ハイスクールD×D ~復活のG~   作:さすらいの旅人

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久しぶりの投稿です。


第四十八話

「でぇい!」

 

「はああっ!」

 

 

 ドンッ! ドガッ! バキィッ! バァァンッ!

 

 

 赤龍帝(イッセー)白龍皇(ヴァーリ)の本格的な戦いが始まって、15分以上経とうとしていた。

 

 両者は自身のパワーとスピード、そしてオーラを最大限に引き出している。その為、周囲にいる魔術師達は二人の戦いの余波で完全にとばっちりを受けて壊滅、と言うより全滅していた。原因を作ってる二人はソイツ等の事など微塵も気にしていないがな。嘗て世界に多大な迷惑を掛けた二天龍にそっくりだ。

 

「アイツ等を見てると昔を思い出すな。そう思わないか、アザゼル?」

 

「……まぁ、そうだな」

 

 近くにいたアザゼルに話しかけると、向こうは俺を警戒してるようで若干の間がありながらも返答する。

 

「それにしても驚いたぜ、聖書の神。まさかアンタが――」

 

「悪いが、その話はアイツ等の戦いが終わってからにしてくれ。私の正体がバレた以上、もう誤魔化したりしない。後でちゃんと全て話す。勿論、そちらにいる方々にもな」

 

 問い詰めようとするアザゼルに俺は待ったを掛けながら、こっちへ近づいて来てるサーゼクス達にも言う。

 

 けれど、俺の台詞を無視するように更に近づいてくる天使――ミカエルがいた。

 

「神よ……無礼は承知の上ですが、これだけはお教え下さい。生きていらっしゃったのでしたら――」

 

「どうしてお前達にも黙っていたんだ、だろう?」

 

「……はい」

 

 俺が繋げて言うと正解だったのか、ミカエルは俯きながら足を止めて頷く。

 

「理由は色々あるが、敢えて言うなら……聖書の神(わたし)の死で中断した嘗ての戦争を、三大勢力(おまえたち)が抱えてる不満分子達によって再開させたくなかったからだ」

 

 心当たりがあると言う顔をしている三大勢力のトップ達は何も言い返そうとはしなかった。

 

 

 

 

 

 

(ヴァーリの奴、一体どう言うつもりだ?)

 

 本格的なガチバトルをやって二十分以上経つも、俺――兵藤一誠とヴァーリはずっと攻防を繰り広げている。お互いにパワーとスピードは衰える事もなくな。

 

 だが俺は徐々に疑問を抱き始めていた。理由はヴァーリの戦い方だ。アイツはさっきから神器(セイクリッド・ギア)の能力を使う様子を全く見せてない。まるで俺の戦い方を合わせてる感じだ。

 

 俺が拳と脚だけでなく闘気(オーラ)弾を撃つと、向こうもソレに合わせるよう撃って反撃してくる。パワーにはパワー、スピードにはスピード、と対抗するように。

 

「ククク……。禁手(バランス・ブレイカー)に至ってないキミがここまで強いとは思わなかったよ。正に驚異的と言ってもいいほどだ」

 

「そいつはどうも」

 

 俺の疑問を他所にヴァーリは本心でそう言ってきた。

 

「正直言ってこの楽しい闘いをまだ続けたいが、そうも言ってられない。俺としては不本意だが、ここは早々に決着をつけさせてもらう」

 

「何だと?」

 

 俺と戦う以外にもやる事があるってか? マジでふざけた奴だな。

 

 内心顰めてると、ヴァーリは俺を受け入れるように手を伸ばしてくる。

 

「一応訊いておこう。どうかな兵藤一誠、良かったら俺と一緒に禍の団(カオス・ブリゲード)へ来ないか? キミの力ならオーフィスも歓迎してくれる。益してや赤龍帝であるキミなら尚更だ」

 

「ジョーダンじゃねぇ。俺がそんな申し出を本気で受けると思ってんのか?」

 

 禍の団(カオス・ブリゲード)に入る気なんか微塵も無いが、もし俺が入ったら兄貴に一から徹底矯正されるのが目に見えてる。それに大事な家族やアーシア、部長達を見捨てる事なんか絶対出来ねぇ。

