ハイスクールD×D ~復活のG~   作:さすらいの旅人

19 / 60
第十七話

「祐斗、勝手な行動したお前に言いたい事はあるが一先ず保留だ。後で覚悟しとけ」

 

「……はい」

 

「ゼノヴィアも同様だ。ついでにイリナは俺が治療しといたから大丈夫だ」

 

「……感謝する、兵藤隆誠」

 

 祐斗とゼノヴィアに言った俺は、アーシアの近くにいるイッセーに声を掛けようとする。

 

「イッセー! 力が溜まったんならリアスと朱乃に譲渡しろ! 二人同時にな!」

 

「お、おう!」

 

 俺の指示にイッセーは全身から赤い闘気(オーラ)を出すと、すぐにケルベロス二匹と戦ってるリアス達の方へと飛んでいく。

 

「部長! 朱乃さん! 俺の力を受け取ってください!」

 

「「っ!」」

 

 イッセーの台詞を聞いた途端、二人はすぐに駆けつけようとする。

 

 以前『赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)』の事を教えたから、リアスと朱乃はパワーアップ出来ると分かっていた。

 

「いくぜ! ブーステッド・ギア・ギフト!」

 

『Transfer!』

 

 イッセーが両手でリアスと朱乃に触れた途端、二人の体から凄まじい魔力が漂う。両者ともに溢れ出す力に驚いている様子。

 

「――これはいけるわ」

 

「ええ。いけますわ」

 

 だがそれは一瞬で、リアスと朱乃は不敵な笑みを浮かべている。

 

「小猫! そこから離れて! 二匹纏めて倒すわ!」

 

「……はい!」

 

 リアスが指示すると小猫は巻き添えを食らわないようすぐに交戦してるケルベロスから離れていく。

 

 小猫が後退したのを見たリアスは次に朱乃を見る。

 

「朱乃!」

 

「はい! 天雷よ! 鳴り響け!」

 

 朱乃が手を天に向けると、雷光を支配する。

 

 リアスは凝縮された魔力の塊である魔法陣を放ち、それを見た朱乃がそれ目掛けて雷光を放つ。

 

 朱乃の雷光がリアスの魔法陣を通ると、雷光はリアスの魔力と併せ持って凄まじい魔力となった。その魔力はすぐに二匹のケルベロスに降り注がれ、あっと言う間に消滅する。

 

 いくら多少の魔法耐性があるケルベロスでも、イッセーによって増強された二人の魔力を防ぐ事は出来ない。

 

「中々良い見世物だったぞ」

 

 ケルベロスが全て倒されたのを見たコカビエルは、まるでテレビ観戦したような感想を送ってくる。

 

「くらいなさい!」 

 

 コカビエルの発言に顔を顰めたリアスは、空かさず凝縮された巨大な魔力の塊を撃ちだす。

 

 以前ライザーに使った『滅びの爆裂弾(ルイン・ザ・バーストボム)』ほど凝縮されてはいないが、それでも相当な威力だ。

 

 リアスが撃ちだした魔力の一撃は凄まじい速度で、宙に座るコカビエルへ襲い掛かる。

 

「ほう」

 

 感心するように見ているコカビエルは、片手を前に突き出した。

 

 

 ゴオオオオォォォォオオンッッッ!!

 

 

 まるで水鉄砲を手で止めているかのような感じでリアスの魔力を防ぐコカビエル。

 

 その途中、グンッと手のひらを上へと向けた。途端にリアスが放った魔力の塊は軌道をずらされ、天高く空の彼方へ飛んで、そのまま消えてしまった。

 

「あの野郎、部長の一撃をああも簡単に……!」

 

「やはりあの程度の威力じゃ通じないか」

 

 驚くイッセーを余所に、俺は顔を顰めながら呟く。

 

 コカビエルがリアスの一撃で倒せるなんて微塵も思っちゃいない。益してや大戦を生き抜いたコカビエルがアレくらい出来なきゃ、堕天使の幹部なんか務まらない。

 

 手のひらから立上る煙を見たコカビエルは、楽しそうな笑みを浮かべてる。

 

「なるほど。兵藤兄弟ほどではないにしろ、赤龍帝の力があれば、ここまで力が引きあがるか。――おもしろい。これは酷く面白くなってきたぞ!」

 

 一人面白おかしそうに哄笑をあげてるコカビエル。

 

「――完成だ」

 

 突如、バルパーの声がした。その直後、グラウンドの真ん中にあった四本のエクスカリバーが一本になろうとしている。

 

 眩い光がグラウンド全域に広がっていき、四本のエクスカリバーが重なる。そして光が消えると、グラウンドの中央には青白いオーラを放つ一本のエクスカリバーだった。

 

「剣が統合される時に生じる膨大な力――コカビエル(おれ)がいる。バルパーとはそういう取引をしたんでな」

 

 その為に大地崩壊の術をかけたって言うのか? 

