ハイスクールD×D ~復活のG~   作:さすらいの旅人

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久々に書いた為に、いつもより短いです。

あと今回もフライング投稿させてもらいます。


第四十二話

「この時を待ち望んでいましたよ、兵藤隆誠。私の愛するエリーを奪ったあなたを漸く殺せるのですから」

 

「………俺は別に奪っちゃいないんだがな」

 

 何となく予想はしてたが、エリーの兄――ラディガンと言う男はシスコンのようだ。

 

 最愛の妹とか愛するエリーとか言ってるから、コイツがどれだけエリーを愛しているのかがよく分かるよ。

 

「いいえ、奪いました。あなたがエリーに会わなければ、私はあんな悍ましい台詞を聞くことがなかったのですから」

 

「悍ましい?」

 

 エリーの奴、コイツに一体何を言った? 悍ましいって言うからには――

 

「エリーが『人間のあなたを一人の男として愛しているから結婚する』と言われて、私の中で何かが壊れましたよ」

 

 ――兄に俺との結婚宣言してたのかよ。勝手に決めないで欲しいよ、全く。

 

 エリーの勝手な発言に呆れてる俺だったが、ラディガンの話はまだ続いていた。

 

「当然、私は反対しました。ですがエリーは一切聞き入れず、有ろうことか兄の私とはもう二度と閨で愛し合わないと言われる始末。私だけの愛しい顔と可愛い声、美しい身体が初めて私を拒んだ! そして、ずっと私を愛していると言っていたエリーが、あんな、あんな信じられない事を言った為に私は発狂しそうになった……! これで分かりましたか、兵藤隆誠!? 私は、私はたった一人の大事な妹であるエリーをあなたに奪われたんですよ!? この苦しみ、あなたに分かりますか!?」

 

『…………………』

 

 奴の発言に俺だけじゃなく、この場にいる全員が言葉を失っていた。

 

 ………おいおい、エリーは俺に会う前までは兄と近親相姦してたのかよ。いくら悪魔だからって実の兄妹でソレはアウトだろ。普通の恋愛をしろよ。因みにグレイフィアは何故か俺に同情するような視線を送っていた。

 

 ってかコイツ、サーゼクスとは全く別の意味でのシスコンだ。その当人は頬が引き攣っているし。いくら妹のリアスを愛してるサーゼクスでも、流石に恋愛感情までは持ってないからな。

 

 にしてもエリーの奴、何から何まで傍迷惑な事ばっかりしてるな。第一俺は了承なんてしてないのに、勝手に結婚宣言なんかするなよ。その所為で俺は兄に逆恨みを受ける事になってるし。

 

「……取り敢えず、アンタが俺を恨んでる理由は分かった。けどなぁお兄さん、俺はアイツと結婚なんて――」

 

「これから私に殺されるというのに、気安く義兄(あに)と呼ばないで下さい。私はあなたを義弟(おとうと)などと断じて認めませんから」

 

「んなこと言ってないっての。そもそも俺はお宅の妹と会ったのは――」

 

「兄の私に対する当てつけですか? エリーとの馴れ初めなら結構です」

 

「人の話を聞けよ!」

 

 俺が怒鳴るもラディガンは無視するように聞き流していた。

 

 ダメだコイツ。妹のエリーと同じく自己中心的で俺の話を全く聞こうとしない。アルスランド家の悪魔は人の話を聞かない一族なんだろうか。

 

「ったく、エリーだけじゃなくコイツもかよ……」

 

 ラディガンに説得が通じないと分かった俺は諦めるように嘆息し、奴と戦う事にした。正直言って気は進まないけど、奴の狙いは俺だから相手せざるを得ない。

 

 益してや奴はそこら辺の悪魔と違ってかなりの力を感じる。もしかしたら最上級悪魔クラスのエリー以上かもしれない。

 

「サーゼクス様、奴は俺が相手をします」

 

「……ラディガンくん、カテレアと同様に降るつもりはないんだな?」

 

