ハイスクールD×D ~復活のG~   作:さすらいの旅人

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第三十七話

「アザゼル、明日の会談に兵藤隆誠は必ず出席するのか?」

 

「当然だ、ヴァーリ。ちゃんと人間代表として出ると確認済みだ。しかしまぁ、白龍皇のおまえが赤龍帝より気になってるとはな」

 

「それはアンタだってそうだろう?」

 

「………まあ、個人的に色々と訊きたいことがあるのは否定しない」

 

「……なあ、アザゼル。もし仮に神が生きていたらアンタはどうする? 戦争を再開するか?」

 

「おまえらしくない問いだな。神が死んでることはおまえも既に知ってるだろう」

 

「仮に、と言ったはずだ。それくらいは答えてくれても良いだろう?」

 

「………そうだな。仮に生きてたとしても、俺はもう戦争は起こさねぇよ。興味もねぇしな」

 

「……そうか」

 

 

 

 

 

 

 ギィンッ! ガギィンッ!

 

「ほら、剣に纏わせてる闘気(オーラ)の質が落ちてきてるぞ。ちゃんと維持しろ」

 

「無茶言うなよ! ただでさえ俺はまだ初心者だぞ! いくらなんでも無理な注文すんな!」

 

「ゴチャゴチャ言うな。それにそんなもん敵に言ったとしても、お前に合わせてくれるわけ無いだろうが」

 

 早朝。俺は早速イッセーに剣術の修行をさせていた。場所は旧校舎周囲にある森の中だ。

 

 イッセーは『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』と同化させた聖剣アスカロン、対して俺は木刀で相手をしている。

 

 普通に考えて聖剣アスカロンに木刀でやるのは馬鹿げてるだろう。だが俺は木刀にオーラを纏わせてるから、そう簡単に折れることはない。

 

 加えてイッセーは剣を使い始めたばかりの初心者だ。いくら聖剣とは言え、完全に使いこなせてない今のイッセーではオーラを纏った俺の木刀を斬る事は出来ない。

 

 本当だったら時間をかけて剣の使い方を一から教えたいところだった。けれど白龍皇ヴァーリと出会ってしまった以上、今はその時間すらも惜しいから実戦形式で教えるしかない。

 

「イッセー、剣を自分の身体の一部だと思え。武器を使っていた少年時代の空孫悟のように」

 

「少年時代の空孫悟?」

 

 俺がちょっとした例えを言うと、急に何かを考え始めるイッセー。

 

 その数秒後、何か閃いたのかイッセーは笑みを浮かべて俺に向かって言う。

 

「兄貴、ちょっと試したい事がある。避けるか防御するかは兄貴に任せる」

 

「は?」

 

 俺が不可解に思ってると、イッセーは俺から距離を取ろうと後方へ跳躍した。そしてすぐに何かを放つような構えをする。

 

 アイツ、一体何をする気だ? 距離を取るにしても離れすぎだろうが。

 

 そして――

 

「伸びろアスカロン!!」

 

『Blade!』

 

 

 ギュオンッ!!

 

 

「っ!」

 

 イッセーが左腕を俺に向かって伸ばしながら叫んだ直後、ドライグの声と一緒にアスカロンの刀身も伸びた。それも速めな速度で。

 

 それを見た俺は虚を突かれる様に驚いたが、こっちに向かってくるアスカロンの切っ先から防ごうと木刀を盾代わりにした。

 

 

 ギィンッ!!

 

 

「ぐっ!」

 

 アスカロンの切っ先と木刀が激突し、その衝撃によって俺は吹っ飛ばされそうになるも何とか踏ん張った。

 

 伸びてくるアスカロンは両足を地に付いてる俺をジリジリと後退させる。だが俺は押し止めようと、木刀に纏わせてるオーラの質を上げた。

 

「あ、やっぱ防がれたか。いけると思ったんだがなぁ」

 

「………驚いたよ。まさかそんな使い方をするとは」

 

「さっき兄貴が言ったろ? 少年時代の空孫悟みたいに武器を使ってみろって」

 

「……ああ、確かに言ったな」

 

 イッセーのやり方は、少年空孫悟が伸縮棒を使っていた時の戦法だ。それをまさかアスカロンで実現させるとは思いもしなかったよ。

 

「だがなイッセー、その戦法には弱点があってな」

 

 

 フッ!

 

 

 俺が即座に超スピードでイッセーの懐に入り――

 

「戻さないまま懐に入られたらアウトだぞ」

 

「あ、やっぱり?」

 

 指摘をするもイッセーは諦めたかのような顔になって――

 

 

 ドスッ!