 

 ………ふざけた真似をしやがって!

 

「おいおい兄貴! あのオーラの量はハンパじゃねぇぞ! アレが爆発したらこの町が!」

 

「分かってる! アレを防ぐにはコカビエルを倒すしかない!」

 

「その通り。だがあと二十分もしないうちに崩壊するぞ。それまでにコカビエルを倒せるかな?」

 

「なん……だと?」

 

 衝撃的な事を口にしたバルパーに俺は絶句した。

 

 あと、二十分で駒王町が壊れるだと!?

 

 一時間で到着するサーゼクス達が来る頃には、駒王町が既に消し飛んでるぞ!

 

「さあどうする? 兵藤隆誠。そしてリアス・グレモリー!」

 

 五対の羽を出して宙に浮いてる椅子を消しながら挑発するコカビエル。

 

「知れたこと! ここであなたを倒すだけよ!」

 

「っ! 待てリアス!」

 

 俺が制止するも、挑発に乗ってしまったリアスは再び巨大な魔力を放った。

 

 コカビエルはさっきと同じ要領でリアスの魔力を片手で受け止めるが、さっきとは違って弾き飛ばさずに球体のように固める。

 

「これはどうですか!?」

 

「って朱乃もかよ!」

 

 それを見た朱乃がリアスに加勢するように片手から雷撃を放つ。だがそれもコカビエルが片手で受け止め、朱乃の雷撃を一つの球体として固めた。

 

 リアスの魔力と朱乃の雷撃。その二つを片手で持ってるコカビエルは頭上で一つに合わせ、巨大な魔力の塊とさせた。

 

「バカめ!」

 

 合わさった魔力の塊を返そうと、コカビエルはリアスに向けて放り投げた。

 

 リアスは防御の体制を取ろうと魔法壁を展開しようとしてる中、朱乃が割って入るように同じく魔法壁を出そうとする。

 

 ダメだ! あれほどの威力じゃ、リアスと朱乃じゃまだ相殺しきれない!

 

「ちぃっ! 滅貫光殺砲!」

 

 

 ズォビッ!!

 

 

 俺は即座に指先から螺旋を纏った強力な光線――滅貫光殺砲を放った。

 

 それはすぐにリアスと朱乃の魔力の塊に向かっていき、すぐに激突する。

 

 

 ドオオォォオオンッッ!

 

 

「「きゃああっ!!」」

 

 その直後、魔力の塊は貫かれて爆散する。リアスと朱乃は魔力の爆散による直撃は免れたが、爆風だけ防ぐ事は出来なかった。

 

「くっ! 朱乃!」

 

「ああ……」

 

 爆風で飛ばされたリアスが何とか体勢を整えて空中で留まるも、朱乃は爆風をモロに受けた所為で落下していく。

 

「朱乃さ~ん!」

 

 落下して地面に激突しようとする朱乃に、イッセーが空かさず助けに行こうとしている。そしてすぐに朱乃をお姫様抱っこして、地面の激突を回避した。

 

「うう……い、イッセーくん!?」

 

「大丈夫ですか、朱乃さん?」

 

 自分がお姫様抱っこされてることに気付いた朱乃はすぐに顔を赤らめた。

 

 どうでもいいがライザーとのレーティングゲームの時、朱乃はイッセーにお姫様抱っこされてたな。

 

「ご、御免なさい。折角イッセーくんから力を……」

 

「朱乃さんが無事なら、そんな事どうだっていいっすよ」

 

「あっ……」

 

 安心させるような笑みを浮かべるイッセーに、朱乃が何やらときめいた顔をしていた。

 

 だからイッセー。こんな時に女を口説いてんじゃねえ!

 

「おい兄貴! もっとマシな助け方はねぇのかよ!?」

 

 俺が内心そう突っ込んでると、朱乃から離れたイッセーはコッチを見て怒鳴ってきた。

 

「寧ろ感謝しろ! そうでなきゃ今頃リアスと朱乃の怪我はソレくらいじゃ済まなかったんだぞ!」

 

 リアスと朱乃の服装が破れて軽傷だが、もし俺が助けなきゃ重傷を負っていた。

 

「アーシア! 悪いがリアスと朱乃の治療を!」

 

「は、はい!」

 

 俺の指示にアーシアがビクッとしながらも、リアスと朱乃の所へ駆け寄って行く。

 

 そんな中、魔剣を持ってる祐斗がいつのまにかバルパーの下へと向かっている。

 

「って木場が!」

 

「アイツ、また勝手な事を!」

 

 全くどいつもこいつも独断専行が好きな奴等だ! 少しは周囲の事を考えてから行動してくれよ!