「勿論です。ですが、貴方様の手で兵藤隆誠をこの場で消して頂けるのなら考え直します。如何でしょうか、現魔王サーゼクス・ルシファー様?」

 

 俺が魔王サーゼクスに殺されれば投降するか。アイツ、随分と上から目線な要求をするんだな。

 

 ラディガンの要求に魔王サーゼクスの返答は――

 

「悪いが隆誠くんは私の大切な友人だ。それは受け入れられないよ、ラディガンくん」

 

 明確な拒否だった。

 

 しかしラディガンは予想していたのか、魔王であるサーゼクスに対して残念そうに嘆息する。

 

「それは非常に残念です。サーゼクス様はご自身の妹を愛してると聞きましたので、同志である私の気持ちを理解してくれると(いち)()の望みをかけたのですが」

 

「……出来れば君と一緒にしないで欲しいね」

 

 ラディガンの台詞にサーゼクスが眉を顰める。実の妹に手を出してる変態悪魔と同志なんて思いたくないんだろう。尤も、それは俺も同じだ。

 

「勝手にサーゼクス様を同志扱いするな、変態悪魔。それはそうと、お前は俺の相手をするんだろ? さっさと始めるぞ」

 

「………良いでしょう」

 

 俺の台詞を聞いてラディガンは本来の目的を思い出したかのようで俺に狙いを定める。

 

「よろしければ僕も加勢します」

 

「悪魔相手ならこのデュランダルで対抗できるぞ、隆誠先輩」

 

 俺が前に出ると、祐斗とゼノヴィアも獲物を持ち構えながら後に続く。

 

 すると、二人を見たラディガンが詰まらなそうな表情をする。

 

「確か報告であった聖魔剣使いと聖剣使いですか。生憎ですが、私はあなた達のようなザコに用はありません。お引取り願います」

 

「「っ!」」

 

 ザコと呼ばれてカチンと来た祐斗とゼノヴィアだったが――

 

 

 ゴウッ!

 

 

「兵藤隆誠の足手纏いになる事が理解出来ないのなら、死と言う名の授業料を払ってもらいますよ?」

 

 ラディガンの全身から凄まじい魔力と殺気があふれ出した事により、二人は萎縮してしまう。実力差があるとは分かってはいても、奴があそこまでの強さがあったとは思いもしなかったんだろう。

 

「二人とも下がれ。奴の魔力を感じるだけで恐らくエリー以上だ」

 

 ラディガン相手に今の二人では分が悪すぎる。多分その気になれば、祐斗とゼノヴィアが攻撃する前に瞬殺出来るだろう。

 

「加勢してくれるのは嬉しいが、気持ちだけ受け取っておくよ。二人はサーゼクス様達の護衛を頼む」

 

「「……………」」

 

 役に立てない事に二人は落ち込んだ様子を見せながら下がっているので――

 

「この件が済んだら、数日限定だが君達の修行に付き合うのを約束するよ」

 

「「っ! はい!」」

 

 俺が修行相手をすると聞いた瞬間、凄く嬉しそうな顔で返事をした。現金なことで。ま、修行でやる気出してくれるならそれはそれで良いけどな。

 

 さて、奴と戦うなら少し場所を変えたほうがいいな。サーゼクスとミカエルが結界で覆ってるとは言え、ここで闘ったら時間停止してるアーシア達に被害が及ぶ可能性は充分にある。それだけは避けないとな。

 

「場所を変えるぞ。お前もエリーと同様、誰かに横槍は入れられたくないだろう?」

 

「どうぞお好きなように。こちらとしても好都合です」

 

「お待ち下さい」

 

 向こうの返答を聞いた俺はすぐに浮遊しようとすると、突然ミカエルが割って入ってきた事にラディガンが眉を顰める。

 

 無論、ラディガンだけでなくサーゼクス達もミカエルの行動に驚くように目を見開いていた。

 

「一体何の真似ですか? 天使のトップである貴方が我々の戦いに介入するとは、随分らしくない行動ですね」

 

「それは充分に自覚しています。ですが、こちらとしては兵藤隆誠くんの身にもしもの事が遭ったら困りますので、誠に勝手ながら私も参戦させていただきます」

 

 神の記憶と力を受け継いだ俺が死んだら困るってか?