 

 

「ごふっ!」

 

 木刀の突きを腹部に直撃して吹っ飛ばされる事となった。 

 

 アイツは咄嗟に腹部を闘気(オーラ)で纏って防御したから、大したダメージはない。ま、これはこれで勉強になっただろう。

 

 因みに俺は向こうにいる――

 

 

 

「ほらギャスパー。俺には時間停止が効かないんだから、俺の事は気にせずボールだけを止める事に集中しろ」

 

「ぐふぅぅぅぅ……。リュ、リューセー先輩……ぼ、僕もう疲れましたよぉぉぉぉ」

 

「ほら、君が頑張らなければ克服出来ないんだ。いつも以上に頑張れ」

 

「は、はいぃぃ……。そ、それはそうとリューセー先輩……何であそこにもう一人のリューセー先輩がいるんですかぁ?」

 

「それは気にしなくていいから、自分のことに集中しろ」

 

 

 

 ――ギャスパーの修行にも付き合っていた。

 

 あそこにいる俺は分身拳を使った俺だ。

 

 流石に俺一人でイッセーとギャスパーの修行を同時にやるには無理だったので、修行をやる前に分身拳を使って二人となった。

 

 俺が二人いる事にギャスパーはずっと疑問視してたが、修行優先させる為に一先ず気にさせないようにした。

 

 で、修行方法は俺がギャスパー目掛けて投げるボールを宙で止める、と言うやり方だ。

 

 因みにコレは俺じゃなくイッセーが提案した修行方法だ。念の為に理由をイッセーに訊くと、動いてる対象物を即座に時間停止させる為だと。

 

 一応、理には適った理由なので取りあえず了承した俺は実行する事にした。加えてイッセーから早く時間停止を自在に使えるようにして欲しいという要望もあった。しかも凄くスケベな顔をしながら言ってたし。

 

 それを見た俺はある事に気付いた。ギャスパーが時間停止を自在に出来るようになったら、イッセーは絶対良からぬ事に利用する事に。アイツの事だから、女子の動きを止めてセクハラするんじゃないかと思う。

 

 俺がいる以上そんなバカな事はさせないが、もしやったらイッセーには“アルバイト”を強制的にやらせる。アルバイトといってもとある店で一週間働いてもらうだけだ。ローズさんがいるオカマバーのバイトを、な。

 

 あそこにはローズさんの他に、オカマ化した堕天使ドーナシークやオカマの従業員がいる。そんな場所に女の子が大好きなイッセーをオカマバーに放り込んだらどうなるか、もう容易に想像出来るだろう。

 

「そこのもう一人の兄貴! 何か途轍もなく恐ろしい事を考えてねぇか!?」

 

 俺によって吹っ飛ばされたイッセーは悪寒が走ったのか、すぐに目覚めて向こうにいる分身の俺に向かって怒鳴ってくる。

 

 こう言う時に限っては勘の鋭い奴だ。ま、お前がギャスパーを良からぬ事をしたらの話だから今はまだ安心しておけ。

 

 そんなこんなで、俺は引き続きイッセーとギャスパーの修行相手をするのであった。

 

 そのついでに――

 

「ずるいぞイッセー! 隆誠先輩に剣術の特訓まで受けてるなんて!」

 

「リューセー先輩! 剣術の修行をするんでしたら僕も誘ってください!」

 

 俺がイッセーに剣術を教えてるところを目撃したゼノヴィアと祐斗が揃って抗議してきた。

 

 全く。本当に俺は毎回の如く、向上心のある後輩達に修行をせがまれるな。

 

 

 

 

 

 

 修行を行った数日後の深夜。ついに三大勢力のトップ会談の日が訪れた。

 

 兵藤兄弟――もとい家族の今後の人生が掛かっている会談でもある為、俺は人間代表として参加する事となっている。

 

 人間代表の俺はイッセーやリアス達より一足先に会場にいて、既に三大勢力のトップと顔を合わせていた。因みに会場とは駒王学園の新校舎にある職員会議室だ。

 

「よく来てくれたね、隆誠くん」

 

「リューセーくん、今日はよろしくね☆」

 

「兵藤隆誠さま、ようこそおいでなさいました」

 

「この前の公開授業以来ですね、皆さん」

 

 悪魔側の魔王サーゼクスと魔王セラフォルーは笑顔で挨拶し、給仕係のグレイフィアは一礼する。

 

「よう、おまえさんが兵藤隆誠か。赤龍帝から色々と聞かせてもらったぜ」

 

「…………」

 

「………どうも。俺の弟が世話になったようで」

 

 堕天使側の総督アザゼルが意味深な挨拶をし、アザゼルの背後に控えてる白龍皇ヴァーリは相変わらず俺に好戦的な笑みを浮かべていた。

 

「先日はお付き合い頂きまして感謝します、兵藤隆誠くん」

 

「いえいえ、お気になさらず」

 

 天使側のミカエルは前と変わらず柔らかな笑みを浮かべながら挨拶をする。

 

 この場にいる全員が俺を注視しているから、少し居心地が悪い。久々の(まつりごと)だから、少し緊張するよ。

 

 最大勢力のトップは全員装飾が施された衣装に身を包んでいるが、俺だけは駒王学園の制服のままだ。場違いだと思われるだろうが、今の聖書の神(わたし)は学生だから、この制服が正装だから仕方ない。