 

「バルパー・ガリレイ。僕は聖剣計画の生き残り、いや、正確にはあなたに殺されたんだ」

 

「ん?」

 

 祐斗の台詞にバルパーは怪訝そうな顔をしながら目を細める。

 

「悪魔に転生した事で、こうして生き長らえている。僕は死ぬわけにはいかなかったからね。死んでいった同志の仇を討つ為に!!」

 

 憎しみを込めた目をしながら祐斗は剣を翳し、バルパーに向かって突進していく。

 

 だが祐斗は目の前にいるバルパーしか考えてなかったのか、背後にいるコカビエルが光の槍を出してる事に全く気付いていない。

 

「避けろバカ! コカビエルがお前を後ろから狙ってるぞ!」

 

「っ!」

 

 俺の台詞に祐斗は気付くが遅かった。コカビエルが既に光の槍を投擲しようとしてる。

 

「不味い!」

 

「くっ!」

 

 イッセーが超スピードで駆けつけ、俺はコカビエルの光の槍を消そうと再び滅貫光殺砲を放とうとする。だが一足遅く、もう間に合わない。

 

 

 ドオオオォォォオオンッッ!!

 

 

 光の槍は地面に激突して凄まじい爆発と爆風が発生した。

 

 イッセーは即座に闘気(オーラ)を出して防ぐも、吹っ飛ばされた祐斗はうつ伏せで倒れていた。

 

 因みにバルパーはコカビエルの加護があったのか、奴の周囲には結界が展開されて無傷だ。

 

「ふんっ。直撃は避けたか。すばしっこいネズミだ」

 

 コカビエルの野郎、好き勝手ほざきやがって!

 

 祐斗は致命傷にならず何とか生きているが、もし直撃を受けて死んでたら、聖書の神(わたし)は怒ってコカビエルを殺していただろう。

 

 そんな俺の心情などを全く気にしてないコカビエルは誰かを呼ぼうとしていた。

 

「フリード!」

 

「はいな、ボス!」

 

 コカビエルの呼びかけに現れる白髪の少年神父。

 

「最後の余興だ。四本の力を得たエクスカリバーで、コイツらを纏めて始末してみせろ」

 

「ヘイヘイ。ボスは人使いが荒いなぁ。でもでも! チョー素敵仕様になったエクスなカリバーちゃん! 確かに拝領したでござマス!」

 

 イカレた笑みを見せながら、フリードはエクスカリバーを握る。

 

「さぁ~て、誰から殺っちゃいましょうかねぇ~?」

 

 選り好みするように俺達を見回すフリードだったが、イッセーを見た途端に視線を固定した。

 

「じゃあ先ずは~、この前の借りがあるクソ人間ことイッセーくん! 君に決めたぁ!」

 

「上等だ! 来やがれ!」

 

「ヒャッハ~! 今すぐにその減らず口を叩けなくしてやんよぉ~~!」

 

 

 

 

 

 

 向かってくるフリードに、俺――兵藤一誠は超スピードで懐に入る。

 

「およ!?」

 

 接近されたフリードは驚いてる顔をしてるが俺の知った事じゃない。

 

「オラァッ!」

 

「ざ~んねん!」

 

 

 フッ!

 

 

 俺の攻撃が当たろうとする瞬間、フリードは嫌な笑みを浮かべてすぐに消えた。

 

「イッセーくんもご存知、(ちょ)(ぱや)天閃(ラピッドリィ)ちゃんよ!」

 

「っ!」

 

 フリードはいつの間にか俺の背後を取って余裕そうに解説しやがった。

 

 そういや『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』か? それの能力で木場に匹敵するスピードを出せるんだった。

 

「出来たてホヤホヤの超すげーエクスカリバーちゃんは! 何でもありありぃ!」

 

 エクスカリバーを横薙ぎに振るうフリードに俺は――

 

 

 スカッ!

