ハイスクールD×D ~復活のG~   作:さすらいの旅人

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久しぶりの更新で短い~。でも更新しないよりはマシですね。

それではどうぞ!


第三十四話

 場所は変わり、部屋に閉じこもろうとしていたギャスパーを何とか部室まで連れてこさせた。

 

「その『停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)』ってやつで、さっき兄貴を除く俺達の動きを止めていたのか?」

 

「正確に言えば、この子が見た対象者の時間を止めると言った方が正しいな」

 

 ギャスパーの神器(セイクリッド・ギア)は、視界に映した全ての物体の時間を一定の間停止する事が出来る。しかも興奮するとソレが発動するので、全く制御が出来ない状態だ。それ故ギャスパーはあの部屋に封じられている。

 

 俺がこの情報を調べた時は少しばかり驚いたよ。リアスが反則並みに近い神器(セイクリッド・ギア)を持ったギャスパーを自身の眷族にしていたとは、ってな。まぁその後、(リアス)の力不足で扱いきれずに封じられていると聞いて少し呆れたが。

 

「何かそれ、反則に近い力じゃねぇか?」

 

「安心しろ。お前の『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』も充分反則級だ」

 

 自身の力を何段階も倍加させるなんて力を持つのは『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』ぐらいしかない。尤も、それもそれで使い方を誤れば身を滅ぼす事になる。ま、聖書の神(わたし)がいた為、大事とならずに済んだけどな。

 

「私から言わせれば、反則の力を持ってるギャスパーとイッセーを簡単に抑えることが出来るリューセーは、それ以上の反則級な人間だと思うのだけど?」

 

 リアスのツッコミに、アーシアを除く全員がウンウンと頷いていた。お前等なぁ……。

 

 何かこのやり取り前にもやったような気が……まぁどうでも良いか。

 

「で、リアス達に内緒でギャスパーに会っていた理由だが、この子の暴走気味な神器(セイクリッド・ギア)を俺がどうにかしようと思ってな。ついでにこの引き篭もりな性格も改善させようとしたが」

 

「意外だな。前まで部長たちに関わるのをずっと避けていたのに」

 

 そう。イッセーの言うとおり、当時の俺は悪魔のリアス達と極力関わらない方針をとっていた。それは当然、弟のイッセーにも言いつけてあった。だが、それを変えざるを得ない理由があったんだよな。

 

「俺も最初そのつもりでいたんだが、ギャスパーが無意識の内に神器(セイクリッド・ギア)の力が高まっていくのが分かってな。このままだと何れ『禁手(バランス・ブレイカー)』に至る可能性がある」

 

「おいおいマジかよ!?」

 

 バランスブレイカーと聞いた途端、イッセーが驚いた顔をしていた。当然の反応だ。ただでさえギャスパーは制御不能なのに、そんな状態で至ってしまったら恐ろしい事になる。

 

「このまま放置したら危険だと分かった俺は、リアス達に疑われるのを覚悟でギャスパーと接触し続けたんだ」

 

 正直言ってこれはイッセーの修行以上に厄介だった。リアスたち悪魔にバレず、ギャスパーの神器(セイクリッド・ギア)を上手く制御させると同時に引き篭もり脱出させるなんて、普通に考えれば超高難易度のミッションだ。達成率なんか一桁以下だ。いくら聖書の神(わたし)でも簡単に出来ない。

 

「ま、結局リアスやソーナに目を付けられてしまったから、中断する事になったんだが」

 

「………理由が分かったとは言え、まだ釈然としないわね」

 

 不満たらたらな視線を送ってくるリアスに俺は苦笑するしかなかった。

 

 本当に悪かったって。自分の可愛い眷族が知らない間に俺が接触してたからって、そんなに剥れるなよ。

 

「でもまぁリアス、お前よくギャスパーを眷族にすることが出来たな。この子の才能は『僧侶(ビショップ)』の駒一つで済むとは到底思えない。となれば、あの駒(・・・)を使ったとしか考えられないんだが」

 

「………もしやとは思ってたけれど、やっぱりリューセーは知っていたようね。『変異の駒(ミューテーション・ピース)』のことを」

 

「一応な」

 

「……ミューテーション・ピース? 確か複数使うはずの駒を一つで済ませてしまうアレの事か?」

 

 俺とリアスの会話にイッセーが首を傾げながら問うと、祐斗が苦笑しながら答えようとする。

 

「その通りだよ。リューセー先輩の言うとおり、部長はギャスパーくんにその駒を使ったんだ」

 

「へぇ……って、ギャスパーはどこいった?」

 

 祐斗がイッセーに教えていると、いつのまにかギャスパーがいなくなっていた。

 

 その代わり、部室の隅っこには大きな段ボールが置かれている。

 

「……うぅ、僕の話なんかして欲しくないのに……目立ちたくないです~!」

 

 段ボールからギャスパーの声が聞こえた。

 

 あの行動を見るのも久しぶりだな。俺と会った途端に悲鳴をあげただけでなく、一瞬で棺の中に隠れていたし。

 

「いつの間にかこんな所に隠れやがって……」

 

 イッセーが呆れるように段ボールへ近づき、すぐソレを蹴る。

 

「ひぃぃぃぃっ! 僕はこの箱の中で充分です! 箱入り息子ってことで許してください!」

 

「なんだそりゃ……」

 

 訳の分からん事を言って許しを請おうとするギャスパーにイッセーは呆れるしかない様子だった。

 

 全く。俺がちょっと会わなくなっただけで振り出し状態に戻ったようだ。俺が正式なオカ研の部員になった以上、本格的にギャスパーをどうにかしないといけないな。

 

「部長、そろそろ打ち合わせのお時間ですわ」

 

「そうね」

 

