ハイスクールD×D ~復活のG~   作:さすらいの旅人

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今回は白龍皇との出会いです。

今日もまた短いですが、それではどうぞ!


第三十話

「兄貴、俺はサーゼクスさまを心から尊敬してる……。部長のおっぱいにブーステッド・ギア・ギフトを使った効果を未だ妄想できねぇ……!」

 

「………あっそ」

 

 同志となったサーゼクス来訪から数日。

 

 サーゼクスとグレイフィアは泊まった翌日の日曜日に兵藤家を出立していた。

 

 因みに土曜日の夜には同志の語り合いを終えた後、サーゼクスはイッセーにも話したい事があるから、弟の部屋で床に就きたいと言ってた。それを聞いたリアスとアーシアの反応が不謹慎ながらもちょっと面白かったよ。だってあの二人、イッセーと寝れないと知った途端、ショックを受けたような顔してたんだ。

 

 リアスは“イッセーと寝ないと死んじゃう病”みたいで、グレイフィアに連れてかれた時は子供と離ればなれになるしかない親子のシーンを見せてた。アーシアは悲しみに耐えるように涙を流しながら自分の部屋に戻ってたし。

 

 俺は内心『たかが一日寝れないだけで大袈裟過ぎだろ』って内心呆れながらツッコミまくったよ。まぁ、二人はそれだけイッセーの事が好きだと言う証拠でもあるんだけど。

 

 就寝した翌日には念の為イッセーから聞いたが、どうやらサーゼクスはウチの弟をグレモリー卿と同様に相当気に入ってるようだ。もしアザゼルに勧誘されても、出来る限り最大限にフォローする。更には呼び方をイッセーにしたり、自分の事を『サーゼクス』または『お兄さん(じゃなくてお義兄さん)』と呼んで欲しいとも言われたそうだ。そのついでに、さっきイッセーが言ってた『リアスの胸に力を譲渡(ギフト)したらどうなるか』とも呟いていたみたいだが。

 

 にしてもグレモリー家の現当主と冥界の魔王に気に入られるとなると、イッセーが悪魔になるのは時間の問題だろうな。前にも言ったが、アイツが望んで悪魔になるなら口出ししない。今の聖書の神(わたし)に止める権利なんて無いからな。尤も、向こうが強制的にイッセーを悪魔にさせるつもりだったら話は別だが。まぁ、その可能性は全くと言っても無いだろう。おっと、少し話が逸れてしまったな。

 

 そして翌日の日曜日に駒王町の下見もあったようで、サーゼクスから俺たち兄弟に案内役をして欲しいよう頼まれた。けれどそれは下見と言うより観光も同然だったが。

 

 何しろ俺たち兄弟とゲーセンで競い合ったり、ハンバーガーショップで全種注文制覇したり、神社に行ったりしていた。サーゼクスが凄く楽しんでる顔をしてる時点で、これはもう完全に外遊だなぁと思ったよ。それを分かっていながらも俺は楽しんでいたが。

 

 けれど、サーゼクスがああなるのは無理もない。冥界は人間界と違って娯楽が余りないからな。嘗て聖書の神(わたし)がいた天界にも言える事だが。

 

 そんな娯楽施設がいっぱいある人間界で遊んだら、魔王とか関係無くハイテンションになる。魔王だって息抜きしたいからな。あの時のサーゼクスの気持ちは聖書の神(わたし)もよく分かるよ。

 

「やっぱりサーゼクスさまは凄い。俺の思考レベルを遥か上に行くなんて……!」

 

「……はぁっ」

 

 下らん考え事をしてるイッセーに対して溜息を吐く俺。

 

 我が同志サーゼクス、余計な事をイッセーに吹き込まないでくれよ。この愚弟(バカ)は変な妄想に囚われてるんだからさ。リアスやアーシアには見せられないだらしない顔してるし。

 

 因みにリアスとアーシアは一緒に登校してない。リアスは同志サーゼクスから電話がある為に遅れており、アーシアはマンションから出てこないゼノヴィアを迎えにいっている。だから今は弟のイッセーだけと一緒に登校している。

 