 

「だろうな。そう言うと思っていたよ。もしキミが俺と一緒に行くと言った瞬間に失望していたところだ」

 

「分かってんなら、んなこと訊くな」

 

 俺の返答を予測していたのかヴァーリはガッカリした様子を見せないどころか、逆に嬉しそうだった。俺の宿敵(ライバル)であるなら断って当然みたいな感じだ。

 

「さて、キミの返答を聞けたところで戦いを続けるとしよう。と言っても、今回の勝負は俺の勝ちで終わるが」

 

「どうかな? 俺はそう簡単に負けはしねぇ。あと勝負ってのは最後までやってみなけりゃ分かんねぇぞ」

 

「大した自信だな。だが俺はもう気付いているぞ。キミは全力で戦う素振(そぶ)りを見せておきながら、まだ奥の手を出していないだろう? コカビエルに使った『龍帝拳』という奥の手を」

 

「……バレてたか」

 

 ヴァーリの言うとおり、俺はまだ龍帝拳を使ってない。アイツがどこかで油断した隙を突いて使おうと思っていたが、中々見せないから攻めあぐねていた。

 

 龍帝拳は身体に負担が掛かる技だから、なるべくここぞと言う時に使うものだ。だけど今のヴァーリは戦いを楽しんでいながらも、俺の行動をかなり警戒してるから使うに使えない。

 

「その奥の手を考えに入れても俺の計算では……『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』を使わずとも、今の俺の全力だけでキミを簡単に倒せる」

 

『何だと!?』

 

 ヴァーリの発言に俺の中にいるドライグが驚愕していた。

 

 おいドライグ、確かジャガーノートドライブって兄貴から聞いたアレの事か?

 

『……ああ。相棒も知ってのとおり、「覇龍(ジャガーノート・ドライブ)」は赤龍帝(おれ)白龍皇(しろいの)の力を完全に解放した状態。だがソレを使えば生命力を著しく削り、最悪死ぬ恐れがある。死と隣り合わせの諸刃の剣と言っても過言じゃない』

 

 だが、とドライグは更に続けようとする。

 

『ヴァーリ・ルシファーが使えるならば即ち、奴にはソレを制御出来る程の力があると言う事だ』

 

 マジかよ。それってつまりかなりヤバイんじゃねぇ?

 

 ……だけど、あくまで『覇龍(ジャガーノート・ドライブ)』を使ったらの話なんだろ? それを使う前に阻止すれば勝機はあるんじゃねぇか?

 

『だといいがな』

 

 ハッキリと答えようとしないドライグに俺は少しばかり不安感を抱きつつも、すぐに頭を切り替えてヴァーリの方へ意識を向ける。

 

「テメェの今の全力だけでも俺を簡単に倒せる、か。いくらなんでもハッタリをかませ過ぎだろ」

 

「それはどうかな?」

 

 ゆっくりと構えるヴァーリに対して、俺はいつでも動けるように即行で構える。

 

 構えてから数十秒以上経っても俺は動かなかった。いや、動けないといった方が正しいか。

 

 さっきからヴァーリに仕掛けるタイミングを探っているんだが、思うように行けない為に動けない。

 

 ………………………コイツ、マジでハッタリじゃねぇ……!!

 

 そう思った直後――

 

 

 ドンッ!

 

 

 一瞬で接近したヴァーリが俺の顔面に肘打ちをかましてきた。

 

「くっ!」

 

 それを受けた俺は軽く吹っ飛びながらも体勢を立て直そうとする。攻撃を受けたせいで鼻血が出てしまうも、俺は大して気にせず手で拭う。

 

 ってか、何てスピードだよ。今のは全く何も見えなかったぞ……!

 

「……ふっ」

 

 俺が戸惑ってる様子にヴァーリは気にせず――

 

 

 フッ!

 

 

 超スピードで俺の背後を取っていた。

 

 今度は分かっていたから俺は迎撃しようと即座に振り向く。

 

Divide(ディバイド)!』

 

 白龍皇の宝玉から音声が聞こえた瞬間、俺の力が消失してしまった為に攻撃する事が出来ず――

 

 

 ズンッ!

