていた。

 

「紫藤イリナさん? どうして」

 

「……敵と遭遇したら合流する手筈ですから、私が連絡しました」

 

 驚く匙に、小猫ちゃんが携帯を出しながら理由を言う。確か小猫ちゃんは木場とフリードが戦闘した直後に電話してたな。

 

「イリナ、兄貴はどうした!?」

 

「リューセーくんはエリーっていう綺麗な女性と戦ってるわ!」

 

 あ、そう言うこと。だから兄貴はゼノヴィアとイリナを俺達のところへ行くよう指示したってことね。

 

 あの女は兄貴に対して異常とも言えるほど執着してるからな。加えて兄貴と戦う際、もし誰かが加勢したら真っ先に邪魔なソイツを始末する。そうさせないよう、兄貴は二人をこっちに寄越したって訳か。

 

「反逆の徒、フリード・セルゼン、バルパー・ガリレイ。神の名のもと、断罪してくれる!」

 

「ハッ! 俺様の前で、その憎ったらしい名前を出すんじゃねぇ! このビッチが!」

 

「はぁぁ!!」

 

 斬戟を繰り広げるゼノヴィアとフリードに、木場が割り込んで剣を振り翳そうとする。

 

「おっとぉ!」

 

 ゼノヴィアと木場の攻撃を防げないと判断したのか、フリードはすぐに後退してバルパーの隣に立った。

 

「フリード。お前と一緒にいたエリーと言う女は何故いない?」

 

「は? あのお姉さんなら『雑魚の神父狩りに飽きた』とか言って別行動中だよ」

 

「……はぁっ。あの女には困ったものだ。ならば致し方あるまい。ここは撤退するぞ」

 

「合点承知の助!」

 

 フリードが懐から光の玉を出した。あれは確か教会で使ってた逃亡用のアイテムだ!

 

「あばよ、教会と悪魔の連合共が!」

 

 フリードが球体を地面に投げ放ち――

 

 

 カッ!

 

 

 眩しっ! 目を覆う眩い閃光が周囲を包み込んで、俺達の視力を奪う。 

 

 視力が戻ると、フリードもバルパーも消えていた。クソ! こんな事なら俺も参戦すりゃよかった!

 

「追うぞ、イリナ」

 

「うん!」

 

「おい! ちょっと待てお前等!」

 

 ゼノヴィアとイリナが頷きあって、その場を駆け出そうとしたので俺が待ったを掛けようとすると――

 

「僕も追わせてもらおう! 逃がすか、バルパー・ガリレイ!」

 

「って木場もかよ!?」

 

 木場も二人の後を追って、この場を駆け出そうとしていた。

 

 ヤバイ! ゼノヴィアやイリナだけじゃなく、木場までいなくなっちまったらマジでヤバイ!

 

「おい木場! 待ちやがれ!!」

 

 木場だけでも阻止しようと超スピードで追おうと――

 

「イッセー、これはどう言うことなのかしら?」

 

「説明してもらいますよ、サジ」

 

 したが、聞き覚えのある声がしたので俺は思わず足を止めて振り返った。

 

「げっ! 部長!?」

 

「か、会長!?」

 

 怖い笑みを浮かべてる部長と、険しい表情をしてる会長がいたのでした。この二人の登場に俺だけじゃなく匙も狼狽する事となる。

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ♪ フフフフ、フフフフフ………アハハハハハハハ! やっぱり最高よダーリン! 私とこんな楽しい戦いが出来るのはダーリンだけよ!」

 

「俺はちっとも楽しくないがな」

 

 俺――兵藤隆誠とエリーとの激しい戦闘により、廃工場の建物自体が完全に無くなり更地状態となった。

 

 これだけの戦闘で誰かが気付いてもおかしくないが、この更地周辺には誰にも気付かれないよう結界で覆われているので一般人の耳や目に入ることはない。

 

 因みに結界を張ったのはエリーだ。アイツとしては邪魔が入らないように、ゼノヴィアとイリナがいなくなった時点で結界を張った。アイツは第三者からの介入を嫌うからな。

 

 そして今の俺の服装はボロボロな上に傷も少々ある。と言っても殆ど大した傷じゃないが。対してエリーは俺と同じく服がボロボロになっており、片方の乳房を露にしていた。

 

 乳房が片方見えてるにも拘らず、エリーは大して気にしてない様子。それどころか寧ろ、俺に見せてるような感じだ。もし女の胸が大好きなイッセーだったらガン見してるだろうな。尤も、戦闘中でなければの話だが。

 

「ほんっとうに最高……! こんな素敵な夜で激しく攻められると私……このままダーリンとエッチしたくなっちゃう……!」

 