 ギャスパーを矯正させる為のプランを考えてると、朱乃の台詞にリアスが思い出したように頷いた後、俺達に向かって言う。

 

「私と朱乃はこれからトップ会談の打ち合わせにいかなくてはならないの。祐斗、お兄さまがあなたの禁手(バランス・ブレイカー)について詳しく知りたいらしいから、ついてきてちょうだい」

 

「はい、部長」

 

 祐斗はサーゼクスから聖魔剣についての呼び出しか。

 

 アレは本来あり得ない現象で出現した禁手(バランス・ブレイカー)だから、サーゼクスが知りたがらない訳がない。尤も、それはサーゼクスの他にも知りたい者もいる。例えばどこぞの神器(セイクリッド・ギア)マニアな堕天使総督とか。

 

 因みに聖書の神(わたし)はもう既に祐斗に頼んで聖魔剣について調べさせてもらった。勿論、俺が祐斗に数日修行の相手をする条件付きで。それを聞いた祐斗はすぐに了承してくれたよ。ついでに俺が祐斗に修行相手をしてると知ったゼノヴィアが、自分もやって欲しいって強く懇願されたけど。あの時はちょっと疲れたよ。

 

 まぁ、それはそれとしてだ。聖魔剣の構造を理解した聖書の神(わたし)はとうとうあの剣(・・・)を――

 

「リューセー、あなたも来るのよ」

 

「……え? 何故に俺まで?」

 

 突然リアスが俺も来いと言ってくるので、すぐに理由を尋ねる。

 

「あなたは人間代表としてトップ会談に参加するのだから、打ち合わせに参加しないでどうするの」

 

 呆れたように言ってくるリアスに、俺は少しばかり不満気に反論する。

 

「だったら俺は打ち合わせに出ないほうが良いんじゃないのか? 俺が悪魔側の打ち合わせに参加したら、天使や堕天使から不公平だと言われるぞ?」

 

「それは大丈夫よ。あなたとの打ち合わせは、私たち悪魔側と協力関係になった経緯を説明することについてだけよ。お兄さまがそう言ってたわ」

 

「……ならいいけど」

 

 俺はてっきり、打ち合わせと言う名の勧誘をするんじゃないかと思ったよ。ま、打ち合わせする相手は魔王サーゼクスだから、そんな事はしないと思うが。

 

 仕方ない。人間代表で参加する以上、打ち合わせも参加するしかないか。それまでの間、ギャスパーの相手はイッセー達に任せるとしよう。

 

 

 

 

 

 

「イヤァァァァッ!!」

 

「ほら走れ! モタモタしてると、このデュランダルの餌食になるぞ!?」

 

 夕方に差し掛かった時間帯、旧校舎近くでギャスパーは鬼ごっこをしていた。鬼役である聖剣デュランダルを持ったゼノヴィアに追いかけられて。

 

 それを見ている俺――兵藤一誠は吸血鬼狩りにしか思えない光景にどうツッコめばいいのい分からない状態だ。

 

 部長や兄貴からギャスパーを俺達に任せると言われたんだが、いまゼノヴィアのやってる事はどうかと思う。強引にギャスパーを外に出したのはいいんだが、アレはちょっと……。

 

 そう思ってると、ギャスパーがへたばるように座り込んだ。ってか、男のくせに乙女みたいな座り方と仕草すんなよ。

 

「うぅぅ……。どうしてこんなことをするんですか?」

 

「健全な精神は健全な肉体に宿る。先ずは体力から鍛えるのが一番だ」

 

 楽しそうに笑みを浮かべるゼノヴィア。

 

「ゼノヴィアの奴、随分と楽しそうだな」

 

「え、ええ。ああいうノリがお好きなようですねぇ……」

 

 俺の呟きに隣のアーシアが苦笑しながら頷いていた。小猫ちゃんは相変わらず無表情で見ているけど。

 

「もうダメですぅ! 一歩も動けませぇん!」

 

「ギャーくん。これを食べればすぐに元気になる」

 

 完全にギブアップ状態となってるギャスパーに、小猫ちゃんが近づいていた。片手に持ってるニンニクを見せながら。

 

「イヤァァァァッ! ニンニク嫌いぃぃぃ!」

 

「好き嫌いはだめだよ、ギャーくん」

 

 ニンニクを見た途端にギャスパーは復活して逃げ始めると、小猫ちゃんは未だにニンニクを見せながら早歩きでギャスパーを追いかけていた。

 

 これは一年生同士の仲が良いやりとりなのだろうか……? どう見ても小猫ちゃんがギャスパーを弄ってるようにしか思えない。

 

「こ、小猫ちゃんも楽しそうですね」

 

 意外な行動をしてる小猫ちゃんにアーシアも少し戸惑い気味だった。

 

 さっきから思ってるんだが、これって根本的な解決にならねぇよな?

 

「おー、やってるなオカ研」

 

 すると、生徒会メンバーの匙が現れる。

 

「おっ、匙か」

 

「よー、兵藤。解禁された引き篭もり眷族がいると聞いて、ちょっと見に来たぜ。おおっ! 金髪美少女かよ!」

 

 匙は逃げるギャスパーを見ると嬉しそうな顔をしていたが――

 

「女装野郎だけどな」

 

「………マジか。こんな残酷な話があっていいものか?」

 

 男だと分かった途端に両手と両膝を地面に付けてショックを受けていた。

 

 分かる。気持ちは分かるぞ、匙よ。俺もギャスパーが女装野郎と知ってすぐにショックを受けたからな。

 

「ところで、何で堕天使の総督がココに来てるんだ?」

 

「ほう、俺に気付いていたのか」

 

『………えっ!?』

 

 俺の台詞に堕天使総督アザゼルが感心するように現れると、和やかな場となっていた空気がすぐに一変した。

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