 

 

「ぐふっ!」

 

 そのまま俺の腹部にヴァーリのパンチをモロに喰らってしまった。

 

 アレは確か、相手の力を半減させる神器(セイクリッド・ギア)だ。この場面で使うのは分かってたのに!

 

『Boost!』

 

 けれど、俺の神器(セイクリッド・ギア)も発動した為に力は元に戻った。すぐに反撃するもヴァーリはアッサリと躱して距離を取る。

 

「あ……あぐぐ……!」

 

「だから言っただろう? 今の俺の全力でもキミを簡単に倒せると」

 

 攻撃を受けた腹部を片手で押さえながら悶える俺に、ヴァーリは淡々と事実を告げる。

 

 生憎、俺は諦めが悪いんだ。事実を告げたところで簡単に参ったりしねぇんだよ!

 

「だあっ!!」

 

「フッ」

 

 俺が接近して回し蹴りをやるも、ヴァーリはすぐに上昇しながらお返しと言わんばかりに蹴りを喰らわせた。

 

 その蹴りはかなり勢いがあった為、それを受けた俺はそのまま地面に激突しながら倒れてしまう。

 

「ぐ………ちぃっ!」

 

 倒れてた俺は勢いを利用して即行で立ち上がるも、ヴァーリはゆっくりと降下して地面に着地する。

 

「はぁっ……はぁっ……」

 

「息が切れはじめたようだな。だが、それでもまだ立ち上がるとは驚いたよ。さっきまでの攻撃は上級悪魔を一撃で倒せる威力だったんだが」

 

 

 

 

 

 

 不味いな。隠していた実力にここまで差があり過ぎたとは……。

 

「やはり今のイッセーではヴァーリに勝つのは無理、か」

 

『!』

 

 俺の発言を聞いたリアス達がすぐに反応した。

 

「え、えっと……」

 

 すると、リアスが俺に何か言おうとするが何かを躊躇った様子を見せる。話しかけても大丈夫なのかと恐れている感じで。

 

「リアス、普通に“リューセー”って呼んで構わないぞ。ついでに敬語も不要だ。今までどおりの喋り方で話してくれ」

 

「……ほ、本当に良いの?」

 

「ああ。と言うか、寧ろそうしてくれ。あと祐斗達も同様にな。ってな訳でミカエル、余計な口出しはしないでくれよ?」

 

「は、はぁ……分かりました」

 

 ミカエルに念を押したのを見たリアスは勇気を振り絞るように話しかけようと決意する。

 

 因みにゼノヴィアは話しかけようとしないどころか、真っ青な顔をしたまま俺から距離を取っている。何を考えてるのかは大体想像は付くが、取り敢えず後回しにしよう。

 

「それでリアス、何が訊きたいんだ?」

 

「その……イッセーの赤シャツに重さを施しているんじゃないかと思って」

 

「ああ、ソレか。もうとっくに解除してるよ。いまイッセーが来てる赤シャツはただ丈夫なだけで重くはない」

 

「そ、そう……」

 

 会談で何かしらのトラブルが発生したら即座に全力で動けるように、俺が学園に来る前に解除しておいた。それ故にイッセーは何の枷もない。

 

 俺の返答を聞いたリアスは不安そうにヴァーリと戦ってるイッセーを見ようとする。

 

「大丈夫です、部長。イッセーくんがヴァーリに勝てる方法はあります」

 

「え?」

 

「例の龍帝拳の事を忘れていませんか? 今のイッセーくんでしたら、リューセー先輩との修行で3倍以上は出せるかと」

 

「っ! 確かにそれなら……!」

 

 失念していたと急に喜ぶリアスだったが――

 

「残念だったな、祐斗。いまイッセーが使っているのがその龍帝拳だ。もうついでに5倍まで引き出している」

 

「「なっ!」」

 

 俺が事実を言った途端、リアスだけじゃなく祐斗や小猫も驚愕していた。




あと数話で完結出来れば良いんですが……はたしていつ出来るのやら……、
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