 なんかイッセーと一緒に登校するのは久しぶりだよ。昨日まではリアスやアーシア、ゼノヴィア達と仲良く登校してたからな。俺たち兄弟がオカルト研究部に入部してから、随分と変わったもんだ。

 

 今までの出来事を振り返りながら登校してると駒王学園が見えた。その校舎に入ろうと――

 

「止まれ、イッセー。お客さんだ」

 

「え? お客さん? ……って、アイツは!」

 

 ――したが即座に足を止めた。イッセーは俺の指示に従いながら不可思議に問おうとするも、校門前で佇んでいる少年を見た。

 

 その少年は端整な顔立ちをした銀髪の美少年。歳は俺かイッセーぐらいだろう。もしあの美少年がただの一般人なら問題無く素通りするんだが、そういう訳にはいかない。

 

 俺とイッセーはあの美少年に対して警戒している。彼から感じるオーラは、先日コカビエルを倒した時に現れた鎧姿のアイツと同じだから。

 

 足を止めた俺とイッセーを見た美少年は笑みを浮かべながら近づいてくる。

 

「ここで会うのは二度目だな。『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』――赤龍帝の兵藤一誠。そして赤龍帝の兄――兵藤隆誠」

 

 俺達が立っている橋の上まで移動して足を止め、すぐに話しかけてくる美少年。

 

「俺はヴァーリ。白龍皇――『白い龍(バニシング・ドラゴン)』だ」

 

「お前が……!」

 

 自己紹介をする美少年――ヴァーリにイッセーが強く睨む。いきなり自分の宿敵が現れたら睨むのは当然だろうな。

 

 だが俺は制するようにイッセーの前に立ち、呆れた表情をしながら問おうとする。

 

「白龍皇が一体何をしに来たんだ? まさかここで赤龍帝(イッセー)と闘いにきた、なんて冗談を言いに来たんじゃないだろうな?」

 

「ふっ。そちらがそうお望みなら、俺は一向に構わない――」

 

 

 ザッ!

 

 

 言ってる最中、突然二本の剣がヴァーリの首元に刃を突きつけていた。

 

 現れたのは祐斗とゼノヴィアだ。聖魔剣と聖剣デュランダルをヴァーリに向けている。加えて二人の目付きも鋭い。

 

 駆けつけていたのは分かっていたが、まさか来て早々割って入るとは。

 

「冗談が過ぎるんじゃないかな?」

 

「ここで赤龍帝との対決を始めさせるわけにはいかないな、白龍皇」

 

 祐斗もゼノヴィアもドスの聞いた声音を発している。

 

 だが――

 

「祐斗にゼノヴィア、二人とも下がれ」

 

 俺はすぐに下がるよう指示した。

 

「しかしリューセー先輩!」

 

「お前達じゃ白龍皇の相手にならない。早くしろ。同じ事を言わせるな」

 

「その通りだ」

 

 俺の指示を賛同するようにヴァーリが二人に向かって言う。

 

「コカビエル如きに勝てなかったキミたちでは、俺に勝てないよ。兵藤隆誠の言うとおり、下がった方がキミたちの身のためだ」

 

 コカビエル如き、ねぇ。

 

 確かに今の白龍皇はコカビエルとは比べ物にならないほどの力を感じる。リアスたちグレモリー眷族が一丸になっても勝てなかった相手が、白龍皇に勝つ事など絶対無理だ。

 

 まぁ、それは祐斗とゼノヴィアも分かっているようだ。その証拠に二人の手元が震えている。力の差を理解してる証拠だ。

 

 加えて今のイッセーでも白龍皇には勝てない。龍帝拳を五倍にまで引き上げてコカビエルをやっとの思いで押したからな。

 

 現状、この場で白龍皇とまともに戦えるのは俺しかいない。オカマのローズさんやミルたんがいてくれたら凄く心強いんだが。

 

 ヴァーリからの指摘に祐斗とゼノヴィアはそれぞれの獲物を仕舞い、すぐに俺の後ろまで移動する。それを確認したヴァーリは次にイッセーの方へと視線を移した。

 

「兵藤一誠、キミはこの世界で何番目に強いと思う?」

 

「何……?」

 

 突然の問い掛けに少し戸惑うイッセー。

 

「バランスブレイカーすら至ってないにも拘らず、コカビエルを圧倒したあの強さは賞賛に値する。だがそれでも三桁――百から五百の間ぐらいだ。スペック的には普通の人間の筈なのに、そこまでの力を付けるとは……兄による指導の賜物と言ったところか」

 

 言ってる途中でイッセーから俺に視線を移すヴァーリ。何かさっきから好戦的な目で俺を見ているんだが、何のつもりだ?