 

 俺の作り話とは言え、相変わらず聖書の神(わたし)関連の事となると目の色が変わるな。

 

 確かにこの場でミカエルが加わるなら勝率はグンと上がる。だけどミカエルには悪いが下がってもらう。コイツと共闘したら後々面倒な事になってしまうからな。

 

「ミカエル様、奴は俺に任せて下さい。天使長が参戦したら部下達や教会に示しがつきませんよ」

 

「ですが……」

 

 心配性なところも変わってないな、コイツは。

 

「ご心配なく。俺はそう簡単にやられはしませんので。貴方のその心配性は、小さい頃から全く変わってないみたいですね」

 

「………え?」

 

 ミカエルがポカンとするように呆けるのを気にせず、俺は場所を変えるために飛翔した。俺が飛んだのを見たラディガンも後を追うように付いていく。

 

 新校舎のグラウンドから体育館の上空まで進んだのを確認した俺はすぐに止まると、ラディガンも同様に止まる。

 

「じゃあ始めようか、ラディガン・アルスランド。エリーには悪いが――」

 

「先ほどから黙って聞いてれば……」

 

「ん?」

 

「人間風情が私の前で妹のエリーを気安く愛称で呼ぶなぁぁ~!!」

 

 何の前触れもなく一瞬で俺に接近してきたラディガンが、魔力を纏った拳で俺の顔面に攻撃をしてきた。

 

「ちょっ!?」

 

 

 ガシィッ!

 

 

 当然、俺はすぐに奴の手首を掴んで攻撃を阻止する。

 

「おいおい、いきなり攻撃するのかよ。エリーと違って戦いの礼儀がなってないな、アンタ」

 

「黙れ! 私の愛しい愛しいエリーを奪った貴様に、そんな事を言われる筋合いはない!」

 

 急に性格が変わったな。どうやらコイツは冷静沈着な反面、エリーの事となるとかなりの激情家のようだ。

 

「殺してやる! 貴様だけは絶対にこの手で殺してやる!」

 

 

 ゴウッ!

 

 

 全身から凄まじい魔力を解放するラディガン。予想通りと言うべきか、コイツの魔力は最上級悪魔クラスの実力者……いや、もしくは魔王級に匹敵するかもしれない。

 

「……ったく、お前ら兄妹は揃いも揃って……自分勝手な兄妹だな!」

 

 

 ドンッ!

 

 

「何っ!?」

 

 俺も負けじと即座にオーラを開放した事により、ラディガンは予想外と言うように驚愕していた。

 

「バカなっ! 人間風情が何故そこまでの力を持っている!?」

 

「お前等は人間を嘗め過ぎだよ。人間だってその気になれば、悪魔を滅ぼす力を得ることだって出来るんだよ!」

 

 

 

 グゴゴゴゴゴッ!!!

 

 

 

 俺のオーラとラディガンの魔力が激突して、嵐のような烈風が吹き荒れる。

 

『うわぁぁあああ~~!!』

 

『きゃぁぁあああ~~!!』

 

 激突する力と力で、近くにいた魔術師達が巻き添えを食らい、そのまま吹っ飛ばされていく。

 

 だが俺達は魔術師達の事など気にせず、お互い対峙してる目の前の敵に集中している。

 

「見せてやるよ、ラディガン・アルスランド! 人間の底力ってやつをな!」

 

「ほざけ! 貴様は楽に殺さんぞ、兵藤隆誠! エリーの目を覚まさせる為に、貴様が如何に弱者であるかをじっくりとなぶり殺しにしてやる!」

 

「エリーに嫌われてもいいならやってみろ! 尤も、既に愛想をつかされてるアンタにエリーが振り向くとは思えないがな!」

 

「黙れ! 私のエリーを知った風な口を叩くな!」

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