 

 因みに今の制服は夏仕様だが、今日はトップ会談をやる為に敢えて冬服にしている。こう言った会談くらいはブレザーとネクタイをしないとダメだからな。

 

「では隆誠くん、そこの席に座りたまえ」

 

 そう言ってサーゼクスは豪華絢爛なテーブルの近くにある椅子を指す。その椅子以外にはサーゼクス、セラフォルー、ミカエル、アザゼルが囲むように座っていた。

 

 本当に俺を人間代表としての扱いをしているな。てっきり発言をするまで控えさせるかと思ってたが、そうでもないらしい。

 

「では」

 

 サーゼクスの言うとおりに俺が椅子に座る。何の気兼ねもなく座る俺を見たアザゼルが、愉快そうな感じで話しかけようとする。

 

「ほう。俺たちを前にしても大して緊張はしてないようだな」

 

「こう見えても緊張はしてますよ」

 

 俺の正体が聖書の神(わたし)である事がバレないように、な。

 

 返答を聞いたアザゼルは面白そうな感じで更に話しかけてくる。

 

「なあ、兵藤隆誠。既に赤龍帝から聞いてると思うが、よかったら俺のところに――」

 

 すぐさま俺を勧誘してくるアザゼルだったが――

 

「アザゼル、会談が始まってもいないのに彼を勧誘するのは止めてもらおうか」

 

「それはルール違反よ☆」

 

「全くその通りです、アザゼル」

 

 サーゼクスとセラフォルー、ミカエルが揃って駄目出しをされてしまう。

 

 三人からの駄目出しにアザゼルは面白くなさそうな顔をする。

 

「何だよお前ら、揃いも揃って。そういうお前らだって、コイツを自分側に引き入れたいんだろ?」

 

「否定はしない。だが、私の前で友人である隆誠くんを勧誘するのは少々頂けなくてね」

 

 それってつまり、妹を愛する同志としての意味かな?

 

「友人、ねぇ。自分の仲間だという意思表示のつもりか?」

 

「それは違う。あくまでプライベートでの友人だ。彼とは色々と馬が合うところがあるから、友人として接している」

 

「お前さんがそこまで言うとは……そっちの上層部が知ったら卒倒ものだな」

 

「それはそちらが気にすることではないよ、アザゼル」

 

 ………同志サーゼクスよ、さり気なく俺とアンタが友人関係である事をバラすなよ。

 

 そりゃ確かに、妹談議で馬が合うのは認めるよ。でもだからってアザゼルと張り合うのはちょっと……。

 

「兵藤隆誠くん、先日に授けたアスカロンは問題ありませんか?」

 

 今度はミカエルが俺に問い掛けてきた。

 

「ええ、問題なく使えてますよ」

 

「それは何よりです。そういえば、この前に見せて頂いたあの槍ですが」

 

 あ、やっぱりミカエルは『聖槍(ホーリーランス)』が未だ気になってるみたいだ。

 

 試したとは言え、ちょっと失敗したか?

 

「槍だと? 何だよミカエル。セラフであるお前がソイツの武器に興味あるなんて珍しいな」

 

「あなたには関係のない話です、アザゼル」

 

 さり気なくアザゼルに毒を吐くミカエルに俺は内心苦笑する。

 

 どうやらミカエルは相も変わらずアザゼルに対していい感情を抱いてないようだ。この二人は幼少時代の頃からよく喧嘩してたからなぁ。

 

 そんな中、突然ドアからコンコンとノックする音が聞こえた。

 

「失礼します」

 

 扉が開くとリアスとリアスの眷属たち、ソーナと真羅、そして人間のイッセーとアーシアが会議室に入ってきた。見ると小猫とギャスパーがいない。

 

 理由は知ってる。未だに神器(セイクリッド・ギア)を使いこなせないギャスパーが、何らかのショックで会談中に迷惑を掛けたら大変な事になるからだ。その為にギャスパーは留守番で、小猫はギャスパーの付き添いにより欠席だ。

 

 彼女達が入室した事に、さっきまで話していた雰囲気が無くなって静寂に包まれ、全員真剣な面持ちとなった。

 

「紹介する。私の妹のリアスと、その眷族だ」

 

「あと私の妹のソーナちゃんと、その眷族の椿姫ちゃんよ☆」

 

「そして俺の弟である赤龍帝のイッセーと、妹分のアーシア・アルジェントです」

 

 俺たちの紹介に、リアス達はそれぞれ会釈する。

 

 リアスやソーナたち悪魔側はサーゼクスとセラフォルーの背後に移動し、人間のイッセーとアーシアは俺の後ろへと移動する。

 

「これで参加者は全員揃った。それでは会議を始めよう」

 

 全員が入室したのを確認したのか、サーゼクスの発言によって会談が始まった。




やっとトップ会談まで進みました。
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