「悪いが他を当たってくれ。俺にそんな気はない」

 

 もし一般人男性がサキュバスのコイツと性行為をした瞬間、精気を根こそぎ吸い取られ、干乾びたミイラとなって死んでしまう。

 

 俺だったら絶対に嫌だが、そこら辺の男だったらどんな選択をするだろうか。絶世の美女と呼べるエリーを抱いて死ぬか、もしくは……いや、これ以上考えるのはもう止そう。

 

「フフフフ。そんなこと言わないでよぉ、ダーリン。貴方が望むなら、このまま裸になっても良いのよぉ?」

 

痴女(サキュバス)の相手なんか嫌だと言ってるだろ」

 

「本当にダーリンってツンデレねぇ。そういうところも好きよ♪」

 

「人の話を聞けよ!」

 

 ダメだコイツ。もう完全に変なスイッチ入ってる所為でまともな会話が出来てない。

 

 これ以上痴女(エリー)の相手をしてられっか。ここはいっその事、イッセーやドライグすら知らない俺の奥の手(・・・)を使って倒すとしよう。

 

 そう決心した俺は、全身に力を入れてオーラを放出しようと――

 

「中々楽しそうな戦いをしてるじゃないか」

 

「「っ!」」

 

 突然第三者からの声に俺だけでなくエリーも振り向く。

 

 振り向いた先には、十枚の漆黒の翼を生やした堕天使――コカビエルがいた。

 

「聖剣や神器(セイクリッド・ギア)を持ってない人間が悪魔と互角の戦いをするとは、これは中々楽しめそうだな」

 

「コカビエル、どうして貴方がここに来てるのかしら?」

 

 さっきまで変態的なスイッチが入っていたエリーが、コカビエルの登場によって気分を害したかのように顔を顰めながら尋ねる。今はもう普通の状態に戻ってる様子だ。

 

「そう恐い顔をするな、エリガン・アルスランド。サキュバスとは言え、同盟関係であるお前に加勢しに来たんだぞ?」

 

「そんな白々しい台詞を言わないで。あと私の前で本名を言わないでくれる?」

 

 物凄く不快な顔をしながら、いつのまにか服を元に戻しているエリー。

 

 ってか悪魔(エリー)堕天使(コカビエル)が同盟関係だと? コイツ等、一体何を考えてる?

 

「それは悪かったな。では本音を言うとしよう。退屈凌ぎに此処へ来て、お前が強い獲物と戦っていたから我慢出来なくなったんだよ。そう言う訳で、俺も参加させてもらうぞ。あんな強い獲物と戦うのは久しぶりだからな」

 

「ふざけるんじゃないわよ、コカビエル。私の一番楽しい時間を邪魔した挙句に参加する? 冗談じゃないわ。私は誰かに横から邪魔されるのが一番嫌いなの。それに彼は私の獲物。堕天使の貴方なんかに渡さないわ。殺すわよ?」

 

 おお、エリーが段々恐くなってきた。邪魔されたら凄く不機嫌になるからなぁ、アイツ。

 

 相手が同盟関係であるにも拘らず、凄まじい殺気と魔力をコカビエルに向けてるし。あれは相当イラついてる証拠だ。

 

「おいおい、それは戦争が始まってからにしてくれ。俺としてもお前との殺し合いは願ってもないが、今は戦争が始まるまではお互い手を出さない条件の筈だ」

 

 何? 戦争が始まってから? 始まるまではお互い手を出さない条件だと? 

 

 …………っ! まさかコイツ等!

 

「おいコカビエル! お前がこの駒王町にやってきたのは、堕天使と神、悪魔との戦争を再び勃発させるつもりか!?」

 

「ほう? あれだけの会話でよく分かったな、人間。どうやら貴様は随分とコチラ側に詳しいようだ」

 

 詳しいも何も聖書の神(わたし)は貴様の親なんだよ、戦争狂のバカ息子!

 

「ならば尚更、貴様は始末しておくとしよう」

 

「コカビエル! 本気で私に殺されたいの!?」

 

 今度はコカビエルも本格的に参戦か。

 

 二対一とは少しばかりキツいが、ここは正体がバレるのを覚悟で聖書の神(わたし)の力を使う……なんて事はしねぇよ! 一先ず撤退だ!

 

「太陽光!!」

 

 

 カァッッ!!

 

 

「何っ!? ぐぅっ!」

 

「きゃあっ!」

 

 独特のポーズで太陽光を放つと、コカビエルとエリーの目が眩んだ。その隙に俺は超スピードで結界で覆われている跡地を脱出し、直後に転移術を使って撤退した。

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