 

 

「あれ~? 斬った感触がない? でも目の前にイッセーくんが」

 

「それは俺の幻影だ!」

 

「ぶげぇ!!」

 

 高速で移動して相手に幻影を認識させて攻撃をかわす技――幻影拳を使ったついで、ムカつくフリードの顔に蹴りをくらわせた。

 

 幻影拳はドラグ・ソボールで空孫悟の他に多くの武道家が使っていた技だ。達人の域になれば何十個もの幻影を作り出すことが出来る。

 

 当然この技は俺だけじゃなく兄貴も使える。幻影拳は相手を翻弄するのには地味に便利なんだよな。

 

「かぁ~! このクソ人間! よくもよくもよくも今度は俺様の顔を足蹴にしやがったな! テメェはぜってぇぶっ殺す!!」

 

 反撃を食らったフリードはブチ切れたのか、憤怒の表情だ。お~こわ。

 

「ズタズタにしてやるぅ!」

 

 フリードがエクスカリバーを両手で持ち構えると、刀身が変化しだした。それどころか俺に向かって伸びてる!?

 

「よっと!」

 

 オーラを纏った聖剣は俺を貫こうと伸びてくるも、俺は慌てずに跳躍する。

 

「はっ! 擬態(ミミック)だけじゃねぇっての!」

 

 中段で構えてたフリードが上段で構えなおすと、エクスカリバーも反応するように上に向かっていく。

 

 だが切っ先だけは俺の方へと向けていて、急に五つの切っ先へと変わった途端、再び俺へと襲い掛かってくる!

 

「よっ! ほっ! ほいっと!」

 

 だがあくまで五つに増えただけに過ぎなく、向かってくるスピードは大したこと無いから簡単に躱せる。

 

 ダンスするかのように躱す俺を見たフリードは当たらない事に苛々してる様子だった。

 

「この、ちょこまかと! だったら夢幻(ナイトメア)だ!」

 

「げっ! 今度はフリードも増えた!?」

 

 何十にも増えたフリードを見て度肝を抜かれた。

 

 ……いや違うか。アレは俺が使った幻影拳と似てる。

 

「ギャハハハ! 驚いているでやんすね! これは『夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)』の力っす! ババンバンバン!」

 

 アレもエクスカリバーの力かよ!

 

 くそっ! 俺が必死で覚えた幻影拳が、聖剣の能力で簡単に使えるなんて反則だろうが! ちったぁ苦労しろ!

 

「んで『透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)』!」

 

「ったく、次から次へと!」

 

 今度はフリードの本体と幻影が持ってるエクスカリバーの刀身が消えた。

 

 ってかあの野郎、エクスカリバーの能力を同時に使う事が出来んのかよ!

 

「そいやぁ! そいやそいやそいやぁ!!」

 

 

 ギンッ! ギィンッ!

 

 

「くっ!」

 

 見えない刀身で斬撃をしてくるフリードに、俺は『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』を展開してる左腕で防御する。

 

 ってか幻影からも攻撃された感触したぞ! どんだけチートなんだよ、エクスカリバーは!

 

「ったくもう、チートにも程があるだろうが……!」

 

「……信じられません。あのイッセー先輩が押されてるなんて……」

 

 コッチに来ていた小猫ちゃんが信じられないように呟いていた。

 

「アハハハァ~! イッセーくん、泣いて謝っても遅いよ~! さぁ覚悟して頂戴ね!」

 

「はっ。その台詞、後悔しなきゃいいけどな」

 

「あぁ? この状況で何ほざいちゃってんのかな~? 絶体絶命のくせに偉そうな口叩いてんじゃねぇよクソ人間がぁ~!」

 

 俺の台詞にカチンときたのか、フリードがキレ気味で俺に襲い掛かってくる。

 

 こんな奴なんかにいつまでも遊んでられないな。さっさと全力(フルパワー)になって決めるとすっか!

 

 向かってくるフリードに俺が待ち構えてると――

 

「兵藤一誠! 加勢するぞ!」

 

「え?」

 

 

 ガギィンッ!

 

 

「うおっと! 誰かと思えば教会のビッチかよ!」

 

 突然ゼノヴィアが割って入るように、フリードの聖剣を『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』で受け止めた。

 

「ゼノヴィア、お前……!」

 

「いかに赤龍帝と言えども、聖剣相手では分が悪いだろう? 手を貸すぞ」

 

「いや、別にそんな事しなくても……」

 

「あ~あ~! いいところで邪魔しちゃってくれて! こうなったらビッチもまとめて斬り殺してやるよ!」

 

 俺の台詞を遮るようにキレてるフリードはゼノヴィアも斬ろうとしていた。

 

 別にゼノヴィアが加勢しなくても充分に勝てたんだが……まあ良いか。美少女が助太刀してくれるなら、それはそれでやる気も出る。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。