 

「そして赤龍帝の力を軽く上回っている兵藤隆誠。あなたは何の神器(セイクリッド・ギア)も使わずに強者の位置に部類している。正直言って、今の俺は兵藤一誠よりあなたと闘いたい気分だよ」

 

 今度は俺かよ。そう言うのは俺じゃなくてイッセーに言ってくれ。

 

 ってかコイツ、この前は俺に対して『キミ』って言ってたのに、いつのまにか『あなた』になってるし。どう言う心境の変化だ?

 

「止めておくんだな、白龍皇。俺と戦ったら君もタダでは済まなくなる」

 

 神器(セイクリッド・ギア)をメインで使って闘おうとするなら尚更、な。

 

「それでも今この場で戦うと言うなら、君は俺とイッセーを同時に相手せざるを得なくなるぞ。忠告しておくが、俺たち兄弟が二人で戦えば個人の戦闘力以上の力を発揮するよ」

 

 俺とイッセーが連携して戦えば魔王クラス以上の力を出せる。如何に白龍皇でも分が悪いだろう。

 

「その力を是非とも見てみたいが、それは次の機会にとっておくとしよう。安心してくれ、今日は別に戦いに来たわけではない。単に挨拶をしに来ただけだ。それと――赤龍帝の兵藤一誠は貴重な存在だ。大切にするといい、リアス・グレモリー」

 

 ヴァーリは俺達の後方に視線を向ける。その後ろにはリアスがいた。

 

 かなり不機嫌な表情だ。リアスの周囲にはアーシア、朱乃、小猫もいる。アーシアはすぐにイッセーの近くへ寄り、朱乃と小猫は臨戦態勢を取っている。

 

「白龍皇、一体何のつもりかしら? あなたが堕天使と繋がりを持っているのなら、必要以上の接触は――」

 

「ふっ。『二天龍』と称された『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』と『白い龍(バニシング・ドラゴン)』。過去、関わった者は碌な生き方をしていない。――あなたはどうなるんだろうな?」

 

「っ」

 

 意味深な事を言うヴァーリにリアスは言葉を詰まらせていた。

 

 だが――

 

「そんな心配は不要だ、白龍皇。俺は部長を不幸にさせることはしねぇよ。ってか用が済んだなら、いい加減に帰ったらどうだ?」

 

 イッセーからの言葉が予想外だったのか、ヴァーリは意外そうに目を見開いていた。

 

「ではキミの言うとおり帰るとしよう。俺もやる事が多いのでね」

 

 だがそれは一瞬で、すぐに笑みを浮かべながら言い残して去っていった。

 

 奴が去ってもイッセー達は緊張の糸は取れていない。未だ警戒するようにヴァーリが去った方角を見ている。

 

 すると、イッセーは真剣な顔をしながら俺に話しかけてくる。

 

「兄貴――」

 

「修行の難易度を上げてくれ、だろう? お前の言いたい事くらい分かってる」

 

「……悪い。急に勝手なお願いしちまって」

 

「気にすんな。今のままでヴァーリに勝てないのを分かって尚且つ、俺にこうして頼むのは寧ろ嬉しく思う。会談が始まるまではミッチリ扱いてやるから覚悟しとけよ?」

 

「おう!」

 

 イッセーの返事を聞いた俺はすぐに笑みを浮かべた。

 

「はぁっ……。僕も修行したいのに、イッセーくんが本当に羨ましいよ」

 

「私も隆誠先輩の厳しい特訓を受けたいんだが……」

 

 祐斗とゼノヴィアがイッセーに対して嫉妬するように見ていたが、俺は気にしないでおくことにした。

 

 二人には悪いが、今はイッセーを最優先させてもらう。近い内にイッセーがヴァーリと戦うかもしれないからさ。

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